株式会社タマディック

今回の訪問先 【タマディック 東京事業本部 東京事業所 車体設備技術2課】
「こんなモノをつくりたいけど、設計者が足りない」「工場を立ち上げたいけど、生産技術の専門家がいない」「この期間までに新製品をつくりたい」…。モノづくりの現場ではさまざまな技術や部品が必要です。例えば自動車であれば部品の数は3万点以上。また新しい自動車を生産するには、生産ラインの設計も必要です。しかも技術はどんどん進化していきます。それに対応しつつ、それぞれに要求される機能を検討し、適正な価格および期間でそれらをすべて自社のエンジニアだけで開発、設計するのは容易ではありません。このようなモノづくりの工程を専門的な技術、ヒアリング力、提案力でサポートするのが、エンジニアリング会社です。1959年に設立されたタマディック(当時の社名は多摩技研。90年に現社名に改称)は、業界でも古参。設立から1年後には戦後初の国産旅客機YS-11の設計に参加。それ以降も航空・宇宙分野でのモノづくりに強みを発揮し、ロケット燃焼試験、種子島宇宙センターでは打ち上げ支援などに従事してきました。現在は航空・宇宙のほか、自動車、電機、産業機械の大手メーカーのモノづくりの現場でタマディックの技術者が活躍しています。またタマディックは50年以上、培ってきた技術を生かして、フライトシミュレータ(模擬飛行装置)などの製品開発も行っています。今回はタマディック 東京事業本部 東京事業所 車体設備技術2課のシゴトバを訪れました。

 

大手メーカーから製品や生産設備の設計・生産技術を請け負う

タマディック 東京事業本部は東京都新宿区にあります。最寄り駅は地下鉄都営大江戸線の東新宿駅。そこから2分ほど歩けば、東京事業本部のあるビルに着きます。駅の名前からもわかるとおり、東京事業本部のあるビルは新宿の中心地から近く、西武新宿線新宿駅からは徒歩13分、JR新宿駅からも徒歩20分ほどの距離です。周囲は飲食店も多く、ランチに困ることはありません。

東京事業本部 東京事業所 車体設備技術2課のシゴトバを同課所属の小川綾さんが紹介してくれました。写真は東京事業所の設計室です。

「東京事業本部には東京事業所のほかに車両開発部という部署がありますが、このビルで仕事をしているのは東京事業所の一部のエンジニアです。東京事業所の多くのエンジニアはお客さま先に常駐。また車両開発部に所属しているメンバーは、神奈川県厚木市の日産自動車テクニカルセンター内に執務エリアを設け、設計業務に従事しています。私も入社1年目の2013年11月から15年4月まで神奈川県の座間にある拠点に常駐し、製造ラインの設計に携わっていました。お客さま先と東京事業所との業務の一番の違いは、お客さまとのやり取りが直接なのかメールなどを使うかというところ。もちろん勤務場所の雰囲気の違いはありますが、携わる仕事の内容ややりがいは変わりません」(小川さん)

東京事業所では自動車関連に加え、OA機器や精密機器メーカーからの設計・開発の受託案件に携わっているメンバーもいるそうです。

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車体設備技術2課が主に担当しているのは、自動車の生産ラインを構成する設備の設計。写真を見ればわかるように、設計は3次元CADで行います。

「今、私が担当しているのは車体溶接設備の治具(※1)の設計です。お客さまの要求を満たし、溶接ガン(※2)などの装置と干渉しないようにするにはどのような形状にすれば良いのか、それは加工しやすいのか、また実際に治具を使って溶接する作業者が部品をセットしやすいかなど、さまざまなことを検討して、設計を行っていきます。その上で上司にチェックをしてもらい、お客さまに提出。そしてフィードバックを待ちます。そのようなやり取りを繰り返して、設計を固めていきます。今、私が抱えている案件はこの治具設計以外に2件。担当する案件は大小合わせてさまざま。というのもある治具の設計だけを任されるようなものもあれば、基本構想の検討段階から携わってほしいと言われることもあるからです。またどのような装置・仕組みにするかという基本設計はお客さまの方で行い、具体的な装置や部品の形状を決める詳細設計から担当することもあります。そんな詳細設計の案件の中には、1週間で仕上げてほしいというような短納期な案件もあったり…。とにかくいろいろな案件に携われるのが面白さですね」(小川さん)
※1 複数のプレス部品を組み付けする装置
※2 電流の抵抗熱で金属を溶かしスポット溶接する装置

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タマディックでは自動車以外にもさまざまなメーカーの案件を手がけています。その中には小惑星探査機「はやぶさ2」を搭載したことでも有名な航空・宇宙分野の案件も。写真は純国産ロケットH-IIAロケット26号機の打ち上げシーンです。H-IIロケットの時代より、同社ではエンジン開発や設計(構造解析・振動解析・熱解析など)、エンジン試験、フェアリング(空気抵抗を減らすための部品)の設計、打ち上げ支援などを行っています。さらには宇宙ステーション補給機(こうのとり)の構造設計などにも携わっています。

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タマディックは、メーカーの顔も持っています。写真はタマディックが開発・設計したフライトシミュレータです。6軸(前後、左右、上下、左右方向の傾き、前後方向の傾き、左右方向の回転)モーション装置で機体の動きを体感できることに加え、コンピュータ・グラフィックスでリアル な視界を再現。また保守点検コストがかからないような工夫も施されているとのこと。同フライトシミュレータは、飛行機のモデルや飛行ルートなどの視界データベースを追加できるなど、拡張性の高い設計になっています。飛行機だけではなくロケット操縦のシミュレーションも可能だそうです。

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「当社では新入社員研修としてエルダー制度が設けられています。エルダー制度とは、部署に配属された新人1人に対し先輩エンジニアが1人つき、その新人を育てていくという制度です。現在入社3年目となった私は、初めてエルダーを務めることになりました。設計の業務と並行しながら、後輩を育てるという任務にも従事しています」(小川さん)

写真は小川さんがエルダーとして育てている後輩から設計に関する質問を受けているところ。エルダーは業務を教えるだけではなく、生活面などを含め、さまざまな相談に応えるそうです。

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タマディックには設立当初から伝わる設計の心得があります。

「『設計十訓』は当社の創業者の森實千馬太(もりざねちまた)が毛筆でしたためたものです。この設計十訓は各拠点の一番目立つところにはられているだけではなく、社員が携帯するカレンダーにも記されており、常に目にしています。私自身、仕事をしている時は、常にこの心得を頭に思い浮かべるようにしています。この心得は私たちタマディックエンジニアのDNAとして浸透しているんです」(小川さん)

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打ち合わせコーナーです。東京事業所の設計室には、気軽に打ち合わせができるよう、あちこちに打ち合わせテーブルが配されています。

「ほとんどは仕事の打ち合わせで使いますが、たまに後輩たちと気分転換のおしゃべりに使ったりすることも。この打ち合わせコーナーは窓側にあるので、開放感も抜群です」(小川さん)

写真のように、タマディックでは複数の女性エンジニアがさまざまなモノづくりの現場で活躍しています。

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ハタラクヒト 同じ設計でもお客さまごとにやり方が違う。そこも面白さ

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引き続き小川さんに「タマディック 東京事業本部 東京事業所 車体設備技術2課」というシゴトバの魅力、やりがい、職場の雰囲気などについてうかがいました。

 

小川さんは明治大学理工学部機械工学科を卒業後、2013年にタマディックに入社しました。

「大学で学んだことを生かしたいと思っていました。ゼミの先輩の就職先を見ていた時、タマディックが目に入ったんです。そこで、エンジニアリング会社という選択肢もいいなと気づきました。というのもさまざまなモノづくりに携われるチャンスがあるからです。当時から私は自動車の設計に携わってみたいと思っていましたが、本当に自動車の設計が自分に合うかどうかはわかりません。もし合わなくても、エンジニアリング会社なら、別のモノの設計に携わることができますから」

 

そう考え、エンジニアリング会社に絞って就職活動をした小川さん。数ある会社の中でもタマディックを選んだのは、「歴史が長いこと。そして自動車や航空・宇宙など、興味ある分野の案件を数多く手がけていたからです。この会社で働きたいなと思いました」。

 

研修後、現在の部署に配属されましたが、勤務先はお客さま先の拠点。

「お客さま先への常駐だったので、緊張しましたね。でも先輩たちが『行くところはこんなところだよ』『わからないことがあれば、○○さんに聞けばいいよ』というように、私が不安に思わないよう、業務がうまく遂行できるような情報を丁寧に教えてくれたんです。もちろん常駐先には、頼れる先輩たちがたくさんいます。大変なこともたくさんありましたが、お客さまから直接『頑張ったね』と声をかけてもらったりするなど、やりがいの多い現場でしたね」

 

現在は東京事業所の中で、ほぼ一日、3次元CADに向かい設計をしているという小川さん。設計に携わる面白さ、やりがいについて聞いてみました。

「最もうれしい瞬間は、お客さまの要求仕様を満たすよう、自分で一から考えて設計し、そしてその図面が上司、さらにはお客さまからOKをもらえたときですね。新規工場の立ち上げ案件では、2年にわたるプロジェクトもありました。途中で仕様変更などもあり、何度もフィードバックを頂き、『これは、本当に終わるんだろうか』と思ったことも。でもそういう大変な案件も、終わればいい思い出なんですけどね。あとはお客さまごとに図面の描き方なども変わります。そういった違いを覚えるのは大変ですが、いろんな会社の設計を学べるということも、エンジニアリング会社で働く面白さだと思います」

 

最後にタマディックという会社の風土・文化について聞きました。

「本当に皆さん、優しいんです。何かわからないことを聞くと、とことん教えてくれます。『忙しいからあとで』なんて言われることもほとんどありません。だからどんなことでも相談できるいい雰囲気があります。この雰囲気は東京事業所でもお客さま先でも変わりません。本当に仕事がしやすいですね」

 

フットサル、エコラン…。活発なクラブ活動

ヘルスケアルームもあります。保健師が常駐しているそうです。

「体調が悪いときだけではなく、健康に関する相談を保健師さんにしたり。良い仕事をするにはやはり健康が大事ですから」(本社 社長室 リクルートセンター 小野内直子さん)

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タマディックは「名古屋オーシャンズ」というフットサルチームの公式スポンサーです。写真は2015年6月に実施された「名古屋オーシャンズ フットサルクリニック」でのひとコマ。名古屋オーシャンズの選手、コーチを講師に迎え、同社フットサルクラブに所属している社員の方たちが参加しました。

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タマディックではフットサル以外にもさまざまなクラブ活動が行われています。写真はエコランクラブ。エコランとは決められたコースにおいて一定の距離を走行し、いかに消費した燃料が少ないかを競うカーレース。写真はそのレースに出場した時の様子です。

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東日本大震災以降、防災への備えも万全にしているそうです。

「社員全員にヘルメットを配布しています。万一に備え、水や食料などの備蓄もきちんと行っています」(小野内さん)

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タマディックにまつわる3つの数字

自動車、航空・宇宙、電機、産業機械などの分野において、メーカーの設計・生産技術を支援しているタマディック。以下の数字は何を表しているのでしょうか? 正解は、次回の記事で!

1. 90パーセント

2. 92パーセント

3. 1000時間

 

前回(Vol.137 大崎電気工業株式会社)の解答はこちら

 

取材・文/中村仁美 撮影/平山諭

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