就活では、企業が同時期に採用活動を始めることが多く、スケジュール管理が大切になります。
複数社のスケジュールが同時に進行する中、先輩たちは何を使って、エントリーシート(ES)の締め切り、説明会や面接などのスケジュール管理をしていたのでしょう。手帳を使うなら、どんな視点でどんな機能を選べばいいのでしょう。今回は文具店の「手帳のプロ」のアドバイスも頂きました。
【先輩アンケート】就活のスケジュール管理は手帳派?アプリ派?
学校の講義やアルバイトであれば、時間割やバイトのシフトなどで、スケジュールは曜日で固定化している場合が多いと思われますが、就活ではエントリーの締め切りや面接の日程など企業によって違います。そこで、先輩たちは何を使ってスケジュール管理をしていたのか、調査しました。
■就活のスケジュール管理には、主に何を利用していましたか?(n=1321、単一回答)
社会人1~2年生、および2020年4月入社予定の先輩1321人へのアンケート結果によると、39.1%が「手帳のみ」を使用。手帳とアプリを「両方利用したが、主に手帳を利用した」18.4%と加えると、57.5%が手帳派でした。また「アプリのみ」や「両方利用したが、主にアプリを利用した」アプリ派は合計で25.7%。手帳派とアプリ派は約2:1の割合です。
なお、どちらも利用していなかった人も11.0%いました。
それぞれ、どんな理由で使っていたのかその理由を見てみましょう。
そのアイテムを利用してスケジュール管理していた理由
■手帳派の主な理由は?(n=982、複数回答)
「すぐに予定が書き込める」(63.9%)や、「予定全体を見渡しやすい」(58.3%)など、一覧性を手帳の良さと感じている人が多いようです。そのほか、以下のような声がありました。
- 電話に対応しながら、書き込んだり確認したりできる(社会人2年目/証券業界)
- いざというときに充電切れになったら、という心配がない(学生/食品業界内定)
- 手帳に書くことで覚えられる(社会人2年目/医療業界)
- 面接中など企業の人の前で確認するときも手帳ならすぐに出して開ける(社会人1年目/公務員)
■アプリ派の主な理由は?(n=659、複数回答)
「すぐに予定が書き込める」(31.6%)が1位である点は手帳と同じですが、アプリ派は、「荷物が少なくて済む」(24.8%)や「スケジュールのリマインドを設定できる」(.15.4%)を選んだ人が多くいました。そのほか、以下のような声がありました。
- アプリで合同企業説明会などに申し込むと、自動的にカレンダーに登録されるので便利(学生/インテリア業界内定)
- カレンダーに住所まで入れておけば、地図検索に飛ぶなど、各種のネットサービスと連携されている(学生/鉄道業界内定)
- いつも持ち歩いているので、家に忘れて出掛けてしまうということがない(社会人1年目/化学業界)
先輩たちが就活中に使っていた手帳で便利だと感じたのはどんな機能?
先輩たちの半数以上が主に使っていた手帳ですが、スケジュール管理以外ではどんな機能を便利だと感じていたのでしょう。
■就活で利用していた手帳で便利だと思った機能はありますか?(n=982、複数回答)
1位は「メモ」(69.7%)です。主な理由は以下の通りです。
- 説明会で聞いたことやその場で感じた疑問、アイデアなどを随時メモできる(学生/鉄鋼業界内定)
- エントリー企業の一覧など表や図形も自由に書き込める(学生/ソフトウェア業界内定)
- 企業の印象など思いついたことをメモしておき、次の面接前に見るなど、1冊でいろいろ見直せた(学生/不動産業界内定)
企業について気がついたことや、アイデアなどをすぐに書き留めることができるメモスペースはフルに活用ができ、便利なようです。
2位は「TODOリスト」(20.7%)です。
- エントリー数が多いと期限管理が難しいのでTODOリストにしていた(社会人1年目/銀行業界)
- 自分で書くことでやるべきことが整理でき、頭に入る(学生/信用金庫業界内定)
- タスクに優先順位がつけられる(学生/不動産業界内定)
TODOリストを書くことで、頭の中の整理に役立てた人が多いようです。
その他の機能として使われていたのは、「付箋」や「ペンホルダー」「クリアポケット」など。クリアポケットは「名刺入れを持っていないので、頂いた名刺をひとまず、手帳のポケットに入れるなら失礼にならないかなと思った」(学生/自動車業界内定)など、名刺入れ代わりに利用したという声もいくつか見られました。
手帳のプロが教える、手帳選びのコツ
多くの先輩が就活のスケジュール管理に利用していた手帳。どんなタイプがあるのでしょうか?銀座 伊東屋G. Itoya 4階手帳売場マネージャーの橋本たまきさんにオススメを聞きました。
プロフィール
銀座 伊東屋 G. Itoya 4階手帳売場マネージャー
橋本たまき(はしもと・たまき)
1995年、株式会社伊東屋に入社。現在は「銀座 伊東屋G. Itoya」4階手帳フロアで「手帳ソムリエ(※)」として活躍しながら、同フロアのマネージャーを務めている。
※お客様の要望に応え手帳選びを手助けすることから、本・雑誌などを通じて命名されたもの
サイズはA5サイズかB6サイズ、ビジネスシーンを意識したシックなカラーがオススメ
――手帳のサイズにオススメはありますか?
コンパクトさを追求するよりも書きやすさを重視して、A5(148mm×210mm)サイズやB6(128mm×182mm)サイズがいいでしょう。ある程度大きさがあった方が、電話をしながらメモを取るときなども安定感がありますよ。
――なるほど、実際、先輩たちのアンケートでも使った手帳サイズの1位はA6サイズが約半数を占めていました。
――表紙の色や柄はいかがでしょうか?と迷うところです。
ビジネスシーンですと、色は、黒やネイビー、ブラウンといったシックなカラーが好まれています。実際に売り場にもビジネスシーンを意識して明るすぎない色合いで展開している商品もあります。一方で、最近はピンクやオレンジなどを使うことに抵抗がなくなってきているようなので、最低限キャラクターが入った柄ものは避けるとしても、気分が上がるお気に入りの色を選んでみてもよいのではと思います。
――肝心のスケジュール部分は、どんなものがあるのでしょう。
スケジュール部分にオススメのフォーマットには、主に3つのタイプがあります。
- 見開き1カ月ブロック式は、1カ月の予定を一度に見渡せて、前月や翌月など前後の予定を見比べやすい良さがあります。
- 見開き1週間片面は、左ページが1週間のスケジュールで、右ページがノートになっている手帳。フリーに書き込めるスペースが広い点が特徴です。
- 見開き1週間縦型(バーチカル式)は、1週間を縦に割っているもの。1日ごとに時間が入っているので、1週間の予定を時間単位で管理しやすい点が特徴です。
一度に膨大なスケジュールを管理しなくてはならない就活生の皆さんの手帳選びにとって重要な要素である、全体を一覧しやすい、見比べやすい、時間管理を可視化しやすい点を重視して、今回は、見開き1カ月ブロック式と見開き1週間縦型(バーチカル式)のスケジュールがついたオススメ手帳、4点をご紹介します。
真四角がかわいい「クオバディス エグゼクティブノート」
見開き1週間縦型(バーチカル式)を広めた第一人者と言われているクオバディス。半世紀以上も愛用されているフランス生まれのブランドです。手帳の形は、縦に長いブックタイプが一般的。見開き1週間縦型(バーチカル式)の場合、両面にわたり週の予定を見渡せるようになっています。しかし、この手帳は正方形なので、同じ大きさのものよりも余裕があり、平日の予定を片面だけで見渡すことができる仕様になっているのが特徴です。また、休日の予定を書くもう片面にはたっぷりとしたメモスペースもあります。
クオバディス エグゼクティブノート/クラブ
Quo Vadis Executive Notes
サイズ:約160mm×160mm
色:レッド、マロングラッセ、グレーなど全13色
価格:3900円+税
予定だけでなく、日々の記録を残せる「コクヨ ジブン手帳Biz」
1日を24時間のタイムテーブルに分けている見開き1週間縦型(バーチカル式)のフォーマット。落ち着いた色使いでビジネスシーンにも使いやすい手帳。カバーの表紙、裏表紙には多機能なポケットもついています。会社説明会や面接でもらった名刺が入るため重宝しそうです。週間スケジュール部分にはTODOリストや食事記録の欄もあるので、予定だけでなく日々のログとしても有効です。
コクヨ ジブン手帳Biz 2020
サイズ:A5スリム(217mm×138mm)
色:マットブラック、マットネイビー、マットレッドの全3色
価格:3200円+税
見開き2カ月で予定を見られる「CITTA」のダイアリー
月間ブロックは見開きで1カ月になっているものが一般的ですが、こちらは先の見通しやすさを重視して、見開き2カ月の月間ブロックになっています。翌月のスケジュールもひと目で把握できる手帳なので、膨大なスケジュールでも予定が抜け落ちる心配がぐんと減ります。1日を24時間に分けている見開き1週間縦型(バーチカル式)のフォーマットもついており、メモスペースやノートスペースは、図や表も書き込みやすい方眼です。
CITTA手帳2020年 10月始まり
サイズ:A5(約215mm×155mm)
色:ピュアホワイト、インディゴネイビー、ホーリーマゼンタ、ミモザイエロー、トラディッショナルブラックの全5色
価格:3,500円+税
ガントチャート付きカラフルな「伊東屋 カラーチャート クロスカバーダイアリー」
月ごとに色が変わるカラフルな週間バーチカル。自由に使えるメモ欄が大きく、表紙に色鮮やかなヨーロピアンクロスを使ったハードカバーなので、会社説明会のときなど立ったままでも書きやすい。長期の予定管理をしやすい3カ月単位のガントチャート(※)付き。見開き1カ月月間ブロック式と見開き1週間縦型(バーチカル式)のフォーマットがどちらもすぐに開けるよう、2本のしおりがついています。
(※)ガントチャート…横軸に日付が並び、項目欄にプロジェクト名などを入れて数日にわたる予定や工程を記入できる表。
例えば、縦軸に企業名を書き、エントリー期間、提出締め切りなどを書き込むと、同時期に重なっている予定や課題がひと目でわかる。
伊東屋 カラーチャート クロスカバーダイアリーA5 バーチカル
サイズ:約216mm×154mm
色:サンセットオレンジ、アッシュグレー、ネイビーブルーなど全8色
価格:2100円+税
今回ご紹介したのは4つの手帳ですが、自由な書き込みをたくさんしたい人にはフリースペースが多い手帳や、別売りのメモを挟みこめるタイプなどさまざまあります。また、目に優しいクリーム色の紙の手帳も登場してきているので、「真っ白な紙は書きにくい」と感じる方にはオススメです。
手帳は書くことが目的ではなく、いいことが起きるように、これからの時間を整えるために使うもの。何を買うか迷ったら、売り場の人にオススメを聞いてみるのも手です。
どうしても迷ってしまったときは、ぜひ相談にいらしてください。上手にスケジュールを管理して、自分らしく就活ができるよう応援しています!
【調査概要】
調査期間:2019年9月27日~9月30日
調査サンプル:就職活動を経験したことがある1~2年目の社会人、大学生、大学院生、専門学校生、短大生の就職内定者1321人
調査協力:株式会社クロスマーケティング
取材・文/中城邦子
撮影/鈴木慶子
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