ブラジルのサンパウロにある日系メーカーの製造・販売子会社に勤務。現地スタッフたちとのサッカーや、週末のサッカー・テニス、ブラジルのペットショップで出会った飼い猫と戯れるのがオフの楽しみ。
開催と同時に反対ムードが一変
こんにちは。おはぎまんです。今回は、ブラジルでのFIFAワールドカップ(TM)開催についてお話しします。
ブラジルに駐在して良かったと一番感じたのは、2014年にこの地でFIFAワールドカップ(TM)が開催されたことでした。開催が決まった当初、ブラジル国内では、さまざまな社会問題の解決を先送りにして浮かれていて良いのかと、反対デモが行われたりしていたものでしたが、ひとたび開催となると、反対ムードは影を消してしまい、国中で大変な盛り上がりとなりました。
私も、日本代表の初戦は、実家の両親を招待して、スタジアムの特別席(個室)で観戦。チケットが入手しにくいイメージがあるかもしれませんが、FIFA公認のチケット販売会社のWebサイトで正式に入手できました。通常のチケットより高額ですが、スタジアム前の駐車場やラウンジなどが使用できたりして、使い勝手が良いのです。英語ができれば誰でも問題なくチケット購入が可能です。
また、会場となったレシフェのスタジアムは空港から遠く、交通の便も良くありませんが、ブラジルの自動車免許を取得していたので、レンタカーを使って移動することで、余計なストレスなく両親に観戦してもらうことができました。それも駐在員だったからこそではないかと思っています。
サッカーはもはや「文化」になっている
そして日本代表以外に観戦した2試合では、応援席で各国のサポーターと触れあうことで、サッカーがもはや「文化」になっていること、そしてそれが日本とは比較にならないほど成熟していることを肌で感じることができました。特に、各国の応援はそれぞれに特徴があり、サポーターたちは、まさに12人目の選手として選手並みに大活躍! 例えば、イングランドのサポーターたちは、たとえ選手が失敗しても、チャレンジが見られたプレーには称賛の拍手を送っていました。アルゼンチンのサポーターたちは、さまざまな歌(チャント)で選手を鼓舞することになっており、どうも、シチュエーションに応じて歌のバリエーションがあるようでした。こうした各国の応援を見ていると、日本のサポーターはやはりおとなしい印象を受けましたね。
もちろん、熱狂はスタジアムの中だけでは終わりません。ブラジル代表の試合がある日は、人もクルマも町から消えました。みんな、自宅か誰かの家で観戦していたようです。その上、会社まで休みになってしまうあたりは、まさに「サッカー王国」! サッカーが国民の生活の一部分であることを再認識させられました。2002年に日本で開催された時とは比べものにならない盛り上がりぶりで、得難い体験ができたと思っています。
次回は、サンパウロでの生活についてお話しします。
サッカー観戦のために訪れたサンパウロのスタジアム。試合は、国内の12のスタジアムで行われた。
開会式直前の街の様子。デモの被害を気にするあまり、ようやくワールドカップの旗が掲げられた。
落書きの多いサンパウロの街。ビルのこんな高い位置にまで落書きが。
構成/日笠由紀