ジョンソンコントロールズ株式会社

むらさわ・ふとし●ビルディングシステムズ 東京システム事業部。早稲田大学政治経済学部国際政治経済学科卒業。2013年4月入社。環境経済を学んでいたことから、省エネやスマートシティ(※1)に関心を持ち、ジョンソンコントロールズへ入社。説明会で、世界中のエネルギーの約40パーセントはビルで消費されていると知り、効果的に省エネに貢献できる同社のビジネスに魅力を感じる。また、就職活動時に接した面接担当者や上長、先輩社員が親しみやすかったことや、世界最大規模の環境エンジニアリング企業であることが現社への入社の決め手に。

(※1)環境技術やITなどの技術を駆使し、街全体の省資源化を実現した環境配慮型都市

設計部門での半年間が“自動制御の設計知識を持っている営業”という強みに

ジョンソンコントロールズは、電機式室内サーモスタット(温度を調整し、一定に保つための装置)の発明者であるウォーレン・ジョンソン教授によって1885年にアメリカで設立され、2015年で創業130周年を迎えるグローバル多角経営企業。ビルディングシステムズのほか、バッテリーや自動車用シート事業なども展開しており、世界150カ国、1300拠点に約17万人の従業員を抱える。同社のビルシステムソリューションは、学校、病院、商用ビルや工場などのほか、エンパイア・ステート・ビル(アメリカ)やペンタゴン(アメリカ国防総省 本部庁舎)など世界中のランドマークでも採用されており、ビルの省エネや省コスト化を実現している。同社の日本法人では、プランニングから設計・施工、運営・保守に至るまで、建物のライフサイクル全般を通じてワンストップソリューション(※2)でビルの効率化を推進している。

(※2)一カ所で、関連するサービスやソリューションを包括的に提供する

 

新入社員研修は半年間。最初の1カ月間は、座学でビジネスマナーや事業内容、製品などについて学ぶ。残りの期間は、OJT(※3)研修に参加し、設計、エンジニアリング、スタートアップ(納品前の製品チェックなど)、メンテナンスサービスなどの実務を経験。人材育成の観点から、さまざまな部署の現場を経験できる研修があり、村澤さんも半年間という研修期間で、設計→工事→メンテナンスという自社のビジネスサイクルや製品理解を深めていった。

「実際に人が入居しているオフィスビルに常駐してひと通りの流れを学んだのですが、私は文系出身だったので、電気回路の仕組みなどの専門的な知識に関しては遅れを取り返そうと必死でした」

(※3)実際の業務を行いながら学ぶ研修スタイル

 

13年10月、村澤さんが仮配属されたのは、設計部門。

「配属先は、主にビルのオーナーの要望を実現する設計事務所に対して、ビルの自動制御システムの提案を行っている部署になりました」

 

異動後すぐに、横浜市の中学校の校舎建て替え案件を担当することになった村澤さん。

「新人という甘えを捨てて業務に当たりましたが、先方が提示する図面を見ても、問題点やメリットをひと目で理解することができない。そんな、自分がとてももどかしくて…。とにかく、わからないことは先輩に聞いて、CAD(※4)はマンツーマンで使い方を習って習得していきました。旧校舎のシステムをどのように変更するかなどを設計事務所と詰めていき、2カ月後には提案にこぎつけましたね」

(※4)コンピュータを使用して設計や製図をするシステム

 

次に担当したのは、県庁舎の建て替え案件。この提案では、初回の反省を生かすことを意識した。

「CADで作成した図面を基に、見積もり作業は他部署に依頼するのですが、前回は自分の経験不足から、お客さまとのコミュニケーションがうまく取れず、何度も見積もりを出し直すことになり、社内に迷惑をかけてしまった。その反省を踏まえて、この案件では、お客さまとのコミュニケーションを密にして内容を詰めていくよう心がけました」

 

提案から1年半たった15年4月、最初に提案した「横浜市の中学校校舎建て替え案件の受注が、正式内定した」という、うれしい知らせが村澤さんの元に届いた。

「すでに異動した後でしたが、うれしかったですね。あっという間の半年間でしたが、必死に勉強し、先輩方にサポートしてもらいながら自分で描いた図面がお客さまにご満足いただけたことで、自信を持つことができました。また異動先の営業部門では、自動制御の設計知識を持っている営業であることが自分の強みになりました」

 

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担当しているお客さまには、複数の案件が動いているところもあるので、毎日のように訪問する。

 

新規取引先からの初受注が自信となり、受注の精度を向上することが次の目標に

14年4月、正式配属となった東京システム事業部は、関東近郊の建設業者と設備業者を対象とする営業部門。村澤さんは、半年間先輩に同行して営業ノウハウを学んだ。担当トレーナーの先輩は、年間売上高で日本法人トップの業績を打ち出しているカリスマ的存在。同社では毎年、世界中の営業成績優秀者に対し、家族同伴で海外の高級リゾートに招待する「マスターズ」という社内イベントを開催しており、担当トレーナーは2回もその「マスターズ」で成績優秀者として表彰されている目標とする先輩だ。

「その先輩は確実に受注するために、直接担当するお客さまとこまめにコミュニケーションをとり、社内でも部門にかかわらず横断的な人脈を活用して情報を収集するなどして、状況を常に把握しています。そして、とにかく熱い人。誰に対しても熱く語り、主張する。強引にも思えますが、受注できたら真っ先に案件にかかわった関連部署の人にも報告する気遣いを忘れない。だから結果が出せるし、周囲もついてくるのだと思います。私自身もそんな先輩を見習って、積極的にコミュニケーションを取るように心がけるようになりましたね」

 

村澤さんが正式配属後、初めて受注したのは14年8月。トレーナーの先輩から紹介された、都内の新築ビジネスホテルの案件だ。

「金額としては大きくはありませんでしたが、今まで取引のなかったホテルチェーンからの受注でした。他社の自動制御装置の図面もすでにでき上がっていたのですが、機器の納品や施工を受注することができました。こういったケースは受注が非常に難しく、上司にも『よくやった!』との言葉を頂き、すごくうれしかったです!」

 

営業として独り立ちして間もない14年10月、美術館の修繕工事の情報をキャッチした村澤さんは、飛び込み営業を敢行。工事を担当する設備業者は過去に取引のないお客さまだったが、会社案内資料を持って訪問した。

「幸い話は順調に進み、スムーズに受注することができました。子どものころ住んでいたなつかしい街の美術館だったので、喜びもひとしお。しかも、これまで取引のなかったお客さまを自分で開拓できたという喜びも大きかったです」

 

営業としての第1ステップは、受注すること。村澤さんは次のステップとして「営業として会社の利益や事業部の数字を意識する」ということを念頭に置くようになった。きっかけは上司の言葉だ。

「さらに次のステップは、トレーナーだった先輩のように、社内・社外の人脈を広げ、常に状況を把握して受注率を上げていくこと。そして、自分の目標だけでなく、事業部全体、さらには会社全体を見ながら、会社の成長に貢献するという意識を持って結果を残すことです。大変なこともたくさんありますが、自分が納品したビルシステムのエネルギーソリューションによって、環境保護に役立っていると思うとやりがいがありますね」

 

20年には、東京オリンピックが控えている。村澤さんが担当しているお客さまも、大型都市開発の案件に深くかかわっているだけに、これは自分にとっても会社にとっても大きなビジネスチャンスだという。

「このチャンスを最大限生かし、営業としてさらにステップアップして、自分なりの営業スタイルを確立していきたいと思っています。そして、いつかはトレーナーだった先輩のようにマスターズ(海外褒賞旅行)に行けるようなトップ営業となって、会社に貢献したいですね」

 

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現在担当する案件の見積もり依頼書や、費用に関する資料づくりなども重要な仕事。営業とはいえ、デスクワークは意外に多い。

 

村澤さんのキャリアステップ

STEP1 2013年 半年間の新入社員研修に参加。座学とOJTで業務全般を学ぶ(入社1年目)

同期と半年間の新入社員研修に参加。1カ月間ビジネスマナーや事業内容、製品などについて座学で学ぶ。技術的な講義も多く「文系の自分は周囲に遅れを取っているのではないか」と不安になったことも。その後は5カ月間のOJTローテーションに参加し、設計、エンジニアリング、スタートアップ、メンテナンスサービスの実務を経験。メンテナンスサービス部門では、現場で制御装置を見ながら技術を学んだ。設計部門では、提案営業の場に同席し、提案資料のまとめ方やプレゼンテーションの話術などを習得、その後の営業活動にも役立っている。

STEP2 2013年 設計業務に携わり、製品の基礎知識を習得(入社1年目)

10月、設計事務所への営業、CADを使った自動制御図面の作図などを経験。半年間で2件の案件を担当。設計経験がほとんどないことから、図面を前に対面で話をしないと理解できないことも多く、お客さまに叱られたという苦い経験も。提案するのは、2年以上先の自動制御工事案件であり、最初に提案した案件は、提案から1年半後に受注内定の知らせが届いた。

STEP3 2014年 カリスマ営業担当のトレーナーの下で、営業を学ぶ(入社2年目)

4月、関東近郊の建設業者と設備業者を対象とする営業部門で、日本法人トップの営業成績を収めて表彰されている先輩の下で、営業ノウハウを学んだ。先輩に同行する中で紹介された、都内のビジネスホテル新築案件で初受注。すでに他社の自動制御装置の図面ができ上がっていた難しい案件を受注できた喜びは大きかったが、現場での工事打ち合わせでは、図面の仕様を、営業担当自ら確認していくなどの苦労を経験した。

STEP4 2014年 独り立ちして営業活動を開始。大型案件の受注を目指して活動中(入社2年目)

10月からは単独で、数社の設備業者を担当するように。1社からの案件が複数あるので、常に10案件ぐらいの見積もり提案が進行している。案件の情報は、担当する設備業者や社内の別の営業部署などから得ている。また、営業目標を達成するために、付き合いのない業者への飛び込み営業も実施。こういった営業活動を通じて、たくさんの人と出会えることに喜びを感じている。現在は、20年の東京オリンピックを視野に、大型案件が発生する数年先に向けて情報収集を行っている。

ある日のスケジュール

8:30 出社してメールをチェックし、1日の活動計画を確認。設計依頼、見積もり依頼などのデスクワークを行う。
11:00 提案段階の改修案件について、複数部門の関係者を交えて工事内容に関するミーティングを行う。
12:00 会社の近所でランチを済ませて、営業先に向かう。
13:30 都内の担当業者を訪問。工事内容について交渉する。
15:00 注文書を受け取るため、工事進行中の現場を訪問。その場で追加工事の見積もり依頼を受ける。
16:30 帰社。受注報告書の作成、見積書の提出などを済ませて、18時ごろ退社。帰りに、同じ部署の先輩たちと飲みに行くことも多い。

プライベート

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2015年5月、会社のアウトドアサークルのメンバーが中心となって開催したオートキャンプを楽しんだ。「キャンプは好きですが、持っているのは寝袋ぐらい。子ども連れの家族も多かったので、気楽に楽しめました」。

 

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子どものころからベイスターズのファン。横浜DeNAベイスターズの試合は、毎年観戦している。「写真は2015年5月に、大学の友人と観戦した時。この日は勝ったので、気分は最高です!」

 

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参加費で障がいのある子どもたちを救うというチャリティーラン「東京YMCAインターナショナルチャリティーラン」に出場。写真は2014年9月のもの。村澤さんは中央列左から3番目。

 

 

取材・文/笠井貞子 撮影/刑部友康

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