【カザフスタン編】社会情勢の変動がまだまだ激しいカザフスタン

Reported by 柴
中国から見て北西側に位置するカザフスタンの首都アスタナにある日系メーカーに勤務。現地での楽しみは、駐在員仲間とのグルメ散策と、趣味を増やすこと。

通貨の価値が半減した衝撃

こんにちは。柴です。今回は、カザフスタンという国についてお話しします。

カザフスタンに赴任して初めに戸惑ったのが、英語が思った以上に通じないことでした。以前、ロシア圏に居た知人からも聞いていたのですが、「マックチキン」は「マックチーキン」、「ケチャップ」は「キェーチュプ」とロシア語風に発音しないと、なかなか聞き取ってもらえません。英語が話せる人の割合は、カザフスタンの社会全体だと、5~10パーセントといった感じでしょうか。ホテルや高級レストランなどの店員は基本的には話せますが、タクシーの運転手やスーパーの店員などだと、まったく話せないことがほとんどです。

カザフスタンでは、2015年に通貨「テンゲ」が変動相場制に移行した結果、50パーセント近く通貨が切り下げられました。そのため、輸入量がかなり少なくなり、スーパーから海外のものが少なくなるという事態も一時起きたものです。変動相場制に移行したのが8月、スーパーの輸入品の在庫がなくなってきたのが9月下旬ごろでした。2015年末ごろには、ある程度は輸入品の在庫量が戻ってきましたが、値段はかなり高くなっています。通貨が安定していない外国に住むと、こういった問題も出てくるのです。

また、テンゲの急落により経済が混乱し、少し不景気になった気がします。もちろん、不景気の主な原因は、昨今の原油価格の下落ですが、通貨の急落もその一因ではないかと考えています。テンゲ急落のせいで、ドル建てで契約した家賃の額が跳ね上がったり、紙幣の価値が下がったことから、今までよりも多くの紙幣を持ち歩く必要が生じたため、財布が膨らみました。

良質のウオツカなら二日酔いにならない

ロシアとの共通点という意味では、カザフスタン人もウオツカを飲むことが挙げられます。ウオツカは日本人には少々きつく、すきっ腹で飲むとすぐ酔っ払ってしまいますが、日本でいろいろ飲んでいた時と比べて、不思議と翌日の二日酔いはマシなように思います。アルコール度数の高いウオツカで、飲み始めから酔うので、結果的に摂取アルコール量が少なく済むのだと思います。また、現地のカザフ人から、「良いウオツカは不純物が少ないので、次の日、頭が痛くならない」と聞いたこともあります。

現地の人々も、お酒を飲めば結構酔っ払うようで、店から出るときに真っ赤な顔をしている人をよく見かけます。ただ、「電車に乗って、気づいたら家に着いていた」というようなことは、こちらではあり得ないので、へべれけになっている人を見たことはありません。基本的に、みんな店にタクシーを呼んでもらって、帰っています。ウオツカのほとんどはロシア産ですが、乾杯前に一人ずつひと言、ちょっとした話をして、「◯◯のために」と言ってから一気飲みするところも、ロシアと共通しています。

カザフスタンは、コニャックもとてもおいしいと思います。今まで、コニャックなど飲んだことはなかったのですが、カザフスタン産のコニャックが安くておいしいことを知って、飲むようになりました。自国産のせいか、ほかの種類のアルコールと比べると、ダントツで安いですね。ちょっと甘いウイスキーのような感じなので、食事の後でチーズと一緒に飲むのがお気に入りです。

次回は、首都アスタナでの暮らしについてお話しします。

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アズィレット・スルタン・モスクの外観。女性が入館するには、スカーフをかぶるなどして頭髪や素肌を隠す必要がある。

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ロシアのウオツカの中でも最高級の銘柄のものは、カザフスタンでも非常に高価だ。平均的な価格のウオツカの30倍以上にもなる。

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2015年夏には、アスタナで世界柔道選手権大会が開催された。

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アスタナには、盛り付けに凝った料理を出すおしゃれなレストランもあり、食べ歩きが楽しい。

構成/日笠由紀

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