【ドイツ編】ベルリンはヨーロッパのシリコンバレー

Reported by YK
ドイツのベルリンにあるIT企業のIoT(アイ・オー・ティー)(※)スタートアップ(新しいビジネスモデルを開発し、ごく短時間のうちに急激な成長と利益を得ようとする一時的な集合体)にソフトウェアエンジニアのトレイニー(研修生)として参画中。(※Internet of Thingsの略。PCなどの従来機器以外の「モノ」にインターネットを接続し、相互通信を行う技術)

17時以降はビールを飲みながら仕事してもOK

はじめまして。YKです。日本で勤務しているIT企業から派遣される形で、ドイツのベルリンにある現地IT企業のスタートアップにトレイニーとして参画しています。「なぜベルリンで?」と不思議に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実はベルリンは、ヨーロッパで一番ホットなTechHub(技術者の交流拠点)であり、技術力のある多くのスタートアップ企業が存在する場所なのです。すでにシリコンバレー(アメリカ)に次ぐIT企業の一大拠点となっています。

 

スタートアップのメンバーは現在20名程度ですが、人数は流動的で、常に増減しています。およそ半数がドイツ人ですが、あとはいろいろな国から来ていて、特に私と同様にエンジニアとして働く社員の国籍は、ヨーロッパ、アメリカ、オセアニアと多岐にわたっています。したがって、仕事で使う言語はすべて英語。もちろん、ドイツ人同士はドイツ語で会話をしていますが…。

 

この職場で特徴的なのは、会議がとても少ないこと。全体では毎週月曜日の朝9時から1時間、報告や情報共有を行うのと、チームごとに週1回、定例の会議をするのみです。ほかに何か話し合う必要があるときは、自分のデスクの周辺にいる社員3~4人に声をかけてフロアにあるホワイトボードの周りに集まり、立ったままやりとりをして決めてしまいます。

 

驚いたのは、17時を過ぎるとビールを飲みながら仕事する人が多いことでしょうか。社内の一番大きな会議室(パーティールーム)には大型冷蔵庫が2つあり、ビールやコーラなどが常備されているのですが、17時30分くらいになると、誰かが「ビール取りに行くけど、一緒に行く?」とほかの社員を誘います。そしてビールを取ってきて、デスクで飲み始めるのです。大体、瓶ビール1~2本は空けているのではないでしょうか。「明日は休み」という金曜日ならまだわかりますが、ほかの曜日でも平気で飲んでいます。皆さん、お酒に強いので、飲みながらでも仕事ができるようです。

 

就業時間は10時から17時で、ランチ休憩が1時間ですが、18時までには大体の人が帰ります。遅くても19時には帰る感じでしょうか。また、金曜日はそのまま週末にかけて遊びに行く人が多いようで、15時に帰ったりする人もいます。キャスターバッグを職場に持ってきたりしているので、「このまま遊びに行くんだな」とすぐにわかりますね。

 

喫煙タイムが効果的な語学力トレーニング時間に

職場では、私以外の全員が同じ会社の社員ということもあり、たった一人飛び込みでスタートアップに参画している私の立場は、当初、正直言って微妙なものがありました。例えば、必要な情報の開示を求めた際に、実際に情報が手に入るまで時間がかかったり、ビジネスに直接かかわるような仕事を任せてもらえなかったり…。もちろん、私はスパイとして参画しているわけではありませんから、とにかく最初は目の前の仕事を一生懸命こなして、彼らから信頼を得るようにと精いっぱい努めました。加えて、積極的にランチに参加するように心がけています。お昼ごろになると、誰か一番先におなかが空(す)いた人が、「ランチ行こうよ~」と言いながらメンバーを募るので、そういうときは必ず応じるわけです。オフィスが工業地帯の一角にあることもあり、レストランの選択肢があまり多くないため、週4日はオフィスの近くのカフェテリアに行きます。なぜ週4日なのかというと、毎週木曜日は、オフィスの全員が社内のパーティールームでランチを取ることに決まっているからです。この社内一斉ランチのメニューは、デリバリーのピザや寿司などの日本食など。でも、一番多いのはインドカレーですね。なぜこれほどカレーの頻度が高いのかは、まったくもって謎なのですが…。

 

加えて、喫煙に行く際は可能な限り誰かを誘って行き、誘われたときも必ず行くようにしています。ドイツは喫煙大国ですが、それでもオフィスは禁煙。吸いたいときには、オフィスのビルを出たところにある、灰皿が1つ置いてあるだけの喫煙コーナーに向かいます。そこで、同僚などとたばこを吸いながら話をするわけです。会話の内容は、「週末、何してた?」とか「どこのレストランがおいしいか」といったたわいもないものですが、実はこれが大正解! ランチのときのように人数が多いと、皆、話すスピードが速すぎて、聞くだけで精いっぱいになってしまうところが、喫煙コーナーでは2人で会話するため、相手も私のスピードに合わせて話してくれる上、私自身がしゃべるチャンスもグンと増えるからです。まだまだ拙(つたな)い英語しか話せず、しかも口下手な私がコミュニケーション量を増やすために、この“喫煙タイム”は非常に役立っています。

 

次回は、ドイツの人々のプライベートに対する考え方についてお話しします。

 

 

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会社のパーティールーム。毎週木曜日の全社ランチもここで。卓球台もある。

 

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パーティールームに置かれている冷蔵庫。常にビールとソフトドリンクが冷やされている。

 

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週4日ランチに通っているカフェテリア。オフィスが入っているビルの周りには、あまり商業施設がないので、このカフェテリアはとても貴重な存在だ。

 

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これが「喫煙コーナー」。自分にとっては会話力をブラッシュアップする大切なレッスンスペース。

 

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オフィスのデスク。最近、IT系企業ではフリーアドレス(社員が個々に机を持たないオフィススタイル)にしているところが多いが、この会社では個々人にデスクが用意されている。

 

構成/日笠由紀

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