アメリカ合衆国南東部のノースカロライナ州にある日系企業の現地法人に勤務。現地での楽しみは、現地で参加しているアマチュアサッカーチームでのサッカーや、外食など。
当初は3割ほどしか理解できなかった現地の人の英語
こんにちは。ぽぽしです。今回は、海外駐在で感じる醍醐味(だいごみ)についてお話しします。
アメリカ合衆国で働き始めてからは、TOEIC(R)テストなど公的なテストを受けていないので、どれだけ英語が上達したのかは詳しくわかりませんが、仕事で使う言語の約9割が英語ということもあり、自分が伝えたいことは不自由なく英語で伝えられるようになってきました。
文書の場合は、時間をかけて調べられるので、以前からさほど苦労することはなかったのですが、口頭のやりとりでは、即答しなければならない場面が多く、なかなかそうもいきません。そのため、とにかく「慣れる」という目標に向けて、努力している最中です。
リスニングについても、以前より上達こそしているものの、地域によっては独特のアクセントなどがあり、いまだに苦戦中。赴任直後、初めて倉庫に足を運んだ際に、現場のマネージャーと話す機会がありましたが、彼が言っていたことのおそらく3割ほどしか理解できていなかったと思います。今でも、半分ほどしかわかっていないかもしれませんが…。こうしたリスニング力を高めるためには、やはり、英語と接する機会をなるべく多く作り、体に染み込ませるということが最短ルートだと思います。基本的に、仕事の場面では英語しか話す機会がないので、特に意図しなくても、英語のトレーニングはできていると思います。
任される仕事の範囲が広がった
海外に来たことで、日本ではできなかった貴重な経験ができているのは確かです。日本では、社内政治的な事情や、ポジション上の制約があったりして、担当している事業を思うように展開していくことは難しいこともありました。しかし、こちらではいきなりある程度の職責を任されることになりました。自分が方向性を決めて進めていかない限り、そのまま事業ごと衰退してしまうことになるため、それだけの権限を持って仕事ができることになったわけです。
日本にいたころの自分が、一海外営業スタッフという立場であり、部下もいなかったことを考えると、こちらで現地採用の部下を持ち、今後の事業をどう展開するか、事業をどのように成長させていくかといった戦略的な部分も一任されていることには、多大な責任を感じます。同時に、裁量を持って思いっきり采配を振るえることについて、手応えと醍醐味も味わっています。職務範囲も、価格設定や広告宣伝施設の運営、新規人員の採用まで大きく広がりました。私が採用した人材が、ある特定のマーケットに強いコネを持っており、これまで当社が入り込めていなかったマーケットに、確実に食い込んでくれている様子を見ていると、実に感慨深い気持ちになったものです。
世界的な大都市に駐在した後で、ノースカロライナ州に駐在することになるとは、まったく想定していませんでした。正直言って、ダイナミックな仕事はできなくなるのではないかと落胆していたのですが、妻が明るく支えてくれたこともあり、「これはこれで一生のうちに何度も経験できることではない。貴重なチャンスと考えよう」と気持ちを切り替えました。今はそれなりに楽しめていると思います。
このように海外駐在を経験したことで、いろいろな視点から物事を考えるようになりました。仕事の範囲が一気に広がったことで、責任感も自然と備わりましたね。この経験が私の人生に及ぼした影響は、非常に大きいと思います。
将来、海外で仕事をしたいと考えている皆さんには、日本とまったく異なる環境にあるさまざまな土地で、さまざまな人と直(じか)に接することの価値をあらためて伝えたいと思います。今は居心地の良い日本で、不便のない生活を送っていると思いますが、その価値観を根底から揺るがされることでしょう。仕事の面でも、これまでにない重い権限を持たされて事業を展開していけるということ自体、得難い経験となるはず。自分の新たな一面を見つけられる良い機会にもなると思います。
自宅の庭。左に写っているバーベキューグリルを使って、庭でバーベキューを楽しむことも少なくない。
庭のバーベキューグリルで、とうもろこしやにんにく、ソーセージなどを焼いている光景。蓋をすれば、蒸し焼きもできる。
構成/日笠由紀