株式会社イトーキ 金子さん(入社4年目・営業本部金融営業統括部第5支店営業1チーム)【先輩たちのワーク&ライフ】

かねこ・げん●営業本部金融営業統括部第5支店営業1チーム。学習院大学経済学部経済学科卒業。2013年入社。リーマン・ショック以降の経済不況の中、メーカーやインフラなどの比較的安定している業界を志望。「人の生活や仕事を支える事業に携わりたい」と考える。電機、医療系精密機器などのメーカー数社の内定を得て比較検討した結果、「オフィスを活発にする提案で、働く場を支える」という仕事内容に魅力を感じてイトーキに入社。企業規模の大きさ、当時の人事担当者の気さくな人柄も決め手に。

入社後、金融業界の大手企業を担当するチームに配属。入社2年目で40拠点のレイアウト変更を担当

「人を支える仕事がしたい」と考え、快適なオフィス作りを提案することで企業の仕事環境を支援するイトーキに入社した金子さん。
入社後、半年間にわたる研修を受け、営業として金融業界の大手企業を担当するチームに配属された。
「僕が配属されたチームは、大手企業さま1社をメイン顧客として担当しています。毎年、お客さまの社内異動や組織変更などに合わせ、全国各地にある拠点オフィスのレイアウトを変更することが主な業務。先方の管理部門が基準となるレイアウトを決め、それを参考に各拠点内のレイアウトを変更していきます。パーテイションの高さや受付カウンターの幅など、細かい寸法まですべて決まっているので、業務効率を高めるための配置を提案することが基本。入社前、『一から要望を聞きながら、オフィスの付加価値を高める提案をするぞ!』と思っていたので、当初はギャップを感じましたね」

配属された当時、このメイン顧客が、同じ業界の大手企業と合併することが決まっていた。それに伴い、全国にある数百もの拠点におけるレイアウト変更を同時に進めるプロジェクトの最中だったという。金子さんはチームの先輩の下について仕事を学んでいくことに。
「先方の管理部門との打ち合わせに同席してひたすらメモを取り、決定事項を整理していきました。レイアウト図面を作成するデザイナーやオフィス家具の仕入れ先とやりとりする窓口を任されましたが、お客さまの考えまで伝えることができず、叱られてばかりでしたね。例えば、見積もりの作成を依頼するにしても、コストカットを前提に提案を考えるケースもあれば、要望以上の予算になっても提案の幅を広げた方がいいケースもあります。関係各所から『なぜ詳細を確認してこないんだ』と叱られては先輩に確認していましたが、次第に先方との打ち合わせの中でポイントをすべて押さえられるようになっていきました」

また、当初は専門用語もまったくわからない中、全体の工事の中でさまざまなジャンルについても学んでいかねばならず、その点でも苦労したという。
「スプリンクラーや照明、LAN回線、電話、プロジェクター、電源など、オフィスにはいろいろなものが設置されます。それらすべてを網羅し、新しく導入する商品の発注やコスト管理をしなくてはならないため、各協力会社のご担当の方にわからないことを逐一質問したり、工事の現場に立ち会ったりしながら必死で覚えていきました」

さらに、顧客が提示した予算とやりたいことの折り合いをつけるためには、先方の社内ルールや部署ごとの仕事内容について詳細に把握していくことが必要だった。
「社員数や組織構成はもちろん、どんな業務を行い、管理する書類の量がどれくらいあるのかなど、詳細に把握してからレイアウト図面に落とし込みます。会議室など各拠点で必要なものを整理した上で、ようやく工事費用の概算コストを算出でき、お客さまへ提案ができるんです」

この時点で各業者の見積書もすべて顧客へ提出し、予算内に収まるのかどうかを確認。予算超過していたならコストを下げる提案を、下回っていたなら各拠点に要望を聞き、それを取り入れる提案を行うという。
「本社にある管理部門と拠点、双方の意見を調整しながら最終的なレイアウトと金額を決定し、そこから製品を購入する業者さまに正式な発注をかけ、そのあと今度はお客さまと業者さまの間に入り、工事スケジュールの調整を行うことが必要に。私が配属された時期は、このプロジェクトは終盤にさしかかるころでしたが、それでもひたすら調整を続ける日々でした」

入社1年目が終わるころ、金子さんは営業として独り立ちし、千葉、神奈川、東京、埼玉のエリアを担当。1年間で40拠点のレイアウト変更案件を手がけていくことに。
「本当に工事終了までたどり着けるのか不安でいっぱいでしたね。お客さまの各拠点の本部長や支社長と直接話をし、要望に沿えるかどうか判断していく立場となりましたが、先方から『こんなことがしたい』という要望があっても、コストや工事期間と折り合いがつかなければ実現はできません。さまざまなものにかかる予算はもちろん、各業者さまのスケジュールも、お客さまの業務のスケジュールも把握していなくては判断できないし、何より、入社2年目の自分がお客さまの拠点の上層部の方に向けて『これはできません』とお断りすることにとても勇気がいりました」

独り立ちした当初は、打ち合わせでは顧客の要望に沿えるかどうか自分だけでは判断できないことも多く、そのたびに業者に可能かどうかを確認することに。また、最終レイアウトを決定する際には、予算を担当する先方の管理部門と、要望をかなえたい現地拠点との間でなかなか折り合いをつけられず、意見を伝える往復作業をするだけの自分に歯がゆさを感じた。
「そんな中、ある拠点の担当者が、担当の私ではなく、先輩に頼みごとの連絡をする出来事があって。原因は、僕に提案力がなく、全体像も把握できていなかったから。くやしかったけれど、それよりも『自分の力不足で、会社の評価を下げるわけにはいかない』と思いました」

この時から、金子さんは、自分なりに把握すべきこと、提案すべきことを整理した上で打ち合わせに臨み、着地点に向かうための道筋を作ろうと意識するようになったという。
「管理部門にとっては『コストが重要』であり、現地拠点は『一番いいレイアウトにしたい』と考えています。そこで、双方のメリットとデメリットを考えた2つの案を持っていくことに。『お金はかかるけれど、拠点の評判がいいもの』『コスト削減はできているけれど、拠点に不満が残るもの』という2案を提出したことで、折衷案に落ち着けることができました。こちらで道筋を考えて提案する方法論を確立できた時期でしたね」

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顧客と商談ののち、本社内ショールームにて、オフィス家具の実物を見せながら提案。椅子の生地の色見本を見せ、デスクの天板の色と相性のいい組み合わせを紹介。また、チェアやデスク幅などの寸法をメジャーで測りながらレイアウト図面に合う大きさの商品なども提案する。

入社3年目、大規模ビルの移転計画や、一からオフィス提案を行う特殊案件に携わり、仕事のやりがいを実感

入社3年目、金子さんは埼玉エリアにある先方の本部拠点再編に伴い、レイアウト変更を手がけることになる。4つの大きなビルに部門ごとのオフィス拠点があったが、それぞれが4つのビルをまたいで玉突きのように移転する計画だったという。
「計画段階からプロジェクトに入りました。移転とレイアウト変更の期間は3カ月しかなく、その上、お金もかかる大規模な計画だったので、各拠点からの要望をうかがいながら全体を調整することも大変でしたし、本社の管理部門から予算やレイアウト図面への承認をもらうまで本当に苦労しましたね。しかし、レイアウトから工事スケジュール、コストの管理まで、すべての計画を自分で手がけたため、達成感も大きかった! 無事終了したあと、遠くからそのビル群を見た時、『あの建物は、自分がプロデュースしたんだ』という喜びを噛みしめました」

また、この案件と並行して、本社ビル内のすべての基準となるレイアウトを再編成する計画にも携わった。
「約半年かけて、40階以上もある高層ビルの全フロアのレイアウトを変更することに。毎週、各階のフロアの半分の工事を完了させていく計画のため、工事の進捗に遅れを出すことは許されない状況でしたね。一大プロジェクトのため、業者との調整は関連会社が代行することになりましたが、それでもお金とモノの管理はすべて自分の担当です。スピード感ある工事の進捗に遅れが出ることがないよう、常に全体の動きを把握せねばならない。『何とかするしかない!』と気合を入れ、無事に乗り切ることができました」

一方、これまで手がけてきたレイアウト提案ではなく、「一からオフィス作りの提案を行う」特殊案件も経験した。
「新たに来店型の店舗を設置する計画があり、トライアルで拠点を作る案件を任せてもらえることになりました。入社当初から、一から自分で手がける案件にチャレンジしてみたかったので、すごくうれしかったです」

本社の管理部門から「こんなオフィスにしたい」「こういった業務を行う」など、オフィス環境のイメージを聞き、コンセプトを考えるところからスタート。
「まずは来店型店舗の目的について考え、『新規のお客さまを獲得すること』が重要だと思いました。これまでとは違う層を狙うため、ターゲットは若者世代に設定。それに合わせて、内装や家具を明るいカラーにしようと。さらに、どれくらいの新規客を獲得したいのかを想定し、店舗の立地条件やコストについて考えることに。ヒト・モノ・カネの三大要素を体系化し、これをお客さまにぶつけてチェックしてもらいながら計画を詰めていきました」

大枠が決まったところで、レイアウト図面の作成に入ったが、結局、最終決定までに20回も作り直すことに。
「管理部門からはOKをもらったものの、営業企画部門や経営層からなかなかOKが出なくて。最初はレイアウト作成も楽しい作業でしたが、方針が変わるたびにデザイナーにやり直しをお願いするため、次第に申し訳ない気持ちでいっぱいになりました」

何度もレイアウト作成をやり直す中、金子さんは「目の前にいる管理部門の担当者だけでなく、その向こうにいる人たちまで説得できる内容にすることが重要だ」と気づいたという。
「そこからは、先方の営業企画部門への人脈を広げ、どんな要望があるのかを直接ヒアリングしたり、社長の考え方や提案への反応について教えてもらうこともしていきました。提案内容にそうした意図まで盛り込むことによって、ようやく5カ月後にすべての承認をもらうことができたんです」

入居予定までの期間はすでに2カ月を切っていた。そこから急いで工事関係の調整をしたものの、入居予定のビル全体の工事が大雪で遅れてしまい、当初、2週間で行う予定だったオフィス内の工事を5日間で完遂せねばならないことに。
「工事の現場は24時間体制で動くように調整し、どうにかして間に合わせる工程を考えました。もしも工事が止まればオフィスの完成が間に合わず、予定通りに入居できなくなってしまう。そのため、私自身も、現場からの連絡に対し、素早く判断することで工事を止めずに進められる体制を作りました」

工事期間中には、再度の大雪で工事が遅れ、近隣住民からのクレームで工事がストップし、もらっていたビルの設計図面から大きく仕様が変更されていたことでレイアウト通りにオフィス家具が配置できない事件まで起きたという。想定外のトラブルが続出したにもかかわらず、金子さんはその都度、素早い決断で工事の調整やクレームへの対応、サイズの合う家具を再納品する対応などを行い、無事、終了させることができた。
「工事の現場と密に連携を取り合う体制を作ったことで、間に合わせることができました。これを乗り越えたおかげでメンタルが強くなりましたね! この仕事は、関係各所との調整を行い、細部の段取りまでしっかり考えていかねばなりませんが、お客さまのパートナーとして、業務内容にまで深く入り込んだ提案をするやりがいがあります。今はまだ会社の信頼ありきで仕事をしていますが、いずれはゼロベースから関係性を築く仕事も手がけ、自分自身を信頼して預けてもらえるような存在になりたいと思っています」

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レイアウト図面で電気の配線などを確認してから、デスクをどう配置するかを考える。また、組み合わせる椅子などもカタログでチェック。自社の見積書の作成はもちろん、電気工事業者や内装業者などの見積もりまで合算したものを作成することも。

金子さんのキャリアステップ

STEP1 2013年4月 新人研修時代(入社1年目)

入社後、一カ月間の新人研修を受け、会社の事業概要、歴史、方針、ビジネスマナーを学んだのち、3カ月間の工場研修へ。滋賀県の工場で、チェアやキャビネットの製造ラインなどを担当。「モノづくりの現場を一から学ぶことができました。棚の下部に樹脂をひたすら詰めていく作業などもあり、地道でありながらスピード感を持ってこなさなければいけない工程が本当に大変でした。工場においては、原価を下げることも一つの使命であり、そのためには、生産ラインを円滑に動かすことが重要となります。効率を下げないため、新人でもベテラン同様に効率的に作業をこなすことが求められましたね。1円でも原価を下げ、安くて品質の高いものを提供するための努力をしている姿に頭が下がりました」。工場研修が終了したのちは、再び東京に戻り、2カ月間のソリューション研修を受けることに。オフィス家具だけでなく、オフィスを快適にする総合提案を行う自社のサービスを理解する座学研修、課題を解決する提案を考え、プレゼンテーションする研修を受けた。「6カ月もの長期研修でしたが、知識を習得するのに必死で、あっという間でした! また、同期41名と長い間一緒に過ごしたことで、仲間としての絆も深まりました。現在でも同期とはよく飲みに出かけています」。

STEP2 2013年9月 大手金融系企業を担当するチームに入り、仕事の全体像を学ぶ(入社1年目)

大手金融系の企業における全国各地の拠点レイアウト変更を主務とするチームに配属。先輩の下につき、仕事の流れや専門知識を学ぶことに。関連業者とのやりとりを任され、工事の立ち会いも行った。「電話の取り付けを行う業者とLAN回線を担当する業者の工事に立ち会った時、『EPSとMDFを開けて』と言われて。意味がわからずに質問したらビル内の電話回線や配電盤を集約したスペースの名称とのことでした。その日はビル管理会社の人がいない状態で、自分が鍵の管理などをしていたので、『プロジェクトを管理している立場の人が、ちゃんと仕切ってくれないと困る』と叱られることに。とにかくいろんな分野の専門用語を覚えなくてはならなかったので、その都度、必死で学んでいく日々でした」。

STEP3 2014年 独り立ちし、関東近郊エリアの400拠点を担当(入社2年目)

営業として独り立ちし、埼玉、千葉、神奈川、東京にある400拠点を担当。1年の間に、40拠点のレイアウト変更を手がけるが、納品ミスで一部のオフィス家具の納入が遅れてしまう失敗も経験。「パーテイションの材料が予定通りに届かないトラブルが。デスクは納品できていたので、先方の業務に支障が出ることがはありませんでしたが、正直、焦りましたね。自分のやるべきことを整理し、仕事の進め方を確立したのちにも、電話機の数が足りない納品トラブルがありましたが、このときには全体を把握できていたので、すぐにほかのフロアで余っている電話機を設置して対応することに。電話機の業者さまから感謝の言葉を頂き、自分の成長を実感した出来事でした」。

STEP4 2015年 大型案件や特殊案件を任される(入社3年目)

埼玉の本部拠点再編案件や、東京の本社ビル内のすべてのレイアウトを標準化する案件を並行。さらに、これまでなかった来店型店舗の出店計画に伴い、レイアウト一から手がける特殊案件も経験。「一つのオフィスを作る際には、お客さまの関係部署、自社の関係部署、必要なものを納品する業者さま、工事業者さまなど、トータルで500名もの関係者が携わります。動かすお金も億単位で、全体をコントロールすることは難しいけれど、スケールの大きな案件の中心に立つ大きなやりがいがあります」。

ある日のスケジュール

8:30 出社。一日のスケジュール確認。
9:00 チームミーティングに参加。チームのメンバー4名の一週間のスケジュールを共有。
10:30 見積書や提案資料を作成。発注した商品の伝票処理や問い合わせの電話対応も行う。
12:00 チームメンバーと一緒に近場のレストランで昼食を取る。手早く済ませ、早めに戻って外出の準備を行う。
13:30 顧客の本社を訪問。組織変更プロジェクトと新規案件について、それぞれの担当者と打ち合わせを行う。
17:00 帰社。打ち合わせ内容の整理をしたのち、デザイナーに電話し、レイアウト図面の作成を依頼。関連業者にも連絡し、工事の見積書作成を依頼。
18:00 翌日の打ち合わせに向けて、関係者の一覧表や要件をまとめた資料を作成。見積書や図面、提案資料の作成も行う。
20:00 退社。

プライベート

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大学時代に弓道部に所属し、現在も地元の道場に月に一度は通っている。「的を射る時間は、自分の体に向き合い、精神を統一するため、無心になれるんです。終わった後には、すごくリフレッシュできています」。

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大学時代の友人や先輩と、多ければ月に3回、少なくても月に1回は飲み会を開いている。写真は2015年9月に撮影したもの。「みんな仲がいいので、一切気遣いせず、リラックスできますね。息抜きの場として、思いっきり楽しんでいます」。

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社会人になってから旅行が趣味になった。2カ月に一度は、友人と国内旅行に出かけている。写真は、2015年11月に友達と一緒に沖縄を旅した時のもの。「長崎、沖縄などの遠方まで行くこともありますし、箱根などの近場の温泉にもよく出かけています。自然の中にいることが好きなので、東京近郊の大きな公園に出かけたりもします」。

取材・文/上野真理子 撮影/刑部友康

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