【上海編】海外で活躍するために、語学力よりも重要なもの

Reported by GT2000 Shanghai
中国・上海にある日系企業の現地法人で営業を担当。仕事のかたわら上海にある大学のビジネススクールにも通っている。現地での楽しみは、フランス租界など、上海の街を散歩すること。

語学力以上に、基本的なビジネススキルが重要

こんにちは、GT2000 Shanghaiです。今回は、海外で成功するために必要なスキルなどについてお話しします。

 

自分にとって最もなじみのある外国が中国だったので、入社当初から中国駐在を希望し続けていました。海外勤務を実現するために心がけていたのは、プロジェクト管理能力や、仕事そのものの実行力(やりきる力)を伸ばすこと。社内外で「言語ができるだけの人」を大量に見てきましたが、業務を行う上で最も重要なのは、ゴールに向かって最短時間で進めることです。顧客が期待するのも、会社から求められるのも、この一点です。その基礎となるのが、プロジェクト管理能力や、実行力だと思うのです。何事も基本ができていればさまざまな応用が利くので、これらの基礎的なビジネススキルを磨くことが、海外で働く上でも最も重要だと考えました。

どうやって身につけたかというと、これらのスキルを発揮している人と接点を持ち、彼らから学ぶようにしました。今、上海で働いてみても、これらのスキルはどの国に赴任するにしても最も重要なスキルだと感じています。

一方で、中国に駐在する上では、中国語は必須です。世界的に見ても独特な中国の文化・慣習を理解しなければ商売は成功しませんし、理解するには中国語ができることが不可欠だからです。中国では、欧米のやり方も、日本のやり方も、大半は通用しません。例えば、中国に赴任してきた米国駐在経験者が、米国流のロジックや、契約精神などがまるで通用せずに苦労しているのをたくさん目にしました。ただ、中国語だけでなく英語もしゃべれると尊敬はされると思います。

私は中国系の血を引いていて北京語はネイティブレベルで話せるため、特に力を入れて学習したことはありません。広東語は、大学時代から社会人の初めごろにかけて映画や音楽を聞き流す方法で覚えました。また、英語は赴任前でTOEIC(R)testのスコアが800点程度でした。赴任前と比べて英語を使う機会は増えましたが、さほど語学力に変化はありません。

人脈を広げるため、現地のビジネススクールに進学

前々回お話ししたように、中国は人脈がモノを言う社会で、人脈や人間としての力なくして商売はできません。そこで、現在、仕事のかたわら上海の大学のビジネススクールに通い、最新知識の習得と人脈の拡大を図っています。昔からMBAを取りたいと思っていて、これから伸びゆく中国でMBAを取得するのは自分の将来にとって良いことだと考えたのも理由の一つです。

2年間のコースで、平日夜と土日終日、また月1回は、木曜日から日曜日まで終日学んでいます。一緒に机を並べているのは、中国を代表する企業のトップやベンチャー起業家、建築士、弁護士、会計士など。仕事をしながらなので大変ですが、彼らから刺激を得る充実した毎日を送れており、満足しています。これまでの仕事やここで得た経験・人脈を生かし、将来は、会社経営、あるいは新規事業立ち上げに取り組みたいと考えています。

中国で働いていて感じるのは、これからの時代は、海外に出て、自分の能力や競争力を高めないと生きていけないということ。皆さんには、ぜひ、向上心を持って仕事に取り組んでほしいと思います。

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暮らしているマンションの部屋。外国人駐在員だけでなく、中国の超富裕層も多く入居しており、駐車場には高級外車が所狭しと駐車されている。

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マンションからの風景。目の前には、上海市を南北に縦断し、長江に注ぐ川・黄浦江(こうほこう)が流れている。

構成/浅田夕香

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