Web・インターネット系広告業界とは?仕事内容と魅力、将来性、トレンドを紹介【志望動機の例文あり】

Web・インターネット系広告業界は、広告業界の一部でありながらも独自のビジネスモデルを展開しています。まずは全体像を把握し、どのようなビジネスモデルや仕事があるのかを理解することが大事です。
リクナビ就職エージェントのキャリアアドバイザーとリクルーティングアドバイザー(※)が、Web・インターネット系広告業界のビジネスモデルや関連する企業、職種、仕事のやりがい、業界の動向やトレンドまで解説します。志望動機の書き方や例文も併せて紹介するので、業界研究や応募書類の作成に役立てていきましょう。

※キャリアアドバイザーは求職者のサポートを行い、リクルーティングアドバイザーは求人を出す企業の採用サポートを行う。

Web・インターネット広告とは?

Web・インターネット広告とは、WebサイトやSNS、メールなどを媒体として、ネット上に表示する広告のことを指し、PC、スマホ、タブレットなどに表示される広告はすべてこれに当たります。

具体的には、検索エンジンから自社のWebサイトに訪れる人を増やし、Webサイトの成果を向上させる「SEO」、検索キーワードに応じて検索結果の上位に表示される「リスティング広告」、Webページなどに画像や動画として掲載する「バナー広告」、商品などについてブログやWebサイトなどで紹介する「アフィリエイト広告」などが挙げられます。

また、複数の広告媒体(Webサイトやソーシャルメディア、ブログなど)を集めた広告配信ネットワークを活用し、まとめて配信するプラットフォームを展開する「アドネットワーク広告」の手法も広がっています。

Web・インターネット広告では、特定のターゲットに広告を配信してその効果を測定することができるため、PDCAサイクル(※)を回しながらより効果を高める戦略に結び付けていける点を大きな強みとしています。

※Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)といったプロセスを繰り返すことで、業務改善を図るフレームワークのこと。

Web・インターネット系広告業界の仕組み

ここではWeb・インターネット系広告業界の全体構造・仕組みや、広告制作にかかわる業種や各種立場について解説します。

広告業界の構成は、広告を出したい「広告主(企業)」、広告を制作する「制作会社」、広告を消費者に伝える「媒体」、広告主と媒体の間をつなぐ「広告代理店」の4つの立場によって成立しています。

広告業界の中でもインターネット広告を専門とするのが、Web・インターネット系広告業界です。詳しくは後述しますが、Web・インターネット広告代理店、アドネットワーク事業者、メディアレップなどのビジネスモデルがあります。

以降で、Web・インターネット系広告業界を含む、広告業界全体に関連する企業について解説します。

広告主

自社の商品やサービスを広めるために、広告を打ち出して広報宣伝活動を行う企業が「広告主」となります。さまざまな業界の企業が広告主となり、広告代理店に広告・宣伝のプランニングや制作・運用などを依頼しています。

総合広告代理店

「総合広告代理店」では、Webだけでなく、CM、広告紙面、プロモーションイベントまで、あらゆる広告物を扱います。

広告主となるクライアント企業から依頼を受け、広告を打ち出す目的や目標について要望を引き出し、目的・目標に合わせた広告施策をプランニングします。

広告物の制作・企画・運営・販売促進などの業務は、広告制作会社やセールスプロモーション会社、イベント会社に委託することがほとんどです。

完成した広告物は、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、Webなどのメディアから購入した広告枠に出稿・配信を行います。

Web・インターネット広告の制作・発信・運用を行う場合は、系列のWeb・インターネット広告代理店などと連携したり、アドネットワーク事業者やメディアレップなどに広告配信や広告枠の買い付けを委託したりすることが多いようです。

Web・インターネット広告代理店

Web・インターネット広告領域を専門的に手がける広告代理店が、「Web・インターネット広告代理店」です。

広告業界には、特定領域を手がける専門広告代理店があり、Web・インターネット広告代理店もこれに当てはまります。総合広告代理店のグループ企業であるケースも少なくはありません。

広告主の企業や、総合広告代理店からの依頼を受け、ニーズをくみ取ってプランニングした後、アドネットワーク事業者やメディアレップに依頼するケースもあれば、検索サイトなどの個別のプラットフォームに直接発注して自ら広告配信まで行うケースもあります。

広告制作会社

「広告制作会社」は、広告代理店からの依頼を受け、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、動画配信サイトなどに出稿するさまざまな広告物の制作・企画・運用・販売促進などの業務を担当します。

また、Web・インターネット系広告業界に特化し、動画広告の制作やバナー広告のデザイン制作を専門に手がける制作会社もあります。

Webメディア運営企業

Web・インターネット広告を表示する媒体となるものがWebメディアであり、その企画・運営を行うのが「Webメディア運営企業」です。

動画配信メディアや、SNSなどのソーシャルメディア、ブログ形式のメディアなど、各社が展開するメディアの種類はさまざまで、企業規模もそれぞれに違います。

検索エンジンなどのプラットフォーム運営企業

インターネット上に存在する情報(Webページ、Webサイト、画像ファイルなど)を検索するシステムの構築・運営を行っているのは「プラットフォーム運営企業」です。

検索結果連動型広告、コンテンツ連動型広告の配信からWebメールサービス、地図情報提供サービスに至るまで、多岐にわたるビジネスを展開しています。

アドネットワーク事業者

アドネットワーク(Ad Network)とは運用型広告の一つであり、広告を出稿できる多数のWebメディアを集めた広告配信ネットワークのことを指します。また、「多数のWebサイトに広告を配信する手法」を意味するケースもあります。

「アドネットワーク事業者」は、広告配信で収益を上げたいさまざまな媒体と提携し、アドネットワークのプラットフォームを構築し、広告主が要望する条件に合う媒体のグループに広告を配信するビジネスを展開しています。

これにより、広告主は多くのメディアの広告配信をまとめて行えるようになり、媒体は広告主となる企業を集める手間を省けるなどのメリットがあります。

メディアレップ

「メディアレップ」(Media Representatives)は、広告主・広告代理店に向けて、広告の掲載や広告枠の仕入れ・販売を行うビジネスを展開している企業のことを指します。Web・インターネット広告枠の卸問屋のような存在と言えるでしょう。

Web・インターネット系広告業界のビジネス

ここでは、Web・インターネット広告に特化した企業のビジネスについて解説します。

Web・インターネット広告代理店のビジネス

広告主となるクライアント企業の広告運用を代理で行うビジネスを展開しています。Webを駆使したマーケティング活動を強みとし、さまざまなWeb媒体への広告の出稿に加え、Web媒体を活用する広告プロモーションのプランニングから制作まで手がけるケースもあります。

また、Web・インターネット広告代理店には、親会社など、特定の企業のWeb広告制作を手がける企業もあり、ハウスエージェンシーと呼ばれています。しかし、昨今は、そのほかの企業の依頼を受けるハウスエージェンシーも登場しています。

アドネットワーク事業者のビジネス

運用型広告「アドネットワーク」の領域に特化し、数多くの広告媒体サイトを集結させるプラットフォームを構築して、広告主や広告代理店の要望に合わせたWebメディアへの広告配信を行います

さまざまなWebメディアの広告枠では「入札(オークション)」が行われ、「入札額」に加え、広告の品質や誘導先の内容など、総合的な面から広告枠に配信する広告主を決定します。

その際、アドネットワーク事業者は、「入札額=いくらで広告を配信するか」「広告枠=どこに掲載するか」「ターゲット=誰に向けた広告か」などの点を細かく調整しながら運用していきます。

アドネットワークを利用して配信する広告としては、「ディスプレー広告」が挙げられ、テキストベースや画像ベース、動画ベースなど、さまざまな形態があります。アドネットワークを活用することで、多くの媒体に一括して広告を配信できるようになるため、工数削減や広告パフォーマンスの最大化を実現することが可能です。

しかし、その一方、特定の媒体を指定することができないという面もあります。

アドネットワーク事業者のプラットフォームの規模・特性はさまざまです。大手検索エンジンの系列企業として数百万もの媒体と提携している企業、大手がアプローチできない特定領域のターゲット層への配信を強みとする企業などもあります。

メディアレップのビジネス

先にも述べた通り、メディアレップは「広告枠の卸問屋」のような存在です。

最も代表的なビジネスは、「純広告」の販売で、「運用型広告」を扱うアドネットワーク事業者とはまた違う立ち位置と言えます。

「純広告」とは、広告主がWebなど媒体の広告枠を買い取って掲載する広告を指します。具体的には、特定のWebメディアの掲載枠へ、一定の期間や広告表示回数に対し、料金を支払って掲載する広告のことです。

メディアレップは、広告主・広告代理店の要望に合わせ、数多くのWebメディアの特性を把握した上で、広告枠の管理・提案を行います。

また、Webメディアにとっては、メディアレップに掲載広告の管理・販売を代行してもらえるメリットがあります。そのため、関係性の深い特定のメディアレップに、ニーズの高い純広告枠の取り扱いを任せているWebメディアもあります。

ただし、メディアレップがリアル広告枠の管理・販売を手がけるケースもあれば、Web・インターネット広告代理店がWebメディアの純広告の販売を手がけるケースもあるため、ビジネス領域の線引きは曖昧になっている状況があります。

Web・インターネット系広告業界で働く魅力とやりがい

Web・インターネット系広告業界で働く魅力とやりがいについて解説します。

数字・データで効果を可視化できる面白さ

マス広告では、多くの消費者に広告を届けることを目指し、ブランディングや感動を生むこと、インパクトを与えることを主な目的としています。そのため、広告による直接の効果を定量的に計測することは難しいと言えます。

一方、Web・インターネット広告は、特定のターゲットに広告を配信することができ、かつ、さまざまな技術の発達により、広告の効果を厳密に測定することができます。

自分の考えた広告配信戦略の成果・効果を、数字やデータによって可視化できる面白さがあるでしょう。

顧客に寄り添い、伴走するやりがい

例えば、「20代・女性」をターゲットに、特定のSNSユーザーに向けて化粧品の広告を配信した場合、「広告バナーをクリックしたか」「商品掲載サイトに遷移したか」「購入に至ったか」といった消費者行動の流れを計測することで、広告による効果を測ることが可能です。

このように、配信ターゲットの設定や、広告バナーを出す媒体、広告テキストの内容などを変更しながらPDCAサイクルを回すことで、より精度の高い広告配信を実現することができます。

広告を配信して終わりではなく、配信後の効果を厳密に測りながら、より顧客の要望に合った広告配信を続けていくことができるため、顧客に寄り添い、伴走するやりがいを味わうことができるでしょう。

最新のテクノロジーに触れられる

Web・インターネット広告における最新のテクノロジーや情報に日々触れることができます。

また、技術革新のスピードが速い業界であり、時代の変化に合わせて生まれるさまざまな新しいサービスを提供することができる面白さがあります。

成長業界で自分の市場価値を高められる

IT産業は成長産業であり、Web・インターネット広告もその一つです。企業が良い製品を作っても、世の中の一般消費者に認知してもらえなければ、製品を届けることは難しいものです。

そのため、認知を広める活動において、いかにWeb・インターネット広告を活用するかが重要となっています。成長性の高いWeb・インターネット系広告業界で、さまざまなIT技術や仕組みを学び、そのノウハウを身につけていくことで、自分の市場価値を高めていくことができるでしょう。

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Web・インターネット系広告業界に向いている人とは?

Web・インターネット系広告業界に向いている人の特徴を解説します。

Webに興味があり、好奇心が旺盛な人

Web・インターネットに興味があることは大前提と言えるでしょう。日ごろからPCやスマートフォンなどを活用し、SNSなどで積極的に情報収集したり、さまざまなWebサービスを試したりしている人には向いていると言えます。

Web・インターネット系広告業界では、新しい技術が次々に開発され、トレンドなどの変化も激しいため、そうした変化を楽しみながら自ら情報収集していける好奇心旺盛な人なら活躍し続けることができるでしょう。

データ分析などの地道な業務を苦に思わない人

Web・インターネット広告を運用する際には、緻密なデータ分析を行うことが必要です。

マーケティングを手がける職種の場合は、さまざまなデータを基にターゲットや媒体の分析を行い、広告運用の効果を最大化していくための改善が求められ、運用する広告の文言やレイアウトの改善など細かな作業を手がけるケースもあります。

地道な業務も多いため、それを苦に思わず、向き合っていけることが大事です。

相手に合わせたコミュニケーションができる人

Web・インターネット系広告業界には、「形のない商品を扱う」という特徴があり、顧客となる広告主にとっては、「成果が出るかわからないものに費用を支払う」という側面もあります。

そのため、営業を手がける職種の場合は、顧客のニーズを引き出して課題解決の提案を行い、成果につなげながら信頼関係を築いていくことが求められます。

相手に合わせたコミュニケーションができる人は、ニーズを引き出し、成果につなげていくことができるでしょう。

Web・インターネット系広告業界の職種と仕事内容

Web・インターネット系広告業界における主な職種と仕事内容を解説します。

営業

広告主に向けて、Web・インターネット広告の企画を提案し、受注につなげます。広告主の課題やニーズを引き出し、社内外の制作関係者にその要望を伝え、スタッフの編成や予算などの調整も行います。

また、広告配信を実行した後は、効果測定のデータ分析を基に、より効果を高める施策を提案し、継続的な受注につなげていきます。

Webマーケティングプランナー

営業から共有された情報を基に、広告主のニーズや課題に応じた戦略を考えます。

市場や競合他社の分析を行い、きちんとした根拠を示せる広告配信の企画を考え、クリエイティブを担当する部門にバナーや広告テキストの制作などを依頼します。

また、広告主のホームページなどのWebサイトに対し、ユーザーの流入経路や離脱率、回遊率などのデータを分析し、検証・改善を行いながら登録者数やPV数(Page View:ページ閲覧数のこと)を増加させることを目指します。Webマーケターと呼ばれることもあります。

クリエイティブ

広告表現にかかわる制作を担当し、バナー広告やランディングページ(※)などのWebサイトのデザイン、掲載するコピーやテキスト、記事コンテンツの制作などを手がけます。

Webディレクター、Webデザイナー、コピーライター、編集・ライターなどの職種があり、これらを総称して「クリエイティブ」と呼ぶことが多いようです。

※検索結果や広告などを経由して訪問者が最初にアクセスするページのこと。

データサイエンティスト、エンジニア

さまざまなデータの解析を行うデータサイエンティストやエンジニアなどの職種もあります。

広告主の課題やニーズを解決するための調査設計を行ったり、ビッグデータやインターネット広告の効果などを解析したり、今後のデータ活用の仕組みを構築したりする仕事です。

Web・インターネット系広告業界の年収傾向・企業ランキングの調べ方

Web・インターネット系広告業界の主な企業の年収情報は『会社四季報』(東洋経済新報社刊行)で調べることができます。

また、業界地図と銘打たれた各出版物では、業界ごとの企業ランキングや業界の現状や傾向などを確認することもできます。

売上高や事業利益など、各企業についてアップデートされた情報を得たい場合は、それぞれの公式Webサイトで確認してみるといいでしょう。

同時に、待遇や社風、キャリアステップなども、採用ページに掲載されている先輩社員インタビューや採用情報などで確認してみましょう。

Web・インターネット系広告業界の動向

Web・インターネット系広告業界の現状や動向について解説します。

インターネット広告費は広告市場の拡大をけん引

株式会社電通が2024年2月に公表した「2023年 日本の広告費」調査(※1)では、

2023年の総広告費は、通年で7兆3,167億円(前年比103.0%)となり、1947年の推定開始以降、前年に続き過去最高を更新した。上半期(1-6月期)は、新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の5類感染症移行に伴うリアルイベントの開催数増加や国内外の観光・旅行の活性化などにより回復がみられた。下半期(7-12月期)は、夏から秋にかけての猛暑や中東問題などの影響を受けたものの、社会・経済活動の活発化に伴い「交通・レジャー」「外食・各種サービス」「飲料・嗜好品」を中心に広告需要が高まった。進展する社会のデジタル化を背景に増加傾向が続くインターネット広告費や人流の活発化に伴って増加した「イベント・展示・映像ほか」などのプロモーションメディア広告費が、広告市場全体の成長に寄与した。(※2)

としています。また、

インターネット広告費は、3兆3,330億円(前年比107.8%)と過去最高を更新し、前年より2,418億円増加した。コネクテッドTV※の利用拡大に伴う動画広告需要の高まりや、デジタルプロモーション市場の拡大などが成長に寄与した。(※3)

という点にも言及しています。
Web・インターネット広告は、広告市場の拡大をけん引していることが窺えます。

※1,2,3 出典及び引用元:株式会社電通「2023年 日本の広告費」

動画広告需要が伸びている

株式会社電通が発表した同調査(※1)では、

テレビメディアデジタルのうち、「テレビメディア関連動画広告」は443億円(同126.6%)と、前年に続き大きく増加した。見逃し無料配信動画サービスでは、根強い人気があるドラマの視聴に加え、バラエティーやスポーツのライブ視聴なども増加し、再生数・ユーザー数がともに順調に伸長した。インターネットテレビサービスでも、従来の恋愛リアリティーショーやドラマ、バラエティーに加え、スポーツ関連番組の幅が広がるなど視聴者の選択肢も豊富になってきたことを受け、ユーザー数が着実に伸長した。(※2)

としています。

プラットフォームを運営する企業やメディア各社が動画サービスに注力していることにより、動画広告需要が伸びていると言えるでしょう。

※1,2 出典及び引用元:株式会社電通「2023年 日本の広告費」

Web・インターネット系広告業界の今後と将来性

新型コロナウイルス感染症の影響で、消費者が各メディアと接触する時間の構成は大きく変化しています。

総務省が2023年に発表した「令和4年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(※)によると、主なメディアの平均利用時間において「1日当たりのインターネット利用時間」は平日175.2分、休日187.3分となっています。

2020年度の同調査によれば、1日当たりのインターネット利用時間は平日168.4分、休日174.9分で、この年に初めて平日のネット利用時間がテレビ視聴時間を上回りましたが、現在も伸び続けていることがわかります。

このように、インターネットを利用してコンテンツを見る機会が増えていく中、インターネット広告の展開やSNSによるマーケティングなど、ターゲットを絞って戦略的に行うことが重視されるようになっています。

現在は、SNS活用をはじめとするWebマーケティングに注力する企業がますます増えています。多様化する消費者のニーズを捉えるために、個人向けにカスタマイズされたWeb広告を発信するなど、ダイレクトマーケティングの手法に注力する傾向となっています。

感染症の流行が落ち着いた後も、Web・インターネット広告の需要は、伸び続けていくことが予想されます。

※ 出典:情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査│総務省

Web・インターネット系広告業界のトレンドと最新技術

Web・インターネット系広告業界のトレンドと最新技術について解説します。

アドテクノロジーの進歩

アドテクノロジーとは、「advertising(広告)」と「technology(技術)」を組み合わせた言葉です。

発信する広告の内容に興味を持ちそうな人に対象を絞って、インターネット広告を表示・配信し、かつ、広告表示・配信の効果まで算出する技術のことを指します。

広告テクノロジー、アドテクなどとも呼ばれるこの技術は、インターネットメディアの普及に伴い、急速に進化しています。

運用型広告

アドテクノロジーが進化したことによって、運用型広告が増加しています。

先にもアドネットワーク事業者が手がけるビジネスとして紹介しましたが、運用型広告は、決められた金額で広告枠を買い取る純広告とは違い、入札によって広告枠の金額が変動します。

アドテクノロジーを活用して配信した広告の効果を測定しながら、配信する時間帯やエリア、対象となるユーザー層などを短期的なサイクルで見直し、より効果を高めていくことができます。

動画広告市場の拡大

消費者が好きなタイミングで視聴できるオンデマンド型の動画共有サービスや配信サービスが普及し、その利用者が増えたことによって、動画サイトやニュースアプリ、SNSのコンテンツの合間に表示される動画広告の市場は急速に拡大しています。

個人情報保護の規制への対応

2018年に「EU一般データ保護規則」(GDPR:General Data Protection Regulation)が施行され、EU域内の各国に個人データ保護やその取り扱いについて詳細に定められた法令が適用されました。

EU以外の国でEU居住者の個人データを取り扱う場合も対象となる法令のため、Web・インターネットを通じてグローバルにビジネスを展開する企業は、施行に伴い、個人情報保護におけるさまざまな対応を求められました。

現在も、この法令はさまざまな領域で影響を及ぼしており、インターネット検索に必須であるブラウザを提供する大手企業が、2024年をめどに、Webサイトをまたいで消費者の閲覧履歴を共有する「サードパーティー・クッキー」を廃止することを発表しています。

Web・インターネット広告では、サードパーティー・クッキーの仕組みを利用して効果測定を行ったり、配信対象となるユーザーの判別に活用したりしてきたため、廃止後、どのように対応していくのかを模索している状況があります。

Web・インターネット系広告業界の就活準備のポイント

Web・インターネット系広告業界を志望する人のために、就活準備を進める際に役立つポイントを紹介します。

OB・OG訪問で話を聞く

Web・インターネット系広告業界を含め、広告業界全般に対して「ハードワークが前提」というイメージを持つ人もいるでしょう。OB・OG訪問で、実際に働いている先輩社員から直接話を聞くことで、どのような働き方なのかを聞くことができます。

企業文化の違いや働く社員の雰囲気などを知るためにも役立つので、不安を払拭できるでしょう。

ビジネス解説の本やトレンド情報を発信するコンテンツを調べる

Web・インターネット系広告業界のビジネスモデルは複雑なため、仕事内容をなかなか理解・把握しにくいと言えます。ビジネス構造や業界の全体像などを解説する本を読んでみることで、どのような企業があり、どういった仕事に携われるのかをイメージしやすくなるでしょう。

また、昨今は、Web・インターネット広告代理店やそこで活躍している社員が、SNSやブログ、動画コンテンツなどでさまざまな情報を発信しています。Web・インターネット広告における考え方やトレンド情報などを知るために役立ててみるのも良いでしょう。

就職エージェントに相談する方法もある

リクナビ就職エージェントでは、就活におけるさまざまなサポートを提供しています。就活のプロであるキャリアアドバイザーに相談することで、Web・インターネット系広告業界の構造やビジネスモデル、企業の特徴などを直接聞いて疑問を解消することもできます。

また、希望や適性に合う最適な企業を選んで、求人情報を紹介するため、「自分にマッチする仕事がわからない」「やりたい仕事ができる企業がわからない」という場合にも役立つでしょう。

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Web・インターネット系広告業界の志望動機の書き方【例文付き】

Web・インターネット系広告業界の志望動機の書き方やポイント、例文を紹介します。

志望動機の構成と書き方

志望動機の構成は以下を参考にしましょう。

1:結論(志望した理由)
2:背景(根拠となるエピソード)
3:意気込み(入社後の活躍・貢献)

書き出しとなる結論では、Web・インターネット系広告業界や応募企業を志望した理由を端的に伝えましょう。

背景では、根拠となるエピソードを具体的に伝え、説得力を持たせることが大事です。

最後に、入社後にどのような活躍・貢献がしたいか、意気込みを伝えると良いでしょう。

Web・インターネット系広告業界の志望動機を書く際のポイント

Web・インターネット系広告業界に対し、華やかなイメージを抱く人もいますが、実際の仕事では、緻密かつ地道な業務が多くあります。こうした側面も理解した上で、自分の実体験や原体験を交えて「なぜWeb・インターネット広告の仕事をやりたいと思ったのか」を伝えることがまず重要です。

また、ベンチャー、メガベンチャーなど、企業規模の大きさによって、任される仕事内容も変化します。メガベンチャーなど、規模が大きな企業の場合は、職種ごとの業務領域が細分化されている傾向があります。

大手総合広告代理店などを母体とする場合は、親会社が手がける大きなプロジェクトの中で、Web・インターネット広告の領域を担当するケースもあります。

反対に、規模が小さな企業の場合には、一人ひとりの業務範囲が広く、営業活動からマーケティング、運用まですべて担うケースも少なくはありません。幅広くWeb・インターネット広告を手がけるのではなく、自社が専門とするWeb広告の領域にて、担当顧客の案件に取り組むことがほとんどでしょう。

同じ職種でも、企業によって仕事内容が違う可能性もあるため、こちらについても理解した上で志望動機を考えることがポイントです。

さらに、志望動機では「なぜその企業を志望したのか」を伝えることも重要です。応募企業が顧客としている業界・業種などにも着目すると良いでしょう。顧客先の商品・サービスによって、広告を発信するターゲットの層は変化しますし、ターゲットの年代や属性に合わせて広告の運用・改善を行うスピード感も変化します。

例えば、若者向けの商品を扱う顧客を中心とする場合は、流行の変化に対応するスピードが速く、新しいことにチャレンジする社風があるかもしれません。

しっかりと企業研究を行い、自分なりに感じた「その企業ならではの魅力や、その企業だからこそ実現できると思うこと」を伝えましょう

志望動機の例文【ベンチャー志望の場合】

企業規模の小さいベンチャーの場合は、顧客への提案だけでなく、広告の運用、運用後の改善まで手がけるケースが少なくありません。「一つの物事に対し、自分なりに改善を重ねてきた経験」をアピールする例文を参考にしてみましょう。貴社(※面接など、口頭で伝える場合は「御社」)を志望したのは、人々がまだ気づいていない商品やサービスの魅力を広めていきたいと考えたためです。

学生時代、ラクロス部に所属する中、競技人口が少なく、あまり知られていないスポーツのために興味を示してくれる人が少ないと感じていました。新歓の際、ラクロスの面白さを伝えたくて、先輩や後輩を巻き込んでSNSや動画配信サイトで競技の見どころや各ポジションのメンバーへのインタビュー動画などを発信し続けた結果、7名の初心者が入部してくれました。その後も、Webでの周知活動を続け、発信内容を改善していく中、より多くの人が見てくれるやりがいを味わいました。貴社の営業職は、広告運用の提案だけでなく、運用・改善まで手がけられるので、やりがいを感じながら成長していけると考えています。

入社後は、人を巻き込む力を強みに、まだ知られていない中小企業のお客さまの商品やサービスの魅力を世の中に広めていきたいです。

志望動機の例文【メガベンチャー志望の場合】

メガベンチャーの場合は、職種ごとの業務領域が細分化されているために、ほかの職種と連携して一つの案件に取り組むケースが多くあります。「自分とは得意分野の違う人々と協力して一つの目標に取り組んだ経験」をアピールする例文を参考にしてみましょう。

自分の視点や分析力を生かし、集客に苦しむ企業を支えていきたいと考え、貴社を志望しました。

居酒屋でアルバイトをする中、新型コロナウイルス感染症の影響で集客に苦戦する店長の役に立ちたいと思い、SNSの宣伝活動を任せてもらいました。天気や気温に応じて紹介するメニューを変えたり、夕方の帰宅時間に特典を発信したり、工夫すればするほど来客数が増えていく喜びを味わい、店長からも感謝の言葉を頂くことができました。また、画像の加工や文章作成が得意なメンバーにも協力してもらい、自分の考えた戦略をみんなで実現していくやりがいも味わいました。貴社は、プランナー、営業、制作、マーケティングなど、各自の力を集結させて案件に取り組んでいるため、自分の求めるやりがいを感じられると思いました。

幅広い業界の顧客を支える貴社で、プランナーとして自分の視点や分析力を生かして、多くの企業に役立っていきたいと考えています。


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プロフィール
佐藤光紘(さとう・みつひろ)
キャリアアドバイザー。2017年に株式会社リクルート(旧リクルートキャリア)に新卒入社。以来、一貫して新卒の学生向けのアドバイザー業務に従事。関西のキャリアアドバイザー組織の立ち上げにも携わり、現在は全国の学生の就活サポートに力を注いでいる。

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プロフィール
河村南風見(かわむら・はいみ)
サーチ型人材サービス企業に新卒でリサーチャーとして入社。2021年に株式会社リクルートの新卒エージェントサービス部にリクルーティングアドバイザーとして入社。以降、同職種にて、IT業界を始めとした様々な業界のクライアントを担当している。

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プロフィール
長瀧 彩(ながたき・あや)
人材サービス企業で中途採用領域のメディア営業・人材紹介営業を経て、2016年株式会社リクルートキャリア(現 株式会社リクルート)へ入社。新卒領域のメディア営業、リクルーティングアドバイザー経験を経て、現在、同領域のマネージャー職に従事。

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