ES(エントリーシート)で自己PRを書いてみたものの、内容にどうも自信が持てない…。そんなときは、第三者に添削してもらってブラッシュアップを行いましょう。誰にお願いすればいいのか、添削をお願いする場合のポイントや注意点などについて、リクナビ就職エージェントのキャリアアドバイザーに聞きました。自分で添削する方法も紹介しています。
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目次
自己PRには何を書くべき?企業は何を知りたいと思っている?
企業が自己PRを通して知りたいのは、「あなたがどんな人なのか」ということ。すなわち「自社が必要とする特徴を持っている人かどうか」ということを確認したいと考えています。
自己PRというと「特別な経験や実績を書かなければ」と考える学生が多いようですが、決してそんなことはありません。「志望企業が必要とする特徴を持ち合わせている」ことが伝われば、どんなエピソードでも構いません。大切なのは、他人との比較ではなく、あなた自身が頑張ったこと、熱中したこと、モチベーション高く取り組んできたことなどを伝えること。これまでを振り返り、自己PRとなる強み・持ち味を洗い出してみましょう。
例えば、以下に当てはまるようなことを挙げてみると、自分ならではのエピソードが見つかると思います。
- 周囲の人と良い関係を築けた経験
- リーダーシップを発揮できた経験
- 周囲と協力して物事を成し遂げた経験
- 周囲に気を配りサポートした経験
- 積極的に物事に取り組んだ経験
- 効率的に物事を進めた経験
- 予定外の事柄にも柔軟に対応した経験
- 目標を高く持ち取り組んだ経験
- 粘り強く着実に物事に取り組んだ経験
- 新しいことに挑戦した経験
自己PRの添削は誰にお願いすればいい?
一般的に、自己PRの添削をお願いする相手として考えられるのは、大きく分けて「友達や家族など身近な人」「社会人の先輩やOB・OG」「就活に詳しい人・サービス(キャリアセンター、就職エージェント、ES添削サービスなど)」の3つです。一般的に言われるそれぞれの特徴について、ご紹介します。
友達や家族など身近な人
家族や、学校やアルバイト先の友人などは、いつでも気軽に相談しやすく、本音を言ってもらいやすいというメリットがあります。自身の性格や強みなど、人物像を理解した上でのアドバイスももらえるでしょう。
ただ、就活の専門家ではないので、企業側の視点を考慮したアドバイスや添削をもらうのは難しいと思います。ES全体から受けた感想や、自分の魅力が伝わっているかどうかなどを確認したいときにお願いするといいでしょう。文章に破綻がないか、誤字脱字がないかのチェックを依頼するのもいいと思います。
社会人の先輩やOB・OG
同じ部活やサークルだった社会人の先輩は、友達や家族と同様、気軽に相談しやすい上、自分のことや今の環境(学校やサークルなど)の特徴をわかった上でアドバイスをもらえるというメリットがあります。社会人の視点でチェックしてもらえるので、より実践的なアドバイスがもらえるでしょう。
ただ、その先輩が所属している業界や職種ならではの考え方や価値観に偏ったアドバイスになる可能性が高いと思われるので、希望業界・職種の先輩にお願いすることをお勧めします。
志望企業のOB・OGであれば、社風や文化、実際の仕事内容も考慮した上でアドバイスしてもらえるのでチャンスがあればぜひお願いしましょう。
就活に詳しい人・サービス
学校のキャリアセンターや就職エージェント、ES添削サービスを行っている会社など「就活の専門家」は、ES添削実績が多くさまざまなパターンを知っているため、過去の事例を踏まえ専門性の高いアドバイスがもらえるでしょう。就活の動向を踏まえつつ企業視点でチェックをもらえる点、自分のことをまったく知らない人だからこそフラットな目で客観的なアドバイスがもらえる点もメリットと言えます。
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『リクナビ就職エージェント』は就活を無料で支援するサービス。
会員登録後、専任のアドバイザーが個別に電話相談を行い、あなたの希望や適性に合う企業選びを一緒に考えます。
エージェントだからこそできる求人情報の紹介、面接アドバイスやOpenESの添削なども行っています。
ただ、皆が相談したい時期(1~3月)に依頼が集中する傾向にあるため、時間をかけてじっくりアドバイスをもらうのは難しい場合もあります。前倒しで行動し早めの時期に相談する、余裕を持って相談し返事を急がないなどの工夫や姿勢が必要です。
なお、最近ではインターンシップ等のキャリア形成支援プログラムや説明会の場で、企業の人事に直接添削してもらう学生も増えているようです。ES添削を一つのコンテンツにしている企業も多いので、そういう場を活用して自己PRをチェックしてもらうのもいいでしょう。人事の「生の声」を得られるのはメリット。志望度が高い企業であれば、その企業に沿ったアドバイスをもらえる可能性も高いでしょう。
また、SNSを利用して添削をしてもらう学生も見受けられます。採用経験者がしているケースもあるようですが、細かいアドバイスを期待するというより、「自己PRから受ける印象を知りたい」「感想が欲しい」などの目的で活用するのが良さそうです。
自己PRの添削を依頼する際のポイントと注意点
誰か1人にお願いするのではなく、複数の社会人に依頼をした方がいいでしょう。自己PRをはじめとするESの項目には「これが正解」というものはなく、見る人によって評価が分かれるものです。そのため、フィードバックをすべてうのみにするのではなく、一つの意見と捉えて情報を集め、最終的にはどのアドバイスを取り入れ、反映するのか自分で判断することが大切です。
また、できれば志望している業界で働いている社会人に見てもらった方が良いと思います。業界ごとに文化や働く人の価値観は異なることが多いですが、同じ業界にいる人は同じ価値観や文化を持っている傾向が強いためです。より志望業界に沿った感想やアドバイスがもらえるので、ブラッシュアップの参考になるでしょう。
自分で添削する方法も!プロが教えるセルフチェックのポイントを紹介
リクナビ就職エージェントでは、就活に関する専門知識を持つプロのアドバイザーが、マンツーマンで就活に伴走します。自己PRに関しても、志望業界・企業に合わせてプロの視点で添削を行っています。
われわれキャリアアドバイザーが自己PRを添削する際にチェックしている項目は、主に次の4つ。もし「第三者にお願いするのではなく、自己PRをセルフチェックしたい」という場合は、誤字脱字がないか、文章が破綻していないかなどに加えて、これらの視点で見返してみることをお勧めします。
「学生時代に頑張ったこと」とは異なる内容になっているか
「ガクチカ」(学生時代に頑張ったこと/学生時代に力を入れたこと)などと同じ内容だと、それ以外の学生生活をどのように送ってきたのかが、企業には伝わりません。異なるエピソードにした方が、経験や人柄をより多く伝えられます。
最近のエピソードが書かれているか
高校時代のことばかりが書かれていると、「今の学校では何をしてきたのだろうか」と思われてしまう可能性があります。できるだけ大学(院)・短大・専門学校など直近のエピソードを記載した方が、「今のあなた」の魅力が伝わりやすくなります。ただ、最も自分らしさを伝えられるエピソードが高校時代にあるならば、もちろん高校時代のものでOK。その場合は、別の項目で大学(院)・短大・専門学校時代のエピソードに触れておくといいでしょう。
させられたことではなく「自分から積極的に」取り組んだ内容になっているか
誰かに命令されたり、依頼されたりして取り組んだことよりも、自ら率先して、積極的に取り組んだエピソードの方が「その人らしさ」が伝わります。何を考え、どう向き合ってきたのか、自分ならではの考え・行動など「自分主語」のエピソードを意識しましょう。
チームで取り組んだこと、他者と協力したことが入っているか
どんな仕事も、誰かとかかわりながら行うものなので、「ほかの人と一緒に協力して取り組んだ経験を知りたい」と考える企業は少なくありません。自己PRとして伝えたいエピソードの中で、チームにおいて自分の力を発揮できた経験があれば、どのように周りに働きかけ、力を発揮できたのかアピールするといいでしょう。
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取材・文・編集/伊藤理子