「自分に向いている仕事」とは?向き・不向きがわからない場合の考え方と見つけ方

自分に向いている仕事がわからず、なかなか就活が進まないと悩んでいる人は少なくないようです。そもそも「向いている仕事」とは何なのか、そして向いている仕事に就くメリットや、向いている仕事を見つける方法などについて、リクナビ就職エージェントのキャリアアドバイザーに聞きました。

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そもそも「向いている仕事」とは?

「自分に向いている仕事」とは、自分の性格や価値観、持ち味、持っているスキルに合っていて、力を発揮しやすく成果も出しやすい仕事のことを指します。「向いている仕事」を選ぶと、早く仕事を覚えられ、成果も出しやすいなどのメリットがあります。

「やりたい仕事」と混同されることがありますが、「やりたい仕事」とは性格や価値観などに関係なく「自分が好きで、やってみたい」仕事のことであり、向いている仕事とは意味合いが異なります。

向いている仕事を選ぶメリット

就活では「やりたいこと」を軸に応募先企業を選ぶ人が少なくありませんが、入社後に活躍しやすいかどうかという視点で考えると、やりたいことよりも「向いている仕事」を軸に就活するのは一つの方法です。向いている仕事を選ぶと、主に次のようなメリットが考えられます。

早く仕事を覚えられ、独り立ちできる

向いている仕事は、自分の性格やスキルに合っているため、比較的短期間で仕事を覚えやすいというメリットがあります。同期の仲間たちよりも早く仕事を覚えることで、例えば一足先に現場に出て業務に携われるようになるなど、早期に独り立ちできる可能性もあるでしょう。

仕事の成果を出しやすい

自分に向いている仕事においては、自身の性格や持ち味、備わっているスキルなどを最大限に生かせるため、成果が出しやすいのが特徴です。早いうちから成果を上げられれば、上司からの覚えも良くなり、より責任ある仕事を任されるようになるかもしれません。

モチベーションが上がりやすくなる

成果を上げた結果、期待され仕事を任されるようになれば、自然に仕事が楽しくなり、どんどんやりがいも高まるでしょう。「もっと成果を上げるべく努力しよう」など、仕事に対するモチベーションも高まると思われます。その結果、向いている仕事が「好きな仕事、やり続けたい仕事」に変化することも考えられます。

「向いている仕事がわからない」場合の考え方

自分に向いている仕事が何かわからない…という場合は、以下のような方法を試してみるといいでしょう。

「できること・得意なこと」から考える

就活で自己分析を行う際には、Will(やりたいこと)、Can(できること・得意なこと)、Culture(企業風土や文化)、Must(大切なこと・ポリシー)の4つの観点で過去の経験や出来事を振り返ることをお勧めしていますが、その中の「Can=できること・得意なこと」に注目してみましょう。

これまでの経験を振り返り、周りの人よりもできたこと、得意だと感じたことを洗い出してみれば、もともと備わっているスキルが生かせる「向いている仕事」が見つけられる可能性があります。

周りに褒められたことを思い出し、ピックアップしてみるのも一つの方法です。「みんなをまとめるのがうまいね」「一つのことに集中する力があるね」など、自分では気づいていない「得意なこと」が見えてくるでしょう。

「熱中できること、楽しいと思えること」から考える

誰かに指示されなくても自分から熱中できたこと、楽しくて自然に頑張れたことも、自分に向いていることと言えます。

例えば、接客のアルバイトで、来店客とコミュニケーションを取って仲良くなることが楽しかった、大学の研究室で実験結果を検証し、新たな仮説を立てることに熱中していた、など。同じアルバイト、同じ研究をしていても、楽しさを覚えるポイントは人それぞれ異なります。自分なりのポイントをつかむことで、向いている仕事も見つけやすくなるでしょう。

周囲に「自分はどういう時に熱中しているか、楽しそうにしているか」と聞いてみるのも有効。自分では気づかない「熱中ポイント」に気づけるかもしれません。

「向いていない・やりたくないこと」から考える

向いていることがわからなければ、逆の発想で、「自分には向いていないと思うこと」「できればやりたくないこと」から考える方法もアリです。
例えば、「初対面の人と話すのが苦手なので、そういう機会が多い仕事は自分には向いていない」と思うのであれば、新規開拓の営業や人事採用担当などは向いていないのかもしれません。

そして、向いていないこと・苦手なことの裏を考えれば、向いている仕事が見えてきます。例えば、「初対面の人とのコミュニケーションは苦手だけれど、特定の人とじっくり関係性を築くことはできる」のであれば、それが向いている仕事のヒントになるでしょう。

そもそも「視野が狭い」という可能性も

「向いている仕事がわからない」という人の中には、先入観で物事を判断してしまっている人が実は少なくありません。

例えば、「自分はフットワークが軽い方ではなく、新しい顧客を足で開拓するのはきついから、営業の仕事は向いていない」などと決めつけてしまう人がいますが、営業の中には一人ひとりの顧客とじっくり関係性を築く営業もあれば、店舗内で来店客に営業活動を行うカウンター営業や、電話など非対面で見込み客を開拓するインサイドセールスなどさまざまな仕事があります。

先入観にとらわれず、業界研究や仕事研究を深めることで視野を広げてみましょう。その結果、向いていないと決めつけていた仕事が「実は向いているかも」に変わる可能性もあります。

自己分析で「自分を知る」のが、向いている仕事を見つける近道

前述した「できること・得意なこと」や「熱中できること」などは、自己分析を行うことで明らかにすることができます。

例えば、先に挙げた「Will、Can、Culture、Must」の4つの観点で過去の経験や出来事を振り返る方法や、幼少期から現在に至るまでの体験を振り返り、深掘りしていく「自分史」これまでのモチベーションの変化を曲線で示し、自身の感情の起伏を可視化する「モチベーショングラフ」などの方法があります。

自己分析は、向いている仕事とは何かを洗い出すだけでなく、これまでの経験を振り返り棚卸しすることで自身の価値観や志向などを明らかにすることができるため、就活の「軸」が明確になります。就活をスムーズに進めるためにも、就活の初めに自己分析を行うことをお勧めします。

「向いている仕事」を探し、納得の就職先を選んだ先輩の事例紹介

リクナビ就職エージェント経由で就職を決めた先輩の中で、自己分析などを経て「自分に向いている仕事」を見極め、希望に合った就職先を選ぶことができた事例をご紹介します。

事例1:向き不向きがわからないまま応募していたAさんの場合

自分がやりたいことも、向いていることもわからないまま就活を行っていたAさん(文系学部)。リクナビ就職エージェントのキャリアアドバイザーと共に、これまでの経験をじっくり振り返る中で、「飲食店のアルバイトで多くの来店客に対応するため、周りと役割分担し協力し合いながら業務効率化することに熱中していた」こと、「大学時代はスキルアップのために語学の勉強に励んでいた」ことに注目。チームで一丸となって取り組み、成果を上げる仕事、かつ入社後も継続的に学習してスキルアップができる仕事が向いているのではないかと気づき、その視点でさまざまな業界・職種を見る中で、チームで開発に臨むIT業界のSE職に照準を絞りました。

選考では、アルバイトのエピソードを具体的に挙げながら自身の強みをアピールし、無事に内定を獲得。自分が向いている仕事を明らかにする前は、「文系学部だし、SEなんて考えもしなかった」そうですが、「自己分析により自分の性格やスキルが生かせそうだと気づいたことで視野を広げることができた」とのことです。

事例2:「好きなこと」をベースに就活していたBさんの場合

ゲームが大好きで、「好きなことを仕事にしたい」とゲーム業界だけをターゲットにしていたBさん(理系学部)。あらゆるゲーム会社の企画、制作職に応募したものの、いずれも不採用となってしまいました。

なかなか視野を広げられずにいたBさんと共に、キャリアアドバイザーが「なぜゲーム業界がいいのか?」を深掘りしたところ、「より多くの人がプレーしているゲームの方が熱中できる」→「より多くの人が利用し、喜んだり楽しんだりしてもらえる製品に携われば、モチベーション高く取り組めそうだ」との思いにたどり着きました。

そこで、Bさんの性格に合っていると思われる「多くの人が利用する」「ユーザーのためになり、喜んでもらえる」という視点でさまざまな業界を調べ、応募先を拡大。最終的に、インフラ系システムを扱うIT系企業のエンジニア職に就職を決めました。

「ゲーム」と「インフラ」は真逆のように見えますが、多くのユーザーがいて、彼らの安全・安心を守るシステムを手掛けられることに、やりがいを感じることができたとのこと。「ゲーム以外考えられなかったが、向いていることに視点を切り替えた結果、最適な選択ができた」との声をもらっています。

事例3:大手企業ばかり応募し苦戦していたCさんの場合

「誰もが知っている企業がいいから」と競争の激しい大手企業、有名企業ばかりに応募し、苦戦していたCさん(文系学部)。なかなか就活が進まず、一からやり直すべくリクナビ就職エージェントに相談に来られました。

あらためてこれまでの経験を棚卸ししてみたところ、塾講師のアルバイトを通して生徒とじっくり関係性を築き、長く伴走し続けていることがわかりました。生徒一人ひとりの課題は何かを洗い出し、それに適した教材を自ら作成していることも判明。「関係性を築く力がある」「相手のメリットを考え長期間にわたり伴走し続ける力がある」と“できること・得意なこと”を洗い出しました。

その力が生かせそうな仕事を探す中で、仕事内容がわかりやすいBtoCだけでなく、BtoBの企業にも注目。最終的には、既存顧客と関係性を築きながら課題解決のために提案を行う、メーカーの営業職に就職が決まりました。

「自分が向いていることは何か」を明らかにする前は、まったく知らなかった業界でしたが、「できること」を軸に視野を広げた結果、自分の性格やスキルが発揮できそうな環境に出会うことができました。

それでも「向いている仕事」がわからない場合は就職エージェントに相談を

ご紹介したような方法を試しても、本当にこれが向いている仕事なのかわからない、自信が持てないという人もいることでしょう。そんなときは、ぜひ就職エージェントに相談してみてください。

リクナビ就職エージェントでは、専任のアドバイザーが就活全般をサポートします。共にこれまでの経験を振り返って自己分析を行い、できることや得意なことなどを洗い出して「向いている仕事」を見つけるお手伝いをします。もちろん、それを軸にした業界や仕事選び・企業選びのサポートも行っています。就活をスムーズに進め、納得のいく1社を選ぶためにも、就職エージェントを上手に活用するといいでしょう。


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プロフィール 中嶌稚恵(なかじま・ちえ)リクナビ就職エージェントのキャリアアドバイザー。2007年、株式会社リクルートに新卒入社。アルバイト情報の営業から、リクナビの企画職、大学渉外などを経て、企業向けリクルーティングアドバイザーを経験。2017年からはキャリアアドバイザーとして、年間350名以上の学生をサポートする。3児の母。

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