【タイ編】一つでもいいから誇れるスキルを身につけよう

Reported by リュウ
タイのバンコクにある日系企業の現地法人に勤務。赴任後に始めたゴルフにはまり、妻と早朝ゴルフを楽しんだり、おいしいタイ料理レストランを教えてもらって食べ歩いたりと、タイ生活を満喫中。

1カ月の英語漬け経験で語学力が飛躍的に向上

こんにちは。リュウです。今回は、駐在に必要なスキルについてお話しします。

 

まだ私が日本にいた入社2年目のとき、会社に外国人から電話がかかってきたことがあります。そのときは、突然のことでまったく対応できず、とても落ち込んだものです。その出来事を機に奮起し、週1回程度の頻度で英会話スクールに通い、英語力を鍛え始めました。その時点では、まだ海外勤務の希望はなかったのですが、その後、海外に赴任した元上司から話を聞くうちに、海外駐在を経験してみたいという気持ちが芽生えました。

 

その後、晴れて東南アジアのある国に海外勤務となったとき、すでにTOEIC(R)Testのスコアは880点程度あったのですが、そこでも相手の英語が聴き取れないことに、再び強いショックを受けました。独特の現地訛(なま)りがあることに加えて、まだ自分の耳が当地のスピードに追い付けなかったのでしょう。周りに日本人がいたために、つい日本語に頼ってしまいがちだったことも一因だったと思います。ところが、会社の研修で1カ月間、英語しか使えない環境にどっぷりと浸かったところ、戻ってきたら驚くほど会話力が伸びていました。

 

タイに赴任してからは、週1回、日曜日の朝に2時間タイ語の個人レッスンを受け始めました。その上、現地の人たちの英語がタイ語訛りであることから、自分の英語もタイ語訛りになっていないか心配でしたが、この間受けたTOEIC(R)Testでは960点をマークすることができました。前述した赴任前の1カ月研修の成果だと思われます。

 

何かの分野で専門性を確立しよう

海外では、日本にいるときよりも上のポジションとなることが多いので、そのポジションにふさわしいスキルが備わっているかどうかは、思った以上にシビアに問われることと思います。タイで私の部下になっている人たちも、その多くはタイで最高峰の大学を卒業していたり、MBA資格を持っていたりする優秀な人たち。他社での実務経験があるスタッフも多いため、単に日本で業務をこなしてきただけの駐在員は、ひょっとしたら上司として認めてもらうことすらできないかもしれません。

 

まず第一に、英語ができないと、部下からの信頼を得るのは難しいでしょう。そもそもコミュニケーションが取れず、どんなに能力があってもそれを伝えることができないからです。特に、語彙が稚拙だと、伝える内容も幼稚なものとなり、的確な指示はできなくなってしまいます。一方で、どんなに語学力があっても、適切なアドバイスができる実務能力がないと、「この人に相談しても無駄」と思われてしまうようです。

 

加えて、現地のスタッフたちに認められ、リーダーシップを発揮するためには、ひとつでも強く尖(とが)っているスキルを磨くことが必要だと思います。海外では、日本よりも個人で判断しなくてはならないケースが多いため、状況に応じたスピーディーな判断力は必須でしょう。そのため、判断のベースになる何らかの専門性、例えば法律や経済、経理などの得意な分野があった方が良いように思います。また、困難な状況に置かれたときに、簡単にあきらめない粘り強さも大切だと思います。

 

当社の場合、初めて駐在員として赴任した国で、日本では持ったことのない部下をいきなり10人抱えるというケースもあり得ます。その際に、「ここは日本の会社だから、現地スタッフは日本人の言うことを聞くべきだ」という気持ちでは、彼らをうまく動かすことはできません。現地のスタッフたちは、日本の会社のために働いているわけではなく、あくまでも現地の企業に勤めているという意識を持っているので、日本の本社の都合などを説明してもなかなか納得はしてもらえないからです。最終的には指示に従ってもらうことが多くなるとは思いますが、それまでのプロセスで、判断の理由などについて十分説明を尽くしていくことが求められます。

 

私自身も、タイで日本にいるときよりも多様な業務を担当させてもらい、かつ多数のスタッフを部下として働く機会を得たことで、あらためて自身の強みや得意分野の確認ができたと思います。また、その得意分野をどのように生かせば、自分の守備範囲を広く、かつ深くできるかということもわかってきました。

 

将来、海外で仕事をしたいと考えている皆さんには、まず、少なくとも英語を苦手だと思わない程度の努力と経験は必要だということを申し上げたいですね。旅行でも良いので、ある程度の長い期間を海外で過ごす機会を持てると理想的でしょう。また、海外に限りませんが、これなら人に負けないと誇れるような専門性を、何かの分野で確立していると、その分野を軸としてさまざまなことにチャレンジしやすくなると思います。アジアはまだまだ可能性がいっぱい広がっています。一緒に働きましょう!

 

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現地スタッフとのコミュニケーションではタイ語が大活躍。タイには日本人駐在員が多いせいか、ビジネス用の会話集も。

 

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バンコクのワットアルン寺院。チャオプラヤ川岸にたたずむ姿は10バーツ硬貨にも描かれている。

 

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屋台の店先では、ときおり見たこともないような風体の魚も売られている。

 

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王宮付近の通り。大学や美術館、大寺院などが集まる文化的なエリア。

 

構成/日笠由紀

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