防衛省 織田さん(入社15年目・防衛省本省戦略企画課)|後編【先輩たちのワーク&ライフ】

今回の取材先 防衛省
事業内容:「安全保障」という国家存立の根幹を担う防衛省。世界各国との安全保障協力、国際平和協力活動、大災害への対応、陸・海・空だけではなく、宇宙・サイバー分野においても求められる安全保障の取り組みなど、防衛省が必要とされるフィールドは多岐にわたります。「わが国の平和と独立を守り、国の安全を保つ」という使命の下、日々新たな課題に対応している。

前編では、入省15年目の織田雄一(おだ・ゆういち)さんに新人時代についてうかがいました。後編では、これまでのキャリアの中で印象に残っていること、1日のスケジュールについて紹介します。

印象に残っている仕事と防衛省で働く魅力

-担当してきた仕事で印象に残っていることを教えてください

入省9年目に、PKO(国際連合平和維持活動)部隊として、自衛隊の南スーダンへの派遣を担当することになりました。日本から2万キロ以上離れたアフリカの大地に約350人の自衛隊員を派遣したことは、日本の国際平和協力活動において歴史的な意味を持ち、多くの議論となりました。派遣は隊員の命にかかわることであり、安易な妥協は許されません。隊員はもちろん、その家族に胸を張って派遣の意義を伝えられるのか、安全保障に携わるプロとしての自覚を突き付けられる経験でした。

南スーダン派遣のみならず、安全保障にかかわる政策決定はしばしば、国家を二分するような議論を呼び、ときに批判にさらされます。大切なのは、日本の10年、20年先を考えて何が必要かを考えること。先輩に、「われわれの仕事は、歴史に責任を持つ仕事だ」と言われたことがありますが、まさにその覚悟がなければいけないと実感しました。

また、入省13年目には内閣総理大臣秘書官付として、総理大臣秘書官と共に安全保障政策面で内閣総理大臣の補佐業務を担当。総理大臣秘書官は、防衛省を含む5つの省から5人が選出され、総理大臣の最側近として動きます。私のポジションは秘書官“付”で、防衛省から出向している総理大臣秘書官のサポートという役回りでした。日々どんな事案が発生するかわからない中、携帯電話を肌身離さず、必要あればどこからでも駆け付ける生活を2年間送りました。

日本を取り巻く情勢は常に変化しており、北朝鮮の弾道ミサイル発射問題など、前例のない案件が次々と起こります。防衛省としてどんな対応ができるのか情報提供する中で、官邸のとある先輩に言われたことがありました。「過去の慣習を守るために、日本を守れなくなるのは本末転倒だ」と。重責がかかればかかるほど、「過去に対応例がないから難しい」と成功事例を探していた自分の考え方の甘さを突かれ、はっとしました。日本の安全にとって本当に必要なものは何か。そこから逃げずに考えるマインドセットを鍛えられ、本当に成長させてもらいました。

-今後の目標を教えてください

来るもの拒まず、さまざまな分野の知見を得ていきたいですね。入省当時と今では、安全保障環境がまったく異なっていますし、今後も予測ができません。現在は、中長期的な安全保障政策の企画立案に携わっており、課内にはサイバー、弾道ミサイル防衛、宇宙・海洋、抑止戦略の4チームがあります。サイバー分野の安全保障を考えるなんて、数十年前には想像もできなかったこと。そう考えれば、どんな未知な領域にも、好奇心を持って取り組む姿勢はとても大切です。

-働いてみて感じる防衛省の魅力を教えてください

官公庁の仕事の進め方は、「前例踏襲で保守的」なイメージを持たれがちです。でも、少なくとも防衛省においてそれは通用しません。新たなフロンティアを開拓していくことが常に求められていて、非常に刺激的な環境だと思います。難しくて責任の重い仕事だからこそ、プロジェクトを無事終えた後の充実感は大きいですね。

-学生へのメッセージをお願いします

防衛省への入省の決め手になったのは、大変そうな仕事だと感じたことでした。学生時代の出来事で記憶に残っていることのほとんどは“大変だった”こと。例えば、旅先でトラブルに巻き込まれなんとか切り抜けた経験も、振り返れば鮮明な記憶になります。「やりがいはいつも大変なことの中にある」というのが、防衛省で働いて得た僕の考えです。大変なことは嫌なこと、なのではなく、むしろ立ち向かうことに面白さがある。仕事内容の大変さをポジティブにとらえて、就職活動をしてもいいのではないかと思います。

ある一日のスケジュール

7:15 起床。
9:30 出社。メールをチェック。
10:00 友好国との協議に出席し、課題を議論。
12:00 省内の食堂でランチ。
13:00 デスクワーク。午前中の協議を踏まえた今後の方針について起案。
16:00 内閣官房にて、関係省庁と会議。
18:00 防衛省内幹部に会議の結果を報告。
19:00 省内の食堂で夕食。
21:00 帰宅。
帰宅後は、数カ月後に控えたフルマラソン大会に向けてランニング。ストレッチして就寝。

プライベート

2017年5月、夫婦でベトナム旅行へ。ホイアンで開催されているランタン祭りを見に行った。にぎやかな屋外マーケットを背景に。

取材・文/田中瑠子 撮影/刑部友康

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