【チリ編】夏休みは2月。1年が実質11カ月なチリ

Reported by 南一郎(仮名)
チリにある日系商社と現地企業の合弁会社の副会長兼ディレクターとして、サーモンの養殖・加工・輸出に携わる。現地での楽しみは、 釣りやゴルフ、山歩き、自然散策など。

2月は公的機関とのやりとりがストップ

はじめまして。南一郎です。南米チリにある日系商社と現地企業との合弁会社で、副会長兼ディレクターとしてサーモンの養殖・加工・輸出に携わっています。

 

会社にいる日本人は、私ともう一人の駐在員の2人のみ。あとはほとんどチリ人です。一方、取引先は、サーモンの需要がある国々となり、世界中に広がります。特に輸出量が多いのは、米国、ブラジル、日本、ロシアなどですが、中国やアジア、南米のほかの国々への輸出量も伸びつつあります。

 

ほとんどがチリ人という職場ですが、仕事で使用する言語は私に合わせて英語となっており、経営陣やマネジメントの上層部、営業担当者とは英語で会話をしています。サーモンは今や世界中で流通する商品であることから、ビジネスは英語が基本となっていることもその理由のひとつです。とはいえ、やはり会社の中ではスペイン語が共通言語。幸い、赴任時にプライベートレッスンでスペイン語の基礎を学んだおかげで、単語の羅列ながらも生活に必要な簡単な意思は伝わるようになりつつあります。スペイン語を話せる方が、圧倒的に友達も増えるし、入ってくる情報の量も格段に違いますね。

 

日本との違いを最も感じるのは、夏季休暇シーズンの仕事の進み方です。チリは南半球にあるため、2月が夏季休暇シーズンとなるのですが、この時期になると各社員が約2~3週間の休暇を取ります。したがって、会社や工場では、普段の50~60パーセントの人員と補充人員のみで業務を続けていることになり、その時期はオフィスも工場もとても閑散としています。

 

知人の話では、チリでは2月になると裁判所も1カ所しか開いておらず、役所とやりとりが生じる仕事は、すべて止まるか、きわめてゆっくりでしか進められなくなるとか。日本人の感覚だと、そんな働き方で大丈夫なのかと心配になってしまいますが、こちらでは、こうした夏休みの習慣は何十年も前から続いており、生活や仕事もそのベースで成り立っているようです。考えようによっては、「11カ月間仕事をすることで、1年分の仕事が成り立っている」ということになるのかもしれません。

 

生き物を扱うという業務の性質上、当社の養殖現場の基本シフトは「2週間働いて1週間休み」であり、現場の社員には2月の休暇はありません。その代わりに、魚を収穫した後にまとめて休むという慣習があります。一方、マネージャークラスの社員は2月に夏季休暇を取るので、その間、ほかの地域のマネージャーがこの地域の業務を兼務することになり、どうしても手薄になってしまいます。

 

そのため、チリのビジネス社会がこうしたスケジュールで動いていることを、米国や日本といったチリ以外の国で働く人たちに理解してもらう点では、とても苦労します。合弁会社を設立して資産をその会社に移す作業をした際も、2月はまったく手続きが進まなかったのですが、その事情を本社に説明するのが大変でした。

 

会議はクッキーをボリボリかじりながら

チリでの仕事の進め方には、特に違和感はありません。ビジネスモデルにもよるとは思いますが、これまで私が米国やほかの国の関係会社の会長や取締役などとして、現地の社長と相談しながら会社を運営してきたことから、すでに私自身にグローバルな会社の舵取りの手法が身についているからなのではないかと思われます。現在、私は副会長という役職に就いており、本社(日本)と現地の社長との間で、現地の社長がより良い決定ができるように適切な情報提供を行いつつ、現場の状況をより深く理解するために社長と毎週30分ほどのミーティングを行うように努めています。こうしたやり方は、国の違いを超えて普遍的なものなのではないかと思います。

 

驚いたのは、午前中の会議の場合、クッキーなどの菓子類がテーブルに置いてあり、出席者がボリボリとお菓子を食べながら議論をしていること。菓子は、庶務を担当するスタッフが用意してくれるのですが、どの会社のどの部署でも、出てくるのはクッキーのような甘いものばかりで、ポテトチップなどのスナック菓子は、不健康なイメージがあるのか、出てくることはありません。会議以外の時間も、自分の席で菓子を食べながら仕事をしているスタッフが少なくなく、赴任当初はこれにも驚かされました。

 

なお、ほとんどの会社が、コーヒー、紅茶、水などの飲み物をフロアに用意して、社員が自由に飲めるようにしています。水に至っては、炭酸入りとそうでないものの2種類がそろえられているほど。コーヒーは、お湯を入れるだけのインスタントのものになりますが、概して、業務中の飲食については実におおらかな印象です。

 

次回は、チリの習慣や文化についてお話しします。

 

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現在、住んでいるプエルトバラスにある広場。プエルトバラスは、1900年代初めにドイツ人入植者がつくった街だ。

 

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プエルトバラスの自宅アパートメントから見える教会。街並み全体にドイツらしさが感じられる。

 

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自宅アパートメントの窓から楽しめる美しい夕焼け。

構成/日笠由紀

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