【スウェーデン編】スピーディーなスウェーデンのビジネス

Reported by アルフレッド
スウェーデンにある日系企業の現地法人に勤務。現地での楽しみは、家族旅行やゴルフ、テニス、ソフトボールなどのスポーツ。ローカルスタッフとのパーティーと駐在員仲間との飲み会も良い気晴らしになっている。

上司への頻繁な報告は不要

はじめまして。アルフレッドです。スウェーデンにある日系企業の現地法人に勤務しています。

 

職場の同僚は、数人の日本人を除いてほとんどが現地のスウェーデン人。ヨーロッパにある当社の現地法人とのやりとりもあり、そのときはドイツやイギリス、フランスや日本から来ている同僚と業務に関する連絡を取り合うこともあります。顧客は現地の企業となるため、仕事で使う言語は、英語。日本人同士でのみ日本語を話しており、現地語であるスウェーデン語を使うことはありません。

 

仕事の進め方で日本との違いを感じるのは、日本と比べて仕事のプロセスよりも結果を重視する傾向にあるということ。と言っても、決してプロセスを軽視しているわけではなく、結果を検証して反省したり、今後に生かしていくという点では、日本と変わりはありません。ただ、日本のように上司にその都度報告書を提出する必要がなく、余計なプロセスが省けるため、非常にスピーディーに次のアクションに移れるという点は特徴的です。

 

加えて、組織が縦割りな日本に対して、スウェーデンはアメリカなどと同様にフラットな組織なので、一つの目標に向かって部署や役職の隔たりなく議論を交わして、迅速に決定することができるため、そういう意味でも非常にスピード感があります。一方、日本以上に個々人が「独立した個人事業主」であるという意識が強いので、自分の縄張りについて、他部門から横やりを入れられることについては、強い嫌悪感をおぼえるようで、自分の部下に他部門の責任者が指示をするようなことは、なかなか受け入れがたいようです。

 

ローカルスタッフのフラストレーションを最小限に

スウェーデンで仕事をする上で心がけているのは、とにかく、できる限り意思疎通を図るようにすること。 特に、どんな業務も最終決定権は日本の本社にあるため、ローカルスタッフと日本の本社との間に入って、極力ローカルスタッフのフラストレーションをためないように調整する能力が非常に重要になります。とりわけ、ローカルスタッフに開示できる情報にはどうしても限りがあり、しかも常に間に駐在員が入ってしまうため、彼らはあまりの情報量の少なさに不満をつのらせがち。そこで、少しでもそのようなストレスを減らすために、できる限り彼らと密に会話することを心がけ、情報も差し支えない範囲でなるべく多く開示するようにしています。そうした環境の中で顧客との折衝も行うことになりますので、とにかくコミュニケーション能力を磨くことが要求されます。

 

また、日本人のわび・さびの文化は一切通用しないので、何でも思ったことは口にし、論理的な会話を通じて物事を進める必要があります。ここでは、とにかく何でも口に出さないと「こいつはわかっていない、使えない」と思われてしまいます。例えば、自分の意見が、理屈では正しくても上司の意向に背くことになるケース。日本であれば発言を控える部下が多いと思いますが、スウェーデンは前述のようにフラットな組織のため、自分の考えを伝えることは、たとえ上司に対してであっても決して失礼には当たりません。逆に、口をつぐんでいると、「使えない人間」だというレッテルを貼られてしまいます。私も一度、意見が対立した顧客に対して積極的に自分の考えを述べることで、見事に論破できたときがありましたが、それ以来、同僚からの信頼も厚くなり、それまで以上に情報を得られるようにもなりました。そのようにローカルスタッフからの信頼を得て、「こいつに任せれば大丈夫」と思わせることが、海外では特に大事なのです。

 

加えて、海外駐在では、ローカルスタッフだけでなく、日本の本社スタッフとのやりとりが頻繁に生じますが、当然ながら日本とは8時間(夏季は7時間)の時差もあり、休日も日本とこちらとでは異なります。このような環境において「24時間年中無休で営業中」の意識を持って仕事に臨んでこその駐在員。駐在手当は、その対価と考え、いつでも対応できるように心がけています。

 

なお、冒頭に、仕事は英語で事足りると言いましたが、これは仕事に限った話ではありません。なぜなら、スウェーデン語を学ばなくても、英語だけで十分生活できるから。国の英語教育のおかげで、多くのスウェーデン人が英語を話せるためなのです。地方の一部には、まだ英語が話せないお年寄りがいますが、ストックホルム市内では、老若男女、タクシードライバーなども、英語は堪能。標識や店の看板、食堂のメニュー、スーパーの値札などはスウェーデン語のため、必要最低限のサバイバル単語は身につけておく必要がありますが、今はスマートフォンのおかげでどこにいても単語を「google翻訳」で調べられるので、たとえまったくスウェーデン語を知らなくても不自由はありません。私個人の印象としては、スウェーデンは、ヨーロッパではイギリスの次に住みやすい国だと思っています。

 

次回は、スウェーデンの人々の国民性についてお話しします。

 

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ストックホルムの目抜き通り脇で行われている大道芸の見物客。大道芸がなくても、買い物の休憩でよく若者が座って日向ぼっこをしているのを目にする。

 

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ストックホルムにある国立公園「ハガ公園」内の湖。冬は湖面が凍り、スケートが楽しめる。

 

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ストックホルム郊外にあるドロットニングホルム宮殿。国王一家の私邸であり、世界遺産に指定されている。「北欧のヴェルサイユ宮殿」とも呼ばれている。

 

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ストックホルム市庁舎。ノーベル賞晩餐(ばんさん)会の会場として、テレビなどで見た人も多いかも。

 

構成/日笠由紀

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