【スペイン編】生活に仕事を持ちこまないスペインの人々

Reported by SAKURADA
スペインにある日系企業子会社に勤務。現地での楽しみは、スペインの軽食喫茶兼居酒屋であるバルで、おいしいタパスをつまみながらワインを味わうこと。朝市で新鮮な野菜や地元の特産品を手に入れるのも現地でのうれしい習慣のひとつ。

終業後は地元の仲間や家族と過ごす

はじめまして。SAKURADAです。スペインにある日系企業の子会社に勤務しています。

従業員は、私を含めた日本人2人のほかはすべてスペイン人ですが、取引先や顧客は、スペインを含めたヨーロッパ全土をはじめアフリカや中近東、北米・南米の企業となります。仕事には、主にスペイン語と日本語を使いますが、英語やフランス語で電話を取り次ぐこともあります。

スペインに限らず、ヨーロッパ人のビジネススタイルとしてまず気がつくのが、生活に仕事を持ちこまないこと。当社でも、残業は基本的にしないことになっていますが、「残業が発生するような納期の厳しい作業は無理に引き受けない」といった方がいいかもしれません。このあたりの感覚は、私たち日本人とは少し異なるようで、「できること」と「できないこと」の線引きが上手なように思います。その分、就業時間内は集中して効率的に仕事をこなしている印象も。かといって、殺伐とした雰囲気で仕事をしているわけではなく、職場のムードは和気あいあいとしています。また、喫煙者も少ないようで、就業時間内に喫煙のために席を外す人はあまりいません。おかげで細かい休憩による時間のロスが防げていると思います。

有給休暇は当然の権利として消化します。特に夏季に長い休みを取る人が多く、7~8月には業務が滞ることもしばしば。もちろん、それを咎(とが)める人もいません。「まあ、バケーションの時期だから仕方ないよね」とお互いに認め合っているようです。

また、家族を大事にするので、仕事の後まで同僚と一緒に行動する人はあまりいません。あくまでも、職場の関係は職場内でとどめようとしているのか、日本のように、仕事が終わった後に同僚同士で飲みに行くようなことはあまりありません。特に当社の現地スタッフたちの場合、就業時間きっかりにさっと会社を離れ、地元の仲間や家族とBAR(バル・軽食も取れる喫茶兼居酒屋)へ繰り出す習慣があるようです。地元出身のスタッフが多く、通勤30分圏内の範囲に住んでいるからでしょうか。会社の同僚より昔からの仲間との付き合いを優先したいように見えます。

上司に対して堂々と反論

上下関係はあまり厳しくありません。こちらの人たちにとって、「自分の意見」を発言することはごく当たり前のことであり、相手が上司だからと遠慮することはないようです。けんか腰で意見したりするわけではありませんが、上司だからと、なんでも鵜(う)のみにするわけではないという点が、とりわけ際立っていると思います。例えば、本社からの命令でプロジェクト内容の変更依頼があった場合。現場の事情に照らして難しいとなれば、「それはあまりいい案とは思えない」などと言って、なかなかすぐには受け入れてくれません。こんなときは、まず彼らが納得するまで、変更しなければならない理由をきちんと説明する必要があります。

自分のミスを素直に認めない傾向もあります。私の周りにはいませんが、「あの人がこう言ったから」などと、ほかの人に責任を転化する人もいるようですね。そういった意味で、「自己防衛」能力は高そう。身を守るために証拠を残しておく習慣がついているように感じます。また、些細(ささい)なミスを他人から指摘されたときなどは、「知らない。ほかの人がやったんでしょ?」と、しらばっくれることもあります。「自分が間違えるはずがない」という自信の表れなのでしょうか。とても不思議に感じます。

日本とは文化が違うこともあり、日本にある親会社の方針ややり方を押しつけないようにする配慮も必要。現地スタッフの意見を尊重するような姿勢も求められます。例えば、日本では、依頼ごとをするときに「今すぐお願い!」と急(せ)かすことが多いのですが、スペインでは「まだ時間があるのになぜ?」と先延ばしにする傾向があるので、その板挟みになったときは、双方が納得して仕事を進められるように調整しなければなりません。また、スペインの人々は、日本人ほど細かくないため、重要な案件に関しては、現地スタッフにまかせっきりにせずに、日本人サイドで管理することも求められます。

次回は、スペインの人々の時間感覚などについてお話しします。

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部署内で誕生日の人がいると、本人持参のお菓子やつまみ、コーヒーやワインを囲んでプチお祝いパーティーが開かれる。

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スペインの喫茶店兼居酒屋「BAR(バル)」。左上に生ハム用の豚の足がつりさげられている。

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BARでのおつまみ「タパス」の一種。日本の「お通し」の感覚に近いかも。

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首都マドリードの街角。石畳の道もまだまだ多い。

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現地の人に教わって作れるようになったスペイン料理のパエリア。

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高速道路から見えた風力発電の風車。スペインでは、風力は主要な発電源の一つだ。

構成/日笠由紀

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