【ドイツ編】ドイツではプライベートと仕事との切り替えが明確

Reported by YK
ドイツのベルリンにあるIT企業のIoT(アイ・オー・ティー)(※)スタートアップ(新しいビジネスモデルを開発し、ごく短時間のうちに急激な成長と利益を得ようとする一時的な集合体)にソフトウェアエンジニアのトレイニー(研修生)として参画中。(※Internet of Thingsの略。PCなどの従来機器以外の「モノ」にインターネットを接続し、相互通信を行う技術)

オフの時間に職場の仲間とは過ごさない

こんにちは。YKです。今回は、ドイツの人々のプライベートに対する考え方についてお話しします。

私の職場では、休暇の取り方がとても柔軟です。ヨーロッパでは、夏やクリスマス、3~4月のイースターの時期に休暇を取るのが一般的だと思いますが、ここでは皆さん、好きな時期に1~3週間程度の休みを取っています。観光客が多くてホテルが高い夏のバカンスシーズンを避け、その後の9~10月に休暇を取る同僚もいます。経営者も2週間ほどの休暇を取っていますね。

もちろん、皆さんきちんとキリの良いところで仕事を終わらせているので、オフィスに残った同僚が引き継ぎで大変な思いをすることなどありません。責任感という点では、このオフィスの人々は、日本人に近いものがあると思います。自分の仕事はきちんとこなすし、責任を放棄するような行動を取っているところも見たことがありません。彼らの仕事ぶりを雑だと感じることなども、まずありません。

そもそも、チーム単位で仕事をしていて、常にお互いが何をやっているかがわかっているので、大げさな引き継ぎ業務などは必要なし。15~20分くらい、立ち話で申し送りをすれば、何かあったときは代わりに対応できるからです。一応、「何かあったときはskypeで連絡してね」ということになっていますが、実際にskypeで旅行先に連絡したことはありません。自分だってバカンス中に仕事のことで煩(わずら)わされたくはないので、お互いにその気持ちがわかっているからです。

彼らは基本的に、プライベートと仕事を完全に切り離しているようです。そのため、仕事が終わった後に一緒に飲みに行ったり、休日に仕事仲間と会うといったことも、日本に比べるととても少なく感じます。2014年のFIFAワールドカップ(TM)のときに、社内のパーティールームでみんなでドイツ代表の試合を観戦したことはありますが、社外で会うことはほぼありませんね。Facebookでつながるということもほとんどありません。そのため、私自身も、休日は会社の仲間ではなく、ベルリン在住の日本人の友人と過ごすことが多くなっています。仕事を離れたら、お互いに干渉しないのがマナーなのだと思います。

改札がなくても切符を買う律儀なドイツ人

職場の人々以外に目を向けても、ドイツの人々はきっちりしていると感じます。一番そう思うのは、電車やバスの運賃に関して。ドイツには「改札」というものがなく、切符を買わずに電車やバスに乗ることも物理的に可能なのですが、皆さんきちんと切符を買ってから乗っています。もちろん、切符なしで乗っていることが検札によってバレると30ユーロ(約4000円・2014年10月現在)の罰金が課せられるということもあるでしょうが、とても真面目だと感じます。

ただし、レストランのサービスに関しては、残念ながら真逆の印象があります。とにかく、店に入って着席してから10分以上放置されたり、注文と違うものが出てきたりと、とても雑なのです。ほかのサービス業ではこのような印象を抱くことはないので、レストラン業界だけが特殊なのかもしれません。

次回は、私のベルリンでの生活についてお話しします。

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ドイツが東西に分かれていたころ「西ベルリン」だった地域。街並みにヨーロッパらしさが漂う。

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旧西ベルリンのシャルロッテンブルク駅。整備されていて落ち着いた佇(たたず)まいだ。

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こちらは旧東ベルリンの鉄道駅。旧西ベルリンの駅と比べるとやや荒廃した雰囲気を感じる。

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旧東ベルリンの繁華街「ミッテ」。賑(にぎ)やかで活気がある。

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雪景色のハッケシャーマルクト駅(旧東ベルリン)。赤レンガ造りで趣のある駅舎が印象的。

構成/日笠由紀

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