【香港編】貴重なネットワークが構築できる海外駐在

Reported by TOSHIZO
香港にある日系企業の現地法人に勤務。中国に関連した書籍を読むことや、ゴルフが現地での楽しみ。

広東語を学ぶ姿勢を歓迎してくれる現地スタッフたち

こんにちは。TOSHIZOです。今回は、海外駐在を通じて得られる収穫などについてお話しします。

 

こちらでは、公用語である広東語がビジネスの場面に出てくることはまずありませんが、現地スタッフ同士の会話が少しでも聞き取れるようになれればと、広東語のレッスンを始めました。週2回のプライベートレッスンです。今は会社が費用を負担してくれていますが、進捗(しんちょく)具合によっては、自己負担に切り替わる可能性もあります。

 

まだ始めたばかりなので、片言ほども話せませんが、いつかは、現地スタッフ同士の会話が理解できるようなレベルに到達できればと、頑張っています。当社の現地スタッフは、英語ができることが採用の条件であることもあり、コミュニケーションは英語だけで十分可能。そのため、これまで広東語を勉強しようとする駐在員はほとんどいませんでした。そういう意味で、ローカル言語を習得しようと頑張る私の意欲を、現地スタッフはとても歓迎してくれています。スラング(俗語)のような言葉も教えてくれたりして、何かと助けてくれるのです。

 

広東語は、外国人にとって非常に難しい言語だと聞いています。音声が普通語(中国の標準語)とはまったく異なり、字も繁体字(簡略化を経ていない漢字)なので、よく見る簡体字(簡略化された漢字)とは違います。また、普通語にはない助詞があり、これがなかなかどうして難しい。よく日本語を勉強している外国人が、「助詞が難しい」と言いますが、同様に、広東語でも助詞は特に厄介だと感じます。

 

社内外に築いた人脈はきっと帰国後も財産に

駐在員生活で得たものとして、まず第一に挙げられるのは、社内外での貴重なネットワークです。日本の本社にいたときは組織の一つひとつが大きくて、関係部署以外の方と接する機会は限られていましたが、こちらでは組織全体が小さくまとまっているので、自分のカバレッジ範囲(担当する業務領域)も広くなり、結果としてより多くのセクションの方とも知り合うチャンスがあります。社内での輪を広げるためにも、彼らが香港に出張して来る際は、基本的にアテンドを断らないことにしています。同業者間での情報交換会やゴルフを通じて、社外の方ともネットワークを広げています。こちらではさまざまな交流会(パーティー)が開かれていますので、それを通じて、香港人の方とも知り合う機会がありました。あまり厳格に公私の区別を設けずに、自ら輪を広げていくことで、ここでの生活もよりいっそう楽しくなったと思います。香港で培ったネットワークは、帰国後も私の財産となることを確信しています。

 

加えて、香港に来てからは、マネジメントの難しさをあらためて感じます。日本人同士の場合は、「あうん」の呼吸があり、細かな指示が不要になることでも、海外では、そうはいきません。そもそも言語も文化も違うので、仕事の指示はより具体的にするだけでなく、逐一業務の目的を説明する必要があります。このプロセスを怠ると、現地スタッフにとっては「やらされ」感だけが募り、彼ら自身の成長につながりません。こうした経験は、自分の業務理解度の見直しにもなりますし、自分の今後にも役立つことでしょう。

 

駐在経験は、日本にいたときの自分の姿勢や態度を振り返る機会にもなりました。「OKY」という言葉を聞いたことがありますか? 現場事情を無視した指示を出す日本本社に対する海外駐在員の心情「O(お前が)K(来て)Y(やってみろ)」を表した言葉だそうです。日本本社が現場の事情に疎くなるのは当然とも言えますが、私自身、他山の石とせず、自分が帰任した後も、現場とよく相談し、現地の事情にも配慮しながら仕事を進めよう、と今から自分を戒めています。

 

なお、将来、海外で仕事をしてみたいと考えている学生の皆さん! 英語は、できるに越したことはありません。仕事上の会話のみならず、業務以外の雑談もストレスなくできるレベルになれれば、海外での仕事や生活は楽しくなるはずです。また、香港における広東語のようなローカル言語ができれば、より違う世界が見えてくると思います。

 

加えて、海外では、自分の足で街を歩き、その街の雰囲気を味わうような旅をしてほしいですね。日本とは異なる文化や多様性を肌で感じて、まずは排除することなく、理解する努力をしてみてください。その背景について歴史をたどって推測するのも面白いと思います。そして、その街のいいところを見つけて、できれば好きになってもらいたい。なぜなら、数日滞在して終わってしまう旅行と違って、滞在が年単位となる駐在の場合は、その土地を好きになれるかどうかがとても重要だからです。その街が好きになれれば、日々の過ごし方や気持ちの持ち方はまったく違います。

 

海外生活にはいろいろな制限があり、かつ孤独を強いられることもあります。当然、体が資本になりますが、多少の不便さも笑い話にできるようなメンタルタフネス(強い精神力)も海外では求められます。海外に出るにあたっては、大きく構えて、心を広く持つようにしてみてください。

 

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伝統的なワゴンスタイルの飲茶店。ランチタイムはあっという間に満員になる。

 

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正午を知らせる午砲(Noon-day Gun)はイギリス領時代の海軍の伝統だったが、返還後も受け継がれて今に至っている。撃たれた直後は、あたりに白煙がしばらく漂う。

 

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広東料理の「千葉豆腐」。豆腐の薄切りと野菜にラー油ベースのソースがかかっている。

 

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「海皇西施泡飯」は、揚げた米を用いた雑炊だ。

 

構成/日笠由紀

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