【回答例あり】他社の選考状況を聞かれたら?答え方のポイントと注意点を紹介

就活の面接で聞かれることの多い「他社の選考状況を教えてください」という質問。どう答えればいいか迷ったという先輩は多いようです。そこで、他社の選考状況を聞かれたときの答え方のポイントや注意点をリクナビ就職エージェントのキャリアアドバイザーが解説。具体的な回答例もご紹介します。

なぜ面接で「他社の選考状況」を質問される?

企業が面接の場で「他社の選考状況を教えてください」と質問する意図は、大きくわけて次の3つです。

自社への志望度を知りたい

どの企業も、自社への志望度が高い人に内定を出したいと考えるもの。内定を出した学生が辞退すると、企業側としては予定していた採用計画が狂うため、他社の選考状況を聞くことで、自社の志望度はおおよそどれぐらいなのか、入社意欲は高そうかを測りたいと考えています。中にはズバリと「当社は第一志望ですか?(第何志望ですか?)」などと聞く企業もあるようです。

学生の企業選びの軸をつかんでおきたい

企業は、自分の企業選びの軸に基づいた一貫性のある就活をしているかを見ています。軸が明確である場合、自己分析を行い自分自身とじっくり向き合った上で、ぶれずに行動できている人だと見なされます。そして自社のことも軸に沿って応募してくれた=志望度も高いだろうと判断できます。

一方、企業選びに一貫性がなく、選定基準がわからない場合は、「自己分析ができていない」「やみくもに応募しているのではないか」などと判断され、自社への志望度もそれほど高くないだろうと思われてしまう可能性があります。

他社の動向をチェックしておきたい

ライバル社がどんなペースで採用をしているのか、その動向をつかんでおきたいという意図もあります。特に、選考中の学生を他社に取られたくない場合、他社に後れを取ることがないよう、状況を聞いて対策を打とうと考えるケースが多いようです。

また、他社の選考がある程度進んでいる場合、「他社にも一定以上評価されている人材」と判断できる、という見方をする企業もあるようです。

取り繕ったりうそをついたりするのはNG!選考状況は正直に伝えよう

本当のことを言うべきか迷う人もいるかと思いますが、選考状況を聞かれたら基本的には正直に伝えましょう。とはいえ企業名など詳細まで伝える必要はなく、「○○という軸で就職活動をしていて、例えば□□業界や△△分野を手掛けている企業に応募しています。そして現在〇社が選考中です」などと回答するといいでしょう。

ほかにも選考が進んでいる企業があるのに「選考中のところはなく、御社が第一志望です」とうそをついたり、逆に選考中の企業がないのに「何社か選考が進んでいます」などとごまかしたりする人がいますが、後々必ずぼろが出ます。下記に紹介する回答のポイントを押さえつつ、取り繕わず今の状況を正しく伝えましょう。就活生に質問する採用担当者のイメージカット

「他社の選考状況」を答えるときのポイント

選考状況は基本的には正直に伝えた方がいいですが、その際にいくつかポイントや注意点があります。

企業名ではなく、自身の企業選びの軸を伝える

選考が進んでいる企業がある場合、具体的な企業名まで伝える必要はありません。一貫した企業選びの軸を伝えるようにしましょう。

例えば、「大学の専攻をストレートに生かせそうなメーカーの研究職を中心に応募していて、現在3社の選考が進んでいます」とか、「顧客とじっくり向き合える営業に携わりたいので、不動産業界やIT業界、人材業界などの中で深耕営業にかかわれそうな企業に応募し、現時点で5社ほど面接が進んでいます」などと伝えるといいでしょう。

落ちた企業についてなどネガティブなことは省く

例えば「同業界の企業に落ちた」とか「これまでに〇社落ちた」など、落ちた企業の情報は伝える必要はありません。このようなネガティブな情報を伝えられると、どうしても不安感を与えてしまい、後の選考に影響してしまう可能性があります。

企業は落ちた状況を知りたいわけではなく、あくまで現時点での選考状況を把握したいと考えているので、現在進行形の企業情報のみ伝えましょう

応募企業にすべて落ちた場合は、反省点と共に伝えると好印象

「落ちた企業の情報を伝える必要はない」と前述しましたが、他社の選考状況を聞かれても伝えられるものがない=応募企業にすべて落ちてしまったというケースもあるでしょう。その場合も基本的には、うそをつかずその事実を伝えることをお勧めします。

その際、なぜすべて落ちてしまったのかを自分なりに考え、その反省を次に生かそうとする姿勢を伝えるといいでしょう。自分の現状を客観的に捉え、PDCA(※)を回せる人という印象を与えることができます。

例えば、「就活を始めたばかりのころは、知名度に引かれ有名企業に手当たり次第応募してしまい、その結果すべて落ちてしまいました。あらためて自分の思いと向き合い、『自身の提案でクライアントの課題を解決し感謝されるような仕事に就きたい』との思いに気づいたことから、法人向けの提案営業という軸で就活をやり直しています」などと伝えるといいでしょう。反省点を踏まえ、しっかり熟考した上で方向転換したことを説明すれば、本気度も伝わります。

(※)…PDCAとは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)の頭文字を取ったもので、これらを繰り返すことによって継続的に改善していく手法のことを指す。

【パターン別】他社の選考状況を聞かれたときの回答例

他社の選考状況を聞かれたときの回答例を、パターン別にご紹介します。いくつかの選考が進んでいると答えた場合、「最終的にはどういう軸で1社を選ぼうと考えていますか?」などと聞かれるケースが多いので、自身の判断基準についても言及しておくといいでしょう。

複数の企業の選考が進んでいる場合

お客さまの人生の決断にかかわる商品・サービスに携わりたいという思いから、人材業界の営業職を中心に応募しています。現在2社で面接が進んでおり、そのうち1社は次回が最終面接です。私は、周りの人と情報共有しながら、協働してより高い成果を上げたいという思いが強いので、最終的には御社のようにチーム制を取っている企業に入社したいと考えています。

すでに他社の内定を得ている場合

大学の研究室で学んできたことを生かせる化学業界と精密機器業界の研究職に応募し、現在ある化学メーカーから研究職の内定を頂いています。ただ、より専攻に近しい業務にかかわれる企業で即戦力として活躍し、早く業績に貢献できるようになりたいと思っているので、御社のように△△分野の研究に注力している企業にもっと触れてみたいと考え、就職活動を継続しています。

まったく別の業界にも応募している場合

大学で統計学を学んだことを機にマーケティングに興味を持ち、「マーケティングで企業の事業拡大に貢献してみたい」と、御社をはじめとするデジタルマーケティング会社に応募し、3社の選考が進んでいます。また、事業会社の中で自社のマーケティングにかかわる道もあると知り、視野を広げるためにマーケティング部門の新卒採用を行っている事業会社にも何社か応募していて、現在あるIT企業の選考が進んでいます。ただ、「企業の事業拡大に貢献したい」という思いが強いため、できればデジタルマーケティング会社でクライアントと直接やりとりできる仕事に就きたいと強く思っています。

エントリーした企業にすべて落ちてしまった場合

残念ながら、現在選考が進んでいる企業はありません。以前からマスコミ業界に憧れており、テレビ局や出版社を中心に応募したのですが、すべて落ちてしまいました。憧れだけでやみくもに応募していたことを反省し、あらためて自己分析を一からやり直して、「皆の生活を支え、便利にする仕事に就きたい」「チームで協力しながら1つのものを作り上げることが好き」という自分の思いや志向に気づくことができました。そして、自分の思いがかなえられるITエンジニアの仕事に興味を持つようになり、チームワークを大切にしている御社に応募いたしました。

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プロフィール 川越 杏子(かわごえ・きょうこ)

新卒領域のキャリアアドバイザー経験を経て、現在、同領域のマネジャー職に従事。より多くの学生さんが、就活経験を通じて自身の「らしさ」を知り、「働く」の解像度を上げた上で「意志」ある意思決定ができるよう、サービス向上に向き合っている。

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