【2024年版】就活で「嘘・盛った話」はアリ?採用担当者300人の本音アンケート

面接をしている就活生
面接を前に、誰もが一度は抱く「話を盛った方が、良い印象を与えられる?」「多少の嘘はついていい?」という疑問。実際のところ、採用担当者は「嘘・盛った話」をどのように受け止めているのでしょうか?それらは選考にどのくらい影響するのでしょうか?

そこで、採用担当者300人にアンケート。「嘘・盛った話」=誇張した話として、就活での「嘘・盛った話」をホントのところはどう思っているのか聞きました。

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採用担当者の6割以上が就活生の「嘘・盛った話」に気づいている

そもそも、採用担当者は就活生の誇張した話に気づくのでしょうか?アンケートの結果、「気づく」と答えた人は61.0%。採用担当者の過半数は話を盛っていることに気づくようです。

気づくきっかけとしては、就活生の態度や、話を詳しく聞いたときに生じる矛盾、適性検査などそのほかの情報と合わせて考えたときの信ぴょう性の低さ、などが挙げられました。

■選考中(エントリーシート、面接)の学生の「盛った話」に気づいたことはありますか?(n=300)
選考中に学生の嘘・盛った話に気づいたことがあるかどうか、採用担当者に聞いて表したグラフ

■「盛った話」に気づくきっかけはどのようなものでしたか?

・詳しく質問すると詳細を答えられないし、本人が得たと話すスキルと話している印象がかみ合わなかった。(人材/採用担当歴1年)

・話を聞く中で、その人の雰囲気などの特徴と明らかに合わなかった。(公務員/採用担当歴3年)

・エントリーシートを丸暗記したような説明に違和感があった。(製薬/採用担当歴1年)

・一つの質問を深掘りしていくと矛盾点が生じてきた。(広告/採用担当歴22年)

・詳しく聞くと他人のことのように話しており、自分の意見ではないものが見受けられた。(陸運/採用担当歴2年)

・短期間で、1人で出せる結果の範囲を明らかに越えていた。(自動車関連/採用担当歴3年)

就活生の「嘘・盛った話」が選考に影響するかどうかはケースバイケース

では、就活生の誇張に気づいた場合、選考にはどのように影響するのでしょうか? 最も多かったのは「ケースバイケース」で63.7%。「どちらかといえば選考にネガティブに働く」は30.7%、「どちらかといえば選考にネガティブに働かない」は5.7%でした。それぞれの理由をご紹介します。

■選考中の学生の「盛った話」は選考にどう影響しますか?(n=300)
選考中の嘘・盛った話がどう影響をするのか、採用担当者に聞いて表したグラフ

それぞれの理由は?

「どちらかといえば選考にネガティブに働く」

・採用しても常に自分を大きく見せようとする可能性があるから。(公務員/採用担当歴2年)

・人物評価において、回答内容全般の信ぴょう性にかかわる。(公務員/採用担当歴4年)

・何とかアピールしたいのはわかるが、こちらは誠意や真摯(しんし)さを大事にしたいので、かえって悪印象。(ソフトウェア/採用担当歴2年)

・誠実な人物を採用することを目的としているから。(SI/採用担当歴5年)

「どちらかといえば選考にネガティブに働かない」

・会社の適性に合えばいいから。(製薬/採用担当歴4年)

・まったくの虚偽でなければある程度の誇張は仕方がない。(SI/採用担当歴10年)

・ほとんどの学生がある程度盛ったエピソードを話していると思う。(公務員/採用担当歴3年)

「ケースバイケース」

・経験があるものとないものについて盛られるとネガティブになるが、性格が明るいか協調性があるかなど内面について盛られてもネガティブにはならない。(陸運/採用担当歴2年)

・成長理由や志望動機とかけ離れてなければさほどネガティブには働かない。(不動産/採用担当歴2年)

・虚偽は問題だが、盛った話程度では判断しない。あくまでも本人の人間性、熱意を重視する。(陸運/採用担当歴3年)

・盛った話を積極性として捉えるから。また、「言ったからにはやってもらう」という受け止め方もできるので。(介護・福祉/採用担当歴3年)

・話のつじつまが合わなければ見過ごせないが、盛る力があればプレゼン力として評価できる。(SI/採用担当歴3年)

・性格重視で見ているので、本人の人柄次第。(団体職員/採用担当歴4年)

どんな話ならOK? NG? 採用担当者が直面した「嘘・盛った」話

「ケースバイケース」と答えた人事のコメントから、話を誇張していても、志望意欲や人柄、スキルなどが評価基準を満たしていれば、採用担当者は選考を通す場合もあることがうかがえました。では、具体的に、選考を「通す/通さない」をどのように判断しているのでしょうか? 採用担当者が実際に聞いた「嘘・盛った話」を基に教えてもらいました。

■「盛った話」が主な理由となって、「選考に通すことはできない」と判断したケースとその理由は?

・ほかの面接担当者や、OB・OG訪問、先輩社員などほかの人から見ても明らかにエピソードに過剰な誇張があるという印象を受けた場合は不採用にした。(人材/採用担当歴1年)

・直接の会話を通して、建設的なやりとりができないと感じたから。(不動産/採用担当歴2年)

・自身の思いがない誇張は評価できない。(食品/採用担当歴4年)

・他人を下げて、自分を上げるような誇張の場合。(公務員/採用担当歴1年)

・語学力を大きく誇張した学生をそう判断したことはある。(ソフトウェア/採用担当歴10年)

■「盛った話」に気づいたものの、「選考に通した」ケースとその理由は?

・誇張を指摘すると素直に認めた時。(ガス/採用担当歴3年)

・エントリーシート上では盛った話かなと感じたが、本人の熱意、将来性を感じた。(陸運/採用担当歴3年)

・臨機応変にその場を盛り上げた切り返しが良かった。(インターネット/採用担当歴2年)

・人間性、仕事に対する思いが伝わってきた場合。(ホテル/採用担当歴6年)

採用する側が思う、「嘘・盛った話」のOKNGの境界線

選考を通す/通さないの判断は、話の内容やその企業の選考基準によってまさに「ケースバイケース」のようです。結局のところ、「嘘・盛った話」のOK/NGの境界線はどこにあるのでしょうか?採用担当者の率直な意見を聞きました。

■「盛った話」の、「このあたりまでは見逃せる/見逃せない」という境界線の目安は?

・明らかに嘘とわかるものは見逃せない。(レジャー・アミューズメント/採用担当歴2年)

・0を1にしているか、1を盛っているかで異なる。0を1にする話は駄目。(自動車関連/採用担当歴3年)

・実績を自分のもののように語っているが、自分は何もしていないなど手柄を横取りするような話は見逃せない。(精密機器/採用担当歴3年)

・思考や人生の転機となるような出来事自体が事実と違ったり、本来の要因ではない場合はすべての内容の信用性が下がる。(教育/採用担当歴5年)

・自分だけが良ければいいという考え方が見えると、再考する。(教育/採用担当歴5年)

・人数など具体的な数字については多少の前後は見逃すケースがある。(広告/採用担当歴22年)

・一つのエピソードを誇張しているだけなのか、面接すべてを誇張しているのかにより判断を変えている。(その他金融/採用担当歴1年)

・境界線はないが、盛った話をしても深掘りした際に矛盾のない回答ができればいいと思う。(公務員/採用担当歴4年)

・自分の性格についての記述は個人差があるし、見え方次第のところもあるので、そこまで気にしない。(不動産/採用担当歴2年)

結論:重要なのは話の「すごさ」ではない

採用担当者の声や「ケースバイケース」という意見の多さにも表れている通り、「嘘・盛った話」が許容されるかどうかにはっきりとした境界はなく、募集職種や、その企業・採用担当者の考えにも左右されそうです。ただし、「0(ゼロ)を1にする話は駄目。」とあったように、なかったものをあったように言うような、まるっきり嘘はNGということがうかがえます。

また、「OKか?NGか?」という議論を超えて一つわかるのは、採用担当者が見ているのは、華やかな成果や結果だけではなく、エピソードからわかる人となりだということでしょう。どんな考え方をする人なのか、目標に向けてどのように行動する人なのかなどに採用担当者は注目し、次の選考ステップに進んでもらうかを判断しているようです。

したがって、成果や結果に重きを置いて話を盛ろうとするのではなく、成果に至るプロセスを通して自分の考え方や特長が伝えられるよう、アピール内容を考えてみましょう。例えば、課題を解決するために取った行動や、目標に向けてグループで取り組んだときの自らの立ち回り方などについて具体的に伝えると、あなた自身の考え方や特長が伝わりやすいでしょう。

アピール内容に悩んだときは、キャリアアドバイザーに相談するのがお勧めです。


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<調査概要>
調査期間  :2024年2月1日~2月5日
調査サンプル:過去5年以内に新卒採用の選考に携わったことがある会社員(正社員)・公務員・会社経営者・役員の300名、「新卒採用に関するアンケート」
調査協力  :株式会社クロス・マーケティング


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記事作成日:2018年5月21日 記事更新日:2024年3月18日

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