アメリカ・ニューヨークにある日系金融機関の支店に勤務。現地での楽しみは、家族と行くアメリカ国内旅行や、ニューヨークでの外食など。
日本人好みのアパートが大人気
こんにちは。Bluebirdです。今回は、ニューヨークでの私の生活についてお話しします。
ニューヨークでは、郊外のアパートに住んでいます。リビングルーム1つに寝室が2つあり、広さは90平方メートルです。赴任前に会社から現地の不動産会社を紹介されたので、赴任してから、その不動産会社がピックアップした物件を見学して、その日のうちに決めました。駅から徒歩5分と便利なうえ、日本人の味覚に合った飲食店が周囲に多いこともあり、とても日本人に人気のある物件のようで、アパート全体の住戸の3~4割に日本人世帯が住んでいるという印象です。
そもそもニューヨークでは、日本人好みの物件は必ずしも多くありません。また、家賃も妥当で、家族連れにとって学区の条件のいいところとなると、大体においてエリアは限られてきます。特に毎年4月の人事異動シーズンは、海外赴任してくる駐在員が多くなることから、探しにくくなるようです。私の住むアパートも、帰国の辞令が出た駐在員の住戸が空くとわかると、すぐに空きを待っていた人が契約を結び、1週間後には入居しているといったことがしばしば。郊外といっても、日本人が住むエリアは家賃も高いので、高い家賃を払ってでもこのアパートに住みたいという日本人が多いのでしょう。
なお、ニューヨーク駐在員のうち、ファミリーで来ている人たちは、私たちと同様にニューヨーク中心部から電車で1時間弱の郊外に住む傾向がありますが、彼らの多くは一戸建てに住むため、私のようにアパートに住むファミリーは比較的少数です。ただし、ニューヨークは、冬は雪の日が多く、雪かきなどの作業が大変な上、夏は庭の芝刈りなどもしなければならないのだとか…。アメリカでの一戸建てライフはとても魅力的な一方、それなりの苦労もあるようで、その点、アパート暮らしは、そのような手間がかからない点でラクですね。
通勤には、電車を使っています。職場は、郊外のわが家から急行で40分ほどかかりますが、ほぼ座れるので、さほど苦ではありません。帰りは眠ってしまうこともありますが、スリに遭ったことはありません。
日本の食材は、大体のものが入手可能
普段の食事は、妻が作ってくれる和食です。ニューヨークは、日系のスーパーも多く、値段はそれなりに高いものの、大体のものはそろいます。旅行や短期滞在ならば、洋食やエスニック中心の米国スタイルでいいのかもしれませんが、長く住んでいると、やはり「日本人は日本食」。ニューヨークに限らず、ロサンゼルスなど日系人の多い大都市なら日本食には苦労しないようですが、同じアメリカ合衆国でも中西部などになると、日本食の食材やレストランの数は途端に少ないようで、そうした地域の駐在員の皆さんは、相当に苦労しているようです。
日本食に恵まれているニューヨークだけに、平日の昼も、オフィスの近くにある日系のラーメン店や定食屋さんで昼食を取ることが多いですね。ただし、チップを入れると15ドル(約1550円・2016年9月現在)ほどと、やや高くなってしまう点が残念。ゆっくり食べている時間がないときは、デリの総菜やサンドイッチを買ってきて、デスクで食べたりしています。
また、アメリカは広いので、「国内旅行」といっても、日本の国内旅行とはスケールが違います。有名なテーマパークや、ナイアガラの滝、ホワイトハウスのあるワシントンD.C.など、定番の観光地はすでにひと通り家族と訪れ、存分に楽しみました。ニューヨークの北に位置するボストンも、車を5時間ほど走らせて訪れたことがあります。
あまり知られていませんが、とても良かったのが、そのボストンから60キロメートルほど南に位置するケープコッド。海に面していて、有名な「ケープコッド岬」があり、時期が合えばクジラを観察する「ホエールウオッチング」も楽しめるそうです。同性愛者の街としても知られているそうで、LGBTフレンドリー(性的マイノリティーに対して温かい)なホテルなどが多いと聞きます。私たちが訪れた日は、アメリカ合衆国のすべての州での同性結婚を認める判決が出た日の翌日だったこともあり、お祝いの祭りが開かれていて、それはもう賑(にぎ)やかでした。
次回は、ニューヨーク駐在で見えてきたことなどを中心にお話しします。
ナイアガラの滝では、観光船で滝に接近するにつれて、水煙が容赦なく降り注ぎ、乗船客は皆、びしょ濡れになる。
メキシコのカンクンを訪れた時に観光したマヤ文明の遺跡。ニューヨークからカンクンまでは、直行便の飛行機なら4時間ほどで着く。
構成/日笠由紀