アウディジャパングループ(アウディジャパン販売株式会社) 廣瀬さん(入社5年目・Audi調布販売課 セールス)【先輩たちのワーク&ライフ】

ひろせ・れい●Audi調布販売課 セールス。順天堂大学スポーツ健康科学部スポーツ科学科卒業。2012年入社。幼少期からサッカーを続け、体育教師を目指すが、教育実習でイメージとは違うと実感。その後、アルバイトで接客を経験し、人と接する仕事に興味を持つ。大学のゼミの教授にどんな仕事を目指すべきか相談したところ、「自分の好きなものにしたらいい。例を挙げてみて」と言われ、「Audiの車」が思い浮かんだ。そこで同社を志望し、迷わず入社を決意。メーカー直営の安定基盤があることも決め手となった。

入社1年目、調布の営業所に配属。先輩の下で仕事を覚え、配属3カ月目には初契約も!

人と接する仕事に興味を持ち、「自分の好きなものを扱う営業の仕事にチャレンジしたい」と考え、同社を目指した廣瀬さん。当時、この会社では中途採用のみで新卒の採用は行っていなかったが、自ら門をたたき、入社することができたという。
「入社後、合宿研修を受けたのち、すぐに調布の営業所に配属されました。最初の2週間は先輩の下について、新車を販売後の段取りや書類の整備などを学んでいくことに。新卒採用の第1号として注目される中、『初めての新卒入社だからこそ、何日目に1台売ったか、何カ月目にどれだけ売ったかまで、すべて記録になるはず!』と考えました。プレッシャーよりもワクワク感の方が大きかったですね」

指導担当の先輩のお客さま訪問に同行したり、ショールームでの商談に同席しながら、ビジネスマナーや提案の方法、商談の考え方について学んでいった。
「Audiは1台1000万円もする高級車。ターゲットが絞られるので、新規営業より既存のお客さまを大切にすることに力を入れていました。ちょっとした質問への対応はもちろん、故障や事故などのトラブル解決も担当者が行いますし、状況を把握するための動作確認や定期点検の車両預かりなどで、自らお客さま宅を訪問することも多いですね」

こうしたきめ細やかな配慮をしながら、お客さまにとって最適なタイミングで乗り換えの提案や新車紹介をしていくことが基本の営業スタイルだ。
「お客さまと前回にどんな会話をしたのか、しっかりメモを取りますし、現在のローンの残高から、お子さんの成長などによるライフスタイルの変化まで把握していきます。用意周到に準備し、戦略的に提案を行うので、先輩たちは営業所でデスクに向かっていることが多く、そこにまず驚きました。入社前、『営業の仕事は飛び込みで数多くのお客さま訪問をするため、外出が多いもの』というイメージを持っていましたが、この会社では違いました。100人のお客さまがいれば、100通りの提案方法があるわけですから、幼少期から続けてきたサッカーのようにいろんな戦略を試せる面白さがあると感じました」

とはいえ、入社当初の廣瀬さんは、「将来、車に乗るならAudi」という憧れを抱いていたのみで、車についての知識はゼロ。車種ごとの仕様を覚えるために、何冊もの単語帳にそれぞれの寸法や価格、燃費、機能などを書き、毎日の通勤で覚える努力を続けたという。
「上司から『実際に乗って特徴を覚えた方がいい』と言われ、営業所にあるさまざまな試乗車を通勤に使用していました。毎日、違う車種を試し、シートの座り心地やブレーキの踏み込み具合などをチェックしてメモを取ったり。実際に乗ってみたら、想像以上の快適さと楽しさがありました」

走行性能はもちろんのこと、ドアを閉めた瞬間の音やハンドルの感触も車種によって違い、どこを取っても本当に高級感があると感じたという。
「それに、信号で停止するたびに歩行者の注目を浴びるので、自然に背筋がピンと伸び、『この車にふさわしい運転と身なりをしよう』と思うようになったんです。上司からは『カタログの情報では伝わらない感覚的な部分をお客さまにどう伝えるかが重要だ』と言われていましたが、自分で試してみてその素晴らしさを実感! これなら自信を持って提案できると感じましたし、この感覚を自分の言葉で伝えていこうと思いました」

入社3カ月目となる6月には、ショールーム内でのお客さま対応を1人で行えることに。それから2週間後、廣瀬さんは初の新車契約を取ることができた。
「初めて提案したお客さまは、国産車からAudiに乗り換えたいという方でした。お客さま自身も緊張されていたので、逆に僕は緊張せず、落ち着いて接客できましたね。最も安価で小さい車種のカタログが欲しいとのことでしたが、現在乗っている国産車よりも小さいため、ストレスにつながるかもしれないと気づきました。ちょうどその月のキャンペーンで同じ価格でより大きなサイズの車種を提供できるタイミングだったので、そちらをご提案したところ、注文いただくことができたんです」

そこから契約に必要な書類について案内し、家族構成や年収など、ローンを組むために必要な情報をもらうなどし、手続きを進めた。
「契約の準備を進めると同時に、注文車に不具合がないかを確認しました。性能については技術スタッフに任せるので、僕の作業はボディのチェックが中心。車両にキズがないかどうか目視で確認していきます。車両はドイツから輸入していますが、船で1カ月半かけて運ばれてくるんです。日本に着いたあともトラックで運ばれるので、1つでもキズがついていないかどうかくまなくチェックします」

通常はドイツから取り寄せるため、注文から4カ月かかるが、このときはたまたま国内に車両があったため、2週間で契約と納車まで終了できた。
「ショールーム内で契約書類を交わす時には、先輩にも同席してもらい、トラブルなく無事に終了。車両をお渡しした時のお客さまのうれしそうな表情を見て、僕までうれしくなりました! キズのない車両を予定通りにお渡しできて、ホッとしましたね」

ph_business_vol342_01

新車購入を検討中のお客さまや、購入決定したお客さまのために、見積書や提案資料、契約書類などを作成。また、顧客データを見ながら、近いうちに新車購入の可能性がありそうなお客さまをチェックし、それぞれに提案していくための戦略を考える。

入社1年目の9月、「月に5台の受注」を達成。担当顧客数が増えた4年目の現在は250件を担当

廣瀬さんは、初受注した翌月の7月に1台、8月に2台、そして9月には5台の受注を達成する。
「『月に5台の受注』は、全営業担当者の個人目標であり、なかなか達成できない数字でもあります。入社半年で到達したことに大きな達成感を得ましたね! 入社当初、先輩から『車を売るのではなく、自分自身が売り物だと思え』というアドバイスをもらったおかげで、ほかの営業担当とは違うアプローチをしようと心がけてきたんです。商談では、車両についての話になりがちですが、カタログやホームページに掲載している情報の話なら誰にでもできます。同じ車両でも『廣瀬から買いたい』と思ってもらうことが一番大事。そこで、お客さまの出身地や趣味、ご家族などについて質問し、自分との共通点を見つけて会話を広げたり、それを提案内容に反映したり。短い接客時間の中でも、お客さまとの距離を縮め、どんな情報もすべてメモして次の会話につなげるように努力しました」

新規受注以外にも、車両点検のみのお客さまなども受け持つようになり、12月には廣瀬さんの担当顧客数は個人・法人を含めて40件になった。そして、入社1年目が終わるころ、上司が昇進したことに伴い、上司の担当顧客の大半を引き継ぐことになる。
「担当顧客数がいきなり150件になり、その情報を把握するだけでも大変でした。それに、前任者が経験豊富かつ優秀な人だったため、新人の自分の対応で満足してもらえるのかというプレッシャーも大きかった。例えば、車検のタイミングでご連絡する場合にも、『前の担当さんはもっと早く教えてくれた』とお叱りを受けることもありましたし、逆に『忘れてしまうからギリギリに教えてほしい』と言われることもありましたね」

データベース上の顧客情報は上司と確認しながら引き継いでいたが、それだけでは得られない情報があり、一人ひとりに合わせたきめ細かな対応が求められた。
「メールや電話など、それぞれが好む連絡手段も違うんです。幸いにも、前任者が同じ営業所内で働いていたので、データ上でわからないことがあれば、どんどん質問できました。『担当が変わっても満足できている』と言ってもらうためには、まず前任者と同じくらいに細やかな対応をしようと考えました」

その一方、新人ならではのフットワークの軽さ、迅速な対応で自分の色を出していくことに。
「気になることからトラブルまで、お客さまからの連絡はすべて担当者に入るため、一日に5〜6件は問い合わせがありますね。操作におけるちょっとした疑問からパンク、故障、事故まで、連絡が入ればすぐに飛んで行き、迅速にトラブル解決をしていくことに。こうした対応を地道に続けるうち、担当を引き継いだお客さまにも認めてもらえたようで、どんどん新車への乗り換えをしてくださる方が増えていきました」

さらに入社3年目以降は、廣瀬さんから1台目を購入したお客さまが、2台目に乗り換える件数が増えていったという。
「2年あまりで乗り換えるお客さまが多いため、入社1年目の時に契約したお客さまがまさに乗り換える時期だったんです。誰かから引き継いだわけではなく、最初から自分が担当していたお客さまなので、自分自身の力が試される。そこで、何度もお会いした中で得た情報を基に、提案内容を考えていきました。勤務先が変わった方、お子さんが生まれた方、娘さんが小学校に入学される予定のある方など、ライフスタイルの変化をヒントに、どんな車種が最適かをまとめていきました」

もし1つでも的外れなことを言えば「これまで担当として何を聞いてきたんだ」と思われてしまうかもしれない。廣瀬さんは緊張しつつ、一件一件の商談に臨んだ。
「提案をする中、『あの時の話をよく覚えていてくれたね』と言ってくれたことがすごくうれしかったです。会話の中身をもらさずメモし、それを2年後のプランにつなげる。『お子さんが小学校に入学される時期だから、レジャーの機会も増え、より大きな車両が必要になる』『来年、定年退職される予定だから、退職金の入る時期に合わせて無理のない支払いを』など、ライフプランに合わせた車の提案をしていくことに大きなやりがいを感じますね! 『そこまで考えてくれているキミから2台目も買いたい』と言ってくださったことで、営業としての自信がつきました」

入社から4年近くたつ現在、廣瀬さんは250件の顧客を担当している。
「高額なAudiを購入するお客さまには、医者や経営者、芸能人、プロスポーツ選手など、普通だったら会えないような方もたくさんいます。そうした人と直接お話しする中、いろんなものを感じ取って吸収・成長できるのも、この仕事の魅力だと感じます」

また、さまざまなお客さまと深くかかわることができるのは、車という特別な商品に携わる仕事だからこそだという。
「人生において“車”とは、“住宅”の次に高額な買い物だと思いますし、住宅とは違って、何台も乗り換えていくもの。だからこそ、ライフスタイルや用途の変化に対応し、ベストな車両を無理のない方法で購入していただくことを大事にしています。それに、十人十色のお客さまがいて、時期によって車に望む状況も変化するので、提案を契約につなげる法則がないところも面白いんですよ。ゴールにたどり着くまで無限の答えがある! 本当に奥が深い仕事ですし、お客さまの人生そのものに携われる喜びを感じています」

ph_business_vol342_02

ショールームに来店したお客さまの対応。予算や好みに合う車種を提案し、試乗体験をしてもらいながら細かなスペックについて解説する。座り心地やハンドルの仕様などを実感してもらったのち、同乗して公道での運転を体験してもらう。

廣瀬さんのキャリアステップ

STEP1 2012年4月 たった一人、新卒第1号として中途採用者とともに研修に参加(入社1年目)

当時の同社は中途採用のみ行っていたにもかかわらず、熱意が認められ、新卒採用の第1号として入社。「僕が就職活動を行った翌年から新卒採用がスタートする予定だったようで、入社当初はまだ新人向けの研修はありませんでした。そのため、中途採用の人たちと一緒に『WTA(Welcome To Audi)』という3泊4日の合宿研修を受け、Audiの名前の由来から歴史、会社の方向性などを学ぶことに。研修を受ける中、Audiという会社の姿勢が伝わり、この会社を選んで良かったと実感しました。Audiは、ほかの外国産車に比べたら、見た目の派手さはないかもしれません。けれど、本質的にいいものを作るために、派手な外観ではなく、中身にとことんこだわりお金をかけているんです。質実剛健。本物を造る姿勢に大きく共感しました」。また、研修時には、ホテル業界や外車の営業担当など、さまざまな職歴を持つ中途採用者と触れ合い、視野を広げることができたという。

STEP2 2012年4月 調布の営業所に配属され、ショールームでの接客を担当(入社1年目)

Audi調布に配属され、指導担当の先輩の下、仕事について学んだ。「学生時代、休みは遊ぶために使っていましたが、社会人になったことで、仕事のためにしっかり休養を取る意識が芽生えましたね。Audiのショールーム内でビシッと働く先輩たちに囲まれ、背筋がピンと伸びるようになりました」。こののち、配属3カ月目にはショールームに来店するフリーのお客さまの接客を任せてもらえることに。たくさんのお客さまが来店する週末には、一日に2〜3組程度の接客を行った。「初めて接客したのは、他店で購入されたAudiに乗っている40代の男性。本当に緊張しました。モデルチェンジしたばかりの車種が以前とどう変わったのか質問されましたが、新しいものしか勉強していなかったため、まったく答えられずに惨敗…。自分にふがいなさを感じ、以来、現行のモデルだけでなく、旧型との違いなども幅広く勉強するようになりました」。

STEP3 2013年2月 上司の顧客を引き継ぎ、担当顧客数が一気に150件に(入社1年目)

上司の昇進に伴い、担当顧客を引き継ぎ。それまで40件だった顧客数が150件に。「本当に焦りましたね。最初に引き継ぎのあいさつ状を送りましたが、大量だったため、封筒の宛名とは違う名前の入ったお手紙を封入したまま送ってしまったんです。お客さまからご指摘を受けて冷や汗をかきました。たくさんのお客さまの好みや背景などを把握していく大変さはありましたが、さまざまな提案につなげていく仕事の面白さを感じるようになった時期でもあります。先輩たちが営業所で戦略を立てることに何時間も使っていた意味がよくわかりましたね」。

STEP4 2016年1月 さらに先輩の顧客数を引き継ぎ、250件を担当(入社4年目)

先輩の昇進に伴い、担当顧客を引き継ぐことになり、これまでの顧客と合わせて250件のお客さまを担当することに。「個人のお客さまの場合は、仕事や家族の状況、ライフスタイルの変化などをしっかり把握することが大事です。法人のお客さまの場合は、会社の決算時期や事業収益などもチェックし、状況に合わせた提案をしていますね。入社1年目は50台、2年目は51台の契約を達成しましたが、3年目は惜しくも前年に届きませんでした。4年目となる現在、大幅に過去の台数を超えられるように頑張りたいと思っています。頑張った分だけ、数字となって返ってきますし、その成果から自分の今の力がわかるんです。おかげでモチベーションもさらにアップしますね!」。また、販売台数に応じたポイントが付与される社内制度があり、累積ポイントによって営業としての職位が変化し、身につけるバッジの色も変わるという。「ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナとステップアップしていくので、やりがいがありますね。僕は今、それとはまた違う『ハイエンドエキスパートセールス』というポジションのバッジをつけています。高級モデルの販売数が一定数に達すると認定試験を受けることができます。これに合格したことで、財務や節税対策などの知識を学べる特別な研修も受けることができました」。

ある日のスケジュール

8:30 出社。営業所のメンバーと一緒に試乗車を洗車する。
9:30 朝礼に参加し、情報共有を行う。
10:00 ショールームがオープン。来店するお客さまに対応し、それぞれの車種について説明を行う。
11:00 担当するそれぞれのお客さまに向けて、新車をどう提案するかオフィスで戦略を考える。担当するお客さまからの電話問い合わせにも対応。
12:00 ランチタイム。営業所のメンバーと一緒に近所の飲食店へ。
13:00 車両購入のお客さまのために書類を整備。提案資料の作成、電話対応も並行。
16:00 外出。お客さま宅を2件訪問し、新車の提案を行う。
19:00 帰社。提案内容について再度考察。提案資料の作成や各種手続き書類の準備を行う。
21:00 退社。

プライベート

ph_business_vol342_03

営業所のメンバーと仲が良く、有志でバーベキューやスキー、スノーボードなどに出かけることも多い。写真は2015年9月に、河口湖でウェイクボードに挑戦した時のもの。「みんな車通勤ですし、お客さま先から直帰することも多く、意外と顔を合わせることも少ないので。オフの日に定期的に遊びに出かけていますね。いいリフレッシュになっています」。

ph_business_vol342_04

休日は、基本的に息子と一日中遊んでいる。写真は2015年9月に幼児向けの室内遊び場に出かけた時のもの。「平日が休みなので、妻が仕事に復帰してからは、自分の休みの日には子どものすべての世話をしています。最近歩き始めたばかりで、一緒に遊ぶのが楽しくてしょうがないですね!」。

ph_business_vol342_05

会社の仲間と一緒に月に2回、平日の夜にフットサルを楽しんでいる。写真は、愛用のボール。「会社だけでなく、その周辺関係のさまざまな業種・業界の知人が集まります。同じ業界の人はもちろん、冷蔵庫や保険の営業担当者もいて、いろんな話を聞けて面白いですね。2016年から社内に運動部ができるので、そこにも参加しようと思っています」。

取材・文/上野真理子 撮影/鈴木慶子

就活をはじめる以前に、本当はいろんな不安や悩みがありますよね。
「面倒くさい、自信がない、就職したくない。」
大丈夫。みんなが最初からうまく動き出せているわけではありません。

ここでは、タテマエではなくホンネを語ります。
マジメ系じゃないけどみんなが気になる就活ネタ。
聞きたくても聞けない、ホントは知りたいのに誰も教えてくれないこと。
なかなか就活を始める気になれないモヤモヤの正体。
そんなテーマを取り上げて、ぶっちゃけて一緒に考えていきましょう。

みなさんが少しでも明るく一歩を踏み出す気持ちになれることが、
私たちの願いです。