ローランド株式会社 永井さん(入社8年目・RJSカンパニー第3営業部 主任)【先輩たちのワーク&ライフ】

ながい・りょうた●RJSカンパニー第3営業部 主任。神戸市外国語大学外国語学部国際関係学科卒業。2009年4月入社。大学で国際関係を学んだことから海外の報道に携われるチャンスのあるマスコミ、好きな音楽に関連するメーカーを視野に、約30社にプレエントリー。約15社の選考を経て、音響メーカーからも内定をもらったが、音楽により近いところで希望する営業職として仕事ができることに魅力を感じ、現社への入社を決意。

楽器チェーン店、家電量販店、卸売店への営業を経て、3年目の札幌勤務で成長を実感

1972年の創業以来、世界トップレベルの技術を搭載したシンセサイザー(電気的信号を合成することにより音を出す楽器の総称)をはじめとする電子楽器を数多く発表してきたローランド株式会社。「Roland」ブランドは、プロのミュージシャンからアマチュアまで国内外の音楽ファンに広く知られている。

永井さんは2009年の入社以来、一貫して国内営業に携わってきた。最初に担当したのは、関東近郊の楽器チェーン店で、千葉や埼玉などにある約30店舗を受け持つことになった。半年ほど先輩に同行して営業ノウハウを学ぶことになり、最初にぶつかった壁が自分の製品知識の乏しさだった。
「音楽を聴くのは好きですが、楽器を演奏できるわけではなかったので、『この新しいシンセサイザーは…』と言われても、ピンとこなくて。楽器店の担当者と先輩との会話に、ほとんどついていけませんでした」

一念発起した永井さんは、自社の製品パンフレットはもちろん、音響関連の専門誌や用語辞典を読み込み、平日の夜にはドラムを習い始めた。
「営業先でも販売店の担当者にいろいろなことを教えていただき、感謝しています。1年目は、とにかく製品知識を身につけることに必死でした」

2年目には、関東近郊の家電量販店と、卸売店の担当に。
「1年目と大きく異なるのは、営業先が楽器だけを取り扱っている販売店ではないこと。店頭に並べてもらえる製品も限られますし、家電量販店の担当者も卸売店のバイヤーもとにかく忙しく、ゆっくり話を聞いてもらう時間をなかなかもらえませんでした」

そこで、既存の製品カタログにじっくり目を通す時間がない担当者のために、永井さんは自分が伝えたいポイントを簡単にまとめた別紙を添えて渡すよう工夫した。
「誰と話せば話がスムーズに進むのかというキーパーソンを見極めることも、この時に学びました。家電量販店や卸売店は全体の取扱商品やビジネスから見ると、楽器販売の占める割合は大きくありません。しかしながら、当社にとっては規模の大きい取引先です。2年目という若いうちに、こうしたビジネスを経験できてラッキーでした」

11年4月、札幌に転勤となった永井さんは、先輩と2人で北海道全域の地場の楽器店、楽器チェーン店、家電量販店の営業を担当することに。
「新天地でイチからリレーションを築くのは時間がかかりましたが、いきなり仕事の話をするのではなく、音楽の話や世間話などで相手の好きなことを聞き出すよう心がけました。何か共通の話題が見つかると話が弾み、商談にもスムーズに入れた経験から学びました」

札幌では、ショップ・イン・ショップの運営も経験した。ショップ・イン・ショップとは、自社製品を専門に扱うコーナーを販売店内に設置する販売施策で、自社のスタッフを派遣する場合もある。派遣したスタッフが売り上げに貢献するのはもちろんだが、営業担当の役割はスタッフと連携して“より売れる方策”を店側に提供し実践すること。その1つが、楽器店の方々を対象とする販売研修だ。

永井さんは、店に常駐している自社の派遣販売スタッフから、楽器店の方々の動き、店舗で行うセールや教室の生徒募集開始のタイミングなどを事前にヒアリング。販売店に積極的に売ってもらうための方策を資料にまとめ、研修を実施した。
「研修の最大の意図は、販売店スタッフの方の売る気を引き出すこと。製品知識を増やしてもらうことよりも、製品の良さを理解してもらい、『売りたい』と思ってもらうことに注力しました」

こうした努力が実り、ピアノの購入が増える春の入学シーズンや年末前、お店のスタッフが入れ替わった際などに、楽器販売店側から研修の依頼が舞い込むようになり、ピアノの導入から販売展開までを含む商談が増えていった。
「自社の販売スタッフにも売り上げ目標があるので、私が協力することでスタッフが目標を達成できることがうれしかったですね。数字面だけでなく、自分のアドバイスで販売スタッフの行動が変わり、できなかったことができるようになるなど、人の成長に寄与できるのは素晴らしいこと。北海道での2年間で、営業として一人前に近づけたかなという実感が持てました」

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現在は、西日本地区のWeb中心の販売店を担当。
取引先とはメールや電話でのやりとりも多いので、営業で外出するのは週に数日。先方に提供する資料の作成など、デスクワークが増えた。

自分の行動が数字に直結する面白さ。Web通販の販売店営業にやりがい

13年4月、東京オフィスに戻った永井さんは、関東近郊の販売店を担当しながら北海道や東北の販売店を担当。そして15年4月からは、発足直後のWeb通販中心の販売店を担当する営業部の主任として、営業活動を行っている。

「今までと違って店頭よりもWebでの販売に力を入れている取引先もあるため、場合によってはそれまで重要だった商品展示の交渉や売り場づくりの提案だけではうまくいかないなど、商談の要領はかなり異なります。こうした販売店へのアプローチとして有効なのは、製品情報の提供。当社の公式サイトやパンフレットには載っていない別の切り口で商品の魅力を伝えられるよう、さまざまな情報や写真をタイムリーに提供することが重要だと考えています」

営業として、自社の製品の動きに常に目を光らせておくことも重要だ。入社以来担当してきた実店舗では商品販売の中心はピアノだったが、Web通販ではシンセサイザーや電子ドラムなどが売り上げの中心であり、いつどこで何が売れているかという製品の動きを把握していないと、タイムリーな提案ができないからだ。

永井さんは、こうしたデータを分析し、「どういう人にどの製品が売れているのか、どんな用途で購入しているのか、どのタイミングでよく売れるのか」という情報に基づいた提案を行っている。

「Web通販の販売店は実店舗と違い、商品の魅力を伝えきれず他社との差別化をはかりにくいこともある。そこで商品の付加価値を上げるコンテンツ、例えば製品を組み合わせたセットの使い方を見せることで魅力をアピールし、『買いたい』と思わせるような提案が必要です。提供した情報がうまくはまれば、得られる成果も大きい。自分の行動が実績につながりやすいので、大きなやりがいを感じています」

所属する第3営業部は発足以来、部門目標を達成しつづけており、業績は好調に推移している。メンバーにも一体感が生まれていて、「今が一番楽しい」という永井さん。

「営業を希望して入社しましたが、その選択は正しかった。個人目標を達成できず悔しい思いをすることもありますが、日々の営業活動を通じていろいろな人に出会い、転勤や出張でいろいろな場所に行って、自分の見聞を広めることもできる。営業という仕事が、人生にとてもプラスになっています」

永井さんの目標は、国内営業を極めること。特に、現在携わっているEC(電子商取引、eコマース)分野での営業経験をさらに積んでいくことだ。

「市場が拡大中のWeb販売で目標を達成することはもちろんですが、流通なども含めたECの分野において社内で一番詳しい存在となり、『この分野は任せろ』と自信を持って言えるようになりたいですね」

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手にしているのは、16年1月に新発売された、アコースティックと電子のハイブリッド打楽器「エルカホン EC-10」。この製品の魅力を販売店にどう伝えるのが効果的かを、メンバーと話し合う。

永井さんのキャリアステップ

STEP1 2009年 関東近郊の楽器チェーン店、家電量販店、卸売店の営業を経験(入社1年目)

4月に入社後、浜松にある本社にて1週間の新入社員研修に参加。30名弱の同期と工場を見学したり会社の事業やビジネスマナーについて学んだ後、東京オフィスに配属となる。関東近郊の楽器チェーン店や家電量販店などを担当する営業グループで、楽器チェーン店の担当となる。1年後、家電量販店と卸売店の担当に。入社後の2年間は、日々の業務を着実にこなしていくことで、目標達成という結果がついてきた。

STEP2 2011年 札幌オフィスに転勤。北海道全域の楽器店を担当(入社3年目)

4月、札幌オフィスに異動となる。予想外の転勤の知らせに初めはとまどいもあったが、先輩と2人で北海道全域の地場の楽器店、楽器チェーン店、家電量販店を担当。訪問先の多くは札幌市内だが、月に1度はそのほかの地域も訪問するため、車や飛行機で営業に出かけることもあった。初めての地方営業で関係を築くまでに時間がかかったが、仲良くなると面倒見の良い人たちが多く、社内ではわからないような地元の事情を随分教えてもらった。半年が経過するころには、札幌での仕事もプライベートも充実。

STEP3 2013年 東京オフィスに戻り、関東と並行して北海道の担当も継続(入社5年目)

4月、営業体制の変更に伴い、東京オフィスに転勤。関東の楽器チェーン店を担当しながら、北海道の担当も続け、月に5、6日間は北海道に出張した。関東で担当した楽器チェーン店は、売り場面積が広く音楽教室も併設している重要な得意先。一方で売り上げが伸び悩んでいた北海道の販売店に対し、東京からの営業活動に限界を感じ、モチベーションを保つのに苦しんだ時期も。しかし、自らだけでなく自社の販売スタッフと協業することで、東京にいてもできることがあると気づき、北海道にいる販売スタッフとの関係づくりに力を注いだ。

STEP4 2014年 北海道の担当を離れ、関東と並行して東北地区を担当(入社6年目)

4月、関東の楽器チェーン店と地場楽器店の担当と並行して、東北エリアを担当することに。主に福島県の楽器店を担当、出張で訪問するようになった。担当してすぐに、福島市の楽器店の発案で、東日本大震災の被害が大きかった南相馬での展示即売会を実施。その楽器店の常連客が、避難先の東京からこのイベントのために福島に戻ってローランドのドラムを購入していた姿に感激した。15年4月、主任となり、新たに発足したWeb通販中心の販売店の営業担当に。

ある日のスケジュール

8:45 出社。9時10分から約10分間、第3営業部全員で朝礼。その後、メールチェック。
10:30 得意先やその他販売店のWebページ、SNSをチェック。
11:00 担当カテゴリー商品の情報確認と共有を行った後、午後のミーティングの準備。
12:30 オフィスの近所で昼食。営業で外出する場合は、出先で食べることも。
13:30 社内プロジェクトミーティング。各部門から集まった担当者7、8名と、業務の効率化・改善について話し合う。
14:30 販売店に提供するWeb掲載用の記事や画像作成について、グループ内で打ち合わせ。
15:30 販売店に電話を入れ、販売・仕入れ状況をヒアリング。電話で見つかった課題の対応策を考える。
17:30 販売状況と販売計画を確認。翌日の準備を済ませて、19時ごろ退社。

プライベート

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会社の同僚やその友達など10名以上でフェスに行くのが恒例行事。写真は2015年のフジロック。「有名アーティストのステージでRolandのロゴを見つけると、やっぱりテンションが上がります(笑)」。

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札幌で親しくなった友達らと4人で、13年9月、富士登山に挑戦(写真左が永井さん)。「登山に目覚めたのは、札幌勤務時代。遊びに来た両親と眺めた蝦夷富士(羊蹄山)の美しさに魅了され、登頂したのが始まりです」。

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お城めぐりが趣味で、出張のついでに足を延ばすこともある。写真は16年2月に行った熊本城。「もともと歴史が好きで、大河ドラマを見て興味が一気に高まりました。石垣を眺めつつ、その時代の武将に思いをはせています」。

取材・文/笠井貞子 撮影/刑部友康

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