集団面接(グループ面接)の本音!面接担当者はこんな学生に困っている&こんな学生に魅力を感じる

個人面接とは違う、独特の緊張感がある集団面接(グループ面接)。周りの学生と比較して自信を失ってしまったり、言いたかったことが言えなかったり…苦手意識がある方もいるのでは?この記事では、集団面接を経験した人事・社会人500人に集団面接で困ったことや気になったポイントを聞きました。人事のリアルと人材のプロに聞いた集団面接のコツを紹介します。

そもそも集団面接とは?

就活での対面での選考には、個人面接と集団面接、グループディスカッションなどさまざまなスタイルがあります。その中で集団面接は、ほかの選考とどのように違うのでしょうか。人事として新卒採用を20年担当し、現在はさまざまな企業の人事・採用コンサルティングを手掛ける採用のプロ・曽和利光さんに聞きました。

株式会社人材研究所 曽和利光さん写真プロフィール曽和利光(そわ・としみつ)株式会社人材研究所・代表取締役社長。1995年、京都大学教育学部教育心理学科卒業後、リクルートで人事コンサルタント、採用グループのゼネラルマネージャーなどを経験。その後、ライフネット生命、オープンハウスで人事部門責任者を務める。2011年に人事・採用コンサルティングや教育研修などを手掛ける人材研究所を設立。『「ネットワーク採用」とは何か』(労務行政)、『悪人の作った会社はなぜ伸びるのか?人事のプロによる逆説のマネジメント』(星海社新書)など著書多数。最新刊『人事と採用のセオリー』(ソシム)も好評。

集団面接と個人面接、グループディスカッションとの違い

集団面接とは、その名の通り、複数の学生が同時に受ける面接のことです。初期選考の段階で行われることが多く、企業側の採用効率上、“時間短縮のために集団で面接を行う”というケースがほとんどです」

気をつけたいのは、集団面接とグループディスカッションの違いです。
「グループディスカッション(グループワーク)は、なんらかのテーマに沿って議論やワークを行い、結論を導くまでの振る舞い方、周りとの協調性などを見るものです。一方、集団面接では、グループディスカッションのような学生の相互作用は期待されていません。ほかの学生が話をしている間、聞く姿勢は見られるかもしれませんが、人の話の途中で自分の意見を主張したり、大きな相づちを打ってことさら存在を主張したりするのは、印象が良くありません。集団面接は、『個人面接を集団で行っている』という認識を忘れないようにしましょう」

「集団面接はどうしてもほかの学生との比較による相対評価になります。初期選考であれば、『4人中、上位2人を次の選考に進める』というケースが多いためです。だからこそ、アピールしたい気持ちもわからなくはないですが、面接担当者からすると、学生との話にほかの学生が入ってくると集中力をそがれてしまいます。集団面接という場の目的を理解できておらず、状況判断力が足りないのでは…という印象を与えてしまいかねません。『今はほかの学生が話している時間』として、静かに耳を傾けておくといいでしょう」

集団面接は事前の時間配分を忘れずに

また、状況判断力を見られているという点で、最初に把握すべきは時間配分だそうです。
「4人で60分の集団面接であれば、前後10~15分をあいさつなどに使うと考え、面接時間は正味45~50分ほど。それを4人で割ると、自分に与えられた時間は10分程度です。アピールしようと前のめりになるあまり、一つの質問に対してダラダラと話していては逆効果。『周りが見えていない』という印象を与えてしまいます」

面接担当者の「タイプ」の見極めもカギになる

さらに、集団面接で最初に見極めたいのが、面接担当者のコミュニケーションタイプです。
「学生の話に対して突っ込むタイプか、プレゼンテーション型の話を聞いて終わりのタイプか。質問をしてくれるタイプであれば、相手が聞きたいことに答えるスタイルで、最初の話を小出しにしてもいいでしょう。一方、質問をしてこないタイプであれば、プレゼンスタイルですべての情報を出し切るべきです」

面接担当者のタイプを見極める時間がない、見極めにくい場合はプレゼン型ですべての情報を伝えること。『質問がくると思って小出しにしたら、自分の時間が終わってしまった!』となったらもったいない。リスクは取らずに出し切りましょう」

就活の集団面接(グループ面接)を受ける就活生

面接担当者500人に聞いた「ココが困るよ&ココにグッときた」集団面接

では、集団面接を行った担当者は、どんな点を見ているのでしょう。アンケートに寄せられた生の声を紹介します。

集団面接と個人面接では、約8割の担当者が見ているポイントが違うと回答

●集団面接と個人面接で見ているポイントは違いますか?(n=500、単一回答)

アンケートグラフ_集団面接と個人面接で見ているポイントは違いますか?

約8割が、個人面接とは違うと回答。具体的には?との質問に多く寄せられたのが「協調性」でした。

「振る舞い方」「他者への配慮」「判断力」「個性と協調性のバランス」「集団適応能力」「ほかの人の話を聞いているか」
などの回答がありましたが、全体の特徴として、周りへの配慮をどれだけできるか、という点を見ているようです。

面接担当者に聞いた、集団面接での「困った学生」の体験談

では、集団面接でこんな学生がいて困った…といった例はあるのでしょうか。面接担当者の声を基に具体的なケースを見ていきましょう。

困ったケース1:1人だけが長く話してしまい、ほかの学生の時間が足りなくなる!

「時間に制限がある中で、1人が長く話してしまったりすることで、平等に発言を求められなかった。また、どうしても順番に発言をしてもらうことになるので、あとの人の方が考える時間が多くなり有利になりがちだった(人事歴6年/40代/男性/ソフトウェア)」
「1人の学生のアピールが長くなり、予定以上の時間を費やした。止めるわけにもいかず、対応に苦慮した(50代/男性/建設)」

曽和さんのお話にもありましたが、時間配分を考えずに話が長くなってしまうケースは、ほかにも多くの声が寄せられました。面接担当者によっては、話が長い場合は途中で遮ってほかの学生に話を振ることもあるのだそう。自分のすべてを出し切れないのは、学生にとっても企業にとっても残念ですから、時間には気をつけて臨むようにしましょう。

困ったケース2:ほかの学生の意見に影響を受けて自分を出せない!

「1人目の発言に、以降の面接者が影響されてしまう(50代/男性/教育)」
「1人の学生に引っ張られてほかの学生も似たような回答が続いた(人事歴11年/30代/男性/鉄鋼)」
「他人の様子をうかがいすぎて本来の自分を見せていないと感じた(人事歴3年/20代/女性/ソフトウェア)」

集団面接では、自分以外の学生も同じ質問に答えることがほとんど。ある学生が「学生時代に頑張ったことはボランティア活動です。なぜなら~」と話し始めると、周りの学生が「ボランティアなんてやったことない…どうしよう…」と不安に思ったり、「アルバイトの話をしようと思っていたけれど、ボランティアの話に変えた方が良いかしら?」と悩んでしまったりするようです。すると、その後の自分のパートがしどろもどろになってしまう…なんてことも。面接担当者は、学生のありのままの姿を見たいと思っています。自分らしさが伝わるエピソードであればなんでも構いません。ほかの人の意見を参考にするのは良いことですが、自分らしさを忘れないようにしましょう。

困ったケース3.「目立ちたがり」の学生に面接担当者もひと苦労…

「目立ちたがりの学生がなんにでも口を出し、ほかの学生を発言しにくくさせてしまう場合が多々あった(人事歴12年/60代/男性/教育)」

こちらも曽和さんのお話にもありましたが、集団面接ではほかの学生の話に相づち打ったり、質問をしたりする学生が意外と多いのだそう。面接担当者もなかなか制止することができず、大変だと言います。グループディスカッションと混同していると、このようなことが起こりがちです。集団面接の目的をきちんと理解することが大切です。

担当者の目に留まった「魅力的な就活生」の体験談

続いて、面接担当者に魅力的に感じた学生のエピソードを聞いたところ、圧倒的に多かったものが「相手への気づかい」「周りを見渡すことができる」などという意見でした。ほかの学生が話している間、聞いていないのはもちろんNGですが、「邪魔をしない」ということも大事なポイントのようです。

「場をわきまえた発言ができる(人事歴10年/50代/男性/食品)」
「自分の言葉で自分の意見を誠実に話そうとする態度が見られた(30代/女性/教育)」
「相手に対する気づかいやヒアリング能力(人事歴10年/40代/男性/陸運)」
「ほかの学生が発言している際の表情(人事歴9年/30代/女性/不動産)」
「他者への配慮(人事歴12年/40代/男性/出版)」
「話を聞く姿勢(人事歴2年/30代/女性/建設)」

プロが教える、集団面接で回答する際に気をつけたいポイント

最後に、曽和さんに集団面接で答えるときに気をつけてほしいポイントについてアドバイスを頂きました。

ポイント1. 数字や固有名詞を使って具体的な情報を伝える

集団面接では、前述の通り個人面接よりも時間が限られている場合が多いです。その際気をつけたいのは、難易度をきちんと伝えることです。

「例えば、就活面接の王道の設問でもある『学生時代に力を入れたこと』のエピソードで大事なのは、どれだけ大変だったのか・難易度の高いことを成し遂げたのか、をきちんと伝えること。抽象的な言葉ではなく、数字や固有名詞を出して、面接担当者がイメージできるような情報を伝えることです」

「アルバイトの話をする際に、『外資系コーヒーチェーンで毎日多くのお客さまに対応した』と言ってもイメージが湧きませんが、『東京駅のスターバックスコーヒーで、毎日、外国人観光客を含む1000人のお客さまに対応した』と説明すると、その大変さが伝わります。限られた時間で、いかに詳細の情報を出せるか。最初から具体的な内容を伝えることが大切です」

ポイント2. ほかの学生との内容のかぶりは気にしなくて良い

集団面接で多くの学生が気にするのは「前の学生の話と似ている」「エピソードがかぶってしまった」という点。しかし、面接担当者は話の重複をほとんど気にしていないと言います。
「そもそも『学生時代に力を入れたこと』のエピソードには、ゼミやサークル、部活、アルバイト、海外留学など、ある程度パターンがあるので、かぶることは百も承知です。事前に考えていた説明する際の言葉が前に答えた人とまるっきり似ているのであれば、言葉を少し言い換えてもいいかもしれませんが、かぶったからといって、ほかの内容に変える必要はありません。むしろ、話がかぶってしまったことで焦ってしまい、言いたいことが言えなくなってしまう…という態度自体の方が、『ストレス耐性が弱いのかな』『周りに強く影響されやすいのかな』などと思われてしまうかもしれません。自分の言葉で話すことができれば問題ありません」

 

集団面接は、複数の学生がいる中で、周りの状況を把握しながら伝えるべきことを伝える場。集団の中で目立とう、アピールしようなどとあまり気負わず、自然体で臨むといいでしょう。

【調査概要】
調査期間:2019年5月9 日~5月10日
調査サンプル:過去5年以内に新卒採用の選考に携わったことがある人事・社会人500人
調査協力:楽天インサイト株式会社

取材・文/田中瑠子

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