就活で「嘘・盛った話」はアリ? 採用担当者300人の本音アンケート

面接をしている就活生
面接を前に、だれもが一度は抱く「話を盛った方が、良い印象を与えられる?」「多少の嘘はついていい?」という疑問。実際のところ、採用担当者は「嘘・盛った話」をどのように受け止めているのでしょうか? それらは選考にどのくらい影響するのでしょうか? そこで、採用担当者300人にアンケート。「嘘・盛った話」=誇張した話として、就活での「嘘・盛った話」をホントのところはどう思っているのか聞きました。

採用担当者の7割以上が就活生の「嘘・盛った話」に気づいている

そもそも、採用担当者は就活生の誇張した話に気づくのでしょうか? アンケートの結果、「気づく」と答えた人は73.7%。およそ4人に3人は盛っていることに気づくようです。

気づくきっかけとしては、就活生の態度や、話を詳しく聞いたときに生じる矛盾、適性検査などそのほかの情報と合わせて考えたときの信ぴょう性の低さ、などが挙げられました。

■選考中(エントリーシート、面接)の学生の「盛った話」に気づいたことはありますか?(n=300)
選考中に学生の嘘・盛った話に気づいたことがあるかどうか、採用担当者に聞いて表したグラフ

■「盛った話」に気づくきっかけはどのようなものでしたか?

・詳しく話を聞くにつれて、おどおどしたり、話がかみ合わなくなったりしたから。(その他業種/女性/採用担当歴5年)

・記憶に残っていることを話す話し方ではなく、頭の中で考えながら話している様子だったので。(その他業種/男性/採用担当歴2年)

・「バイトリーダーをしていた」と話すわりに、仕事の幅が狭い印象を受けて詳しく話を聞くと「それはやっていません」という仕事が出てきたり、「周りから慕われている」という話に対して「どのように慕われているのか?」と聞くと、はっきりとエピソードを言えなかったりしたので。(その他業種/女性/採用担当歴5年)

・定性的な表現ばかりで定量的な内容がない。(電機メーカー/男性/採用担当歴15年)

・話を聞くにつれて具体性に乏しくなっていき、実際に経験した人でないと答えられないエピソードだとは言えない印象を受けた。(その他業種/男性/採用担当歴4年)

・事前に実施した適性検査の結果と自己PRに大きなギャップを感じ、掘り下げて質問したら矛盾が出てきた。(その他業種/男性/採用担当歴9年)

就活生の「嘘・盛った話」が選考に影響するかどうかはケースバイケース

では、就活生の誇張に気づいた場合、選考にはどのように影響するのでしょうか? 最も多かったのは「ケースバイケース」で56.3%。「どちらかといえばネガティブに働く」は35.0%、「どちらかといえばネガティブに働かない」は8.7%でした。それぞれの理由をご紹介します。

■選考中の学生の「盛った話」は選考にどう影響しますか?(n=300)
選考中の嘘・盛った話がどう影響をするのか、採用担当者に聞いて表したグラフ

それぞれの理由は?

 

「どちらかといえば選考にネガティブに働く」

・仕事の成果についても誇張する性格と考えられるため。(自動車メーカー/男性/採用担当歴1年)

・素直さや正直さがないと、信用できないから。(その他業種/女性/採用担当歴5年)

・自己肯定力がないとみなすため。(総合商社/女性/採用担当歴3年)

・業種柄、どちらかと言うと素の自分で勝負するタイプを求めているから。(その他業種/男性/採用担当歴3年)

 

「どちらかといえば選考にネガティブに働かない」

・嘘でもそれらしく話せるのは能力の一つだと思うから。(その他業種/男性/採用担当歴12年)

・当社へのアピールとみなすから。(その他業種/男性/採用担当歴5年)

・自分を良く見せようとする自己表現の一つと受け止めるし、エピソードそのものを審査しているわけではないので。(不動産業界/男性/採用担当歴10年)

 

「ケースバイケース」

・話の内容や様子からわかりやすく伝えようとした努力を感じれば、頑張って伝えようとしてくれたとポジティブな印象を持つこともあるから。(その他業種/女性/採用担当歴1年)

・当社への志望意欲が感じられればOKと考えるから。(その他業種/男性/採用担当歴9年)

・そのことに一生懸命取り組んだか否かが重要だから。(その他業種/男性/採用担当歴1年)

・盛っても最後まで相手に見破られないことは一つのスキルでもあるので。とくに営業なら生かせるから。(不動産/男性/採用担当歴10年)

・最終的には能力と人柄で判断するので。(その他業種/男性/採用担当歴10年)

・多少脚色していても、話に具体性があり、その人の誠実さやイキイキとした目・表情が感じられて納得感のある話であれば、よしとします。多少の脚色よりも、会話を通して感じられる印象と目力の方が大事だと感じます。(コンサルティング業界/男性/採用担当歴3年)

・ほかの部分で次の選考ステップに進んでもらえるだけのことが確認できれば、誇張した話だけでNGとすることはありません。(電機メーカー/男性/採用担当歴15年)

どんな話ならOK? NG? 採用担当者が直面した「嘘・盛った」話

「ケースバイケース」と答えた人事のコメントから、話を誇張していても、志望意欲や人柄、スキルなどが評価基準を満たしていれば、採用担当者は選考を通す場合もあることがうかがえました。では、具体的に、選考を「通す/通さない」をどのように判断しているのでしょうか? 採用担当者が実際に聞いた「嘘・盛った話」をもとに教えてもらいました。

■「盛った話」が主な理由となって、「選考に通すことはできない」と判断したケースとその理由は?

・「改善にかかわった」という話を掘り下げて聞くと、ごく一部の改善にしか携わっていないことがわかったため。できないことをあたかもできるように話すことは、極端に言えば詐欺にあたるとも考えられる。その精神を持っていると適正な仕事ができないと判断した。(その他業種/男性/採用担当歴2年)

・「キャプテンシーを発揮した」とエントリーシートでアピールしていたが、面接で聞いた具体的なエピソードにキャプテンシーがなく、アピール内容と実態に乖離があるため見送った。(その他業種/男性/採用担当歴5年)

・「継続性や粘り強さがある」と言いながら、資格取得の勉強や複数のアルバイトが長続きしていなかったので、仕事も長続きしないと判断した。(建設/男性/採用担当歴10年)

・「ボランティアをしていた」と言ったので詳しく聞いてみると、ボランティアに登録しただけで実際の活動はしていなかった。仕事に真剣に向き合えるのか疑わしいため、通さなかった。(ソフトウェア・女性・採用担当歴3年)

・アルバイトの立場で業務改善を行い、集客・売り上げが向上してライバル店に勝ったなどのエピソードを話していたが、業務改善内容が社員でもなかなかやらないようなものだったので。(ソフトウェア/男性/採用担当歴6年)

■「盛った話」に気づいたものの、「選考に通した」ケースとその理由は?

・本人が正直に弁解したので。(自動車メーカー/男性/採用担当歴20年)

・誇張していたのがサークルの人数など取るに足らない点だったから。(その他業種/男性/採用担当歴12年)

・アルバイトやサークルで仕切った規模に疑問を抱いたが、キャラクター自体は問題なく、次の選考でより深掘りしようと判断したため。(ホテル/女性/採用担当歴8年)

・誇張しているものの、当方の問いかけに対して、落ち着いて理路整然と話していたから。(銀行/男性/採用担当歴1年)

・「部活の廃部危機を自らの努力・行動で救った」というが、ほかに皆を引っ張っていくリーダーがいた。ただ、そのリーダーのサポートをしたことがうかがえたので、通した。(化学メーカー/男性/採用担当歴2年)

 

採用する側が思う、「嘘・盛った話」のOK/NGの境界線

選考を通す/通さないの判断は、話の内容やその企業の選考基準によってまさに「ケースバイケース」のようです。結局のところ、「嘘・盛った話」のOK/NGの境界線はどこにあるのでしょうか? 採用担当者の率直な意見を聞きました。

■「盛った話」の、「このあたりまでは見逃せる/見逃せない」という境界線の目安は?

・嘘になるようなレベルの話はアウト。プラス面を少し強く出したレベルの話であれば見逃すかもしれない。(その他業種/男性/採用担当歴8年)

・人がやったことを自分のことのように話すのはNG。(食品メーカー/女性/採用担当歴2年)

・事実を盛ってはいけない。嘘になるので。一方、成果の程度や周囲の反応などは盛られていても気づかないことがあると思う。(電機メーカー/男性/採用担当歴5年)

・0(ゼロ)を1にする話は見逃せない。(通信/男性/採用担当歴5年)

・活動の規模は見逃すが、活動内での役割の誇張は見逃せない(食品メーカー/女性/採用担当歴1年)

・量的な誇張はまあ良いが、質的な誇張はだめ。(その他業種/男性/採用担当歴6年)

・エピソードの枝葉の部分の誇張なら見逃せるかもしれないが、核を誇張するのは見逃せない。(化学メーカー/男性/採用担当歴10年)

・背伸びをしようと頑張って話をしたものは評価できる。しかし、自分を飾って形のみ格好つけようとした話は評価できない。(その他業種/男性/採用担当歴2年)

・ほほえましさから逸脱した場合は見逃せない。(その他業種/男性/採用担当歴25年)

・理路整然とした限度を超えない程度の作り話で、質問に対して論理破綻しなければ、別な能力があるとみることもある。(ソフトウェア/男性/採用担当歴6年)

・少しオーバーに話をしたのか、誇張なのか、虚偽なのか、判断は難しいもの。ただ、当社では面接は事実確認と将来性を見極めることを目的としています。事実が確認できて、将来性がある人物なら、採用しても入社後の教育で何とでもなるという考えから通しています。(建設/男性/採用担当歴31年)

結論:重要なのは話の「すごさ」ではない

採用担当者の声や「ケースバイケース」という意見の多さにも表れているとおり、「嘘・盛った話」が許容されるかどうかにはっきりとした境界はなく、募集職種や、その企業・採用担当者の考えにも左右されそうです。ただし、「0(ゼロ)を1にする話は見逃せない。」とあったように、なかったものをあったように言うような、まるっきり嘘はNGということがうかがえます。

また、「OKか?NGか?」という議論を超えて一つわかるのは、採用担当者が見ているのは、華やかな成果や結果だけではなく、エピソードからわかる人となりだということでしょう。どんな考え方をする人なのか、目標に向けてどのように行動する人なのかなどに採用担当者は注目し、次の選考ステップに進んでもらうかを判断しているようです。

したがって、成果や結果に重きを置いて話を盛ろうとするのではなく、成果に至るプロセスを通して自分の考え方や特長が伝えられるよう、アピール内容を考えてみましょう。例えば、課題を解決するためにとった行動や、目標に向けてグループで取り組んだときの自らの立ち回り方などについて具体的に伝えると、あなた自身の考え方や特長が伝わりやすいでしょう。

 

<調査概要>
調査期間  :2018年4月9日~4月10日
調査サンプル:過去1年以内に新卒採用の選考に携わったことがある会社員(正社員)・公務員・会社経営者・役員の男女300名、「新卒採用に関するアンケート」
調査協力  :楽天リサーチ株式会社
※記事中のデータは新卒採用に関わっている人事担当者に関する調査に基づく

 

構成/就職ジャーナル編集部 文/浅田夕香

就活をはじめる以前に、本当はいろんな不安や悩みがありますよね。
「面倒くさい、自信がない、就職したくない。」
大丈夫。みんなが最初からうまく動き出せているわけではありません。

ここでは、タテマエではなくホンネを語ります。
マジメ系じゃないけどみんなが気になる就活ネタ。
聞きたくても聞けない、ホントは知りたいのに誰も教えてくれないこと。
なかなか就活を始める気になれないモヤモヤの正体。
そんなテーマを取り上げて、ぶっちゃけて一緒に考えていきましょう。

みなさんが少しでも明るく一歩を踏み出す気持ちになれることが、
私たちの願いです。