ブラジルにある日本のとある法人のサンパウロ事務所に勤務。現地での楽しみは、サンパウロ近郊への小旅行や日本人同士の飲み会、読書など。
現地通貨レアルで支給される海外駐在手当
こんにちは。E.カルロスです。今回は、サンパウロでの私の生活についてお話しします。
サンパウロで私が住んでいるアパートは、勤務先がよく利用している不動産会社からの紹介で決めました。広さは45平方メートルで、キッチンにシャワールーム、トイレが2カ所、寝室が2つあります。共用施設として、ジムと庭、パーティールームもついています。どうやらブラジルには風呂に入る文化がないようで、多くの住居では浴室にはバスタブがなく、多くの場合はシャワーのみとなります。当然、私のアパートにもないため、その点は非常に不便を感じています。
セキュリティは、日本と比べてはるかに厳重。私のアパートは、門扉が二重になっていて、警備員が24時間警備しています。家賃は4600レアル(日本円で月に約15万円程度・2016年3月現在)ですが、勤務先が8割を負担するため、自己負担分は約4万円というところです。家賃は一般的に物価上昇率に応じて自動的に引き上げられ、2015年は4200レアルだったのが2016年は4600レアルになったので、約10パーセントの上昇率ということになります。
職場から徒歩15分くらいのところに住んでいるのは、職場からの要請によるものです。通勤時に犯罪に遭うリスクを減らすために、地下鉄などの公共交通機関を使わず通勤時間が短く済む徒歩圏内の住居に決めました。ブラジルで自動車を持つと、日本の2倍以上の価格になってしまうという事情や、単身であることもあり、車は持っていません。ただ、車を買うと道を覚えるので、現地の地理に詳しくなれるのと、帰国時は資産として売却できるというメリットもあるようです。
こちらでの収入は、日本で受け取っていた額に準じた給与(各種手当はなし)と海外駐在手当の2つから構成されています。海外駐在手当の額は地域によって異なり、現地通貨「レアル」で支給されるため、実質的な受取額は、レアルと円との相場関係によって変動してしまいます。赴任当初は、給与よりも海外駐在手当の方が高かったのですが、その後のレアルの暴落により、海外手当が大幅に減少して、正直困っています。発展途上国の通貨は、為替レートの変動が著しいので、手当を現地通貨ベースで支給されると、生活の見通しが立てにくくなることを痛感しているところです。私のように単身赴任で日本に生活の本拠を残している場合の海外駐在手当は、円ベースで支給してほしいと思っています。
日本食材には不自由しない
普段の昼食は、職場の同僚と、オフィス近くのレストランで取っています。選んだおかずを量り売りしてくれるカフェテリア方式のレストランが多くて便利なのですが、軽く1食1000円はかかるので、日本にいた時よりもランチ代がかさみます。夕食はもっと高いので、家で自炊が基本。幸い、米やカレー粉、インスタントラーメン、乾麺といった日本食材が手に入るため、B級グルメを味わうには不自由しません。サンパウロには、日本人駐在員や日系人でにぎわう「メイド・イン・ジャパン」という店があり、お金に糸目をつけなければ、多くの日本食材、日本製品が手に入ります。
現地での楽しみのひとつが旅行。ちょっと遠出して、ブラジル国内のイグアスの滝やリオデジャネイロを訪れたり、近場では、貨物取扱量南米一のサントス港、鉄道の町「パラナピアカーバ」、日本の軽井沢市と姉妹都市関係の「カンポス・ド・ジョルダン」などを訪れています。いつも日帰りなので、できればもっとよく調べた上で1泊したいと考え、再訪のチャンスを狙っています。
飲み会も、楽しみのひとつです。情報収集のために仕事の一環として飲むときは、和食で接待するタイプのお店を選びます。個人的な飲み会は、日本人街「リベルダージ」にたくさんある日本風居酒屋で。なお、日系企業の駐在員との個人的な飲み会に加えて、ブラジルにある出身県の県人会の飲み会や、知人が個人的に主宰する飲み会にも参加したりしています。また、日系ブラジル人の方のホームパーティーに招かれて、何度かお邪魔したりしています。
次回は、ブラジル駐在で得たものなどについてお話しします。
居住しているエリアにある屋外パーティー場。居住者なら利用できる。
カフェテリア形式のレストランの多くは、「ポロキロ(1キログラム当たり)」という量り売り方式で、選んだおかずの重さに応じた値段を払うようになっている。
ブラジルの保養地「カンポス・ド・ジョルダン」にある地ビール工場の製品たち。どれもドイツ式の製法で造られている。
ビール工場の直営店。明るいうちからビールでのどを潤す人々で大にぎわい。
カンポス・ド・ジョルダンの街を巡回する観光オープンバス。標高1500メートルに位置するため、夏もさわやかな気候が楽しめる。
ブラジルには、肉料理のレストランが多い。日本でもよく知られている「シュラスコ」の本場でもある。
構成/日笠由紀