精密機器メーカー内定 東北大学 大学院 渡邉さん【2018卒内定者インタビュー】

就活データ
志望業界:医療機器・精密機器業界 インターンシップ参加:1社(医療機器メーカー) 説明会参加:30社(ほぼ学内の合同企業説明会にて参加。会社説明会は3社)学内で開催する理系学生向けの大規模な合同企業説明会に参加。 先輩訪問:3人(医療機器・精密機器業界など合計3社)学内の就活メーリングリストの情報を基に、OBが大学内の各科を訪問して話をしてくれる会に参加。 エントリーシート提出:3社 面接:3社 内定:3社(医療機器メーカー1社、精密機器メーカー2社) 活動費用:約13万3500円(交通費7万円、洋服代3万円、書籍代0円、外食費3万円、証明写真3000円、筆記具0円、郵送代500円) 筆記試験などを学ぶ書籍は、大学の研究室やキャリア支援センターのものを有効活用。企業研究は企業パンフレットでキーワードを拾い、ネットで詳細を調べた。

学校推薦を予定しつつも、インターンシップで志望業界を体感

中学時代に祖父が病気になったことがきっかけで、人の命や人生にかかわるような仕事がしたいと思うようになったんです。大学で機械工学を、大学院では生物や生化学、基礎医学などを学んだので、それを生かせる医療機器業界を志望しました。僕の大学では、理系の学生は学校推薦の選考を受けるか、一般の選考で自由に活動するかを選択できます。ほとんどの学生は学校推薦を選びますし、その際、面接選考で自分の研究内容を発表することが多いため、みんな研究優先でインターンシップに参加する人は 参加する人は比較的少なかったです。

僕もまずは学校推薦を活用し、うまくいかなかったら自由選考に切り替えようと考えました。しかし、志望業界を直接見たかったので、修士1年の夏休みに医療機器メーカーのインターンシップに参加することに。先輩社員との座談会や工場見学などを行う中、「メカニック的な要素が強い仕事だな」と感じ、自分の目指すものとは違う分野のような気がしましたね。同じ業界でも、より人や医療にかかわれる企業を探そうと思うようになりました。また、先輩たちが仕事への考え方からワークライフバランスまでフランクに話してくれたので、社会人に対する「カタい、怖い」というイメージがなくなり、就職活動そのものが怖くなくなりました(笑)。

その後、学校推薦の企業一覧が発表される3月までは、自己分析を進めつつ、自分の研究に集中することに。焦らず落ち着いて取り組めたのは、大学のキャリア支援センターでのアルバイト経験があったからですね。そこで自分自身の就活前から就活のガイダンスなどに触れたおかげで、今後の活動計画のイメージができていたと思います。

学内で開催される合同企業説明会やOB・OGに話を聞ける会を活用

修士1年の3月初旬、推薦企業の一覧を見ながら志望度の高い企業をチェックしました。僕は一人息子なので、本社所在地が地元の山梨県に比較的近いこともポイントにし、医療機器も手がける精密機器メーカー3社に絞ることに。
この後、学内で1週間にわたって開催する大規模な合同企業説明会に参加し、志望度の高い3社を回って、どんな人が働いているのかを比較していきました。また、合同企業説明会の中で、人体工学や人の生活に関連する事業を手がけている家電・家具・繊維メーカーなどにも興味を持つようになりましたね。しかし、学校推薦の枠がない企業ばかりだったので、推薦の選考に落ちたらエントリーしようと決めました。効率的に企業を見ることができたと感じます。

そこから志望度の高い3社の会社説明会に参加。最も気になっていたのは世界的に有名な企業でしたが、「名前にひかれて入社した」と話す先輩が多く、僕はそこに違和感を感じました。一方、OB・OG訪問については、学内の就活メーリングリストの情報を基に、OB・OGが学内の各科を訪問して話をしてくれる会に参加していくことに。自分とは異なる科の先輩でも、社風や人柄を知るために役立ちますし、会社説明会よりフランクに話してくれたので、仕事や人生に対する考え方やリアルな労働環境などを知ることができ、非常に参考になりました。

エントリーシートで気をつけたのは、「乗り越えたこと」「頑張ったこと」などの質問項目ごとに異なるエピソードを入れること。大学での研究、アルバイト、サークル、留学、ロボコンに参加した経験などをそれぞれに盛り込み、会話の引き出しをたくさん作るように心がけました。一方、「その経験を、ほかのことに生かせたのか?」と質問されることも考え、一部のエピソードは取っておくことに。これが面接の際には役立ちました。

面接の際は、要点を1つに絞ってエピソードを話し、自分がどう考え、行動したのかを端的に伝えるようにしました。1社受けるたびに、答えた内容や反省点を書き出し、次の面接に生かすことに。また、企業研究については、会社のパンフレットを基に、特許技術や新規事業などに関連するキーワードを集め、ネットでそれに関する情報を調べ上げたんです。そのため、面接でも「この装置に可能性を感じている」「こんな技術に携わりたい」など、具体的な話ができたと思います。興味を持ってもらえれば話は膨らむし、「会話を楽しもう」という気持ちで臨んだので、緊張もしなかったですよ。

最終的には、学校推薦で受けた3社すべてから内定を得ることに。精密機器メーカー2社で迷い、世界的に有名な企業と、医療分野に注力している企業、どちらを選ぶべきか悩みましたね。両親からは、やはり「有名企業がいい」と言われましたが、「名前にひかれて入社した」という先輩たちの顔がどうしても頭に浮かんでしまう。そんな中、この企業のOB・OG訪問で出会った先輩が電話をくれて、「医療機器をやりたいのなら、もう1社の方が合うのでは?」と話してくれたんです。また、僕と同じ2社から内定を得た大学の友人がいたので、福利厚生から社風まで一緒に調べ上げ、一つずつ天秤(てんびん)にかけて判断していきました。最後には、やはり自分の思いに従って医療分野に注力している企業を選択することに。納得いくまで比較検討したからこそ、本当に行きたい会社を選べたと思います。

就職活動で大変だったこと・学んだこと

自分としては、もっとたくさんインターンシップに行けばよかったと思っています。「学校推薦があるから、あまり関係ない」と思っていましたが、3社の選考を受ける中、インターンシップでその企業の職場を体験した学生はより深い話ができるのだと痛感しましたね。

逆に、やっておいてよかったと感じるのは、いろんな場で出会う人事担当者や先輩社員、学生との名刺交換ですね。自分から連絡を取れますし、本当に行きたい企業なら「お世話になりました」というメールなどもこまめにしておいた方がいい。また、インターンシップに参加した企業は受けませんでしたが、志望業界が同じ全国各地の学生とつながることができ、情報交換にも役立ちました。

就活スケジュール

修士1年6月
インターンシップに応募
医療機器業界を志望し、医療機器メーカーのインターンシップに応募。
修士1年8月
1社のインターンシップに参加
医療機器メーカー1社のインターンシップに参加。一週間の短期型で、先輩との座談会や工場見学などを行った。現場で働く社員に直接、仕事への考え方や労働環境、プライベートなどの話を聞くことができた。
修士1年3月
学内の合同企業説明会に参加
学内で一週間にわたって開催する大規模な合同企業説明会に参加。志望度の高い医療機器メーカー3社だけでなく、他の業界で興味を持てそうな企業も見つかった。この後、志望度の高い企業の会社説明会にも参加した。
修士1年3月
先輩訪問で3人から話を聞く
OB・OGが大学内の各科を訪問して話をしてくれる会に参加。電気系などの異なる分野の場合でも、各社の社風や社員の人柄、働き方などを知ることができ、「こんな風に働きたい」というイメージを膨らませることに役立った。
修士2年4月
内々定
学校推薦枠で3社にエントリーシートを提出した後、選考過程に進んだ。3社すべての内定を得た後、2社で迷う。OB・OG訪問で出会った先輩に相談し、同じ2社の内定を得た学内の友人と比較検討作業をしたことで最終決定を下すことができた。大学側に自分の意思を伝えて、就職活動を終了。

 取材・文/上野真理子  撮影/鈴木慶子

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