【カナダ編】賃貸物件が少ないカナダの住宅事情

Reported by KAW
カナダにある日系企業の現地法人に勤務。オフの時間は、買い物やジム通い、ドライブや日本の情報をインターネットで収集したりして過ごしている。

住宅は借りるより買う方が得

こんにちは。KAWです。今回は、カナダでの私の生活についてお話しします。

カナダでの住まいは、職場の仲間の友人から借りています。カナダでは、業者が仲介しなくても賃貸ができるので、口コミで決めました。会社からの住居費補助の範囲内で、程よいレベルの家を選びたかったのですが、カナダにはまず空いている賃貸住宅そのものが少ないため、現実的にはわずかな物件の中でしか選べません。そもそもカナダは、家を借りて住むという習慣があまりなく、まずは家を買って買い替えを繰り返す「持ち家」派がスタンダードなのだとか。したがって、「売り家」はあっても、「貸し家」はあまりないというわけです。なぜそんなに簡単に家を売り買いするかというと、住宅なら値崩れしないから。「景気が良かったときには、3年住んで売ったら買ったときより高く売れた」といった話は割と頻繁に聞きますし、「どんなに景気や条件が悪くても、同じレベルの家を借りた場合の家賃の総額以上に値が下がることはあり得ない!」と言われたこともあります。つまり、借りるよりも買う方が得なわけで、おのずと賃貸住宅の需要も供給も少なくなるのです。そのため、150平方メートルで5LDKという、私たち家族には少々広すぎる家を選ばざるをえなかったのは少々残念でした。

そんなふうに選択肢が少ない中ではありましたが、今の住まいは通勤しやすさを最優先に選ぶことができました。ただし、築年数が古いので、しょっちゅういろいろな設備が壊れます。カナダに来て初めての冬、建物の中全体に温風を送る、セントラルヒーティングのような旧式の暖房設備が壊れたときにはさすがに焦りました。あまりに古いタイプだったために、修理するための部品もないというのです。同僚に「子どものころ、これと同じ暖房を祖父の家で見た」と言われるほど古かったせいなのでしょう。数日間、急遽(きゅうきょ)購入した電気ストーブで寒さをしのぐ羽目(はめ)になりました。その後、大家さんが最新式の冷暖房に取り替えてくれて、今は冬も夏も家の中のすべての部屋が快適な温度に保たれています。

なお、なかなか日本の人々には知られていないかと思いますが、カナダは物価が高い国です。標準的なランチをとろうとすると、2000円近くになるのがその一例。パスタが約1200円強、ドリンクが約300円、税金が約200円(13%)、チップが約200円強(15%程度)でだいたい2000円という感じです(1カナダドル96円として換算。2013年11月現在)。物価の安いアメリカがなまじ近くにあるせいか、その差はさらに際立っており、実感値としては、カナダはアメリカより2割くらいは高いのではないでしょうか。それなのに、会社による給与の物価補正(赴任国の物価水準に応じて駐在手当の額を調整すること)がアメリカとほぼ同額なのには、納得できないものがあります。

約1500キロメートルのロングドライブも楽しみのうち

日本にいたときには、さほど旅行好きではなかった私ですが、こちらに来てからは、北米大陸を中心に車での旅行を楽しむようになりました。片道10時間程度の旅行なら、運転も苦になりません。例えば、2012年の夏にケベック州に旅行したときの総移動距離は、約1500キロメートル。移動日は、直行すると8時間くらいかかる距離を、食事や休憩などで寄り道しながら、12~13時間かけて移動する感じです。宿泊するのは、高くても1室1万円弱くらいのホテル。前半は忙しく移動して、後半はゆったり帰ってくるようなスケジュールにしています。

アメリカと比べると、カナダの方が運転は楽な印象があります。アメリカだと、高速道路の合流などが無秩序で難しいと感じますし、ときどきコインしか受け付けてくれない自動支払機があったりするからです。アメリカの硬貨は一番大きいものが25セントなので、2ドル払おうとすると8枚の25セント硬貨が必要になってしまうのです。その点、カナダの有料高速道路は、機械がナンバーを感知していて、後で請求書が来る仕組み。皆、感知ポイントでは減速すらしないので、日本によくある「料金所渋滞」もありません。ただ、有料区間があることを知らないと、知らずに有料道路を走ってしまい、請求が来てからビックリなどということもあります。

運転には多少苦労しますが、アメリカのシカゴやニューヨークにも旅行しています。ラスベガスには飛行機で行きましたが、航空チケットも1人分4万円くらい。少しずつ遠出できるようになってきたので、今度はカリブ海にも足を延ばす予定です。

次回は、海外駐在生活についてのアドバイスをお送りします。

ph_oversea_vol231_01

郊外の住宅地。区画が大きく、道路や歩道も広々としているのが特徴的。

ph_oversea_vol231_02

よく訪れる公園。第一次世界大戦の慰霊碑が設けられている。

ph_oversea_vol231_03

真冬には湖も凍結してしまうのがカナダ。凍った湖面を散歩する人も。

ph_oversea_vol231_04

カナダの大手カフェ・チェーン。外歩きに疲れたらコーヒーやホットチョコレート、サンドイッチなどで一服する。

ph_oversea_vol231_05

レモンメレンゲパイはカナダでは一般的なスイーツ。「レモンメレンゲパイ・ミックス」もスーパーで売られている。

構成/日笠由紀

就活をはじめる以前に、本当はいろんな不安や悩みがありますよね。
「面倒くさい、自信がない、就職したくない。」
大丈夫。みんなが最初からうまく動き出せているわけではありません。

ここでは、タテマエではなくホンネを語ります。
マジメ系じゃないけどみんなが気になる就活ネタ。
聞きたくても聞けない、ホントは知りたいのに誰も教えてくれないこと。
なかなか就活を始める気になれないモヤモヤの正体。
そんなテーマを取り上げて、ぶっちゃけて一緒に考えていきましょう。

みなさんが少しでも明るく一歩を踏み出す気持ちになれることが、
私たちの願いです。