【カナダ編】カナダ人とのつき合いは“対等”がポイント

Reported by KAW
カナダにある日系企業の現地法人に勤務。オフの時間は、買い物やジム通い、ドライブや日本の情報をインターネットで収集したりして過ごしている。

「上司と部下」ではなく「友達感覚」で

こんにちは。KAWです。今回は、カナダの人々についてお話しします。

カナダで暮らしている上で、日本との違いを感じることは、実はさほどありません。むしろ、日本人に近いのではないかという義理堅さを感じることもあります。例えば、部下のモチベーションを上げるための方法として、よく「業務の位置づけや意義を説明して理解してもらい、納得感を持って取り組んでもらう」といったことを言いますが、カナダでは、そういう理詰めのアプローチよりも、相手との親密さがカギになるような気がします。何か仕事を頼む場合にも、そうした関係をしっかり築いておけば、「何のためになる仕事かわからないけど、あなたにとって必要で、あなたが喜んでくれるなら、やりましょう」というスタンスで臨んでくれるようなのです。もともと、人に喜んでもらうことが好きで、募金やボランティア活動に積極的な国民性とも通じるものを感じます。

ただし、このように「この人のためなら一肌脱ごう」と思ってもらうためには、普段から仕事以外のことでもコミュニケーションを取り、笑い笑われる仲になっておくことが大切です。決して「上司と部下」ではなく、あくまでも対等に、友達感覚でのつき合いをしておくことが肝要なのです。そのために私は、ときおり一緒にランチをしたり、日本に一時帰国したときにちょっとしたお土産を買ってきたりしています。また、朝の始業前に雑談するのも、大事なコミュニケーションのひとつ。今日の服がどうだとか、昨日行ったレストランがどうだとか、今日は寒いねとか暑いねとか、そんな他愛もない話題ばかりですが、そうした会話を毎日積み重ねることで、距離を縮めることができるのです。部下たちも、上司の髪に寝ぐせが残っていれば「なにその寝ぐせ」と突っ込むし、上司がおやつを食べていたら「俺にもくれ」とせがんだりと、ある意味「毎日が無礼講」状態。そのおかげか、仕事の内容で相談ごとがあるときなどにも、気軽に話してくれるようになりました。

そうしたムードの職場なので、「日本では、こうやっている」という言い方をすると、彼らの表情は如実に曇ります。単に「日本の方がその製品を扱っていた期間が長く、経験があるから」というだけのことで、日本のやり方をことさら持ち上げる気はないのですが、彼らはそうは受け取らないらしく、「その方法が良いとは思わない」という言い方で拒絶したりします。一方、日本で起きた製品の不具合のニュースが、同じ不具合を防止するために社内で伝えられたときなどは、「こんなミスをするなんて、信じられない!」と笑ったりもします。こんなときは、「自分たちも同じようなミスをしているのに」と少し呆れてしまいます。

上司へのパイ投げが社内行事!?

仕事と関係ない場面で日本との違いを感じたのは、自動車の運転。カナダは日本とは逆の右側通行なのですが、一度、日本での癖が抜けずに逆側を走ってしまったこともあります。同じ車線を走ってきた対向車の女性はさぞかし驚いたことでしょう。彼女が、口をあんぐりと開けて、サングラスをずらして私をまじまじと見つめていたのを見て、非常時ながらも「欧米の人って本当にこういうリアクションをするんだ!?」と感心したのを覚えています。幸い、長い一本道だったので、逆走に気づいてから反対車線に避けるまでに相当の余裕があり、さほど危険はありませんでしたが…。その後、2カ月くらいで右側走行にも慣れましたが、今でもときどき周りに車が走っていないときなどは、「あれ? また逆走しちゃった?」とドキドキしたりします。

加えて、カナダの人々は非常にお祭り好きだと思います。特にハロウィンは大騒ぎ。この年齢になるまで一度も仮装などしたことのない私も、ついにハロウィンパーティーでドラえもんに扮(ふん)してしまいました。もちろん、現地のスタッフたちの仮装も、とても気合いが入っています。特に、アニメのキャラクターやホラー風の仮装が多く、背中に羽根をつけていた人や、日本のアイドルグループのような女子高生風ファッションの女性もいました。あの制服のような衣装は、カナダの人たちにも「かわいい」と映るのでしょうか。実に興味深く感じました。

ほかにも、部下たちがマネージャーたちに向かって「パイ投げ」をしたりと、かなりくだけた雰囲気の社内行事もある一方で、アイスホッケー大会、ゴルフ大会、清掃活動なども行います。また、前述のように募金活動も非常に盛んですね。よく、「チャリティでTシャツを買おう」「募金でくじ引きを買おう」などの呼びかけが社内で回ってきます。そのくじ引きの景品が、何と「有給休暇1日」だったのにも驚きましたね。

次回は、私のカナダでの生活についてお話しします。

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カナダは、もともとは宗主国イギリスと同じ左側通行だったが、アメリカと陸続きという理由で右側通行に変わったという。

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仮装グッズや衣装を調達したり、自前の服を工夫してハロウィンパーティーに臨むスタッフたち。

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シーズンになると、家までもがハロウィン仕様に。「KEEP OUT(立ち入り禁止)」の看板は本気なのか冗談なのか。

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カナダの公用語である英語とフランス語の説明が併記された化粧品パッケージ。カナダで売られているものは、一般的にこのようになっている。

構成/日笠由紀

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