三井不動産リフォーム株式会社

こばやし・あきこ●商品企画室兼東京中央支社 インテリア担当マネジャー。東京都出身。49歳。学習院女子短期大学人文学科卒業。2013年入社。設計事務所、ハウスメーカー、リフォーム会社を経て、三井不動産リフォームに転職。二級建築士、インテリアコーディネーター、1級カラーコーディネーター検定試験(R)の資格を持つ。現在、夫と社会人の長女(24歳)、就職活動中の次女(21歳)と4人暮らし。

三井不動産リフォームのインテリア事業をけん引していきたい

インテリア担当マネジャーとして、インテリア販売のためのカタログ作成、家具メーカーやインテリア会社との提携推進、モデルルームの企画設計など幅広く担当している小林さん。これまで、小さな設計事務所から、大手ハウスメーカー、リフォーム会社を経て、営業から企画設計、工事管理、インテリアコーディネートまで幅広い業務に携わってきた。

 

建築設計、リフォームにかかわる一貫したキャリアを積み上げてきた小林さんだが、30代前半までの9年間は専業主婦として子育てに専念。現在の姿を、想像もしていなかったという。

「短大卒業後は、大手銀行で秘書業務を担当していましたが、長女の妊娠を機に23歳で退職。その後、3つ違いの次女も生まれ、育児に追われていました。もう一度働こうと思ったのは、子どもが小学校、幼稚園に入ったこともあり、仕事を通じて社会とつながりを持ちたかったから。銀行退職後に失業保険の申請のため行ったことのある職業安定所(ハローワーク)に足を運んだことから、キャリアは再び動き出しました」

 

部屋のインテリアを考えるのが好きだったことから「インテリア、設計業務に携わりたい」と職業安定所の女性担当者に希望を伝えると、「いい設計事務所があるから、電話してあげる」とすぐに候補企業が出てきた。社長に会いに行くと、「明日から来て」とアルバイト採用が決まったという。

10人ほどの小さな設計事務所では、1日4時間勤務で設計業務のサポートを担当。OJTのほかに、自宅で設計ソフトを勉強したり、インテリアコーディネーターと建築士の資格取得に向けて勉強したり、夜間に通学して設計の基礎を学び、33歳で大手ハウスメーカーの企画営業部に転職。新築の企画設計、コーディネート業務全般を任されると、外壁のサンプルの種類を増やしモデルハウス内に展示を作成するなど、「お客さまが選ぶときに楽しめるコーディネート」を考案していった。

 

リフォームの世界に足を踏み入れたのは、35歳の時。大手リフォーム会社に契約社員として転職し、営業から設計、工事費を計算する積算業務、工事管理、コーディネートまでを担当、受注から施工完成までの一連の流れを学んだことが、三井不動産リフォームでの現在に生きているという。

「リフォームの概念が浸透していなかった2002年当時、リフォーム会社は修繕会社だと思われているところがありました。『キッチンをこう直してほしい』『窓を修理したい』と具体的な要望が多かったのですが、話を聞くと『キッチンにつながるリビングもリフォームした方がいいのでは』『窓に合わせて外壁や内装も変えた方が、今後余計な出費が出ないのでは』などと提案が広がることが多く、どんどん大型受注につながっていきました。お客さまから要望された箇所だけをリフォームするのではなく、なぜリフォームをしようと考えたのか、リフォームすることでどんな家にしたいのかをヒアリングすると、お客さまの潜在的なニーズもわかってくるんです。自分が子育てを経験したことから『お子さまが今は小さいですが、すぐにこのような使い方になりますよ』などと、長期的な視野でお話しできたのも、私の強みだったかもしれません。当時から部屋の内装デザイン提案に重点を置き、小物や家具のイメージまで含めた手書きのイメージスケッチを必ず持参していたのも、大型デザイン工事受注の要となりました」

 

トップ営業の業績を保ち、入社して3年後に正社員登用された小林さんは、その後チーフデザイナーとなり、設計デザイン専任となる。物件に合う家具について相談されることが多くなると、家具メーカーと提携しトータルコーディネート提案ができる仕組みづくりを進め、6年目には、リフォーム事業部のデザインを統括する立場になっていった。

 

三井不動産リフォームへの転職を決めたのは、「インテリア担当マネジャー」のポジションが、まさに自分が求めていたものだったからだ。「営業から工事管理まで全工程を見た上で、10年後にはインテリアに特化した仕事に就こう」と前職から思い続けてきた。三井ブランドへの憧れにも背中を押され入社。3年目になる現在は、インテリア事業を強化すべくさまざまな施策を手がけている。

「三井不動産リフォームでは、リフォームプランナー約150人が、お客さまのニーズにそった空間デザインを提案しています。私はそのプランナーが働きやすいようインテリアのパンフレットを作成したり、家具を含めたトータルコーディネート提案ができるようメーカーとの提携を進めたりと、インテリアを売るための仕組みづくりを担当。前職で営業、設計デザインの経験があったので、『この資料がなければお客さまにインテリアの提案を進めにくいだろう』など気づくことも多かったですね」

 

インテリア販売のブランド力強化のために制作されたWebサイト「デザインリフォームギャラリー」では、色彩・照明・家具を総合的にデザインした人気のインテリアスタイルを監修。トレンドを取り入れたインテリアデザインでのカラーリング、空間コーディネートのアドバイス、情報発信を続けている。

また、全国のリフォームのイベントでお客さまを対象にインテリアセンスアップセミナーを実施し、色彩を中心に、空間作りにおいて、家具、壁紙、カーテン、照明などを含めたトータルコーディネートがどれほど重要か、訴求していく役割も担っているという。

「商品企画室では、北参道モデルルーム、東銀座コンサルティングサロンの設計も担当。設計やデザインを考えるプランナー目線のみならず、プロジェクト全体を統括する営業がお客さまをご案内しやすいかどうか、工務店や大工さんが工事を進めやすいかどうかといった視点をバランスよく考えながら設計できるのは、これまでの経験があるから。実際に営業担当から『お客さまに説明しやすい』『同じデザインでお願いしたいというお客さまが多い』など好評の声を頂くと、とてもうれしくなりますね」

 

「インテリアに関して、困ったときの相談窓口ができてよかった」と社内からも評価され、営業所から「マンションの共有部に置く家具はどのメーカーがお勧めですか」など具体的な問い合わせも多いという。今後も、三井不動産リフォームにおけるインテリア事業の認知をもっと広めるため、さまざまな挑戦をしていきたいと意気込む。

「インテリアメーカーさんと連携を強め、もっと幅広いインテリア商品を提案できるトータルコーディネート力を強めていきたい。インテリア事業における“三井ブランド”を高める役割を担いたいと思っています」

 

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東京中央営業所の新しいコンサルティングサロンの設計・内装打ち合わせ。営業所のメンバーと施工会社と、デザインや使い勝手について意見をかわし合う。

 

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「インテリアセンスアップセミナ~カラーの力で素敵な空間を作るコツ~」を全国の支店で開催。建築とインテリアを融合した空間づくりが、お客さまにより質の高い住空間をご提供できる点を訴求。会社のブランドマネジメント戦略の一環として取り組んでいる。

 

小林さんのキャリアステップ

STEP1 短大卒業後、大手銀行に3年勤めたのち、長女の妊娠を機に退職

銀行では秘書業務を担当し、人事局次長のスケジュール管理、来客対応、会議手配、会議書類作成業務などを行う。相手の状況を読み取って気配りをする力を鍛えられた。長女の妊娠をきっかけに仕事から離れ、専業主婦へ。

STEP2 9年間の専業主婦を経て、1998年に設計事務所へ、2000年に大手ハウスメーカーに入社

職業安定所の女性担当者に勧められるまま、設計事務所のアルバイトとして働き始める。幼稚園に通う次女のお迎え時間までの1日4時間勤務だった。設計事務所時代にインテリアコーディネーターの資格を、大手ハウスメーカー時代に二級建築士の資格を取得。わからないことは職場の先輩に聞き、業務後に通学し、時間が無駄にならないように、1回で合格を目指し勉強。「仕事、家事、勉強と体力的にきつく毎日へとへとでしたが、わかることが増えていくのは楽しく、仕事を通じて周りに頼られ、認められることがうれしかったですね」。

STEP3 2002年に大手リフォーム会社に転職し、リフォーム事業部に配属される

当初、「キレイなモデルハウスで働きたい」と転職を考えており、先輩のアドバイスでモデルハウスに直接履歴書を提出。後日、採用担当者から連絡が入り、契約社員として入社が決まる。「お客さま、特に奥さまのニーズを同じ目線でヒアリングでき、女性ならではの視点で空間の提案ができたことが強みになったのかもしれません」。入社1年目から次々と大型受注を決める。3年連続で営業トップの業績をおさめ正社員に。その後、チーフデザイナー、リフォーム事業部のデザイン統括までつとめ、社員向けにデザインリフォームの勉強会を開くなど、講師としても活躍。事業部の人材育成まで幅広く任された。お客さま向けのイベントに役立てるため、パーソナルカラーの認定講師の資格も取得。

STEP4 2013年、三井不動産リフォームに転職し、商品企画室のインテリア担当マネジャーに

インテリアに特化して仕事をしたい、と転職を決意。1級カラーコーディネーター検定試験(R)などの資格を生かし、照明、壁紙、カーテン、家具など全体の色彩バランスを考えたコーディネート法を全国のリフォームプランナーに伝えている。「お客さまと直接かかわることはなくなりましたが、全国のプランナーや営業の方から『新しい資料が役に立った』『カラーセミナーがきっかけで契約できた』『案内しやすいモデルハウスになった』などと言っていただけると、やりがいを感じます」。東京中央支社との兼務により、営業所のメンバーと営業所のデザイン力向上の施策にも取り組んでいる。現場の動きを常に把握し、現場に必要な情報のアウトプットも続けている。

ある一日のスケジュール

6:00 起床。朝食の準備。
8:45 出社し、メールチェック。一日の仕事の流れを確認。
10:00 家具メーカーと新規キャンペーン内容に関して打ち合わせ。
11:00 イベントのコンテンツ作成。事務作業。
12:00 同僚と外でランチ。
13:00 定例会議でブランドマネジメントの推進について共有。
15:00 インテリアメーカーを訪問し、新商品のチェックおよびイベントの打ち合わせ。
17:00 メールチェック、資料作成。
20:00 退社。
21:00 家族で団らん。就職活動中の次女の面接練習に付き合うことも。
24:00 就寝。

小林さんのプライベート

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大好きなアロマキャンドルや紅茶の香りに包まれながら、2人の娘たちとゆっくり話をするのが休日の一番の楽しみ。インテリアはまず自分で使ってみる。テーブルは自分で設計し、家具から小物まで好きなものを探すのも趣味の一つだ。

 

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ゴルフが好き。四季を感じながら一日自然の中にいられるところが魅力。写真は、2014年10月に開催された三井不動産リフォーム社長杯の時。

 

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音楽を聴くのも演奏するもの大好きで、生活に欠かせない。休日に家族がそろうと、子どもたちのピアノ伴奏でバイオリンを演奏したり、教室の仲間やバンドの仲間と演奏を楽しんでいる。

 

取材・文/田中瑠子 撮影/早坂卓也

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