三菱電機エンジニアリング株式会社 桑田さん(入社13年目・福山事業所事業推進部電子機器開発課開発グループ)|前編【先輩たちのワーク&ライフ】

今回の取材先 三菱電機エンジニアリング株式会社
総合電機メーカーである三菱電機の開発・設計を担うパートナー企業。生活に身近な家電から宇宙開発に至るまで、社会や産業のさまざまなシーンで活躍する製品・システムづくりを、設計開発のプロ集団として支えている。蓄積した高度な技術力をベースに、独自のアイデアで創出した製品も社会に提案している。
くわだ・ゆきな●35歳。福山事業所事業推進部電子機器開発課開発グループ。広島県出身。愛媛大学工学部卒業。2006年に現在の会社に入社。夫と2人の子どもの4人暮らし。写真は、社内でプロジェクトについて打ち合わせを行っている様子。

電流を遮断するブレーカーの設計者としてキャリアをスタートした桑田さん。入社のきっかけと、1人目の子どもを出産後、夫の単身赴任により1人で育児をしなければならない苦労をどう乗り越えたか、お話をうかがいました。

「長く働き続けてほしい」という言葉に、この会社なら!と迷わず決めた

-就職活動時に重視していた仕事選びの条件はありますか?

小さいころからパズルなど理数系のものが好きでした。高校では理系に進み、大学の学部でも機械や電子、化学などを学び、メーカーの技術者に必要な基礎知識を習得しました。就活では、ものづくりの仕事に就くこと、そして、いったんは大学進学で離れた故郷に戻って働くということを考えました。

会社説明会にいくつか参加しましたが当時は女性エンジニアを積極的に採用している企業は少なく、まったく採用していない企業もありました。現在働いている事業所でも、当時女性エンジニアは少なかったのですが、就活時に男女分け隔てなく対応してもらえたことで、能力や意欲で評価してくれる会社だと思いました。

-就活のときにはすでに、「能力や意欲で評価してくれる会社」だと思ったんですね。

面接の時には、当時の所長から「辞めずに長く働き続けてほしい」と言われ、うれしかったことを覚えています。意欲や能力を正しく見てくれる、必要としてくれるこの会社で働きたいと、迷わず決めました。また所長の言葉を裏付けるように、会社の福利厚生や育児休業制度もとても充実していたので、出産しても働き続けられるという安心感につながりました。

入社3年間は先輩社員が育成指導者になり、業務アドバイスや精神面でフォロー

-入社後、どのような仕事を担当されましたか?

技術系総合職は最初の配属先を選んで応募することができ、故郷である広島県の福山事業所に配属になりました。
入社後はブレーカーの設計部門に配属。工場やビル、公共施設、学校など産業用低圧ブレーカーの設計を担当しました。ブレーカーの設計に必要な知識はなかったので、すべて新しいことばかり。でも当社には「育成指導者制度」というものがあり、3年間1人の先輩社員が育成指導者として、仕事の目的や具体的手段を指導してもらえるので、安心感はありました。手探りながら日々の業務をこなすことで、少しずつできることが増える喜びを感じていました。製造ラインから小さなブレーカーが出来上がったのを見ると、そのフォルムやコンパクトさに思わず「かわいい」と思ってしまうほどです(笑)。

-産休、育休とも取得されましたか?

2010年に同僚だった夫と結婚し、1人目を出産した時に産休と育休合わせて約2年の休暇を取得しました。出産後も「働いてほしい」と言ってもらえるほど、夫は仕事を続けることを理解してくれました。
それまでのキャリアが中断するという不安はもちろんありましたが、子育てを考えても20代で子どもを授かりたいと思っていたので、早く休んで早く復帰しようと思いました。子どもが1歳になったら復帰するつもりでいたのですが、保育所に入所できず、子どもが1歳を過ぎた2013年3月末まで取得できる育休をフルに利用し、4月から復帰しました。

責任ある仕事と子育てとのバランスが難しく、悩む日々

-復帰後は、どのような仕事を担当されましたか?

復帰後は電子機器開発課という新しい部署に配属になり、電力を監視する機器の設計を担当しました。短時間勤務をする選択肢もありましたが、子どもが3歳になるまで残業が免除される制度を利用して働くことにしました。

復帰した直後、夫が2年間の単身赴任に行くことに。実家が近くにありますが、毎日頼るわけにもいきません。子どもが病気のために休まざるを得ない日が続くこともありました。さらに、1年後には特定の機種の設計をメインで担当することになり、業務量や責任も大きくなって残業もするように。そのため子どもと接する時間が減ってしまい、さみしがって保育園に行きたくないと泣いてしまうことも多くなりました。いつだったか残業を終えて会社を出たら、早く私に会いたいと息子が母と一緒に会社の前で待っていたことがありました。この時は本当につらくてしんどい時期でした。

-新しい業務に変わり、大変だったことはありますか?

それまでのブレーカーは構造や電気といった知識が必要ですが、新しい業務の電子回路の設計は、まったく分野が異なります。子どもを迎えに行くため働ける時間も限られているので、わからないことは遠慮せずにとにかく周りに聞いて、一つひとつの仕事を乗り越えていきました。

大変な時期でしたが、仕事を辞めたり他部署に異動したりしても、何も解決にはならないと思いました。まずは3年間頑張ろうと決め、ひたすら目の前の仕事に集中してこなしていきました。

桑田さんの入社後のキャリアグラフ

vol.229_キャリアグラフ(再校)03

後編では、桑田さんの仕事とプライベートの両立について、お話をうかがいます。

→次回へ続く

(後編 2月2日更新予定)

取材・文/森下裕美子 撮影/滑 恵介

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