【ベトナム編】自主的に残業するベトナムの社員たち

Reported by 蓮太郎
ベトナムのホーチミンにある日系企業の現地法人に勤務。現地での楽しみは、ゴルフやテニス、マンション内にあるプールで子どもと泳ぐこと。家族サービスの一環として、定期的に現地の日本食レストランで和食を味わっている。

真面目だがもう一工夫が欲しいところ

はじめまして。蓮太郎です。ベトナムのホーチミンにある日系企業の現地法人の組織管理を担当しています。

 

ベトナムにあるほかの支店には日本人の同僚もいますが、ホーチミンでの部下はすべてベトナム人。顧客の多くは日系の企業ですが、トップは日本人でも、直接、商談をする相手はベトナム人の担当者となることが多いですね。一方で、日本の本社との業務の比重も高く、その際は、日本人同士のやりとりとなります。

 

したがって、仕事で使っているのは主に日本語。感覚で言うと8割というところでしょうか。私が直接やりとりするマネージャー以上のベトナム人は全員日本語が話せるので、そのせいかもしれません。残りの2割が英語となり、ベトナム語を使う場面はありません。

 

ベトナムの人と仕事をしていて感じるのは、ベトナム人のマネージャーに日本語で指示を出すと、指示されたことは言われた通りにやってくれる一方で、それ以上のことは望めないということ。「こういうイメージで」と例を示すと、見事にその例のままであがってきてしまい、「気を利かせる」「自分なりの一工夫を施す」といったプラスアルファはなかなか期待できません。それが、日本語という、彼らにとって母語でない言語で指示を受けているせいなのか、あるいはもともとそういう文化なのかは、まだわかりませんが…。ただ、言われたことはきちんとやってくれます。手を抜くというようなことは一切ありません。

 

スケジュールも守ってくれます。「日系企業に勤めているから」という自負のようなものがあるせいかもしれませんが、金曜日の夕方に「この仕事を終わらせたいので、週末、出社してもいいですか?」「どうしても今日中に終わらせたいので、残業させてください」などと、休日出勤や残業を申請されることもしばしば。「そこまで遅れてないよね」と指摘すると、「先々、どんなことがあるかわからないので、なるべく早めに終わらせておきたいんです」という答えが返ってきたりもします。マネージャー職には残業代がつかないのに、早め早めに進めようとする姿勢には感心します。

 

なお、ここ南部のホーチミンのスタッフと、北部のハノイにある現地法人のスタッフとで連携して仕事を進めなければならないときなどは、思うように進められないことがままあります。首都ハノイと商業の中心地ホーチミンとでは、気候や風土、人々の気性などが異なり、昔からあまり仲が良くないためだそうです。そのため、なるべく業務を両拠点で切り分けるようにしていますが、中にはどうしてもチーム体制で取り組まなければならないことも出てきます。そんなとき、リーダークラスは、職務と割り切って粛々と仕事を進めてくれますが、若い世代については調整が必要。ホーチミンのスタッフを一時的にハノイのオフィスに派遣するときなどは、事前に呼んで話をしておくなどの根回しをすることもあります。

 

会社に愛情を持ってほしい

管理職ということもあり、仕事で接するのはマネージャーに限られてしまうため、普段からスタッフともコミュニケーションを取るように心がけています。毎週社内のメンバーで楽しむフットサルに参加したり、Facebookでスタッフと友達になって、タグ付けをし合ったり…。会社の制度として、月に1度、その月に誕生日を迎えるスタッフを招いたバースデーパーティーを開いたりもしています。加えて、ベトナムの「女性の日(10月20日)」「子どもの日(6月1日)」には、該当するスタッフに花や玩具をプレゼント。年2回、スタッフを家族ぐるみで招待したレストランを借り切ってのディナーも企画します。年1回、2泊3日の社員旅行の行き先は国内のリゾートビーチですが、家族を呼んでもOKで、家族分の旅費も会社が一部を負担します。

 

社員に対するケアとしては、社内で無料の日本語教室を開いていることも挙げられます。ほかの日系企業だと、社員を業務時間外に日本語学校に通わせて、「試験に合格したら学費を払ってあげるよ」式に補助しているところが多いようですが、当社の制度は、業務時間内に日本人の講師による授業を受けられるという内容。要するに給料を払ってもらいながら勉強ができるわけです。ただ、出席率が悪い社員や、確認試験の合格率が芳しくない社員も出てきたので、「出席率が75パーセントを切ったら、もう受講しなくていい」「各課程のテストに合格しないと受講を続けられない」といった少々厳しめな条件を課したところ、成績も改善しました。ベトナムの人々は、言えば確実に伝わる人々なんです。

 

こうした手厚い福利厚生や社員教育を行うのは、給料以外の部分でも会社に魅力を感じてほしいから。日本と比べて離職率が高いベトナムにおいて、会社に愛着を持ってもらうことが、当社にとっても良い人材を確保することにつながると考えているからです。ベトナムの人々は、大学を卒業するときも、日本の学生のような就活はせずに、「とりあえずどこかの会社に入ってみて、それから考えよう。いまいちだったら転職すればいいし」という考えで入社する傾向がありますが、優秀な人には、ぜひ転職せずに当社にとどまってほしい。そんな願いをこめて採用や評価を行ったり、制度を整えたりしています。

 

次回は、ベトナムの文化についてお話しします。

 

 

ph_oversea_vol265_01

ベトナムのゴルフ場。ベトナムでは多くの日本人駐在員がゴルフを楽しんでいる。

 

ph_oversea_vol265_02

こちらはゴルフ練習場。ホーチミン市中心部に近いビンタン区にある。

 

ph_oversea_vol265_03

ベトナム料理のレストラン。ベトナムでは、鶏を丸ごと使う料理も多い。

 

ph_oversea_vol265_04

ベトナム版つけ麺の「Bun Cha(ブンチャ)」。米粉で作られた麺を、肉の入った温かいつけ汁につけ、生野菜を添えて食べる。

 

構成/日笠由紀

就活をはじめる以前に、本当はいろんな不安や悩みがありますよね。
「面倒くさい、自信がない、就職したくない。」
大丈夫。みんなが最初からうまく動き出せているわけではありません。

ここでは、タテマエではなくホンネを語ります。
マジメ系じゃないけどみんなが気になる就活ネタ。
聞きたくても聞けない、ホントは知りたいのに誰も教えてくれないこと。
なかなか就活を始める気になれないモヤモヤの正体。
そんなテーマを取り上げて、ぶっちゃけて一緒に考えていきましょう。

みなさんが少しでも明るく一歩を踏み出す気持ちになれることが、
私たちの願いです。