面接で落ちる理由がわかりません。【面接中の無意識に出る癖(仕草や話し方)が与える印象とは?】就活なんでも相談室 Vol.12

就活生の中には、ES(エントリーシート)や履歴書は通るようになってきたのに、なぜか面接で落ち続けてしまうと悩んでいる方も少なくありません。考えられることの1つが、面接中に出る無意識な仕草や話し方が、面接担当者の印象に強く残ってしまうというもの。実は、それが原因でうまくいっていないケースも珍しくありません。人間は、誰しも癖を持っているもの。もし、自分では意識していなかった仕草や話し方が出てしまい、相手にネガティブな印象を与えてしまっていたら…?

そんな就活生の相談を、仏のような慈愛の心で受け止め、女神のように温かく励ましながら、これからのことを一緒に考えてくれるキャリアアドバイザーがいます。今回は彼らの元を訪れる就活生とリクナビ就職エージェントのキャリアアドバイザーとのやりとりを公開。同じ迷いや悩みを抱える就活生は、きっとヒントが見つかるでしょう。

自分の癖を自覚するためのチェックリスト、対処法も紹介していますので、参考にしてください。

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今回のご相談「書類は通るのに、面接で落ちてしまいます…。」

面接に落ち続けている理由がわかりません。原因に思い当たるものがないのですが、どうしたらよいでしょうか? 
「面接に落ち続けている理由がわからない」と悩んでいるAさん。10月時点でどこからも内定をもらえず焦ってキャリアアドバイザーの元へ。ESや履歴書は改善を重ねて通るようになりましたが、一次面接や二次面接で落ちてしまい、なかなか最終面接まで進めないそうです。「面接が終わるたびに振り返りを行い、受け答えなども良くなってきていると思うのですが…。理由がわからず、これ以上どうしたらよいかわかりません」

思っている以上に相手は気になっている?面接中、学生が無意識にしてしまう仕草や話し方とは?

面接中は目線に注意。Web面接でも視線を外していると思われないような工夫を

キャリアアドバイザー 確かに面接がうまくいかないと不安になりますよね。私も就活中はそうでしたから、よくわかります。最近は、Web面接が多いのでしょうか?

Aさん Webと対面と半分ずつという感じです。

キャリアアドバイザー そうなんですね。今もAさんとはWebで面談していますが、もしかして何かを見ながらお話しいただいていますか?

Aさん はい。今日お話ししたいことを書いたメモを見ていました。少しだけ目線を外したつもりでしたが、わかりますか?

キャリアアドバイザー わざわざご用意ありがとうございます!画面上では目線がこちらを向いていなかったので、そうかなと思いました。

Aさん 緊張すると頭が真っ白になってしまうので、Web面接のときもメモは毎回用意するようにしています。

キャリアアドバイザー 緊張しなくて大丈夫ですよ(笑)。今回はご相談なので、メモを準備して話していただくことも、目線が外れることも問題ありませんので、安心してください。
ただ、面接で話すときの目線は、Webではカメラを、対面の場合は面接担当者の目を見ることを意識した方がいいと思いますね。

Aさん 確かにWeb面接ではカメラをきちんと意識できなかったこともありました。対面面接でも想定外の質問がくると答えに自信がなくて、相手の目を見なかったり、目が泳いでいたりしたことがあったかもしれません…。

キャリアアドバイザー なるほど。答えに自信がないと、目を見て話しづらいですよね。また最近は、Web面接ならではの失敗も増えています。例えば、画面の相手の目を見て話しているつもりでも、カメラの位置が画面の上の方にあるため、実は目を合わせていないように見えてしまうこともあるのです。

Aさん 今後のWeb面接の際には目線にも注意したいと思います。

Web面接に関して、詳しく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてみましょう。

【Web面接】カンペを見るのはアリ?ナシ?事前に準備しておきたいことは?

【Web面接(オンライン面接)とは?】対面との違い、面接にあたっての準備、練習方法を解説!

緊張によって癖が出やすいのが話し方や身体の揺れ

キャリアアドバイザー ところで、ご自身の話すスピードについて、振り返ってみてどう思われますか?

Aさん 特に意識したことはありませんが…。もしかして、早口に聞こえますか?

キャリアアドバイザー はい。面接では「限られた時間の中で、自分を伝えなくては…」と焦るあまり、早口になってしまう方が多いんです。同じ理由で、相手が話し終わる前に話し始めてしまう方も少なくありません。

Aさん しかし、「1分間で」などと区切られると、早口になってしまうのも仕方ないような気がします…。

キャリアアドバイザー そうですよね。わかります。ですが、面接担当者は、受け答えの内容だけでなく、仕草や話し方からも「コミュニケーションに問題はないか」をチェックしているんですよ。ほかにも、面接のときに身体を揺すっていた仕草が無意識に出てしまい、落ち着きがないと思われて採用が見送られた場合もあります。

Aさん う~ん、実は私にも貧乏揺すりをする癖があるんです。日ごろから注意はしているつもりですが、面接になると緊張してそこまで頭が回らず、出てしまっていたかもしれません。ただ、Web面接ならば、上半身しか映らないので、大丈夫なのではありませんか?

キャリアアドバイザー もしかすると、上半身が小刻みに揺れていた可能性はありますね。対面面接では、会場の外で待っている間に膝を開いたり閉じたりを繰り返したり、足をバタバタさせたりしている様子を見られてしまうこともあります。就活生が面接を受ける様子のイメージ画像

面接での「受け答えの様子」や「印象」も企業にとってはチェックポイント。その理由は?

Aさん ですが、正直なところ、お話をうかがって、企業は本当にそこまで細かく仕草や話し方を見ているのかなと思いました。無意識に出てしまうものは仕方がないと思いますし…。何よりも面接では、質問に対する受け答えの内容から、どんな学生かを見ているものではないのでしょうか?

キャリアアドバイザー もちろん、企業からの質問にちゃんと答えられているか、受け答えの内容も大切です。しかし、それと同じくらい、受け答えの様子や印象をチェックしていると言っても過言ではないでしょう。もちろん、Aさんのおっしゃる通り、何か一つ気になる仕草や話し方が出てしまったからといって、それだけで企業が採用を見送ることは考えにくいです。しかし、面接中にいくつか気になる点があったために、落ち着きのない印象を与えてしまったり、コミュニケーションに不安があるように見えてしまったりしている可能性は十分あります。

Aさん 「無意識に出てしまう癖だから」と軽く考えない方がいいわけですね。

キャリアアドバイザー そうですね。面接中の受け答えの印象や表情、仕草は「入社後、社内外の人と心地よい関係構築のためのマナーが備わっているか」を判断する材料にもなります。したがって、仕草や話し方についても「相手にどういう印象を与えるか」をしっかりと意識しておくことが大切です。話す内容は素晴らしいのに、仕草や話し方で印象を損ねてしまってはもったいないですよね。

また、仕草や話し方は、友人など近しい間柄でも、なかなか指摘しにくい場合もあるため、自分で気がついたときに意識して直すように心がけておくと良いと思います。

【チェックリスト付き】思わず出てしまう自分の癖を直すには?

Aさん 面接が通らなかった理由がわかった気がします。ただ、やはり無意識で出てしまう癖を意識して直せるかどうか、自信がないです。

キャリアアドバイザー 日ごろから意識していないと、難しいですよね。意識していても面接で緊張すると、仕草や話し方にまで注意が行き届かなくなってしまうこともあります。

Aさん 面接などの大切な場面で癖が出ないようにするには、どうすればいいのでしょう?

キャリアアドバイザー まずは、自分の癖を自覚することが大切です。

今回、学生の皆さんが無意識に出してしまう仕草や言動のチェックリストを作成しました。模擬面接を行い、家族や友人などにリストにあるような仕草や言動をしていないかを見てもらう、様子を録画して自分で確認するなどして、どんな癖があるのかをチェックしてみましょう。

こんな癖はありませんか?チェックリスト

面接担当者の印象を左右しそうな仕草や話し方をリストアップしました。心当たりがないかチェックしてみましょう。

仕草

  • 身体が不自然に揺れる(貧乏揺すりなど)
  • 会話中に目線を合わせない(Web面接で手元のメモを見ている、カメラ目線になっていないなど)
  • 話しながら顔や頭を触っている
  • 身ぶりや手ぶりが大きくなる
  • 姿勢が悪い
  • 足を組む、腕組みをする
  • 表情が硬い

話し方

  • 早口になる
  • 相手の話が終わらないうちに話し始める
  • 話が途中で終わる(「~なので」「~とか」などで終わり、結論まで言い切らない)
  • 「あー」「えーっと」「うーん」などが多い
  • 語尾を不自然に伸ばす(「なのでぇ」といった形で伸びる)
  • 「えっ?」と聞き返す(初対面の相手に対する敬意が感じられない)

そのほか

癖でありませんが、意識しにくいポイントも記載します。対面面接の場合は特に気をつけましょう。

  • 身だしなみに気を配っていないように見える(服装が乱れている、眼鏡が汚れているなど)
  • においが気になる人への配慮ができていない(汗、タバコ、直前に食べたもの、においが強い香水など)

緊張して癖にまで意識が回らなくなる場合の2つの対処法

キャリアアドバイザー 最近では、Web面接を自宅で受けているために、緊張感がなく緩んでしまい、無意識に癖が出てしまうケースも増えています。

Aさん 私はどちらかというと、面接の準備がしっかりできているか不安になり、だんだん自信もなくなってしまうことが多いです。

キャリアアドバイザー そうなんですね。でしたら、その場合の対処法を2つご紹介しましょう。
1つは、緊張に慣れること。緊張すると頭が真っ白になってしまう方は、面接回数をこなすことや、社会人と接する機会を増やすことをオススメします。

Aさん 場数を踏んで、緊張に慣れるということですね。

直前に緊張をほぐすための方法も以下の記事で紹介しています。
【専門医に聞く】前日~面接中でも簡単にできる緊張をほぐす方法
就活の面接、緊張した?先輩たちが緊張を和らげるためにしたこと、面接までにできることは?

キャリアアドバイザー もう1つの対処法は、自信を持って臨むために十分に準備をしておくことです。特に想定外の質問に準備ができておらず、動揺して癖が出てしまうという方は、どんな角度から聞かれてもいいように、「なぜ?」を繰り返して内省し、自己分析を深掘りしておきましょう。

それでも、面接ではすぐに答えられないこともあると思います。そういうときは、「その視点で考えたことがなかったので、今考えてもよろしいでしょうか?」「1分ほど考えるお時間を頂けますでしょうか?」などと伝えるようにしましょう。無言になったりするより印象が良くなりますし、焦ってとりあえず回答をすることもなく、落ち着いて考えられるようになります。

Aさん なるほど!覚えておきます。

キャリアアドバイザー 初めから緊張していて答えられるか心配な場合は、例えば面接前の自己紹介などで、「御社への志望度が特に高いため、大変緊張していますが、全力を出し切れるよう頑張ります」など、自分が緊張していることを先に宣言してしまう方法もあります。そうすれば、たとえ緊張から思わず無意識な仕草や話し方が出てしまっても「その仕草や話し方は日常的なものではなく、今日はたまたま緊張していて出てしまったのだろう」と受け取ってもらえると同時に、志望度の高さもアピールできます。

Aさん それを聞いて、気持ちが楽になりました!

キャリアアドバイザー 面接が通らないと誰もが不安になりますが、複数の内定をもらったとしても入社できるのは1社のみです。自分にとって納得のいく1社と出会えることが大切だと思います。もし落ち込んだときは、一人で悩まないでくださいね。誰かに話すことで解決の糸口が見つかることもありますから。

Aさん 私の場合は、キャリアアドバイザーさんに相談して良かったです。具体的な指摘やアドバイスを頂けて、いろいろな気づきがありました。

キャリアアドバイザー 良かったです!私もうれしいです。後になって就活を振り返り、「あの経験があって、今の自分がある!」と笑えるような転機になることを願っています。

Aさん ありがとうございます。頂いたアドバイスを参考に、これからも頑張ります。

以下の記事も参考にし、面接の準備を進めましょう。

社会人と接する最低限のマナー 社会人の心得編

【就活面接で準備しておくことは?】面接マナーとよく聞かれる質問を確認しておこう!

取材・文/笠井貞子


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※本記事は、リクナビ就職エージェントのキャリアアドバイザーが実際に就活生とやりとりした相談を参考に再構成しました。

記事作成日:2020年12月1日 記事更新日:2024年4月4日

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