
志望業界:IT企業 インターンシップ参加:4社(IT企業3社、ブライダル企業1社) 説明会参加:3社(うち合同企業説明会0回) 先輩訪問:20人(IT企業のみ) エントリーシート提出:3社 面接:7社 内定:2社(IT企業) 活動費用:約30万円(交通費・宿泊費25万円、外食費5万円) 出費を見越して大学3年に進級するまでにアルバイト代などをためておいた。活動中は、新潟—東京間の移動は夜行バス、宿泊は主にインターネットカフェを利用して出費を抑えた
規模の異なる同業種の企業のインターンシップに参加。比較し検討
就活を意識し始めたのは、大学3年生の5月ごろ。当時は出版やテレビ、映画など華やかそうな業界に憧れていました。ただ、かなり漠然とした憧れだったので、夏のインターンシップは業種にこだわらずに探すことに。せっかくなら何かしらの成長を得られるところに行こうと、人気のあるプログラムや評価の高いプログラムを探しました。
そうして9月に参加したソフトウェア開発会社のベンチャー企業のインターンシップを通して、「ITベンチャー」に強くひかれました。ITは時代に欠かせないものでこれからもどんどん発展していく産業であることを知り、せっかく働くなら、将来発展していく業界で働きたいと思ったこと、また、年齢や役職に関係なく成果を出せば評価されるベンチャー気質の会社が自分には向いていると感じたんです。
11月にもう1社、ITベンチャー企業のインターンシップに参加し、その思いはさらに強くなりました。ただ、ベンチャー企業の中では2社とも規模が大きめの会社だったので、より小規模なベンチャー企業についても知るために、OB・OG訪問をしたり、内定している大学の先輩に話を聞いたり、100人未満のITベンチャー企業のインターンシップに参加したりしました。
当時利用していた就活支援団体のイベントや先輩の紹介などを通じて話を聞きに行った社会人は20人ほどです。訪問時は、必ずその時間に明らかにしたいことを設定し、そのための質問項目や考えを整理してから臨みました。例えば、「就活の軸とその理由が適切か、また、人に伝わるのか検証する」「今日会う人が何を大事にして企業を選び、働いてみて実際はどうだったか知る」などです。
そして、もらったアドバイスは共感したものもしなかったものもいったんは素直に受け止めて、「なぜ共感したのか」「なぜ違和感を感じたのか」を考えるようにしました。ある企業の方から「意思決定は合理的であるべきだ」と聞いた時、「そうじゃない場合もあるだろう」とすごく違和感を覚えたのですが、その理由を突きつめて考えてみると、自分がこれまで直感で意思決定をしてきたことやその決定を後悔したことがないことに気づきました。同時に、自分が直感で決めたことでも相手が納得するよう伝えないといけないことにも新たに気づきました。こうして考えることで、視野を広げたり、自分の価値観を掘り下げて考えたりできたと思います。
面接を受けながらも、自分の価値観を見つめ続けた
大学3年の12月末には一部のITベンチャー企業での選考が始まりましたが、まだ働く上で重視したいことや譲れない条件などがはっきりしていなかったので、選考を受けながら整理していきました。
面接には、自分の価値観や考え方がその企業と合うかどうかを確かめるスタンスで臨みました。気持ちとしては、「自分の考えや価値観はこうで、それは御社のこういう価値観や考えに合うと思うんですけど、どうですかね?」といった具合です。
もちろん、事前に先輩や友達を相手に何度も伝える練習もしました。あらかじめ整理してきた考えを話して面接担当者役の人がどう理解したかを確認し、伝えたいことが伝わっていなければ表現や論理構成を考え直すことの繰り返しです。12月ごろから自己PRや学生時代に頑張ったことなど多くの企業で聞かれる質問について、各企業の選考の前にはその企業特有の質問を内定者の先輩に聞いたりインターネットで調べたりして練習しました。
最終的に、私にとって譲れない条件となったのは、(1)ITベンチャーである、(2)ロールモデルとなるような仕事もプライベートも充実させている女性社員がたくさんいる、(3)成長意欲の強い人がたくさんいる、(4)社員と自分の価値観が合う、の4つでした。
また、やりたいことがはっきりとあるわけではなかったので、「入社後自分がどんな姿になれそうか」という点に注目して企業を見ていましたが、事業内容としてアイデアやクリエイティビティとITを掛け合わせたような、人間が介在する価値のあるITビジネスに興味を持てることもわかってきました。
そして、これらの条件に合致したのが、入社予定のインターネット関連会社です。選考中から内々定後に承諾していいものか悩んだ時まで、真摯(しんし)に私の話を聞いてくださり、私の考えを否定することなく受け止めた上でアドバイスをしてくださったので、「やっぱりここで働きたい」「この決断に覚悟を持てる」と思えて、3月半ばに内々定を承諾しました。
就職活動で大変だったこと・学んだこと
お金がかかることはあらかじめ把握していたので、貯金して準備していました。おかげで必要な時は躊躇(ちゅうちょ)なく東京に行って社会人に会ったり選考を受けたりすることができたと思います。
就活スケジュール
インターンシップについて調べ始める
インターンシップの合同企業説明会やインターネットを使って人気のあるプログラムや評価の高いプログラムを探した。また、新潟大の学生を中心に活動する就活支援団体のサポートを受け始め、メンター役の先輩などに相談するようになった。
4社のインターンシップに参加
8月にブライダル企業(2日程度)、9月、11月、12月に1社ずつITベンチャーのプログラムに参加(9月は1カ月間、10月は1週間、12月は2日間)。社風などを比較・検討しつつ、その時々で感じたことを就活支援団体の先輩やOB・OG訪問した社会人にぶつけて意見をもらうなどして、何を大事にして働きたいかを考え続けた。
選考開始
最初の選考は12月末。面接後は質問に対する自分の考えを振り返り、大事にしたいことを考え続けた。
インターネット関連会社に内々定
インターンシップにも参加した1社に内々定。譲れない条件をすべて満たしていて、「ここで働きたい!」と思った会社だったため、承諾して就活を終えた。
インターンシップ参加時のファッション
ITベンチャー企業のインターンシップに参加したときの服装。オフィスカジュアルとして許される服装を意識しつつ、周囲目を引く色や柄を取り入れて自分らしさを表現することを心がけた。
取材・文/浅田夕香 撮影/臼田尚史