株式会社井田産業(株式会社井田両国堂) 篠田さん(入社6年目・東部店)【先輩たちのワーク&ライフ】

しのだ・なおき●東部店。千葉商科大学商経学部経済学科卒業。2011年入社。就職活動では、「若手が自由に活躍できる環境とやりがいがあること」を軸に、さまざまな業界を見て回った。メーカーやテレビ局など、会社説明会で雰囲気が良いと感じた企業を志望。合同企業説明会で現社に出合い、気さくに話をしてくれる社員の人柄の良さにひかれた。当初、化粧品には興味がなかったが、若手の営業でも大手企業を担当して活躍していたため、仕事のやりがいも大きいと感じて入社を決意。

希望通りに卸商社機能を持つ井田両国堂に配属。1年かけてじっくり営業の仕事を学んだ

「CANMAKE」「CEZANNE(セザンヌ化粧品)」などのメーカー、国内化粧品の卸商社、海外の魅力的な化粧品を日本に紹介する輸入商社、そしてそれらの商品をお客さまに直接ご提供する小売りとしての4つの機能を併せ持つ株式会社井田産業。「化粧品に対してまったく興味がなかった」という篠田さんだが、人柄の良さと働きやすい環境が整っており、若手のうちからやりがいある仕事で活躍できると感じてこの会社に入社したという。

「採用はグループ全社で行われたので、まずはグループ会社全体の新人研修を受けました。その後、配属されたのは卸商社の機能を持つ株式会社井田両国堂。幅広い商品に携わる営業がやりたいと思っていたので、希望通りの配属でうれしかったです!」

配属先の支店は、全国のドラッグストアをメインに担当する東部店。篠田さんは、先輩たちの営業に同行しながら仕事を覚えていくことに。

「東部店には約30名の営業担当が在籍していて、最初の2カ月間は日替わりでそれぞれの先輩たちの営業先に同行し、いろんな店舗を見て回りました。『まずは商品を覚えて』と言われましたが、男性なので化粧品を使った経験がまったくない上、取り扱い商品は2万アイテム以上もあるんです! なかなか覚えることができなかったけれど、お得意先さまの店舗で陳列作業をする中で、『基礎化粧品にはいろんな種類があり、使う順番に並べているのか』『売れ筋商品は目立つ場所に陳列するんだな』など、少しずつ知識を深めていきました」

都内から埼玉県や千葉県まで、幅広いエリアでチェーン展開するさまざまな企業の店舗を訪問したという。

「企業やエリアごとに、各店舗で扱っている商品がまったく違うことに驚きました。商品陳列の流れや段取りも違いましたし、店内のPOPやチラシなどの販促物もそれぞれ違い、手書きPOPを推奨するところもあれば、それがダメなところもあり、企業ごとの方針の違いも実感。例えば、大きな店舗では棚を派手に演出することに力を入れていたり、逆に、小さな店舗ではスペースを有効活用しながら見やすく陳列することが重視されていたりという違いがあることも学びました」

多くの店舗を訪問する中、既存店の商品陳列だけでなく、新規オープンの店舗の棚作りや販売応援まで経験していった。

「新規オープンする店の棚作りでは、トラックから商品を下ろすところから始まり、商品に値札を貼ってから、レイアウトに沿って一つひとつ棚に陳列していきました。また、オープン日には、販売応援として足りない商品の品出しをしたり、化粧品以外の売り場を手伝ったり、メーカー・卸の垣根を越えて一緒に新店を作り上げることがとても楽しくて。駐輪場で自転車を並べ直す先輩の姿を見て、『お客さまのために、こういうことまでやるんだな』と感心しました」

配属から2カ月後、篠田さんは教育担当の先輩の下、得意先とのコミュニケーションの取り方や商談の進め方を学んでいくことに。一日中、先輩と行動を共にし、いろんなためになる話をしてもらったという。

「最初に『新人のうちはどんどん失敗すればいいんだよ』と言ってくれたおかげで、とても気が楽になりましたね! 配属から間もないころ、突然先輩に商談資料を渡され、1人で本部のバイヤーさんを訪問しましたが、商品について質問されても答えられず、何も提案できなかった。先輩とのロールプレイングでは自分なりにできているつもりだったけれど、現場ではより高度な質問をされるものだと実感し、勉強になりました」

化粧品業界では、季節ごとに新商品が発売されることが多いため、半年に一度、自社に与えられた棚のスペースに入れる商品構成を提案する大きな商談を行う。そして、毎月の商談では、世の中の流行や売れ筋商品の動向に合わせて新たな商品提案を行い、棚の内容を入れ替えながら売り上げアップを目指す。

「毎月の提案で売り上げをアップできれば、より広いスペースをもらえますし、逆に、下がれば縮小されてしまう。売り上げがイマイチの場合は棚をどんどん入れ替えていくことが重要ですね。また、フリーのスペースで大きく商品コーナーを展開する提案をしたり、チラシへの掲載やポイントカードと連携したキャンペーンなどの売り上げ強化施策も提案していきます」

こうした先輩の商談に同席する中、提案内容はもちろん、提案資料に記載する内容の重要さも実感したという。

「半年に一度の提案では、30ページにも及ぶ資料を作成します。どう作るかはそれぞれに任されていますが、バイヤーさんが一番知りたいのは『売れるのか』ということ。先輩は他社の売れ筋や市場の状況などを盛り込むだけでなく、店頭価格がいくらなのかまでしっかり把握できる内容にしていて、どんな質問にも素早く答えていた。限られた商談の時間の中で、提案する商品が売れるのか、売れそうなのかを伝えるために、必要な情報を端的に記載し、周辺情報までしっかりとつかんでおくことが大切だと学びました」

一方、得意先の本部でバイヤーと商談するだけでなく、店舗のパートスタッフの方々とも交流を深めた。

「売れ筋商品などの情報は、店頭にどんな商品が置かれているかを見ることはもちろん、店舗にいるスタッフさんに教えてもらうことが一番なんです。競合他社の取り扱い商品も含めて、どのメーカーのどんなものが売れているのかという情報を収集し、次の商品提案の参考にしていきました。さまざまな経験を重ねるうち、配属から1年後には、商談のトークにも参加できるようになりましたね」

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本社のショールームにて、バイヤーに向けて売れ筋商品の提案や、特にお勧めの商品の紹介をする。メーカーが支店を訪問して営業担当者向けに商品提案の説明会を行うことも多く、新たな商品を発掘する機会につなげている。

入社2年目、営業として独り立ち。5年目には1企業を1人で担当するまでに成長

入社2年目、営業として独り立ちすることになり、全国チェーンのスーパーを担当するチームのメンバーとなる。

「新潟・長野・金沢のエリアを担当することになりました。まずは現地に出張して店舗を見て回りましたが、寒い地域のためか、春先でもハンドクリームやリップクリームなどが売れているなど、東京の商品構成とは季節感にズレがあった。気候や気温など、風土の違いによって売れ筋商品も変化するものなのかと驚きました」

篠田さんは、チームの先輩の仕事を手伝いながら、毎月1〜2回の商談に向けて売り上げデータの分析などを行い、提案の準備をしていった。

「わからないことがわからない状態ではありましたが、自分なりの提案をしていこうと思いました。最初の商談では、当時、関東で流行っていたアンチエイジング化粧品の棚を作ることを提案。この化粧品のCMが初めて放送される時期だったので、『これから伸びる商品だ』ということを伝え、派手な販促物を使って大きなスペースで展開したいと話したら、すんなりOKをもらえたんです。メーカーさまが用意した販促POPなどを使い、自らディスプレーをしたところ、予想通りに売れてすごくうれしかったです!」

さまざまな提案を重ね、配属2〜3年目には、フリーのスペースで展開する商品提案により注力してくことに。

「自分なりの切り口でテーマを決め、それに沿った商品提案をしていこうと考えました。当時、『夜美容』という言葉が流行し始めていたので、寝る時に使うアンチエイジング化粧品や保湿ソックスなどをそろえるコーナーを提案。自分なりの視点でテーマを作ることができた上、店舗のスタッフの方からも『面白い』と評判になり、売り上げもアップできました! 新しい切り口で商品提案し、それが実際に売り場で形になる楽しさ、売り上げにつながっていくやりがいを実感できましたね」

入社5年目を迎えた2015年、篠田さんは関東で多数の店舗を展開するチェーンのドラッグストアの担当となる。

「1人で1つの企業を担当することになり、やりがいを感じる一方、1から10まで自分の責任となるプレッシャーも感じました。それまでは何かあっても先輩が助けてくれましたが、これからすべて自分がやらなければならない。最初は『やるぞ!』と思う半面、『本当にできるのかな?』という不安もあったんです」

担当直後には、さっそくトラブル対応を経験。もともと入れていた商品が売れ過ぎて欠品し、店舗から「商品が入ってこない」というクレームが入ったのだ。

「あわてて謝りに行きましたが、ないものはないのでどうにもできなかった。店頭にあるはずの商品が欠品していたら、買えなかったお客さまに謝るのは店のスタッフの方です。大きな迷惑をかけ、商品を供給する卸商社として最もやってはいけないことをしてしまったと痛感。それまでは商品の提案のみに力を注いでいたけれど、この失敗を経験してからは供給状況も意識するようになり、売り上げデータを細かくチェックし、急に伸びてきた商品など、欠品しそうなものについては、先回りして情報を伝えるようにしていきました」

一方、競合店では取り扱っていない化粧品に着目し、バイヤーと一緒に販促活動に取り組むことにもチャレンジしていった。

「毛穴をケアする化粧品で、スタッフからの評判は良く、パッケージも手に取りたくなるようなわかりやすいものでした。確信はなかったけれど、絶対に売れるはずだと感じたんです。レジの脇にコーナーを作り、チラシにも掲載してアピールしていきました」

この商品の売り上げは、それまでの3倍近くまで伸び、チェーン全体における化粧品売り上げトップ10にランキングされるまでになったという。

「毛穴ケアの商品は夏場に売れるものですが、あえて寒くなる時期から取り揃えてみたんです。新しい切り口で売り場の作り方や販促展開まで考えていった結果、ここまで伸ばすことができたと感じます。まだ未発掘の商品の中から伸びしろのあるものを探し出し、売れ筋商品として育てていくことができる! この面白さは、自社商品のみを扱うメーカーと違い、さまざまなメーカーのアイテムを提案できる卸商社ならではのものだと思いました」

さらに、「客単価をアップしたい」という要望に応え、通常、ドラッグストアでは置かないような特徴のある商品を積極的に提案したり、肌に優しい化粧品を集めた「低刺激化粧品コーナー」を作る提案などをしていった。

「社内の店頭企画室のスタッフと連携し、オリジナルの販促POPなども作っていきました。テーマが伝わる売り場を作ることを心がけたことで、売り上げアップにつなげることができました。これらの取り組みに対しては年に一度の社内表彰で、個人賞をもらうこともできました!」

現在も、引き続き同じチェーンドラッグストアの担当として、さまざまな提案を続けている篠田さん。

「自分の商品提案が、お得意先さまの店舗全体の売り上げを左右する責任の重さを常に感じていますが、その分、やりがいは大きいです! この会社は、化粧品卸商社の中でも取り扱いアイテムの幅が広いし、自分で探し出した商品を提案することもできます。今後も、まだ注目されていない新たな商品を発掘し、人気商品へと成長させるきっかけを作っていきたいと思います」

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取引先の店舗を訪問するために外出。現在担当するチェーンドラッグストアは都内近郊に展開しているが、毎月、主要の店舗は必ず訪問している。バイヤーとの商談は月に一度だが、現場のスタッフから自社だけでなく、他社の取り扱う商品の売れ行き動向などもしっかりヒアリングし、次の提案に活用している。

篠田さんのキャリアステップ

STEP1 2011年4月 新人研修時代(入社1年目)

入社後、同期と一緒に1週間の新人研修を受ける。ビジネスマナーや社会人の心構え、会社の事業概要、パソコンソフトの使い方などを学んだ。その後、東部店に配属され、倉庫で商品のピッキング作業や梱包を行う1カ月半の現場研修を受ける。「受注票を見ながら、お得意先さまの元に配送する商品を手作業で段ボールに詰めていきました。化粧品の知識がまったくなかったので、商品を手に取りながらどんなものがあるのか、売れ筋の商品は何なのかを少しずつ知ることができたと思います。また、化粧品を扱う業界には華やかなイメージを抱いていましたが、商品が届くまでにピッキング作業のような地味な過程があることも身をもって理解することができましたね」。

STEP2 2011年6月 先輩の下で商談やお客さまとのコミュニケーションを学ぶ(入社1年目)

東部店の営業担当者たちの商談や担当店舗訪問に2カ月間同行し、さまざまな提案のやり方があることを肌で実感。その後、指導担当の先輩の下で、取引先とのコミュニケーションの取り方や、商談の進め方、提案資料の作成方法などを学んでいった。「学生時代には目上の人と話す機会があまりなかったので、最初のうちはお得意先さまとどう会話すればいいのかもわからなかったんです。そこで、配属先の支店で一緒に働いている幅広い世代の人に積極的に話しかけ、世代の違う人との会話の糸口をどうつかめばいいのかを自分なりに模索していきました」。また、資料作成を手伝う中、商品の管理コード番号を間違えて記載するという失敗も経験。「資料に記載するコード番号は、そのまま店舗のシステムに登録されます。つまり、1つでも数字が間違っていれば、レジで商品バーコードをスキャンした時に違う商品名と価格で会計されてしまうんです。自分のミスでお客さまに迷惑をかけてしまったことで、以来、慎重に番号を確認するようになりました」。

STEP3 2012年 独り立ちし、全国チェーンのスーパーの複数エリアを担当(入社2年目)

全国チェーンのスーパーを担当するチームに入り、新潟・長野・金沢のエリアを担当。月に1〜2回の商談に合わせて出張し、それ以外の時間はチームの先輩の仕事を手伝ったり、売り上げデータの分析などを行った。「日帰りで出張することもあれば、泊まりがけで行くこともあり、訪問するたびに6〜7店舗を見て回って店舗のスタッフの方から情報収集をしていきました。初めて出張した時、ビジネスホテルに1人で泊まり、『自分も社会人になったんだなあ』と実感しましたね(笑)」。

STEP4 2015年 チェーンドラッグストアの担当を任される(入社5年目)

関東で多数の店舗を展開するチェーンドラッグストアを1人で担当。「1人で担当することになり、提案だけでなく、商品供給の状況把握からトラブル対応まですべて自分が見なくてはならないという責任の重さを実感。意外なトラブルが発生することも多く、店舗から『お客さまから化粧水の使用感が違うというクレームが入った』『マスカラのブラシが入っていない欠陥品が納入された』という電話が入ったこともあり、メーカーさまに報告したり、商品検査をしてもらってその結果を店舗に報告したり。また、流通システムのトラブルで商品が店舗に届かなかった時には、商品を直接届けに行き、本部にも謝りに行きました」。また、商談においては、チェーン全体への提案だけでなく、立地や客層など、店舗の特性に合わせた提案も行っている。「例えば、最新の流行のものや、特徴のあるものは六本木や渋谷などの若者が多いエリアに提案していますね。バイヤーさんやそのエリアを担当するスーパーバイザーの方に相談し、店舗と連携を取りながら実現していきます。現場のスタッフさんとのコミュニケーションが提案のヒントになりますし、自分でも新しい化粧品を使って質感を試してみたり、雑誌を読んだりしながら勉強を続けています」。その努力が実り、2015年、社内表彰にて個人賞を受賞。

ある日のスケジュール

9:00 出社。支店内の朝礼に参加。
9:30 メールチェック。月に一度の提案に向けて、資料を作成。
12:30 外出。担当するお客さまの店舗だけでなく、近隣のドラッグストアなどの商品もチェックし、情報収集。合間に昼食も取る。
16:00 担当する取引先を訪問、バイヤーとチラシに掲載する商材を決めたり、新たな商品の提案を行う。
17:30 会社に戻らず、直帰。取引先のバイヤーや会社の同僚、学生時代の友人などと食事に出かけることも多い。

プライベート

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小学3年生からサッカーを続け、会社のサッカー部に所属。写真は、2015年に大会に参加した時のもの。「練習のための活動はしていないため、半年に一度のサッカー大会に出場することを楽しみにしています。また、高校時代のサッカー仲間と一緒にフットサルも続けています」。

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大学1年生のころからサーフィンを始め、現在も春から秋までの間は週に一度のペースで海に出かけている。「写真は、2014年に千葉の海でサーフィンした時のものです。会社の先輩や学生時代の仲間としょっちゅう海に出かけていますね。波に乗っている瞬間は、無になれるのでリフレッシュできます」。

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会社の先輩や後輩、学生時代の友人と交流することが好きで、飲みに行くことも多い。写真は、高校時代の仲間との2016年の新年会。「楽しいことが大好きで、飲み会も大好きですね。高校時代の仲間とは、今でも仲が良く、サッカーやバーベキューなども楽しんでいます」。

取材・文/上野真理子 撮影/刑部友康

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