面接で「最近の気になるニュース」を聞かれたら?元人事が答えるQ&A

面接で聞かれることがある「最近のニュースで気になるものは?」という質問。どんなニュースを選べばいいのか、どのように感想を伝えればいいのかと悩む人が多いようです。そこで、人事として新卒採用を20年担当し、現在はさまざまな企業の人事・採用コンサルティングを手掛ける採用のプロ・曽和利光さんに、質問の意図から効果的な伝え方まで詳しくうかがいました。

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株式会社人材研究所 曽和利光さん写真プロフィール 曽和利光(そわ・としみつ)株式会社人材研究所・代表取締役社長。1995年、京都大学教育学部教育心理学科卒業後、リクルートで人事コンサルタント、採用グループのゼネラルマネージャーなどを経験。その後、ライフネット生命、オープンハウスで人事部門責任者を務める。2011年に人事・採用コンサルティングや教育研修などを手掛ける人材研究所を設立。『「ネットワーク採用」とは何か』(労務行政)、『悪人の作った会社はなぜ伸びるのか?人事のプロによる逆説のマネジメント』(星海社新書)など著書多数。最新刊『人事と採用のセオリー』(ソシム)も好評。

「最近の気になるニュース」を選ぶ・伝える際は「Why」を意識する

多くの学生は「What=何のニュースに興味を持ったのか」で話が止まりがちですが、面接担当者が知りたいのは「Why=なぜ興味を持ったのか、このニュースを選んだ理由」です。これを意識して、一般論ではなく、エピソードを交えつつ伝えると自分らしさが伝わりやすいのでオススメす。

例えば、

「私が気になっているニュースは訪日外国人の増加についてです。なぜなら、日本の経済が活性化されて、良い効果がもたらされるからです」

とただ答えるのではなく、

「私が気になっているニュースは訪日外国人の増加についてです。訪日外国人の増加により、経済効果が見込まれると言われていますが、私がアルバイトをしている居酒屋では、外国人向けにサイトやメニューを改善し、訪日外国人の呼び込みに力を入れています。その結果、昨年よりも売り上げが〇倍に増加し、身をもってこのニュースの効果を実感しているからです。私も外国人のお客さんに英語で話しかけたり、外国人にオススメのメニューを提案したりするなど、工夫を取り入れるように心がけています」

このように、エピソードや自分の考えを交えて答えると、ぐっと伝わりやすくなります。

どこまでが最新?おすすめのジャンルは?「最近の気になるニュース」よくあるQ&A

それでは、続いて採用のプロ・曽和さんに「最近の気になるニュース」について聞いてみました。

Q. 企業が面接で「最近の気になるニュース」を聞く意図は?

A. 選んだニュースを通して、その人の感性や価値観、人となり、知的好奇心の幅を見ている

面接においては、どんな質問内容であっても基本的には「この人はどういう人間か知りたい」という目的で質問しています。「気になるニュース」も同じ。

したがって、単に興味を引かれたニュースを選んでもいいのですが、自分と関連性があり、自分のパーソナリティーを示すことができるニュースを選ぶとより面接担当者にあなた自身のことが伝わるのでいいでしょう。この質問に限らず、たとえ奇をてらった質問を受けても「自己アピールの一環だ」と捉えて臨みましょう。

Q. どこまでが「最近のニュース」に入るの?

A. 「最近」といっても、直近のニュースを選ぶ必要はない。目安は直近~1年以内

企業が注目しているのはニュースそのものではなく、「それを選んだ理由」。ですから、直近のものを選ばなくてはいけないということはありません。直近のものから過去1年以内のニュースから選ぶと、情報の鮮度としては十分です。

Q. どんな観点でニュースを選べばいいの?

A. 自分の人となりを伝えるため、自分に関連のあるニュースを選ぶ

まずはここ半年から1年以内に興味を持ったニュースをランダムにピックアップし、一つずつ「なぜ興味を持ったのか、どこに興味を持ったのか」を考えましょう。前述した通り、企業はあなたの人となりを知りたいと思っています。「あなたらしさ」が伝わるようなニュースを選ぶようにしましょう。

Q. オススメのジャンルはある?

A. ビジネスやキャリアなど、少しでも「仕事」に関連のあるものが無難

例えば、社会問題やテクノロジー、ビジネス関連などが取り上げやすいテーマだと思います。なぜなら、これらのテーマは思想信条にかかわるものではない可能性が高いからです。

厚生労働省が就職の機会均等を確保する立場からまとめた「公正な採用選考をめざして」という指針によると、採用選考は公正に行われる必要があり、適性・能力とは関係がない「本人に責任のない事項」「本来、自由であるべき事項」を企業が把握しようとすることは、就職差別につながる恐れがあるとされています。ニュースジャンルの中には、これに該当するものもあり、テーマによっては適切ではないことがありますので、選ぶ際は注意が必要です。

あくまで一例ですが、社会問題であれば地方創生や外国人就労拡大など、テクノロジーであればAIの進化など、ビジネスであれば軽減税率適用による外食産業の戦略など。きちんと選んだ理由の説明ができれば、必ずしも誰もが知っている大きなニュースでなくとも構いません。

Q. 反対に、避けた方がいいものはある?

A. 事件やゴシップ、宗教・政治ニュースは避けた方がいい

「著名人の〇〇が逮捕」「芸能人の離婚」などは確かに気にはなりますが、自分と関連付けて語れるものではなく、かつ自己PRにもつながらない可能性があります。もっともらしいことを言っても、聞き手の感想としては「はあ、そうですか」で終わってしまうでしょう。

なお、宗教や政治がらみのニュースは前述の「思想信条を問うもの」に該当するので避けた方が無難です。いろいろな思考を持っている人がいる根深いテーマであり、面接担当者もどう反応していいか困ってしまう可能性もあります。これらは面接担当者から問われることがない領域でもあります。

また、スポーツ系、エンタメ系企業の面接の場合は、スポーツニュース・芸能ニュースもアリですが、自己PRや志望動機につなげられるといいでしょう。

エンタメ系の企業以外でも、好きな芸能人・スポーツ選手の引退などが印象に残っているから伝えたい場合には、「ただ好きだから」という理由ではなく、「生き方・仕事への取り組み方を学んだ」など、なぜ選んだのかという理由を伝えられるなら良いでしょう。

スマホで最近のニュースを選ぶ就活生

Q. プロがオススメするニュースソースが知りたい!

A. (1)ニュースサイトや検索サイトで、興味がある領域、アピールしたい領域を「and検索」してみる

例えば、技術系職種を目指していて、最先端技術に対する知的好奇心の高さをアピールしたいのであれば、「技術 2018年 発見」でand検索してみる。そうすれば、ある程度ニュースが絞られるでしょう。また、まとめサイトで興味のあるワードを検索してみるのもオススメです。

A. (2)各メディアがまとめている今年のニュースから選ぶ

年末になると、各メディアがその年を振り返り「今年の10大ニュース」を取り上げているので、そういうものから選ぶのも一つの方法です。検索サイトで「今年のニュース」「〇〇〇〇年 10大ニュース」などと検索すると良いでしょう。

A. (3)ビジネス系雑誌を読む

リアルタイム情報は日々更新されて精度の高い情報になることが多く、追い掛けるのが大変ですが、ビジネス系雑誌はその経緯を追いつつわかりやすく解説してくれています。気になるニュースの知識を深めるのに役立つでしょう。

Q. 今も、そして社会人になってからも使えるニュースソースは?

A. TwitterなどのSNSを活用する

社会人になるとビジネス上、リアルタイムなニュースを幅広くつかんでいることも重要。新聞やニュースサイトで収集するのもいいですが、自分が興味を持っているニュース、押さえておきたいニュースを仕入れるならば、SNSを活用するのが効率的です。

興味のある分野で名をはせている人、一家言(いっかげん)を持つ人を何人かTwitterなどでフォローすると、その人がオススメしているさまざまな最新ニュースに触れられます。ニュースサイトでは得られにくい専門性のある情報も、すぐ目にすることができるでしょう。

取材・文/伊藤理子
撮影/刑部友康


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