就活写真を証明写真機で安くキレイに撮るコツは?スピード写真機メーカーに聞いてみた

就活の履歴書やESに欠かせない証明写真。インターンシップ等のキャリア形成支援プログラムの応募も含めると、就職活動全体ではかなりの枚数を使います。特に就活後半になると、手持ちの枚数が足りなくなって慌てたという話も聞きます。写真をどこで撮影するかは人それぞれ。写真館で撮影する学生もいれば、出費を抑えるために街の証明写真機(スピード写真機)で撮りたい派も少なくないでしょう。とはいえ「就活に証明写真機で大丈夫?」という不安な声を上げる就活生も。

そこで今回は、それぞれの写真の特徴の紹介に加えて、企業の採用担当者の証明写真に対する意識を調査し、人事のプロにも直撃取材。写真選びのヒントを探ります。また、証明写真機(スピード写真機)で撮影するときに、より自然できれいな証明写真を撮るコツもご紹介します!

写真を貼ってある履歴書

写真館と証明写真機(スピード写真機)。メリット&デメリットとは?

今どきの就活生の多くは、写真館でプロに撮影してもらうか、セルフサービスの証明写真機(スピード写真機)の写真のいずれかを利用していることでしょう。あらためて、それぞれのメリットとデメリットとは何でしょうか?

写真館の場合

■メリット

プロのカメラマンに写真を撮ってもらえることが最大の魅力。被写体に応じて機材やライティングを工夫し、姿勢や表情もプロの視点でチェックしてもらいながらの撮影なので、完成度の高い写真が期待できます。中にはヘアスタイリングやメイク付きのプランもあります。さらに写真の修正も手作業で行うので、こちらから細かなリクエストをすることも可能です。

■デメリット

写真館によってまちまちですが、1枚当たりの料金は数百円〜1000円が相場とされ、費用がかさみます。焼き増しなどで枚数が必要になると、費用面で負担になります。また、事前に予約が必要になることもあり、「思い立ったらすぐ撮影」というわけにはいきません。写真館によって所要時間はまちまちですが、一定の撮影時間も考慮する必要があります。

証明写真機(スピード写真機)の場合

■メリット

駅構内やショッピングセンターなど街のあちこちに設置されているので、自分のタイミングで気軽に撮影ができること。料金は機種によっても異なりますが、1コマ当たり100円〜170円ほど。写真館で撮影した写真に比べると値段の点ではかなりリーズナブル。撮影データをスマホにダウンロードできる機械もあり、焼き増しも同額で可能なので、エントリーする企業が多い就活生にとってはありがたいものです。

■デメリット

自動の機械を使って撮影するため、ライティングなどの撮影環境は一定で、被写体によって微調整はできないので微妙なニュアンスの表現には向いていません。無人なので、身だしなみの整え方やスタイリングなどのアドバイスを受けることもできません。また、写真データをスマホ保存できる機種以外は、焼き増しはできません。

採用担当者500人のホンネ。「どこで撮ったか」は選考に影響する?

ところで、実際のところ、企業の採用担当者は、履歴書やESに貼られた写真をどの程度重視しているものでしょうか?写真によって選考に影響が出ることはあるのでしょうか。500人の採用担当者を対象にアンケートでホンネを聞いてみました。

証明写真で特に目に付くのは「身だしなみ」と「表情」

■就活生の履歴書やESの写真は、どの程度重視しますか? 10段階で答えてください。(n=500、単一回答)

「就活生の履歴書やESの写真は、どの程度重視しますか?」のアンケート結果

まず、履歴書やESの写真の重要度を10段階で答えてもらうと、約4分の1が「5」と回答し、「7」「6」と続きました。全体で「5」以上と答えた人が7割を超えたことから、多くの採用担当者は証明写真から受ける印象をある程度は気にしていることがわかります。

■履歴書やESの写真で、特に重視するポイントを2つまで教えてください。(n=500、 複数回答)

「履歴書やESの写真で、特に重視するポイントを教えてください」のアンケート結果

証明写真の特にどこを見るか聞いたところ、約7割が髪型や襟元などの「身だしなみ」、約6割が「表情」と回答。証明写真を撮るときには、このあたりのチェックを重点的にした方が良さそうですね。

「写真で印象が変わる」「変わらない」は、意見が分かれる結果に!

■就活生の履歴書やESの写真が、どこで撮影されたものかわかりますか?(n=500、単一回答)
「就活生の履歴書やESの写真が、どこで撮影されたものかわかりますか?」のアンケート結果

では採用担当者は、履歴書の写真が写真館で撮影したものなのか、証明写真機(スピード写真機)なのか、あるいはスマホで自撮りしたものなのかがわかるのでしょうか?それについて全体の5割弱が「ほぼわかる」「だいたいわかる」と回答。一方で5割強が「わからない」「ほとんどわからない」「気にしたことがない」と回答し、ほぼ二分されました。

■履歴書・ESの写真がどこで撮影されたものかによって、就活生の印象や評価は変わりますか?(n=500、単一回答)

「履歴書・ESの写真がどこで撮影されたものかによって、就活生の印象や評価は変わりますか?」のアンケート結果

最後に、写真がどこで撮影されたかで印象や評価が変わるのか聞いてみました。すると「あまり変わらない」「変わらない」の合計が54.4%となり、「変わることもある」「変わる」の合計45.6%を少し上回る結果になりました。続けてその理由を聞いてみると、「きれいな写真=いい」という意味ではなさそうです。採用担当者から出た具体的なコメントを、次にまとめます。

半数以上が「写真のクオリティーをさほど気にしていない」

印象や評価が「変わらない」「あまり変わらない」と答えた理由は?

  • 写真は加工できるから(専門商社/50代/人事歴1年)
  • 金銭的な理由もあるだろうし、写真で合否は決めない(電力/30代/人事歴3年)
  • 実物と印象が異なるケースが多いので、なるべく写真では判断しない(美容/50代/人事歴20年)
  • 人相がわかる写真であれば、品質で印象が変わることはない(住宅資材/30代/人事歴6年)
  • 履歴書や写真ではその個人の真実を表すことはないので(電機/60代/採用担当者以外)
  • 最低限のマナーを守っていればあまり気にしない(医療サービス/40代/採用担当者以外)

印象や評価が「変わる」「変わることもある」と答えた理由は?

  • 応募に対する意気込みがわかるから(介護・福祉/40代/人事歴15年)
  • スマホなどで撮ったものは公的書類作成時に認められておらず、安っぽく見えることからもあまり誠意を感じられない(教育/30代/人事歴5年)
  • 基本、写真店での撮影(写真)が多いので、違うと違和感がある(旅行/60代/採用担当者以外)
  • スナップのような場合、あまり印象は良くない(介護・福祉/50代/人事歴1年)
  • しっかりした店舗や撮影機で撮影したものは質が良いが、そうでない場合プラスな点よりもマイナスな点が目立つ(SI/40代/採用担当者以外)
  • 機械で撮ったものに比べて写真館で撮ったものは明らかに印象が違って見える。ぱっと見、好印象であることが多い(銀行/40代/人事歴4年)

コメントでは意見が分かれたものの、全体としては過半数を超える採用担当者が、履歴書やESの写真のクオリティーをさほど気にしていないことがわかりました。また、「写真によって評価が変わる」と答えた人の中にも、望ましくない例としてスマホでの自撮りスナップ写真の切り出しを挙げるコメントが多く見られました。つまり、証明写真として折り目正しく、常識の範囲で撮られていれば問題ないと考える採用担当者が多いのではないでしょうか。

人事のプロに聞く「証明写真の本当の意味って何ですか?」

そもそも履歴書やESに貼る写真とは何のためにあるのでしょうか?
学生としてはそうした本来の目的と、採用担当者のスタンスをよく知った上で、証明写真の撮り方を選びたいですよね。そこで、20年以上の採用経験を持ち、最近の就活事情にも詳しい曽和利光さんに今どきの証明写真の常識を教えていただきました。

株式会社人材研究所 曽和利光さん写真プロフィール
曽和利光(そわ・としみつ)
株式会社人材研究所・代表取締役社長。1995年、京都大学教育学部教育心理学科卒業後、リクルートで人事コンサルタント、採用グループのゼネラルマネージャーなどを経験。その後、ライフネット生命、オープンハウスで人事部門責任者を務める。2011年に人事・採用コンサルティングや教育研修などを手掛ける人材研究所を設立。『「ネットワーク採用」とは何か』(労務行政)、『悪人の作った会社はなぜ伸びるのか?人事のプロによる逆説のマネジメント』(星海社新書)など著書多数。最新刊『人事と採用のセオリー』(ソシム)も好評。

証明写真で重要なのは、誰が見ても本人に見えること。「盛りすぎ」は論外!

「端的に言うと、履歴書の写真は採用担当者の記憶のキー(鍵)になるものです」と曽和さん。
例えば大手企業の新卒採用では、担当者は1日に何十人もの学生を面接することも珍しくありません。多くの場合、その日の面接がすべて終わった後にまとめて評価をしますが、「人数が多いと、名前だけではどの学生がどの書類なのか思い出せないこともあります。でも、履歴書に顔写真があることで『ああ、あの学生か』と、すぐに記憶とひも付くわけです」(曽和さん)。証明写真とは文字通り、履歴書に記載された人物と本人が間違いなく同一であることを示し、相手に認識してもらうためのものです。

つまり、証明写真で何より重要なのは「誰が見ても本人に見えること」

「例えば写真をあまりに美しく修正した結果、実物とイメージが違ってしまうと、本人と認識されない危険もあり、損をします。特に多くの学生が応募する人気企業では、最悪の場合には『こんな人いたっけ?』で、落とされるかもしれません」と曽和さん。もちろんプリクラのように、かわいく見えるように目を大きくするのも御法度。またヘアカットや、日焼けでも見た目の印象は結構変わるもの。髪型や肌の色、体型などが今の自分と違う写真を使うのも避けるべきだと言います。
「結論を言うと、実物の印象と変わらない感じに写っていれば、基本はプロの撮影でも証明写真機(スピード写真機)でも、どちらでも構わないんです」。

「写真の気合」で、学生の本気度を測るのは時代遅れ?

では、写真の品質や写りの良し悪しが評価に影響することは本当にないのでしょうか?

「選考の初期の段階で写真を重視する業界も、ごく一部には存在するかもしれませんが、それは非常に限定的だと考えられます」(曽和さん)。一般的な企業では、写真の良し悪しで学生をジャッジすることはあり得ないと強調します。「私の経験の中で明らかに違和感があったのは、決められた写真のフレームに対して顔が大きすぎて切れている、笑いすぎの表情、体が斜めを向いている、など。このくらい変な写真なら “非常識”と受け取られ、悪い意味で選考に影響しますが、普通の写真が人事の評価対象になることはまずないと思います」(曽和さん)

さらに曽和さんは「志望度が高いなら写真館で撮影した写真」「証明写真機(スピード写真機)は熱意がない」と一部で言われるような“風潮”に対して、苦言を呈します。
「それは昭和のジャッジ基準ですね。というのも、採用難の現代、学生の熱意は企業側が高めるものであって、写真の撮影場所で評価するたぐいのものではないからです。志望度を気にする企業はプライドが高く、社員に忠誠心を求める傾向が強い。令和の時代には、従業員と対等の関係が築ける企業ほど、有能な人材が集まります。これからは、学生もそんな会社を選ぶのではないでしょうか」(曽和さん)。

とはいえ歴史のある企業には、古いジャッジ基準が残っている場合もあります。「それでも写真のみで選ばれないことはないと思いますが、そうした会社を志望する場合は、写真館で撮影した方がより安心して臨めるかもしれませんね」とアドバイスします。

メーカーに聞く、証明写真機(スピード写真機)で上手に撮る4つのコツ

履歴書やESの写真の最も重要な役割は、採用担当者に自分をきちんと認識してもらうこと。その意味ではどこで写真を撮影するか、という問題は、それほど重要な要素ではないと言えそうです。
撮影場所がどこであれ、自分らしく、納得できるいい写真にしたいとは誰しも思うことです。写真館での撮影なら、カメラマンが撮影のポーズや姿勢、表情にアドバイスをくれますが、証明写真機(スピード写真機)の場合は、音声ガイダンス以外のアドバイスは受けられません。証明写真機(スピード写真機)でより自分らしく自然に、きれいに撮るにはどんなコツがあるのでしょうか?全国7000カ所以上に証明写真機『Ki-Re-i』を展開する、株式会社DNPフォトイメージングジャパン 企画推進部の高橋英生さん、後藤力也さんに教えていただきました。

株式会社DNPフォトイメージングジャパン_高橋英生さん(左)と後藤力也さん(右)株式会社DNPフォトイメージングジャパン
企画推進部 第1グループ エキスパート 高橋英生さん(左)
同じく第1グループの後藤力也さん(右)

1. コントラストの強い色の服装がオススメ

写真に自然な陰影を出すには、服装は濃い色の上着がオススメ。スーツの上着を着て撮りましょう。「ネクタイを締める場合は、背景色とコントラストの強い色を選ぶと、より印象的な写真になります」(後藤さん)。例えば背景色がブルーなら、赤いネクタイがオススメだそう。メガネを掛けている人は、レンズの反射が心配かもしれませんが、最近の機械はレンズの反射を防止してくれるので、そのまま撮影して大丈夫。「その際は、鼻メガネにならないようきちんと奥に掛けてください」(高橋さん)。

2. 姿勢は大事。事前にしっかり位置を調整しよう

採用担当者は証明写真の姿勢を見ています。目の高さを合わせようとして不自然な体勢になると、写真の第一印象が良くありません。「自然に背筋を伸ばしてアゴを引いた姿勢がとても大事。そのときに目の位置がきちんと合うよう、事前に椅子の高さを調整しましょう」(高橋さん)

3. きれいに撮影するには「足元への配慮」が大事!足を開いたり足元に大きな荷物を置くのはNG

実は証明写真機(スピード写真機)できれいに撮影するためには、「足元への配慮が大事」だって、知っていました?機械の室内には、光を均一に回すためストロボがいくつか配置されています。このうち、足元の左右の両サイドの後ろにあるストロボを、足を開いたり、大きな荷物を足元に置いてふさいでしまうと写真に不自然な影ができるので注意が必要です。「撮影のときは足を広げたりせず、そろえてください。荷物はできればそろえた足と椅子の間に置いて、光を遮らないようにするといいですね」(高橋さん)。

証明写真機で足を開いた状態で撮影するときのイメージ

このように足を開いて座るのはNG。『Ki-Re-i』の内部には5カ所にストロボが配置されています。足を開いて座り、両サイド下部の左右のストロボがふさがれてしまうと、光がうまく回りません。

足を閉じて撮影した証明写真と、足を開いて撮影した証明写真の比較画像

きちんと足を閉じて写した写真(手前)と比べると、足を開いてストロボを隠してしまった写真(奥)では、首と顔が暗くなってしまいます。

4. 肌補正や背景色を選べる機能で、自分らしさを演出

証明写真機(スピード写真機)には肌色や肌質の補正が簡単にできるものもあり、仕上がりの画像を見ながら、より自然で好印象な写真に調整することもできます。例えば『Ki-Re-i Eシリーズ』(*1)という機種は、通常の撮影料金に+100円(*2)で、くすみやクマを目立たなくしたり、美白補正ができる「肌美プラス」などのオプションが選べます。
さらにレギュラー撮影+200円(*2)で選べる「エクセレント・モード」では、5段階の肌色調整や美肌補正に加えて、9種類の背景色が選べます。「オレンジやピンク、各色グラデーションなどで印象をさまざまに演出できます。企業によって使い分けるのもいいですね」(後藤さん)。
*1 Eシリーズ設置先検索

*2 料金は設置先により異なる可能性あり

証明写真機『Ki-Re-i Eシリーズ』で撮影した参考写真

下段(標準的な撮影)に対して、上段は「エクセレント・モード」で美白度を上げ、背景色をピンク色に変更。明るい印象に。

データをダウンロードすれば、いつでも焼き増しできる

最近の証明写真機(スピード写真機)には、撮影した写真データを手元に保存できるものも登場しています。例えば『Ki-Re-i』の場合は、撮影時に「Withスマホ」というメニューを選ぶと、二次元バーコードを通じてスマホに証明写真のデータをダウンロードでき、企業のWebエントリーでもその写真データを活用できます。また、スマホアプリ「Ki-Re-i Photo」を使って焼き増しも可能です。焼き増しの際には肌の色や美肌機能、背景、写真サイズの変更もできます。「急に写真が必要になったときもその場で受け取ることができます」(後藤さん)。

まとめ

いかがでしたか?写真館で撮影した写真と証明写真機(スピード写真機)には、それぞれ特徴があります。履歴書やESに貼付する写真の本来の役割と、それに対する企業の見方を知っておけば、証明写真を賢く選ぶことができそうですね。「私は手軽さを優先したい」「志望先に合わせて完璧に撮りたい」など、各自の就活スタイルに合わせて利用するのがよいのではないでしょうか。

【調査概要】
調査期間:2019年5月9日~5月10日
調査サンプル:過去5年以内に新卒採用の選考に携わったことがある人事・社会人500人
調査協力:楽天インサイト株式会社

文/鈴木恵美子
撮影/刑部友康


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記事作成日:2019年6月24日 記事更新日:2024年2月1日

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