「企業研究のやり方がわからない」「そもそも企業研究は必要なの?」と感じている人に向けて、リクナビ就職エージェントのキャリアアドバイザーが企業研究の必要性や調べること、具体的な進め方などを解説します。企業研究ノートの作り方やテンプレートも紹介するので参考にしてみましょう。
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企業研究とは?なぜ必要なの?
企業研究とは、1つの企業について調べ、さまざまな角度から理解を深めることを指します。自分が働きたいと思える企業を見つけるには、その企業のさまざまな面が自分の志向や適性にマッチしているか見極めることが必要です。
企業によって、仕事内容や働き方、企業文化、社風、キャリアパスなどは異なるものです。目指す業界や職種がある場合でも、その企業が自分に合っているかをきちんと検討することが重要です。ミスマッチな企業を選択してしまわないためにも企業研究をしっかりと行いましょう。
また、企業研究をしていない場合は、「なぜその企業で働きたいのか」「入社後にどのようなことを実現したいのか」「将来どのような姿を目指したいのか」などを具体化しにくいものです。選考過程で志望動機や将来のキャリアについて聞かれても、説得力のある回答ができず、苦戦することも考えられます。就活において、企業研究は自己分析と同じくらい大切だと考えましょう。
企業研究で調べること
企業研究で調べることを具体的に解説していきます。
企業概要
基本情報として、企業概要を調べましょう。資本金、売上高、営業利益、社員数などを調べることで、企業規模や事業規模を想定しやすくなります。売上高・営業利益がこの数年間でどう推移しているかまでリサーチすれば、近年の業績の傾向も把握できるでしょう。
また、設立年度や上場・未上場について調べれば、企業の歴史や立ち位置なども確認できます。本社・事業所の所在地を確認し、勤務地や転勤の有無なども把握しましょう。
事業内容
企業が手がける主力事業や関連事業、商品やサービスの特徴について調べます。ビジネスモデルについては、法人を顧客とする「BtoB(Business to Business)」、一般消費者を顧客とする「BtoC(Business to Customer)」の違いもあります。同じ職種でも顧客によって仕事内容が違うこともあるので、理解を深めておくことが大事です。
企業の強み、業界内での立ち位置
企業の強みや業界内での立ち位置を知ることで、「なぜ競合他社ではなく、この会社を志望するのか」を明確にしやすくなります。ビジネスモデルの強み、業界内でのシェア、競合他社との違いなどを調べましょう。
企業理念・経営理念
企業理念や経営理念は、その企業が大切にしている価値観を知るために役立ちます。「企業の考え方に共感できるか」「自分の価値観に合っているか」を考えることが大事です。
企業の動向と今後の事業展開
企業の動向や今後の事業展開などを調べることで、成長性や将来性、安定性などを確認できます。現在、注力している事業や新規事業、今後の事業方針などに注目してみましょう。
仕事内容
どのような職種があるのか調べ、具体的な仕事内容や仕事のやりがい・難しさなどを把握しましょう。自分がイメージするような仕事に携われるのか、やりたいことに合致しているのか確認することも大事なポイントになります。
求める人物像
入社後に活躍できるかどうかを判断するためには、企業が求める人物像や仕事で必要とされるスキルを調べることがポイントです。自分に合致する部分を探すことで、向いている仕事かどうかを判断しやすくなるでしょう。
社風・企業文化
「職場の雰囲気が自分に合っているか」「一緒に働く人との相性が良いか」という点も仕事のモチベーションや働きやすさに影響するものです。「チームワーク重視」「個人の裁量が大きい」など自分の価値観に近い働き方ができるか、共感・尊敬できる人物が働いているかを考えてみましょう。
ワークライフバランス
残業時間や休日・休暇などのワークライフバランスも調べましょう。仕事を続けていく中では、自分に合った働き方ができることも重要です。
平均年収・昇給制度
自分が目指すライフスタイルを実現できるか判断するには、平均年収や昇給制度などを確認することも必要です。また、頑張りに見合った報酬を得られることがやりがいになるケースもあります。
福利厚生・各種制度
福利厚生、子育て支援の制度、テレワークやフレックスなどの柔軟な働き方の制度は、働きやすさを判断するポイントになります。理想のライフスタイルや将来のライフプランをイメージし、実現しやすい環境があるか考えてみましょう。
教育体制・キャリアパス
成長できる環境があるか判断するために、教育体制や研修制度を調べましょう。新人研修以降も成長に応じた研修を行う企業や、海外留学制度・資格取得支援制度などを用意している企業もあります。また、キャリアパスを調べることで、入社後に目指せるキャリアをイメージしやすくなるはずです。
採用情報
募集職種、採用人数、選考プロセスなど、採用に関する情報を収集しておけば、応募の際に役立ちます。仕事体験やインターンシップなどの開催情報も確認しましょう。
実際に働く社員に対して感じたこと
実際に働く社員に対して感じたことを整理すれば、自分に合う会社かどうかを判断しやすくなります。「自分が目指す社会人の姿に近いか」「一緒に働きたいと思えるか」などを考えることが大事です。
自分の企業選びの軸と合致していること
企業選びで大事にしている軸に対し、合致しているかを考えましょう。「仕事のやりがい」「一緒に働く人への共感」「働きやすい環境」など、自分の軸に対して納得・満足できる点を明確にすることが重要です。
企業研究のやり方
企業研究の具体的なやり方、調べ方を紹介します。
企業の採用ページ
企業の採用ページで全体像を把握しましょう。職種や仕事内容、求める人物像、教育・研修体制、福利厚生・各種制度、ワークライフバランスなどについて、学生にもわかりやすい情報を掲載しているケースが多く見られます。
また、社員インタビューなどで、仕事のやりがいやキャリアの可能性、働きやすい環境、社風・企業文化などに対する理解を深めることもできます。
就職情報サイト
就職情報サイトには、新卒採用を行っているさまざまな企業が掲載されています。それぞれの企業ページでは、企業概要や採用情報、求める人物像などを調べることができ、掲載情報の項目も統一されているので比較検討しやすいでしょう。
企業のコーポレートサイト
企業のコーポレートサイトでは、より詳細な企業概要・事業内容を把握できる上、企業理念・経営理念、社長メッセージなどを掲載するケースも多く見られます。上場企業の場合、株主に向けたIR情報として、中長期の事業・経営戦略や今後のビジョンなども掲載しています。
OB・OG訪問
OB・OG訪問を行い、先輩社員に直接話を聞くこともおすすめです。その企業で働いている社員からリアルな話を聞くことで、仕事のやりがいや難しさ、働きやすさ、キャリアの可能性などをイメージしやすくなります。また、気になる点を率直に質問することもできますし、「一緒に働きたいと思えるかどうか」を判断する材料にもなります。
インターンシップや会社説明会
インターンシップ等のキャリア形成支援プログラムや会社説明会に参加すれば、その企業で働く社員や職場の雰囲気などに触れることができます。社員に直接質問することも可能です。
会社説明会では、具体的な事業内容や今後のビジョンなどを知ることができます。社員が具体的な仕事内容や仕事のやりがいなどについて直接話すケースも多いので、よりリアルな内容を知ることができるかもしれません。
また、一緒に参加している学生は将来、同期になるかもしれないため、その雰囲気が自分に合うかどうか確認するのも良いでしょう。
新聞・ニュース
新聞やニュースを通じて、気になる企業や業界の動向について確認できます。日ごろから経済新聞や経済ニュースのサイト、ビジネスニュースの番組などをチェックすることが大事です。また、筆記試験や面接などで昨今の社会情勢や時事ニュースに対する考えを問われることもあるので、回答に役立つでしょう。
企業や業界の情報が掲載されている本
さまざまな企業の情報を掲載している本があります。売上高や営業利益などの基本情報をフォーマット化して掲載しているので、比較検討に役立ちます。
また、平均年収や離職率などの情報を掲載している本もあるので、企業に直接聞きにくい情報も収集できるでしょう。
『業界地図』と銘打った本では、各企業の業界内における立ち位置なども解説しています。強みや競合他社との違いを把握できるので、志望動機の作成にも役立ちます。
企業研究ノートを作ろう!
企業研究で得た情報は、整理してまとめましょう。企業選びやエントリーシートの作成、面接準備などに役立てることができます。
企業研究ノートのテンプレートを参考にしよう
企業研究で調べることの項目をそろえておくと、各社を比較検討しやすくなります。企業研究ノートのテンプレートを紹介するので、こちらを参考に作成してみましょう。
【テンプレート】
企業研究ノートのテンプレート ダウンロード
企業研究ノートのまとめ方は?大きさは?
企業研究ノートをまとめる際には、以下の方法があります。
1:ノートを1冊用意する
会社説明会などに持参でき、その場で書き込める。
配布された資料を貼り付けることができる。
2:ルーズリーフを使って1冊のファイルを作る
新しい情報を得た際に、ページを追加することができる。
企業研究ノートの大きさは、自分が使いやすいサイズを選びましょう。持ち運びやすいのはA5やB5などのコンパクトなサイズですが、配布資料などを貼り付ける場合はA4サイズが便利です。また、手書きすることが苦手な人は、パソコンやスマートフォンを使い、企業別にファイルを作成する方法もあります。
企業研究の成果を生かすためのポイント
企業研究の成果をその後の就活に生かすためのポイントを解説します。
幅広い企業を視野に入れる
企業研究を進める際に、「すべての理想を満たせる企業だけを調べたい」と考えるケースもありますが、それだと当てはまる企業は限定されてしまうでしょう。選択肢を広げるためには、「自分が大切にしたい軸に合致しているか」を最低限の基準として、幅広い企業を視野に入れることが大事です。
自分に合う企業を見極める
その企業に対して感じた魅力や気になった点などを整理した上で、総合的に分析すれば、自分に合う企業かどうかを見極めやすくなります。仕事内容や将来のキャリア、働きやすさ、社風など、さまざまな角度から検討し、自分が働く上で大事にしたいことや将来実現したいことにマッチしているか考えてみましょう。
志望動機や自己PRの作成に役立てる
エントリーシートや応募書類では、志望動機や自己PRなどを問われるものです。企業研究ノートを確認し、「なぜその企業を志望するのか」「他社にはない魅力は何か」「どのように自分の強みを生かせるのか」などをあらためて考えることで、説得力のある回答を作成できるでしょう。
面接準備に役立てる
面接では、志望動機や自己PRに加え、将来目指すキャリアなどについても問われます。また、競合他社との比較や業界展望などについて聞かれるケースもあります。面接前に企業研究ノートを確認し、自分の考えを整理することで、より説得力のある回答につなげていきましょう。
企業研究のやり方がわからない場合は、就職エージェントに相談しよう
「企業研究のやり方がよくわからない」「自分一人で進めるのは難しい」と思ったら、就職エージェントに相談してみましょう。
リクナビ就職エージェントでは、一人ひとりの進度に合わせたサポートを行っています。就活のプロが、今やるべきことや今後に必要なことについて具体的なアドバイスをするため、不安や疑問の解消に役立ちます。アプリやメールなどでも相談できるので、気軽に質問してみるのもおすすめです。
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プロフィール 松崎香織(まつざき・かおり)リクルートへ転職後、新卒・中途領域のキャリアアドバイザー業務に従事。中途採用では主に第二新卒の方の転職支援を経験し入社後の活躍の大切さを痛感。新卒採用では“活躍を見据えた、納得感のある支援”に向き合っている。