リーフラス株式会社

おおくぼ・きみこ●商品管理部。神奈川県出身。31歳。日本大学経済学部経済学科卒業。2007年入社。中学からバスケットボールを始め、大学ではボランティアコーチとして小学生に指導していた。「好きなことを仕事にしたい」とスポーツ業界を中心に就職活動を行い、リーフラスに出合う。現在、夫と10カ月の息子、義父、義母との5人暮らし。

子ども一人ひとりの成長に寄り添う、スクール運営を手がける

サッカーや野球、テニス、バスケットボールなど、子ども向けスポーツスクールの運営および運営受託を行っているリーフラス株式会社。「日本のスポーツ指導を、より良く適正な形に変える。」という企業理念を掲げ、2001年の設立以来、「スポーツ指導を仕事にする」道を開拓してきた。

中学、高校とバスケットボールを続け、大学時代は、小学生にバスケを教えるボランティアコーチをしていた大久保さん。好きなことを仕事にできればと、スポーツ業界を中心に就職活動をしていた時、「コーチ業を正社員として続けていける」リーフラスの仕事に魅力を感じたという。

「リーフラスを知るまで、子どものスポーツ指導は、ボランティアか、交通費程度のギャランティをもらってやる仕事なのだと思っていました。でも、ここでは社員がコーチとなり、コーチングのノウハウを教える新人研修もしっかり行われている。企業説明会で流れたDVDで、未就学児や小学校低学年の子どもたちが、コーチの話を真剣に聞いている練習中の姿を見て、『私もこんなふうに指導できるようになりたい』と思いました」

 

入社して神奈川支店に配属されると、すぐにサッカースクール5教室を担当。午前中は新規会員獲得のため、チラシを小学校に配布するなどの営業活動を行い、夕方からは未就学児、小学生を対象にスクールの責任者として1人でのスクール指導を行う。そんな毎日が始まった。

「内定者時代から、先輩のスクールに同行、見学し、練習の進め方を学ぶ研修があったので、入社した時にはスクール進行のある程度の流れはわかっていました。ただ、サッカーはまったくの素人。先輩から指導法を学ぶ以外にも、土日には社会人向けのサッカースクールに通い、自分自身がサッカーの面白さを体験しようと、とにかくサッカー漬けの生活を送っていました(笑)」

 

リーフラスが運営受託するスクールでは、技術力の向上に加え、「あいさつをしっかりする」「話をきちんと聞く」といった、精神面での成長にも力を入れている。サッカー未経験者だった大久保さんは、まずはその指導によって子どもたちや保護者たちとの信頼関係を築けるようにと考えた。

「目指したのは、子ども同士がコミュニケーションを取り、わからないことを教え合うようなスクールです。『こうしなさい』と注意するのではなく『こうしたらいいと思うけど、どう思う?』などと、ポイントを教えながらも本人に考えさせる指導を意識していました。するとだんだん、コーチの指示を待つだけではなく、自分の頭で考え、子ども同士で意見を交わす積極性が出てくるのです」

 

指導に慣れないころは、「サッカーができないのに、指導者として未熟すぎないだろうか」と引け目を感じ、その自信のなさが子どもたちや保護者たちを不安にさせてしまったという。教室を担当して間もないころは、「うちの子はなぜ試合に出られないのか」といった質問にもうまく答えられなかったが、少しずつ、チームスポーツで学ぶべきことを言語化できるようになっていった。

「試合に出ることも大切ですが、試合に出られない時間に、仲間のプレーを見て何を感じ、自分はどうしたら出られるのかを考えることもまた、とても貴重な学びの機会です。全員が試合に出られるなんて“平等”なことは、社会に出てからはありえない。そういった話をできるようになってからは、保護者の方たちとのコミュニケーションへの苦手意識もなくなりました」

 

1年目には、会員の退会率の低さや合宿への参加率などによって、同期50人の中から選ばれる「新人賞」を受賞。2年目からは、季節ごとに開催される合宿の企画、運営を担当し、100名近い子どもたちとの1泊2日の合宿プランを考えていった。

「バスや宿、お弁当の手配といった事務的なことから、練習スケジュール、夜のレクリエーション、子どもたちが来たくなるような参加賞グッズの作成など、準備すべきことはたくさんあります。スクール指導のあとに準備に追われ体力的にも大変でしたが、現場のニーズをつかみながら企画していった経験が、その後、本社に異動してから生きることになりました」

 

4年間慣れ親しんだスクール担当から離れ、6年目に本社の総務部に異動した大久保さん。スクールからの意見を吸い上げ、現場で必要な備品の手配などを進めていった。

「例えば、リーフラスのスクールでは、子ども用の簡易サッカーゴールを使っていますが、キック力の強い小学校高学年になると、もう少し大きなゴールが必要になることもあります。スクール指導経験があれば『備品として大きなゴールが欲しい』という声の切実さがわかりますが、現場経験がないメンバーにはその重要性があまり理解できなかったりするんです。そんなときは、長くスクールを持っていた立場から意見できることが多く、今までのキャリアが生かせているなと感じましたね」

 

入社9年目の現在は、1年間の産休・育休を経て職場復帰したばかり。会員さまから注文のあったユニフォームやジャージなどのデータを取りまとめ、倉庫に出荷の依頼をする商品管理部で、朝9時半から17時までの時短勤務を続けている。入会の多い4月、5月は、1日200アイテム以上の注文をデータ入力し、ユニフォームの種類、色、サイズ、個数に加え、金額や会員さまの住所、電話番号など、配送に関わる情報も細かくチェックするため、集中力を要するという。膨大な量のデータを、メンバーと協力しながら一つひとつチェックし、ミスが起こらないようにと注意深く業務に取りかかるが、それでも「注文品が届かない」という声が届くこともある。そういった「届かない」という声に対して、どこでミスが起こっているか後追いするのも大変な業務だ。倉庫への依頼時のミスなのか、倉庫から発送される時のミスなのかなど、どこに原因があったのかを調べ、迅速に会員さまに対応するとともに、同じミスが起こらないように日々フローの改善に取り組んでいると話す。

「注文のあった商品を間違いなく会員さまのもとにお届けすることが私の役割。次の試合でユニフォームを着て頑張ろうと、心待ちにしている子どもたちがいるので、納期遅れやサイズミスはあってはならないこと。貴重なユニフォームデビューの機会を遅らせてしまうことになります。復帰した春先は、新年度で会員数も増えますし、子どもの成長に合わせてユニフォームを買い替える会員さまも多く、注文が殺到し、毎日細かな確認に追われていました。子どもたちと接する機会は少なくなったものの、スクール担当時代、初めてユニフォームを着てうれしそうに練習していた子どもたちの姿を思い出しながら仕事をしています」

 

 

子育てが落ち着く数年後には、リーフラスが運営受託するバスケットボールのスクール担当になり、子どもたちの笑顔に触れる現場に戻りたいと考えている。

「バスケのスクールは、入社当初はなかったのですが、ちょうど3年目の時に立ち上がったんです。大好きなスポーツ指導の仕事をしてきたのだから、得意なバスケの指導者として、また子どもたちの成長を間近で見たい。それが今の目標ですね」

 

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お客さまに送るサッカースクールのユニフォームをチェック。糸のほつれがないか、サイズの間違いがないかなど、隅々まで確認する。

 

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新規会員用のユニフォーム発注内容を商品管理部のメンバーと確認。発注ミスがあると、「次の試合出場までに間に合わない」などさまざまなトラブルにつながるので、慎重さを要する。

 

大久保さんのキャリアステップ

STEP1 入社1年目、神奈川支店にて5つのサッカースクールを担当

最初は、“サッカー未経験者の女性コーチ”という自分に自信が持てず、保護者の前で萎縮することが多かった。しかし、女性だから気づけることもある、と考え方を変え、子どもたちの様子を事細かに保護者にフィードバックするように。「例えば、『今日はシュートがうまくできなくて泣いていたんですけど、試合ではチームメイトを全力で応援できましたよ』など、本当に小さな気づきを話すんです。すると、『うちの子をちゃんと見ていてくれている』と思っていただけるようになり、コミュニケーションもスムーズになっていきました」。

STEP2 入社2年目、神奈川支店の合宿企画、運営を行う「合宿プランナー」を兼務

春、夏、冬に開催される合宿は子どもたちにとっての大イベント。合宿プランナーは、進行を円滑に進めるのはもちろん、100名以上の子どもたちを預かり、事故やけがなく終える責任がある。あらゆるケースを想定して準備を進めるものの、合宿前はいつも緊張して眠れなかったという。「合宿を通して、子どもたちが大きく成長する様子を見られたのはとてもよかったですね。例えば、小学1年生からスクールに通っていたある男の子は、ママと離れる合宿がイヤでずっと不参加だったのですが、小学4年生になってようやく『合宿に行く』と自ら言い出してくれました。もともと引っ込み思案で、集団になじむのが苦手な性格。でも、『試合に出られなくてもいいから、準備だけは手伝おうね』と小さな役割を与え続けたことで、自信を育てることができたんじゃないかなと思っています」。

STEP3 入社6年目、神奈川支店、千葉支店の経理・総務・人事業務を経て、本社総務部に異動

入社4年目まで、スクールを持ち合宿プランナーをしながら、神奈川支店の経理・総務・人事業務をすべて担当していた。5年目からスクール担当を外れ、神奈川支店、千葉支店のバックオフィス業務を担当。その後、本社の総務部に異動し、各支店から寄せられる備品発注依頼を予算内で調整するなど、現場のニーズを吸い上げる側に立つ。

STEP4 入社8年目、1年間の産休・育休を取得。入社9年目の4月から商品管理部に復帰

産休・育休後、社員3人、パート2人が所属する商品管理部に、9時30分から17時までの時短勤務で復帰。会員の入会が増える新学期シーズンは、1日に200アイテム以上の発注業務を進めることもあり、メンバー間でミスがないかチェックし合う。会員さまからサイズミスや不良品が返送されてくることもあるので、どのような不備があったのかを確認し、倉庫の担当者と連携してミスが再び生じないよう仕組み作りを進めることも。子どもの体調不良で突然仕事を休まざるを得ないこともあるため、自分がいなくても周りがフォローできるよう、常に仕事を共有する習慣がついたという。

ある一日のスケジュール

5:30 起床。朝食準備、お弁当を作る。
7:00 夫、息子と3人で朝食。
9:30 息子を保育園に預け、出社。メールチェック。
10:00 既存会員の追加注文内容を確認。倉庫に送るデータを作成。
13:00 作ってきたお弁当を食べる。スキマ時間を使って、会社近くのスーパーで夕食、朝食の買い出し。
14:00 新規会員のユニフォーム、ジャージなどの注文を確認。発注作業を進める。
16:00 ユニフォームの検品。ほつれなど不備がないかを確認する。
17:00 退社し、保育園に息子を迎えに行く。
18:30 帰宅。夕食は義母が用意してくれるので、一緒に食べる。
20:30 息子が就寝。
23:00 ストレッチ、筋トレをしたり、読書したりと自由に過ごしてから就寝。

大久保さんのプライベート

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毎週日曜日は、所属するフットサルの社会人チームで体を動かす。夫、息子と一緒に練習に参加している。

 

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2015年のゴールデンウィークに家族で伊豆・箱根に温泉旅行へ。

 

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2014年冬の育休中に、退職した元同期とランチへ。同期50人中、女性は5人と少なかったため、必然的に仲良しに。今でも時々集まっている。

 

取材・文/田中瑠子 撮影/鈴木慶子

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