日本ガイシ株式会社

しまむら・あやか●セラミックス事業本部 産業プロセス事業部 営業部 東京営業所。立命館大学国際関係学部国際関係学科卒業。2012年入社。大学時代にカナダへ留学し、日本製品の高い技術力を賞賛する各国の友人と出会う。それをきっかけに日本製品を海外に広げていく仕事に就きたいと、独自の技術力を持つメーカーを中心に就職活動を行い、日本ガイシに入社を決めた。

世界に誇れるメイド・イン・ジャパンの製品に携わりたかった

世界各国の自動車メーカーに採用されている、排ガス浄化フィルター部品として欠かせないハニカムセラミックス「ハニセラム」や、世界シェアトップクラスの、電力エネルギーを安全に届ける碍子(がいし)(※)の製造など、独自のセラミックス技術で信頼性の高い製品を世に送り出している日本ガイシ。

(※)電柱や鉄塔などで使われる電線とその支持物とのあいだを絶縁するために用いる器具。高圧電流が流れこむのを防ぐ

 

独自の技術を持つメーカーという軸で就職活動をしていた島村さんは、「世界シェアトップ」「オンリーワン技術」というキーワードで会社を探していたところ、日本ガイシを知ったという。

「日本製品の技術に注目するようになったきっかけは、大学時代に留学していたカナダで、日本製の家電やトイレなどを『品質が素晴らしい』と絶賛する各国の友人に出会ったことでした。遠く離れた国で、技術力を通じて日本を褒められたのがうれしくて、世界に誇れる技術を、国内外に広める仕事がしたいと思うようになったんです。採用面接を受けていく中で、日本ガイシの技術力の高さを知るようになり、内定を頂いた時は即決しました。独自の技術を持っているため価格競争に陥りにくいのではないか、という点も、法人営業志望の私には魅力でしたね」

 

入社すると、名古屋市瑞穂区の工場で2カ月間の現場研修を経験。島村さんは、自動車の排ガスをきれいにするフィルター「ハニセラム」を作る生産ラインに入り、1日中、作業服を着て、ハニセラムの重さや形状をチェックする役割を担ったという。砂状のセラミックスを固めて形にし、巨大電子レンジのようなヒーターを通して乾燥させ、最後は窯(かま)で焼いていく。徐々に暑くなってくる4、5月の工場内で1日中立っているため、体力的には非常にハードな現場だったという。

「現場の工場スタッフが話している用語を理解することができず、わからない単語をメモしては調べる毎日。きつかったけれど、現場で“モノを作る”ことの大変さと大切さを学べたことはとても貴重な経験でした。小さな不具合が生じて機械が止まり、生産ラインが10分でも止まってしまうだけで、製造計画が大幅にずれていってしまう。“作る”ことは、とても責任のある仕事で、機械が動き、生産ラインに立って滞りなく動いているか製造状況を確認する人たちがいなければ、何も始まらない。そんな当たり前のことを教わりましたね」

 

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現在の営業部では、お客さま先で水処理装置についてプレゼンテーションすることも。入社4年目になり、設備に関する技術的な質問にもすぐに答えられるようになった。

 

海外案件を乗り切った経験が、自信を与えてくれた

工場での研修を経て配属されたのは、各種製品の製造プロセスで使用される機器や装置を扱うセラミックス事業本部 産業プロセス事業部。入社4年目の現在まで一貫して、医薬品メーカーや食品会社に向けた医薬用の水処理設備やセラミック膜ろ過装置の営業を担当している。

「医薬品メーカーには、目薬や注射剤など、水道水よりはるかに純度の高い水で製造しなくてはいけない製品が数多くあります。そこで、医薬品メーカーの製造工場に、日本ガイシの水処理装置を設置させていただき、水道水から塩素、微粒子、イオンを取り除き、精製水、注射用水と呼ばれる水を作っていくんです。エンドユーザーは医薬品メーカーですが、製造工場を設計、建設するゼネコンやプラントエンジニアリング会社がお客さまになることも多くあります。1年目は先輩に同行し、打ち合わせ先でメモをとるのに必死…。お客さまとの会話では、10年前に設置した水処理装置の話が出てくることもあり、同じ製品を使い続けていただくためには長期にわたる人間関係が大事な世界なのだと実感することも多かったですね」

 

2年目になると、40社ほどの企業を担当し、「新しくできる工場に装置を入れてほしい」といった新規ニーズや、既存装置のフィルター交換、部品交換といったメンテナンス業務の営業を1人で担当するようになる。打ち合わせは、ゼネコン、プラントエンジニアリング会社の設計部や工場の生産技術部のエンジニアが相手になるため、担当したばかりのころは「質問に答えられなかったらどうしよう」とびくびくとしていたと笑う。

「導入する装置の詳細については、当社からも技術者が同行しすり合わせをしていくものの、装置について営業が無知では話になりません。どんな質問にも素早く的確に回答する先輩たちを見てきたので、早く知識をつけたい、自信をつけたいと焦りばかり感じていましたね」

 

大きなターニングポイントになったのは、入社2年目の冬。タイにある現地医薬品メーカーに対して、水処理装置のプレゼンテーションをする機会を与えられたこと。日本の医薬品メーカーがタイに新しい工場を建設することになり、その医薬品メーカーの担当営業だった島村さんが、そのまま海外案件を任されることになった。

「水処理装置の海外案件は年に1、2回あるかどうか。そんな重要な仕事を2年目の私に任せてくれることに喜びを感じる一方、プレッシャーが重くのしかかりましたね。英語で技術用語の一つひとつを覚えて質疑応答の練習を重ね、プレゼンテーション資料の作成で何度も残業しました。上司や技術者の方に全面的に協力していただいた上で、なんとかプレゼンテーションは無事終了。国内のプレゼンテーションでは経験したことがないほど厳しい質問も頂き、世界に出れば、私が入社2年目だとかはまったく関係なく、一人のプロフェッショナルとして見られているということを痛感しました。結果として、ヨーロッパのメーカーに価格面で負けてしまって…。グローバルな戦いにおいて、今後、高い技術力、品質の提供とコストダウンをどう調整していくのかという難しい問題にも直面することになりました。残念な結果ではありましたが、この案件を経験できたことで、『なんでも怖がらずにやってみればできる』という度胸と自信は、グンとついたように思います」

 

今後、海外案件にもっと携わっていきたいと話す島村さん。海外での売り上げを伸ばしている「ハニセラム」など、ほかの製品の担当営業になることも視野に、力をつけていきたいと意気込む。

「水処理装置は頻繁にメンテナンス対応が必要となるので、物理的にすぐ駆けつけられる国内ニーズが中心です。海外案件を多く手がけるという点では、海外ニーズの多いほかの製品を扱う事業部に異動することが現実的かもしれません。でもまずは、今の産業プロセス事業部でもっと力をつけ、どんな事業部においても『島村になら海外案件を任せられる』と言ってもらえるような人材になっていきたいですね」

 

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デスクでプレゼンテーション資料を作成。お客さまの納期に合わせたスケジュール案なども、工場の技術者とすり合わせた上で盛り込んでいく。

 

島村さんのキャリアステップ

STEP1 2012年 2カ月間の新入社員研修。名古屋市の工場で製造現場を経験(入社1年目)

名古屋市の工場で、ハニカムセラミックスの生産ラインに立つ。実際に現場を経験したことで、「設備がトラブルなく動くことがいかに重要であるか」を身をもって知った。「設備に不具合が起こると、製品の品質が悪くなったり、予定していた生産量が作れず、納期に間に合わなくなったりと、社内外に多大な影響を与えます。工場実習で、設備が問題なく動く大切さを知れたことは、その後の営業にもとても役立ちました。営業は新しい装置を売るだけでなく、既存装置のメンテナンスにも対応。今は、少しでも『設備の調子が悪い』と聞けば、技術者たちと連携をとって迅速に対応するなど、お客さまに大変な迷惑をかけないようにと先回りして動けるようになりましたね」。

STEP2 2013年 セラミックス事業本部 産業プロセス事業部で営業を担当(入社2年目)

医薬品メーカーの新工場建設などの情報は、新聞記事からキャッチしたり、ゼネコン、プラントエンジニアリング会社の担当者に建設計画についてヒアリングしたりと、より早くニーズをつかめるようアンテナを張っていた。「女性営業担当が少ないので、お客さまが珍しがってアポイントを受けてくださる…なんてことも少なからずあります。また、面談後や会食後、また注文をもらった時に担当者にお礼の手紙を書くなど、女性だからこそ恥ずかしさもなくできてしまうこともあります。私自身手紙を書くのが好きなこともありますが、受け取った人も喜んでくれますので営業ツールとしてうまく利用していますね」。

STEP3 2014年 新工場設立に伴う水処理設備の受注を手がける(入社3年目)

入社3年目の12月、某医薬品メーカーが新工場を造ることになり、その工場の建設を担うプラントエンジニアリング会社に設備導入を提案していた。医薬品メーカーは既存顧客だったが、実際の注文主となるプラントエンジニアリング会社のグループ会社に水処理設備会社があり、プラントエンジニアリング会社が自分たちのグループ会社に水処理設備を発注するのが自然だったため、社内の誰もが受注は難しいと思っていた。島村さんは医薬品メーカーの役員に直接会いに行き、日本ガイシを推薦してくれるようお願いし、また、プラントエンジニアリング会社には「実際に工場で設備を使われる医薬品メーカーさまにとって、使い慣れた日本ガイシの設備を導入した方がお客さまである医薬品メーカーにも喜んでいただけるはずです」と説得。トップセールスに奔走し、競合を抑えて、日本ガイシの受注を決めた。「『この案件、よく受注できたね』と上司にも言われ、私自身もやれることはすべてやりきった、と思える印象的な仕事になりました」。

STEP4 2015年 大手医薬品メーカー、ゼネコン、プラントエンジニアリング会社5社、東北、北陸エリアの企業を約40社担当(入社4年目)

所属する営業部の東京営業所の営業担当は4人。納期管理やスケジュール調整など、受注から設備の納品まで全工程の管理を営業が担う。東北、北陸エリアも担当しているため、出張が多く、「お客さまとおいしいお酒、ご飯を食べるのが大好き。お客さまとの距離が縮まっていくのもうれしい」と話す。

 

プライベート

8:30 出社。メールチェック、やることをリストアップして確認する。
10:00 グループ内ミーティング。担当している案件の進捗状況を所長およびほかの営業メンバーに報告し情報共有する。
11:00 神奈川県茅ヶ崎市にある工場と電話でやりとり。技術者にお客さまからの要望を伝える。
11:30 お客さまと交わす契約書内容について、契約書における法律にかかわることなど、確認したいことを法務部にヒアリング。
12:00 ランチ。お弁当を買って社内で食べることが多い。他事業部の女性メンバーと話して情報交換することも。
13:00 お客さまを訪問。打ち合わせに技術者が同席し、水処理装置の具体的な仕様についてお客さまとすり合わせる。その際、競合他社の金額や設計内容をヒアリングし、見積もりに反映させていく。
16:00 帰社。所長に打ち合わせ内容を報告。見積書の作成や、プレゼンテーション資料の作成を進める。
17:00 受注見込み案件の納期スケジュールについて工場のエンジニアに連絡。納期が厳しくなりそうな案件があれば、タイトスケジュールでも対応してもらえるよう受注の前に根回しをしておく。
19:00 退社。夕飯の材料を買って帰宅する。

プライベート

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2014年9月、東京営業所のゴルフコンペで群馬へ。社会人になって始めたゴルフは、お客さまとのいいコミュニケーションツールになっている。

 

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2015年のゴールデンウィークに大阪へ帰省。大学時代の仲間と兵庫県の城崎(きのさき)温泉に遊びに行った。帰省するたびに集まる大切な友人たちだ。

 

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2015年4月、仲良しの同期と千葉県船橋市にいちご狩りへ行った。関西から一緒に上京してきた同期で、共に会社の借り上げマンションに住み、パジャマで部屋を行き来するほどの仲。

 

 

取材・文/田中瑠子 撮影/刑部友康

 

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