【ブラジル編】インフラと治安の面で不満なサンパウロ・ライフ

Reported by おはぎまん
ブラジルのサンパウロにある日系メーカーの製造・販売子会社に勤務。現地スタッフたちとのサッカーや、週末のサッカー・テニス、ブラジルのペットショップで出会った飼い猫と戯れるのがオフの楽しみ。

停電で冷蔵庫内の生鮮食品がすべて腐ってしまったことも

こんにちは。おはぎまんです。今回は、サンパウロでの生活についてお話しします。

正直言って、サンパウロのインフラと治安は劣悪だと思います。特に電気、ガス、水道といったインフラ面では、停電がひどいですね。一度、止まってしまうと、最悪1日中電気が使えません。冷蔵庫の生鮮食品がすべて腐ったこともありますし、入浴も無理。もちろん、インターネットも使えず、エアコンも使えないため暑くて寝られなかったこともあります。窓を開けるという方法もあるにはあるものの、日本と違って網戸がないため、虫が入ってきてしまいます。特にブラジルはシロアリが外を飛んでいるため、窓を開けてシロアリが家の中に入ってしまうと、家具がシロアリに食べられてしまわないように、業者を呼んで殺虫剤を家中にまかないといけなくなります。そのせいで、しばらく部屋に入れなくなるという2次被害まで発生。実際、家具をシロアリに食べられてしまった友人が何人もいます。

また、トイレットペーパーが流せないトイレが多いですね。紙が水に溶けなかったり、水の流れが弱かったりして、難しいようです。ホテルの中でも、よほどの高級ホテルでない限り、トイレットペーパーは流せません。そういうとき、使用した紙は、通常は便器の横にあるゴミ箱に捨てます。公共施設やレストランなども同様。もちろん、かなり臭います。わが家のアパートは新築なので、基本的に流せますが、たまに詰まることも。こんなときは、日本から持参したラバーカップ(いわゆる「トイレのかっぽん」)で対処していますが、この国にはそういう道具がありません。同じアパートに住む別の世帯でトイレが詰まった場合は、皆さん、業者を呼んで直してもらっているようですが、その直し方がまた独特。なんと便器を床から外して詰まった汚物を取り除くのです。したがって、3日程度は臭いが部屋中に充満してしまい、ホテル暮らしを余儀なくされるようです。ここでは、スイッチを付ければいつでも電気がつく、蛇口をひねれば水がいつでも出るという日本と同じような暮らしは期待できません。

治安も悪く、自宅の斜め前のスーパーに拳銃強盗が押し入ったり、少年による強盗が多発するなど、ごく身近なエリアで頻繁に犯罪が起こっています。街を歩くのは危険なので、タクシーを利用せざるを得ません。タクシー代は、初乗り4.5レアル(2015年1月現在約206円)と、さほど高くはないのが救いでしょうか。その上、料金を不当につり上げたり、遠回りをしたりといった「ズル」をする運転手もいないので、安心して使えます。それは、タクシーはそれぞれエリアごとに設けられているタクシー乗り場に登録しなければならないので、ズルをするとすぐに特定されてクレームを寄せられてしまうから。これだけ治安が悪い中で、タクシーが安全なのは、正直、意外に思います。

私自身が怖い思いをしたこともあります。中華料理店で昼、夫婦で食事をしていたときに、3人組の拳銃強盗が押し入って来たので、危機管理のために常に財布以外に用意しておいた100レアル(同約4600円)を渡して事なきを得たものです。また、今までに3回、車を当て逃げされました。ブラジルは、保険に加入していない車が多いのと、私が乗っている日本車はこちらでは高級車になるので、必ず逃げられてしまいます。車にはねられたバイクが目の前に転がってきたこともあるし、月5回は交通事故で人が亡くなるのを目にします。

防弾仕様の車で通勤

このように、治安が非常に悪いので、自宅から約120キロメートル離れた職場には、防弾仕様の自動車で通っています。朝6時半に自宅を出て、帰りは夜9時に戻るので、基本的に渋滞には遭遇しません。ただし、事故や停電で信号が機能しない場合は、その時間帯でも大渋滞になります。通常、1時間10分程度かかる道に、最悪4時間かかったこともあるほど。交通マナーもひどく、無謀運転や自分のことしか考えていない無理な割り込みは日常茶飯事だし、車の間をすり抜けていく危険な2輪車もいるので、車に乗っているとき、歩いているとき、常に危険と隣り合わせと言えそうです。

なお、私は使ったことがないのでわかりませんが、妻いわく、地下鉄は本数も多く、時間通りに運行して便利なようです。どこまで行っても約150円と運賃が定額なこと、そして行き先もルートもわかりやすいことから、使いやすいということでした。スリには注意しなければなりませんが、比較的治安も良いので、乗客が多い時間帯であれば安全なようです。

一方、バスはというと、行先やルートの案内がないので、ポルトガル語が堪能でないとなかなか利用しづらいようです。暴動が起こった際にまず標的になるという点でも、ちょっと怖いですね。ワールドカップ反対デモの際にも、あちこちでバスが放火されたものです。加えて、運転が荒くて事故のリスクが高いことや、頻繁に車両が故障して道の途中で停止してしまうという点でも、正直、使いづらいと思います。停車中に強盗に襲撃されるリスクもあるわけですから…。実際、日本人は利用しないようにと言われています。

次回は、海外駐在に必要なことについてお話しします。

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強盗に襲われるリスクに備えた防弾仕様の自動車。通勤にはこの防弾車両を使用する。

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防弾車両の窓ガラスの厚みは、20ミリメートル程度。厚みのある携帯電話と同じくらいになる。

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休暇に訪れたアルゼンチン・パタゴニアの氷河。パタゴニアの氷河は、南極、グリーンランドに次ぐ規模だと言われている。

構成/日笠由紀

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