文系学生がIT業界の志望動機に盛り込みたい3つのポイント 【例文付き】

システム開発需要の拡大などを背景に人材採用ニーズが旺盛で、文系出身者も多く活躍しているIT業界。しかし「IT業界になんとなく興味はあるものの、志望動機が思い浮かばない」という文系学生は少なくないようです。文系学生はどんな視点で志望動機を考えればいいのか、キャリアアドバイザーがお答えします。

プロフィール 松浦李夏(まつうら・りか)リクナビ就職エージェントのキャリアアドバイザー。印刷会社の営業、大手カフェチェーンの店員を経て、2018年株式会社リクルートキャリア(現・株式会社リクルート)に入社。ITなど情報系、数学、生物、農学など理系学生と文系学生を年間400~500人サポート。面談では、学生が自分の「強み」や「らしさ」を見つけられるようアドバイスすることを心がけている。

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そもそもIT業界とは?どんな職種がある? 文系学生も活躍できる?

IT業界とは主に、ソフトウェア、ハードウェア、情報処理系の企業群を指します。

  • ソフトウェア:コンピュータ上でさまざまな処理を行うシステムを開発する企業
  • ハードウェア:コンピュータやその周辺機器の開発・製造を行う企業
  • 情報処理:情報システムのコンサルティング・設計・開発・運用を一括で担う企業。SIerとも呼ばれる

「コンピュータ」や「プログラム」などと聞くと、「数字や機械に強い理系学生の方が求められているのでは…」と思う方もいるかもしれませんが、決してそんなことはありません。

企業のシステム開発意欲の高まり、システムのクラウド化やグローバル化といったニーズの増加などを受け、IT業界の人材採用ニーズは旺盛。中でも、コンピュータシステムの企画・設計・構築に関わるSE(システムエンジニア)は、多くの企業が採用を強化しています。

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そして、SEの仕事は、「パソコンに向かってシステムを設計する」だけではありません。
システムを開発する上では、まずクライアント企業とコミュニケーションを取り、どのようなシステムを希望しているのかニーズを聞き出すことが必要。多様な人と接点があり、周囲とコミュニケーションをとる機会が多い文系学生を、積極的に採用したいと考える企業は多いのです。

また、IT業界にはSE以外にも多様な職種があります。例えば、SEが作った設計に基づいてプログラミングを行うプログラマー(PG)や、ITを活用して企業の課題を発見・解決するITコンサルタント、自社のサービスやソフトウェアを企業に売り込んだり、顧客企業のニーズを引き出してシステム導入を提案したりする営業職などが挙げられます。

その中には、企業が「文系学生に活躍してほしい」と考えている職種もあります。IT業界の業界研究や企業研究を進めながらも、自分の強みや志向を把握して、どういった仕事ならば活躍できるかも併せて考えてみましょう。

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IT業界の志望動機を考える学生

文系学生がIT業界への志望動機を書くとき、欠かせない3つのポイントとは

文系学生がIT業界に興味を持った理由は、「手に職がつけられそう」「業界として将来性がありそう」「人材ニーズが旺盛と聞いたから採用されやすいと思った」などが多いようです。いずれも、あくまでイメージにすぎないため「志望動機として何を書いていいのかわからない」と相談に来る学生は少なくありません。

文系学生が志望動機を考える際のポイントは次の3つです。これらは応募企業が文系学生をチェックしているポイントでもあるので、この3つを志望動機に盛り込むことで説得力がある志望動機になります。

1.IT業界に注目したきっかけを盛り込む

志望動機を考える上で、まずは「IT業界に注目したきっかけ」を振り返ってみましょう。
難しいことを考える必要はありません。私たちの日常生活には、ITがあふれています。きっとなんらかの「ITっていいな、すごいな」と思った瞬間があると思います。
例えば、毎日SNSで好きなアーティストの情報を見るのが好きで、ハッシュタグの仕組みってすごいなと興味を引かれたとか、2次元バーコード決済があまりに便利で、こんなサービスを生み出しているIT業界ってどんなところなんだろうと興味を持った…などでもOKです。人に言われたことやインターネットなどで見聞きしたことではなく、「自分で感じたこと」に注目して、きっかけを洗い出してみましょう。

中には「IT業界が伸びていると聞いたから」という人がいますが、確かに注目したきっかけかもしれませんが「伸びていればどの業界でもいい」というわけではないはず。これまでを振り返り「IT業界っていいかも」と思ったのはなぜか、考えてみましょう。

2.モノづくりへの興味を盛り込む

IT業界の仕事は、システムやコンピュータを自らの手で生み出す仕事です。そのため、モノづくりに興味があるならば、それが立派な志望動機になります。

何かしら手を動かして一つのものを作り上げた経験は、評価されやすいポイント。IT業界の志望動機だからといって、技術的な内容である必要もありません。例えば、絵を描くことやDIYなどはもちろん、手芸や料理だって立派なモノづくりです。自分が好きで取り組んでいることを挙げながら、モノづくりに取り組むときの姿勢や、完成したときの感想などを整理し、志望動機に生かしましょう。

3.チームで協力して取り組んだ経験を盛り込む

システムやコンピュータは、一人で作れるものではありません。新たなシステムやコンピュータを開発するに当たり、プロジェクトチームを組んで、数カ月~数年にわたり皆で協働しながら作り上げます。

そのため、チームで協力して何かを成し遂げた経験は、企業の目を引く志望動機になり得ます。自身の経験を振り返り、部活やサークル活動、アルバイト、ゼミの研究など、チームを組んで取り組んだことをピックアップして、他人とどう協働したのか、協働する中で何に苦労し、どんな工夫を重ねてゴールまでたどり着いたのか、まとめてみましょう。

IT業界向け・文系学生の志望動機の例文

IT業界向けの志望動機例文をご紹介します。上記で説明した3つのポイントに加え「なぜこの会社なのか」を関連づけるてまとめるといいでしょう。

例文1

自分で描いたイラストをSNSに投稿するのが趣味で、そこからインターネットの仕組みに興味を持ったのがIT業界を志望した理由です。業界研究を進める中で、皆が利用しているインターネットを、裏で支えているSEの仕事に就きたいと思うようになりました。
貴社においては、チームワークを重視しながらも、SE一人ひとりの意見やアイデアをくみ上げることを大事にしているとうかがいました。分野は異なりますが、美術サークルの部長としてメンバーを取りまとめ協働しながら大きな展示会を成功させた経験は、貴社においても生かせるのではないかと考えています。

例文2

私は子どものころから野球チーム〇〇が好きで、高校時代に自ら応援サイトを立ち上げ、ファン仲間数名で協力してさまざまな情報を発信しています。たくさんの人に見てもらうために、手分けして毎日記事を公開したり、SNSで拡散したりするなど工夫を重ねる中で、システム自体にも興味を持つようになり、SEの仕事に引かれました。中でも貴社は、私が日々チェックしているスポーツの総合ポータルサイト『△△』の開発や運用などにかかわっていると知り、SEとしてスキルを磨けばいつか携われるチャンスがあるのではないかと志望いたしました。
私が作った応援サイトはあくまで趣味のものですが、サイトを見てくれた人に「ますますこのチームが好きになったよ」と言ってもらえた喜びは、何物にも代えがたいものでした。今後はITの力を使って、多くの人を笑顔にできるようなシステム開発に携われたらと思っています。

例文3

私は人とコミュニケーションを取るのが好きなので、営業職に就きたいと思っています。IT業界に注目したのは、伸びている業界で経験値を上げ、スキルを磨きたいと考えたことと、簡単なものではありますが大学の授業でプログラミングを組み、サークルのホームページを作ったときの喜びが思い出されたためです。
貴社では、営業にチーム制を導入しているとうかがいました。現在副部長を務めているフットサルサークルでは、技術を磨くだけでなくチームワークを重視して行動。ほかの大学を巻き込んでチーム対抗戦を企画するなど、アイデアや実行力なども磨いてきました。これらの経験を基に、貴社の営業において早く力を発揮できるようになりたいと考えています。

志望動機のアドバイスももらえる、就職エージェントを活用してみよう

専任のアドバイザーがマンツーマンで就職をサポートする就職エージェントでは、就活生一人ひとりの適性を見ながら、向いている業界や職種をアドバイスしたり、志望動機を共に考えたりしてくれます。

リクナビ就職エージェントの場合は、志望業界や出身学部ごとの担当キャリアアドバイザーが、納得のいく就活が行えるよう伴走。IT業界志望であれば、業界についての動向や企業がチェックしているポイントなどを理解した上で、的確なアドバイスをしてくれます。もちろん、IT業界で評価されそうな強みや持ち味、経験を盛り込んだ志望動機のアドバイスも得られるでしょう。

相談やアドバイス以外にも、志向に合ったIT企業を紹介することも可能です。就活の中で悩んだり迷ったりしたら、リクナビ就職エージェントをぜひ活用してみましょう。


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取材・文・編集/伊藤理子

記事作成日:2022年4月11日 記事更新日:2024年2月1日

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