就活生を困らせる、親・家族の的外れに感じるアドバイス<3つのパターンと対処法>

悩んでいる就活生

就活がスタートすると、良かれと思って親や家族がアドバイスをしてくることも…。しかしあなたにとって的外れな内容にモヤモヤしたり、意見の食い違いから悩んでいる就活生も多いのでは? 今回は就活支援のプロ「リクナビ就職エージェント」のキャリアアドバイザーに聞いた、実際に就活生を悩ませた親や家族のアドバイス例をパターン分け、それぞれ対処法や会話の心構えを紹介していきます。

プロフィール

川原梨紗(かわはら・りさ)

リクナビ就職エージェント*・キャリアアドバイザー。就職希望の学生の就職相談や企業の紹介など就活支援を担当。理系大学生・大学院生を担当するチームのリーダー。

就活生を悩ませる親・家族への対処法

今回は、まず就活生からアドバイザーが相談を受けたことがある内容をベースに、親や家族からのアドバイスを3つのパターンで紹介します。

1. あなたの希望業界や企業に、理由なくNGを出してくる場合

(例)
「ベンチャー企業なんて将来がわからないから、やめておきなさい」
「その会社って『ブラック企業』なんじゃない?」 など

対処法:NGだと思っている理由を聞いて、業界、企業の実態を調べた上で説明する

興味を持った業界や企業のことを話して、こう言われたらムッとしますよね。そこで「何もわかっていない!」と腹を立てて終わりにするのではなく、「NG理由」をしっかりと聞いてみましょう。家族があなたを思ってアドバイスをしたからといって、あなたが興味を持った業界や企業の現状について詳しく知っているとは限りません。もしかすると、先入観や決めつけが根拠ということもあります。

まずは、「なんでダメだと思っているの?」と聞き、相手が根拠としている点を確認しましょう。納得いかなければ、相手の言うことが真実なのか調べてみる。例のような場合には、あなたが実際に志望する企業の業績や労働時間などのデータを調べてみましょう。そして、調べた結果を基に「この業界や企業はそんなことないよ」と説明してみてください。「きちんと考えて就活しているんだね」と納得してくれると思います。
逆に相手の言う通り就労環境が良くないと思われるデータに当たったら、OB・OG訪問をして現場の社員に実際の様子を聞いたり、「この企業で本当にいいのかな」とあらためて考えたりしてみるとよいでしょう。

また、内々定が出た後に親御さんや家族から「その企業はダメ!」と言われたというケースについて相談を受けることも増えてきています。そういう場合は、ダメな理由を聞いた上で、内々定先の人事担当者に相談してみるのも一つの手です。説得材料になるデータを提供してくれる場合もあります。

2. 企業や仕事に対する考え方が、今の時代に合わない場合

(例)
「大手企業に行っておけば一生安泰!」
「女の子だったら、事務職がいいでしょ」 など

対処法:「そうなのかな…」と納得する前に、今の就活事情や市況を調べてみる

苦労なく生きてほしいと願う気持ちから、こんなことを言ってしまう親御さんや家族もいるでしょう。就活生としても大手企業や事務職は安心だろうと思い、納得してしまうかもしれません。でもこの助言、かつては就活の成功モデルだったかもしれませんが、志望企業を選ぶ視野を狭めて、あなたの就活を苦しめる場合もあります。

例えば、2018年卒の求人倍率を従業員規模別で見てみると、「300人未満」の中小企業が6.45倍であったのに対し、「5000人以上」の大手企業は0.39倍です。倍率が低いということは、残念ながら選考に通る確率も低いということ。大手企業の選考のみ受けていると、就活に苦戦してしまう可能性があるのです。また、以前は一度入社すれば定年まで勤め上げ、長く安泰だと思われていた大手企業でも、変化の激しい今の時代では、業績が低迷したり、最悪倒産してしまうというケースもゼロとは言えません。

また、事務職に限らず、一部の職種では技術の進化で人手が必要な業務が減っているほか、最近では特定の職種が担う業務を丸ごと外部に委託するようなケースも増えています。職種にこだわりすぎてしまうと、就活のときだけでなく、先々も厳しい現実に直面するかもしれません。

将来、内定した企業に入って働くのはあなた自身。就活事情や市況は刻々と変わっています。親御さんや家族のアドバイスは一つの意見にとどめ、視野を狭めず、冷静に企業の現状や将来性を見た上で「自分にはどんな仕事が合うのだろう」と考えてみてください。

3. あなたに『こうなってほしい』という願望がある場合

(例)
「就職するときは、地元に帰ってきなさい」
「家業を継いでほしい」
「一族みんな公務員だから、あなたもそうなんじゃないの?」 など

対処法:就活を始める前に、親や家族に将来について話しておこう

例では、「当然地元に帰ってくると思っていた」「家族と同じ職業を選ぶと思っていた」と、親御さんや家族が思い込んでいる場合が多いようです。就活を進めている中でこんなふうに言われてしまったら、悩んでしまいますよね。

「親御さんや家族の願望」に心当たりのある就活生は、早めに将来の話をしてみましょう。あなたが考えている卒業後の進路について、親御さんや家族が思い描いていた姿と食い違いがないか確認しておくだけでもよいと思います。普段あまり家族と話さない、就活のことなんて話したくないと思っていても、こうした認識のズレは後になればなるほど解決に時間がかかったり、時期的に軌道修正しようとしても取り返しがつかなくなったりする可能性があります。

会話に挙げた当初は、意見が違っていたとしても「地元以外で働いて、自立した生活を送りたい」「家業以外にもやりたい仕事が見つかった」「公務員じゃなくて、民間企業で幅広いキャリアを身につけたい」とあなたが社会人としてなりたい姿・やりたいことをはっきり伝えることで、卒業後の進路をきちんと考えていることが伝わり、応援してくれるかもしれません。卒業後の進路で気になることがある場合には、いきなり就活の話をしなくても、まずは「人生相談」としてアドバイスをもらいにいくような気持ちで、早めに相談できるとよいでしょう。

就活中に親・家族と会話するときの心構え

ここまで、就活生を悩ませる親・家族からのアドバイスへの対処法をお話ししてきました。就活生からするとただ的外れに感じてしまう家族のアドバイスもあるようですが、すべてはあなたを心配してのこと。面倒くさいからと無視して、卒業後の進路が確定してから話すのではなく、アドバイスを受けたときに、話を聞いて会話することで、のちの食い違いに対する負担も減ります。最後に、実際に会話しようと思ったときの心構えについて聞きました。

まずは一度、相手の気持ちを受け止める

あなたの希望を話してみて、親御さんや家族からアドバイスに納得がいかなくても、まずは一度「心配してくれてありがとう」と気持ちを受け止めたことを伝えましょう。内心イラッとしていても、最初にこれを伝えておくと、その後の話を聞く相手の心持ちが変わり、円滑に会話ができると思います。

親や家族のアドバイスをきっかけに自分がやりたいことをあらためて考える

あなたの考えと合わないと感じたら、そのモヤモヤをさまざまな視点で考えてみましょう。的外れに感じてしまったアドバイスでも、自分では気にしていなかった観点に気づいたり、業界・企業研究や自己分析を深めるきっかけになることもあります。

一回立ち止まって考えた結果を、親御さんや家族に話すことで「将来のことをちゃんと考えているんだな」と覚悟を伝えることもできるでしょう。

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取材・文/就職ジャーナル編集部

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