【2020年】今年の就活にはまだまだチャンスあり。行動しないのは「当たりくじ」を捨てているのと同じこと!?

「コロナ禍の真っただ中で就活なんて、運が悪い…」。就活生の皆さんからは、そんな嘆きの声が聞こえてきます。

リクルートワークス研究所「大卒求人倍率調査によると、2021年3月卒業予定の大卒・大学院卒求人倍率は1.53倍と、1.83倍だった昨年よりも0.3ポイントも低下しています。確かに今年は門戸がやや狭まっていると言えるでしょう。

そしてもう10月。就活生の一部には、早くも就職浪人を相談する例も出てきているという話も聞こえてきます。

しかし、「就活」「キャリア」の専門家である雇用ジャーナリスト・海老原嗣生さんは、「今、あきらめるのはもったいない!まだまだチャンスはある!」と強く訴えます。

なぜまだまだチャンスがあると言えるのか、厳しい環境の中、自身の「夢」「理想」とどう向き合えばいいのか。長期的なキャリア形成のためにどう行動すればいいのか、をテーマに海老原さんに語っていただきました。

雇用ジャーナリスト 海老原嗣生さん写真プロフィール海老原嗣生(えびはら・つぐお)

雇用ジャーナリスト、経済産業研究所コア研究員、人材・経営誌『HRmics』編集長、ニッチモ代表取締役、リクルートキャリア社フェロー(特別研究員)。 大手メーカーを経て、リクルート人材センター(リクルートエージェント→リクルートキャリアに社名変更)入社。新規事業の企画・推進、人事制度設計などに携わる。その後、リクルートワークス研究所にて人材マネジメント雑誌『Works』編集長に。2008年、人事コンサルティング会社「ニッチモ」を立ち上げる。『「AIで仕事がなくなる」論のウソ』(イースト・プレス)のほか『面接の10分前、1日前、1週間前にやるべきこと』(小学館文庫)、『女子のキャリア』(ちくまプリマー新書)など著書多数。 HumanCapitaiONLINEにて、『人事の組み立て~脱日本型雇用のトリセツ~』を連載中(2020年10月時点)

10月に内定がなくてもあきらめなくていい。半数近くの企業が、10月以降も採用活動を継続中

10月に入ってもまだ志望する業界や企業から内定を得られていない人は「コロナ禍で先の見通しも立たない。今年はもうあきらめた方がいいのだろうか」と不安に思っているかもしれません。

確かにすでに採用門戸を閉じている企業もありますが、実はまだまだチャンスはあるのです。

リクルートキャリア・就職みらい研究所の調査によると、9月で新卒採用活動を終了する企業は、昨年(2020年卒)で66.2パーセント。コロナの影響で採用活動が遅れている今年は、55.1パーセントと見立てています。つまり10月以降も多くの企業が新卒採用活動を継続するのです。

■【採用活動の終了時期(類計)】

2021年度と2022年度の時期別内定取得率の推移

(リクルートキャリア『採用活動中間調査2021卒』/『採用活動中間調査2020年卒』)※当該卒年採用実施企業/単一回答

「でも、私は志望企業にどうしても入りたいから、今年は就活をやめ、留年して再チャレンジする」という気持ちが湧いてくる人もいるでしょう。その気持ちはよくわかるのですが、私はそれをお勧めしません。それには理由があります。まず、来年に志望企業から内定をもらえる確証などありません。さらに、あなたが「いい」と思っている企業も、それは外から見てそう思っているだけであり、実際に働いてみたら、実情は異なることが多々あるからです。就活はここが難しいのですね。

私が長く就活を見てきた中で言えることは、「会社は働いてみないとわからない、だからチャンスは前向きにとらえた方が良い」ということです。行動しないまま、1年留年するよりも、社会に出て働くことで新たな能力や自信がつき、人間としても成長できた先輩たちを多々見てきました。「全然知らない企業だったけど、入ってみたら良かった」という話も少なくありません。

「え~?でも、日本だとなかなか転職はできないから、新卒の時にしっかり選ばないと…」、今度はそんな悩みの声が聞こえてきそうですね。その点についても誤解があります。日本は25歳くらいまでに再チャレンジする機会がけっこうある国なのです。

今から13年も前に、「若者はなぜ3年で辞めるのか」本が売れました。そのころにはすでに、若年者の転職が日本でも広く認知されていました。ただ実際はもっとずっと昔から、若年で転職する人の割合はかなり高かったのです。厚生労働省が大卒就職者の定着状況の調査を始めたのが1980年代後半ですが、当初から入社3年離職率はおおよそ30パーセントでした。これは今と変わりません。なにも最近の話ではありません。労働経済学の小池和男先生や労働法の藤田若雄先生(いずれも故人)の研究では、1950年代からすでにそうした傾向が指摘されています。つまり、新卒で就職した企業を辞めても、若い時分であれば、再チャレンジするチャンスは結構あるのです。

転職をするとしても、若年者だとはいえ、やはり社会人として働いた実績があります。学んだ知識やマナー、そして業績などを、応募企業で話すことができるでしょう。新卒就職であれば、そうしたものはないから、面接と書類で評価されてしまいます。それよりはだいぶ気分は楽なはずです。実際にやってきたことを=自分の経験を、話すことができるからです。

いやいや、再チャレンジの話ばかりしてしまいましたが、決して転職を勧めているわけではありません。それは本意ではありません。それよりも、入ってみたらいい企業で満足している、というケースが多々あるのです。そのことを伝えたいのです。ですから、まずはそういう企業に出会えるよう、前向きに就活をぜひ続けてみてください。あなたが、あなたらしさをしっかり見せて、それでも「来てほしい」という企業があったら、知名度や規模でどうこう言うのはやめて、その企業に飛び込んでみる。あなたらしさを愛してくれる企業なのだから、あなた自身にとっても、きっとその会社は居心地が良いはずです。

一生懸命前向きに頑張って、あとは縁があった企業に飛び込んでいくーーそれが就活中盤戦を乗り切るポイントでしょう。

ちなみに、保護者や家族から「そんな名も知れない企業はやめておけ」と強く言われている学生さんも少なくないようですね。ベンチャー企業や中堅・中小企業、大手でもBtoBの無名企業などだと「親から反対される」との声をとてもよく聞きます。

でもね、親ってけっこう勝手なんですよ。3月31日までは「大手・有名」と言っていたのに、それでいて、4月1日になって仕事が決まらず家にいると、「どこでもいいから就職してくれ」と急に手のひらを返すのを多々見てきました。家族のアドバイスとて、永続的なものではありません。そういう面もあることを理解しておきましょう。そうすれば、周囲の意見に惑わされず、自分の意思で行動できると思います。

前を向く女子就活生

機会を受け入れることで、夢は「代謝」されていく

「計画的偶発性理論(プランド・ハップンスタンス・セオリー)』というキャリア論があります。これはスタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授が提唱した理論です。

「キャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される」――クランボルツ教授は、そう論じています。

偶然の出会いを前向きに受け止めることで、新たな発見があり、変化が生まれる。そうした偶然を意図的に増やしたり、設計したりすることで、良いキャリア構築につながっていく、という考え方です。

皆さんのこれまでの経験を振り返ってみてください。小学校時代、中学校時代、高校時代、大学時代と、興味・関心の対象はずっと同じだったでしょうか。いろいろな人と出会う中で、「これ面白いよ」「これ、一緒にやらない?」と、誰かから影響を受けて好きなものが変わっていった、思いがけず夢中になった、ということがあったはずです。

そんな偶然の出会いが訪れたとき、「やってみよう」と踏み出したことで、「意外と自分に向いていた」「才能があった」という発見があったのではないでしょうか。

そんなふうに興味の対象が変わっていくように、目標や夢はどんどん変わっていくものです。そしてそれらの夢は流れていくものではなく、積み重なっていきます。

例えば、中学時代は野球に打ち込んで甲子園を目指していたけれど、高校からはテニスに夢中になることもあるでしょう。テニスに移っても、野球で鍛えた筋肉はなくならず、テニスに生かせる。野球で頑張った分だけ、テニスに生かせるものは多くなります。

つまり、過去の経験は必ず役立つから、偶然の出会いや巡ってきた機会を利用して多くの行動をしておいた方がいい

今持っている夢がかなわなかったとしても、行動を続けていれば、いずれ「かなう夢」が見つかります

行動しないのは、「当たりくじ」を捨てているのと同じこと

偶然与えられた機会の中には、「当たりくじ」があります。機会の一つひとつに真剣に取り組んでいれば、自分の能力を生かせるものが見つかる。「この仕事しかやりたくない」というスタンスでいるのは、当たりくじを捨ててしまっているようなものですね。当たりくじを引くことで、次の夢につながっていきます。こうして、夢は「代謝」させていくことができるんです。

今、就活をしていて「夢をかなえられそうにない」と落ち込んでいる人は、「夢が変わるのはいいことだ」と気づいてほしいと思います。まだ自分が知らない夢が、そこかしこにあるのですから。

夢というのは、人生折々の“旬”のようなものです。通りすぎてしまっても、それは良い思い出。夢に向けて熱中して取り組んだことで、なんらかの蓄積ができています。

旬に応じてそれぞれの花が咲けば、彩り豊かな人生を送ることができるでしょう。

夢の種」を手に入れ、咲かせるために必要な5つの要素

では、「夢の種」を手に入れるために、そしてそれを咲かせるために、どう行動していけばいいのでしょうか。

「種」というのは、「機会」と同義だと思ってもらっていいです。クランボルツ教授は重要な要素を5つ挙げています。

1.好奇心……新しいことに興味・関心を持つ

2.持続性……飽きずに続け、納得いくまでやってみる

3.柔軟性……他人の意見や新たな視点を受け入れ続ける

4.楽観性……くよくよしすぎない。多少の不満・不安は受け流す

5.冒険心……失敗を恐れず、新たな領域へ踏み出す

第一の条件は「好奇心」。新しいことに興味や関心を持たなければ、新しい出会いは巡ってきません。好奇心を絶やさないようにしましょう。

ただし、好奇心ばかりに走ると、すべてが中途半端なつまみ食いに終わってしまいます。そこで「持続性」が必要となります。

種=機会を拾ったら、しっかり水をやり、肥やしを与え、花を咲かせることを目指してください。

しかし、そこで花咲いて、「自分はできる」と思うようになると、人の話を聞かなくなってしまうことがあります。そうすると新たな出会いもなくなり、進化のチャンスを失ってしまいます。だから、新しいことを受け入れる「柔軟性」も大切です。

例えば、就職した会社で成果を出し、自信を付けたところで、未知の部門・職種への異動を命じられるのはよくあること。そんな場面でも、好奇心と柔軟性を持って、いったん受け入れてみる。与えられた機会には、自分の能力を生かせる部分が含まれているはずですから、その機会を生かしていきましょう。

好奇心を持ったとしても、「失敗するのが怖いからやらない」という人もいますね。でも、面白そうだと思ったら「やってみよう」と踏み出してください。つまり「冒険心」を持つということ。

そして前向きに取り組んで、頑張って持続して、それでも花が咲かなければ「次行ってみよう」でいいのです。

だから「楽観性」も必要なんです。チャレンジすれば、困難にも遭遇します。多少の不満や不安を受け流すためにも、「これがダメなら次がある」という楽観性も持っておきたいものですね。

この5つの要素を順番に並べるとしたら、以下のようになると思います。

好奇心(面白い)

冒険心(やってみよう)

楽観心(大丈夫)

持続心(納得いくまで)

柔軟心(てんぐにならない) 

このサイクルで進んでいけば、人生にいくつもの花を咲かせられます。

特に大切なのは「持続性」。新しい夢ができたとき、それを持続させてしっかりやり切らなければ、その夢は「消化」できません。

一生懸命取り組めば、必ず成長します。それが次の夢の礎になります

のキャリアプランに固執しない。変化を受け入れればチャンスは巡ってくる

この「夢の代謝」サイクルにしっかりと乗った人は、次の夢に向かえるし、どこかで成功にたどり着けるでしょう。

就活の面接マニュアルなどには、「『10年後、20年後のキャリアプランは?』という質問に答えられるようにしておきましょう」と書かれていたりします。自分の未来を想像しながらキャリアプランを描いた人も少なくないでしょう。そのこと自体は、悪いことではありません。けれども、繰り返し言いますが、キャリアプランを明確に描いたとしても人の夢は変わっていくものなのです。

その変化に対してオープンでいることでチャンスは巡ってきます。そのチャンスを生かせるように、目の前の機会を前向きに捉え、真剣に取り組んでいってほしいと思います。

取材・文/青木典子


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