カンボジアの首都プノンペンにある日系企業の現地法人でマネジメントを担当。現地での趣味はゴルフ。また、近々野球のナショナルチームの審判の手伝いを始める予定。
住まいも買い物も食事も充実しているが、交通は不便
こんにちは、永遠の野球小僧です。今回は、私のカンボジアでの暮らしぶりについてお話しします。
カンボジアには現在、日本人が1800人くらいいて、そのうち8割が首都のプノンペン市内に住んでいると言われています。そのほとんどの人が、日常生活に必要な家具や食器などが備えられた「サービス・アパートメント」に住んでいます。
私が住んでいるのは、現地では一般的な住居で、日系の不動産業者に紹介してもらいました。週3回の清掃代込みで家賃は月1100ドル。テレビはインターネットテレビで、番組は充実しており、日本の地上波、BS、CSを1週間さかのぼって視聴することも可能です。そのため、テレビを見る時間さえあれば、日本にいたときよりも日本の情報を入手することができます。
買い物する場所は、外国人向けスーパーが数店舗。中でも日本製品コーナーのある大きなチェーン店が、2つあって、日本のメーカーのインスタントラーメンや化粧品などが置いてあります。果物や野菜は、スーパーよりも現地人の訪れる市場の方が、新鮮で格安なものが、豊富にありますね。イオンモールも近々開業予定です。レストランも日本食のほか、中華、フレンチ、イタリアンなど多彩でおいしいお店がたくさんありますから、困ることはありません。
プノンペン市内はWi-Fiが整備されており、都会における無料インターネットの環境が日本よりも整っています。そういったカフェが増えており、日曜日にコーヒーを飲みながらパソコンをしている人たちが、とても多く見られます。携帯の普及率も高いです。
職場から市内に出るまで20キロメートルくらいですが、車で片道1時間以上かかってしまうこともあります。なぜなら、交通事情が悪いから。国道で車線はいちおう4車線ありますが、私からすれば「斜線」に見えてしまうくらい、車の割り込み、逆走は当たり前の風景です。
バイクや自転車は歩道を走り、左折や右折、一方通行など関係なく、何でもありというのが実際に見た感想です。交通道徳のなさは世界有数ではないでしょうか。ラッシュアワーには歩道もバイクがわが物顔で走り、私は怖いのでなるべく道を歩かないようにしています。
市内には、鉄道や地下鉄など公共交通機関はまったくありません。バスは中華系企業がJICA(日本の独立行政法人国際協力機構)から事業を引き継ぐ予定らしいですが、まだ走っていません。日本で見られるような流しのタクシーは、ほぼいないですし、メーター付きのタクシーは空港でしか拾えません。移動手段の主流は、バイク・タクシーや「トゥクトゥク」と呼ばれる自動三輪車になります。
そんな交通インフラですから、移動時間がまったく読めず、仕事で人と会うときがいちばん困ります。遅刻しないように早めに出ると、思いのほか早く目的地に着いてしまい、1時間ほど手持ちぶさたになることもよくありますね。
プライベートの楽しみは野球とゴルフ
現地の人に野球の審判方法を教えようと思っているんです。ナショナルチームもありますが、野球場もありませんので、サッカー場で代用しています。少しでも野球の普及につながるのだったらと思い、審判の技術指導をしようと思っています。
カンボジアで野球をする人は、フィリピンや韓国などの外国にいたときに覚えたというのがほとんどですね。日本のように、野球のテレビ中継があるわけではありませんから。またポピュラーなスポーツとしては、キックボクシング、サッカー、バレーボール、バドミントンなどがあります。
休日はゴルフをすることもあります。コースのランクは上・中・下ありますが、上ランクで1プレー100ドルくらいです。暑いので、朝早く始めて昼には終わるようにしています。プレーしているのは、ほとんど日本人と韓国人で、カンボジア人は政府関係者くらいです。
ほかの日本人に休日の過ごし方を聞くと、マッサージをしたり、カラオケに行ったりという感じで、あまりアクティブではないですね。認可されたカジノが市内にありますから、ギャンブル好きの人たちには好評のようです。あとは、プノンペンからは少し離れていますが、やはりアンコール・ワット観光ですね。休暇のたびに訪れるというリピーターも多くいらっしゃいます。
読書もしますが、現地には日本のような書店がないため、私は帰国したときに買いだめしています。現地の書店は、印刷技術が未熟なためか、本の中身をコピーし製本したものを販売しているものも見かけます。果たして版権がどうなっているのか、私には想像もつきません。
カンボジアのバイク・ライダーは、車道が混むと歩道をわが物顔で走行する。3人乗りは当たり前、中には5人乗りの強者(つわもの)もいる。
ある朝市での風景。輸入品も含めて果物は豊富にそろっている。積み切れないほどの量をバイクで運ぶのが一般的。
構成/大根田康介