アマゾン ジャパン株式会社 髙木さん(入社4年目・書籍事業本部 Amazon Student マーケティングマネージャー)【先輩たちのワーク&ライフ】

たかぎ・けいすけ●書籍事業本部 Amazon Student マーケティングマネージャー。国際基督教大学教養学部アーツ・サイエンス学科卒業。2013年4月入社。1歳から11歳までアメリカ在住。小学校の授業でインターネットに触れ、中学・高校ではさまざまな新しいWebサービスに感動したことから、IT系企業を志望。英語力を生かせる外資系を中心に約30社にプレエントリー。アマゾンなら人々の心を動かすような画期的なサービスをつくれると考え、入社を決意。

さまざまなチャネルを活用し、「Amazon Student」の魅力を最大限にアピール

「Amazon.com」は、1995年に書籍販売サイトとしてアメリカで誕生し、現在は、書籍はもとより家電や玩具、衣料品や食料品など、幅広いジャンルの商品を販売するECサイト(インターネット上で商品を販売するウェブサイト)を、世界13カ国で展開。2000年に設立されたアマゾン ジャパンは、1億点を超えるアイテムを扱う国内最大級の総合オンラインストア「Amazon.co.jp」を運営している。

髙木さんのミッションは、日本の学生に広く「Amazon Student」を認知してもらい、その魅力を知ってもらうこと。「Amazon Student」のページ作成や、ソーシャルメディアやインターネット広告などを活用したPR活動など、マーケティング業務全般に携わっている。

「『Amazon Student』とは、学生(大学、大学院、短期大学、専門学校、高等専門学校)を対象とした会員制プログラムのこと。通常配送より早く商品が到着する『お急ぎ便』やお届け日時指定便が無料、映画・テレビ番組が見放題(プライム・ビデオ)、100万曲以上の楽曲やアルバム、プレイリストが聴き放題(Prime Music)など、有料会員プログラム『Amazonプライム』の特典を、通常より半額以下の年会費で最大4年半利用することができます。さらに、コミック・雑誌を除く書籍を購入するとプラス10パーセントのAmazonポイントが付与されるなど、『Amazon Student』ならではの特典があり、無料体験期間が6カ月間と長いのが特徴です」

髙木さんが「Amazon Student」に正式配属となったのは、新入社員研修を終えた2013年7月。最初に任された仕事は、モバイルからの会員登録者を増やすためのソーシャルメディアへの投稿と広告制作だった。
「数カ月前まで学生だった私の感性を尊重してもらい、アマゾン独特の表現ルールなどは上司にフィードバックをもらいながら仕上げていきました。意識したのは、『Amazon Student』の特典やアマゾンの良さを、いかにわかりやすく伝えるか。考えた末、シンプルかつ明確にありのままを伝えることにしました」

約1カ月の準備期間を経て、配信がスタートしたのは8月。配信を開始した瞬間は、ピンとこなかった髙木さんだが、1時間もすると登録者数がグングン伸びていくデータを目の当たりにして興奮した。
「自分の手がけたことが、すぐ結果に出ることに感激しました。この手応えが、マーケティング業務の面白さであり、今も私のやりがいになっています」

その後は、主にソーシャルメディアからの新規会員登録の促進と、既存会員とのコミュニケーションを担当。新規登録促進では、より検索されやすくなるようなサーチエンジン(インターネットで公開されている情報をキーワードを使って検索できるWebサイト)の改善、非会員へのメール配信、外部メディアへの告知など、さまざまなチャネル(手段や経路)を用いたプロモーションを実践した。また、既存会員に対しては、新しい特典や会員限定のキャンペーンをメールで配信するなどして、コミュニケーションを強化した。

「『Amazon Student』 は2012年8月末にスタートしたサービスで、高い会員数目標を掲げていました。目標を達成するために、週4回事業部長を交えた会議が行われ、『課題の所在はどこか』『その原因は何か』を議論しては、改善していく日々。この会議で議論を繰り返したことで非常に鍛えられました」

会議は約1年間続き、髙木さんは会議での「なぜ」に答えるため、社内に蓄積されている各種データを抽出・分析して次のアクションに生かし、ターゲティング(広告を見せる対象者を選ぶこと)を変えて効果を比較し、複数案の広告コピーを掲載し、どの文面が一番学生にアピールできるのかを比較。さまざまな方法で、広告の効果を確かめた。

「あらためてシンプルに伝える方が学生の心により刺さると実感しました。また、すでにインターネット慣れしている今の大学生は、ネット上の一般的な広告をクリックすることは少ないという気づきも大きく、ソーシャルメディアを活用した方が有効だと確信しました」

こうした試行錯誤の末、2015年12月、「Amazon Student」は年間会員数目標を達成した。

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会議の合間に、廊下でメールに対応。デスクで使っているラップトップコンピュータは、会議などにも必ず持参する。

とにかく試し、ダメなものは改善する。リスクを取るのがアマゾンの文化

入社3年目には、利用すべきチャネルの優先付けができるようになったという髙木さん。
「とにかくいろいろ試してみて、いいものは残し、ダメなものは改善して再チャレンジする。その上で見込みがなければ、やめればいい。計算されたリスクを取ることも大切だと考えるのが、アマゾンの文化なんです」

そして、髙木さんが今目指しているのは、2015年追加された「プライム・ビデオ」と「Prime Music」の特典について認知を広げ、この魅力をもって新たな会員を獲得すること。
「急ぎの配送を必要としない学生や、頻繁に本を購入しない学生にも、映画やテレビの見放題や音楽の聴き放題ならアピールできる可能性があります。そこで、これまで力を入れてきたソーシャルメディアを使って、映画に興味を持つ人たちにも告知するなど、これまでとは異なるターゲティングを試していこうと考えています」

髙木さんが、仕事を通して実感しているアマゾンの企業理念――それは、社員一人ひとりがお客さまを大切にしていること。
「入社するまでは、そうは言っても建前なのだろうと思っていました。ところが、新人研修で各事業部門の先輩の話を聞いていても、すぐに『お客さまを一番に考えて…』という言葉が出てくるし、配送センターやカスタマーサービスの人たちも、『お客さまの満足度をいかに上げるか』を常に考えて行動していました。お客さまからの電話の中には、回答するのが難しい内容もあります。そんな時も、サービス提供者というスタンスではなく、相談相手として対応している様子がとても印象に残っています」

髙木さん自身も、お客さまのことを一番に考えて改善した経験がある。それは、「『Amazon Student』の無料体験期間の6カ月が過ぎると、年会費1900円がかかる」ことを、より明確に表示すること。
「カスタマーセンターでの研修中に耳にした、『気づかないうちに年会費が発生していた』というお客さまの声が忘れられませんでした。もちろん、それまでも告知はしていましたが、『見過ごしてしまう人がいるのなら、何とかしたい』と考えたのです。検討を重ねた末、15年からは誰もが目に付く位置に表示するよう改善しています」

髙木さんの目標は、これからもマーケティング業務に携わり、より豊富な知識と経験を養っていくこと。現在は、「Amazon Student」をさまざまなチャネルでPRする立場だが、将来的には、例えばさまざまな商品・サービスを1つのチャネルから告知するようなポジションに就き、アマゾンのサービスを広めていきたいと考えている。
「そしていつかは、世の中になかった画期的なサービスを考案し、お客さまに感動を提供したいと思っています」

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シアトルにいるグローバルのプロジェクトマネジメントのスタッフ数人と、隔週で会議を行う。電話会議が多いが、ときにはテレビ電話を利用することも。

髙木さんのキャリアステップ

STEP1 2013年 新入社員研修に参加し、アマゾンのビジネスモデルを理解(入社1年目)

新入社員32名で研修に参加。4月は、東京の本社でビジネス研修に参加し、社会人としてのビジネスマナー、アマゾンのビジネスモデル、アマゾンのミッションである「世界で最もお客さまを大切にする企業とは何か」について学ぶ。5月は、千葉にある配送センターで、入荷から出荷までの全工程を体験。6月も配送センターで作業に従事しながら、グループワークで出荷工程の改善点を提案。トラックへの積み分け作業ミスを防ぐために、宛先別に分ける前にエリア分けの工程を増やすことを提案したところ、採用され、しばらく実践された。

STEP2 2013年 ソーシャルメディアを利用した「Amazon Student」のPRに携わる(入社1年目)

7月、書籍事業本部 Amazon Studentに配属。モバイルでの「Amazon Student」の会員登録が可能になった直後だったことから、ソーシャルメディアを活用したPRを担当することに。いきなり仕事を任され驚いたが、訴求対象である学生に自分が最も近い年代であり、これもお客さまを第一に考えているアマゾンらしさなのだと納得。9月から1カ月間、仙台にあるカスタマーセンター研修に参加。ベテランオペレーターに一言一句を教わりながら、電話やメールに対応。2カ月間の実務を経験してからお客さまの声を聞けたことで、実際にどんなことに困っているのかがリアルに理解できた。

STEP3 2014年 ソーシャルメディア以外の分野にも主体的にかかわる(入社2年目)

1年目は任された仕事に全力で取り組む受け身態勢だったが、年末の人事異動で自分がチーム一番の古株になったことから、2年目は意識が変わり「『Amazon Student』を一番知っている自分が率先して、より良いサービスに育てていこう」と主体的に考えるように。アマゾン全体のキャンペーンに『Amazon Student』が露出するよう他部門に働きかけたり、新しい形のeメールを提案したりと、ソーシャルメディア以外の仕事にも積極的にかかわった。

STEP4   2015年 マーケティングマネージャーとしてマーケティング全般を統括(入社3年目)

4月、Webサイト全般を管理するサイトマーチャンダイザーに昇進。7月、マーケティングマネージャーとなり、広告を出しているメディアの運営会社との交渉、広告費用の予算配分など、マーケティング全体を統括する立場となる。年1回行われるAmazon Student提供国であるアメリカ、ドイツ、イギリス、カナダ、日本の担当者会議が、12月初旬にイギリスで行われ、参加。日本での会議は決められた議題に沿って報告していく形式だが、欧米ではブレスト(※1)のような話し合いで進んでいくため、話に割り込んで発言していく力など、語学力とは別の力が求められることを痛感している。
(※1)ブレインストーミングの略。集団でアイデアを出し合うことによって相互交錯の連鎖反応や発想の誘発を期待する技法のこと。

ある日のスケジュール

9:30 出社し、隔週で行うシアトル(現地時間16時30分)のAmazon Studentチームとの電話会議に参加。新機能開発の進捗状況を確認する。
10:00 直近の会員登録データを参照し、各施策の状況を分析。数値に変化があれば原因を分析し、必要に応じて改善策を検討・実施する。
12:00 会社近くのレストランで同期とランチ。社員食堂はあるが、食べに出ることが多い。
13:00 Amazonプライムチーム、Amazonファミリーチームとの週例ミーティングに参加。他会員プログラムの進捗状況を共有する。
14:00 企画書に添付する裏づけデータをデータベースより抽出し、春の新学期シーズンに向けた企画書を作成する。
16:00 広告を掲載しているメディアの担当者と定例ミーティング。前週の実績を基に、広告の微調整や新しい広告の検討を行う。
17:00 週1回の上司との1対1ミーティング。細かい業務の報告や企画のブレストなどを行う。
18:00 次週より始まるキャンペーンのページを作成。お客さまにわかりやすく仕上がっているかの確認をカスタマーサービスに依頼して、20時ごろ退社。

プライベート

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入社時から会社のフットサルチームに所属。月に2回はみんなで練習している。「中学から大学までサッカー部に所属し、大学の途中からはフットサルもやっていました」。写真は、2014年夏の対外試合。

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2014年、同期の1人に誘われたのがきっかけで、脱出ゲームにはまった。「新入社員研修で目的を達成する喜びを分かち合った同期と挑むので、脱出できたときの達成感はひとしおです(笑)」。

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大学のサークルで始めたバンド活動を、社会人になっても続けている。サークルの合宿に参加したり、休日にOBだけで集まるなどして練習する。「好きな曲をカバーするのは、楽しいですね!」。

取材・文/笠井貞子 撮影/刑部友康

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