【ノースカロライナ州編】即決が求められるアメリカでのビジネス

Reported by ぽぽし
アメリカ合衆国南東部のノースカロライナ州にある日系企業の現地法人に勤務。現地での楽しみは、現地で参加しているアマチュアサッカーチームでのサッカーや、外食など。

スピード感のある対応が重要

はじめまして。ぽぽしです。アメリカ合衆国南東部のノースカロライナ州にある日系企業の現地法人に勤務しています。

同僚は、アメリカ人が大半で約8割、メキシコ、プエルトリコ、ジャマイカ国籍の人も一部にいて約1割、残りの1割が日本人という構成です。顧客は、アメリカ国内のメーカーや小売業者、アメリカをベースとした多国籍企業などで、国籍は多岐にわたります。

顧客との会話や文書のやりとりは基本的に英語で、社内で日本人駐在員同士が話すときのみ日本語を使っています。英語9割に対して日本語1割くらいの割合です。

アメリカ合衆国での仕事で特徴的なのは、とにかく自分の思っていることをはっきりと話すのが基本だということ。まずはお互いの意見を明確に表明し合った上で、相手の意見を取り入れたり、両者間での落としどころなどを探すというやり方を取っていることです。日本では、判断が必要な場面では、一度、会社に持ち帰って社内で協議した上で答えを見つけることが多いのですが、ここではスピード感のある動きが求められるという印象です。

以前、営業活動で顧客を訪問した際、価格交渉の場面でいったん会社に持ち帰って検討しようとしていた時のこと。顧客から、「決定権者は誰なのか?」と質問されたことがありました。決定権は基本的に私にあったので、「私だ」と答えると、「それでは今決めれば良いじゃないか」と猛烈なプッシュが。私としては、コストや在庫状況などの数字を見てから最終価格を決定したかったのですが、顧客にしてみれば、そのような事情は自分にはまったく関係ないので、強気に出られるのでしょう。ある意味、この状況を逆手にとって、そこで即決して要求に応えることで、相手との信頼関係を築けるとも言えるわけです。

雰囲気だけでは判断できない取引の感触

日本人と比べて、総じて明るく口達者と感じる人が多いので、アメリカ人に対して好印象を抱く日本人も少なくないかと思いますが、実際どこまで本気で話を受け入れてもらっているのか、判断に苦しむこともあります。日本では、その場の雰囲気でなんとなく手応えがあるかどうかという感触がつかめることが多いような気がしますが、アメリカではそのような見当をつけても、当たらないことがしばしば。過去にも、顧客に新規の商品を提案した時も、打ち合わせでは終始質問が飛び交い、「興味を持ってもらえたに違いない」と手応えを感じていたのに、いざ蓋(ふた)を開けてみると、「過去に取引をした実績がないので不採用」ということがありました。もともと、検討すらしてくれていなかったことがわかり、愕(がく)然とした記憶があります。

仕事の場面では、何回もしつこいくらいに進捗確認やリマインド(予定を思い出してもらうための確認)を徹底するようにしています。相手が「やっておくから」と約束してくれたからと安心して放っておくと、期限になっても資料が上がってこないことが少なくないためです。こちらから週1回程度の頻度で定期的に連絡を取り、進捗具合を確認すると同時に、「それがどれだけ重要な資料か」を事前に説明し、「いつまでに提出してもらいたいか」「どのような内容が必要か」といった点を再確認する癖をつけました。そして都度、電話などで「状況どう?」といった確認をするように心がけることで、なんとか期限に間に合わせることができています。

次回は、ノースカロライナ州という地域の特色についてお話しします。

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自宅の洗濯機。アメリカ合衆国の賃貸住宅には、洗濯機や冷蔵庫などの家電製品や家具付きの物件が多い。

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同じく自宅の電子レンジ。これも自宅に付いていた。「ポップコーン」「ポテト」「ピザ」などのメニューがあるところがいかにもアメリカ合衆国らしい。

構成/日笠由紀

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