【トルコ編】ハイブリッド方式がうまくいくトルコでの仕事術

Reported by クルムズベヤズ
トルコのイスタンブールにある日系企業の現地法人に勤務。ヨーロッパとアジアとにまたがる地の利を生かして、休日や長期休暇を利用した家族旅行に出るのが現地での楽しみ。

まずは日本の常識を捨てることが先決

こんにちは。クルムズベヤズです。今回は、トルコでの仕事術についてお話しします。

 

トルコに赴任して生活するにあたって、私は、日本での常識をいったん捨てることを意識しました。例えば、公共交通機関。日本の交通機関のように時間通りに来るものだと考えていたら大間違いで、とにかく時間通りになど来ないのです。トルコの人々はその辺を良く理解しているのか、バスや電車の遅れには実に寛容。したがって、一緒に遊びに行くときも、約束の時間に来ることはまずありません。

 

そのせいで、いつもイライラするのは自分ばかり。そしてあるとき、「なぜこんなにイライラしているんだろう」と考えた際に、自分が日本の常識に囚われ過ぎていて、トルコの常識を理解しようともしなかったことに気づいたのです。日本の常識が、ここトルコでは非常識であり、「常識」は国によってまったく異なるものなのだと、あらためて理解しました。

 

ちなみに、アジア側を走る電車は、2013年の6月から約2年間もかけて線路の補修・再整備をするそうです。この補修期間の長さからも、のんびりしたお国柄が伝わってきます。

 

仕事に関しても同じことが言えます。日本の仕事の進め方は確かに効率的ですが、それが海外では効率的とは限らないからです。大切なのは、日本式のやり方を押し付けるのではなく、海外の良い部分に日本式の良い部分をミックスさせ、ハイブリッドな仕事の進め方を確立させることだと思っています。

 

日本人には、分析力の高さときめ細やかな気遣いという強みがあります。物事を客観的に分析する能力に長けており、また細かい部分にも目が行き届くのです。これに、トルコ人の強みであるフットワークの軽さと爆発力を組み合わせれば、最強に。とても良い相乗効果が生まれます。

 

例えば、ある仕事を期限内にやり遂げなければならない場合を想定してみます。まず、日本の上司が、その仕事の量と、その仕事を任せるトルコ人スタッフの力量を客観的に分析し、トルコ人スタッフに指示したり、フォローしたりするタイミングを設定します。そして、いざ指示するタイミングになったら、得意の細やかな気配りを発揮。「君にしかできない大事な仕事なんだよ」と持ちあげることによって、相手にやる気を起こさせるのです。後は、使命感に燃えたそのスタッフが、期限までに仕事を完了してくれるのを待つだけ、というわけです。とは言え、それでもなかなか上手くいかないケースばかりです。ただ、このような効果を期待したいのであれば、日本の常識をふりかざすのではなく、まずは現地の人の考え方・感じ方を理解し、尊重することが大切です。そのための手段は、とにもかくにもコミュニケーションを取ることだと考えています。

 

日本との違いといえば、こんなこともありました。赴任して間もないころ、同僚と電車に乗っていたところ、途中の駅で紙袋を持った怪しい男が乗ってきて、ドアに寄りかかっていた私たちのすぐ後ろに並びました。「怪しいなあ」と不審に思った矢先、その男が紙袋からナイフを取り出し大声で何かを叫び始めたのです。「ヤバイ! 電車ジャックや! 俺ら人質になってまう!」とビビっていたら、急に私たちに背を向けほかの客に向かって何かパフォーマンスを始めました。揺れる車内で、片手に持った紙をナイフで鮮やかに切り裂いたり、ほかの乗客にナイフを見せびらかしたりし始めたのです。乗客たちもまったく意に介さずにいたので、「おかしいな?」と思い始めたとき、私の耳に、「このナイフはすごく良く切れるよ!」「今なら3つ買ったお客さんに1つサービスするよ!」といったトルコ語が聞こえてきました。彼は、車内でナイフを販売するのを職業としている「車内販売」の人だったのです。日本だったら、間違いなく通報されるところですが、ここトルコではごく日常的なことなのだと、その大らかさにはつくづく感心したものです。

 

オリンピック開催にあきらめムードが漂うイスタンブール

皆さんもご存じの通り、トルコのイスタンブールは、2020年のオリンピック開催候補地として、東京と共に名前が挙がっています。私の感触では、イスタンブールに住んでいる人たちは、概ねオリンピック開催に賛成というスタンスのようです。とは言え、昨今のデモによる混乱を目にしてからは、一様にあきらめモードとなっている印象を受けます。

 

トルコの人々は、とても議論好きです。特に、政治の話になると段々とヒートアップしていき、傍から見ると喧嘩(けんか)しているのではないかと思うほど、熱い議論を交わしています。あまりに白熱する様子を見てきたので、私からは政治がらみの話題は極力振らないようにしています。政治の話は、あくまでもトルコの人々たちの問題であって、日本人の私がとやかく口を出したり、介入するべきではないと思っているためです。

 

最近は、タクシム広場で始まったデモに関する政府の対応に関して、トルコ人同士が熱く議論を交わしている光景を目にしました。ここイスタンブールでは、比較的リベラルな層が多いため、大部分は現政権に対して不満を抱いています。ここのところ、だいぶ落ち着いてきてはいますが、デモが始まったころは、夜の決まった時間になると、どこからともなく鍋を叩く音が聞こえ、それが次第に街中に響き渡っていくことで、反政権派が決して少なくないことが伝わってきたものです。ただし、その一方で、現在のトルコの目覚ましい経済発展を現政権が担ったのも確かなことであり、その成果を評価して支持している層がいるのも事実です。

 

次回は、イスタンブールでの暮らしについてお話しします。

 

狭い路地も単線の路面電車が走り抜けるイスタンブールの街並み。

 

トルコ名物「サバサンド」。その名の通り、パンに鯖(サバ)が挟まれている。

 

色彩が美しいトルコのチャイ(紅茶)。チャイグラスはトルコの家庭の必需品だそう。

 

イスタンブールの街角にはカラオケの店も。

 

休憩時間にはチャイで一服する現場作業員たち。

 

構成/日笠由紀

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