履歴書・ESの「趣味・特技」に書くことがなくても悩まなくてイイ理由と書き方のポイント

多くの履歴書やエントリーシートにある「趣味・特技」欄。「これといった趣味も特技もないし、何を書こう…?」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。でも、そんなに悩む必要はありません、と話すのは人事コンサルタントの西村武士さん。西村さんから、「趣味・特技」欄に悩む就活生にむけて、書き方のアドバイスをいただきました。企業が「趣味・特技」欄をどのように見ているのかも教えていただきます。

西村武士さんプロフィールカット実践型就活&キャリアデザインゼミナールReaL代表
西村武士(にしむら・たけし)さん

実践型就活&キャリアデザインゼミナールReaL代表。都内カーディーラーでトップセールスとして活躍したのち、大手人材紹介企業、コンサルティングファームでの採用統括マネージャーを経て2012年より独立。大手からベンチャーまで幅広い企業規模の採用コンサルティングや、企業研修の企画実施に従事。スポーツ選手のキャリア研修も手掛ける。また、「全国就活学外ゼミ」である、実践型就活&キャリアデザインゼミナールReaLは15年間で1030名の卒業生を輩出し、現在も全国8拠点で大学生が主体的に活動中。

「趣味・特技」欄は面接のアイスブレークの材料になることが多い

趣味・特技の中身より、そこから透けて見える「あなたの人となり」に注目している

そもそも、企業は、趣味・特技欄をどのように評価しているのでしょう。
西村さんは、「企業にとって『趣味・特技』欄は面接の冒頭のアイスブレークの材料、という位置づけも大きい」と話します。特に現場の社員や採用担当としての経験が浅い社員が面接担当者の場合は、面接担当者自身も緊張しています。最初からいきなり志望動機や自己PRなどの本題に入るのではなく、「とりあえず趣味の話から聞いてお互いの緊張をほぐそう」と話題にすることが少なからずあるのです。

ですから「なにかかっこいいことを書かなくては」と背伸びして誇張した内容を書くより、面接官にリラックスして楽しく説明できるような、本当に好きなこと、得意なことを書くのがオススメです。自分が熱中していたりのめり込んでいるものがあれば、例えばオンラインゲームだってラーメンの食べ歩きだって、趣味として書いてもかまいません。もしかしたら面接官も同じ趣味で、話が盛り上がることもあるかもしれません。

ただし、いくら話が盛り上がったとしても、忘れてはいけないのは、企業は趣味・特技の話を通じて「あなたはどんな人か」を知ろうとしているということ。自慢話を延々と続けたり、話題が脱線しすぎたりしては、マイナスな印象を与えかねません。

「趣味・特技」と指定されている場合、「趣味」だけを書いてOK

よくある誤解の1つに「1つの欄に『趣味・特技』を記入するよう指定されている場合、趣味と特技の両方を書かなければいけない」があります。この場合、その必要はなく、「どちらか1つを書けばよい」と解釈して問題ありません。書ける方を詳しく書きましょう。

これといった「趣味・特技」がない場合はどうすれば?

「趣味」は「これまでの自分の行動」または「興味」から考えよう

趣味・特技欄はアイスブレークのためという要素が大きいとわかると、記入のハードルは少し下がったことと思います。それでも、なかには「履歴書に書けるような趣味はない」「趣味も特技も思いつかない」「熱中しているものなんてない」という人もいるかもしれません。もし、どうしても思いつかないけれど、何か書きたい」という場合に、趣味・特技を見つける方法を紹介しますので、試してみてください。

趣味の見つけ方の1つ目は、これまでの自分の行動や経験を振り返ってみること。これまで自分がかかわってきた人たちと、どんな所に行って何をすることが多かっただろうか、どんな時に楽しかっただろうか、と振り返り、その中で回数の多かったものから何か言えることがないか考えてみましょう。

例えば「同じクラスだった田中とよくどっちかの家で遊んでたな。楽しかったよな」→「その時、何してたっけ?」→「タコパしながら話をしたり、対戦ゲームをしたりすることが多かったな」となれば、「たこ焼きパーティー」「ゲーム」などが趣味の候補として挙がってくると思います。おいしい焼き方や具の工夫を追究した話などでもよいでしょう。

趣味の見つけ方の2つ目は、自分の「興味」にフォーカスして考えてみる方法です。これまで興味を持ったことや、今興味を持っていることは何か、と考えましょう。例えば、今興味を持って受けている授業があれば、その分野について調べることを趣味としてもいいでしょうし、暮らしている地域で地元のイベント等によく参加するなら、「地域おこし」や、「地元の地名の由来調べ」などと結び付けてもいいと思います。

「特技」が書けないときは「長所」から考えよう

特技は、これまで自分が取り組んできたことのうち「技術」や「技能」に当たるものが該当しますので、「書けるものがない」という人がいて当然だと思います。「趣味・特技」と記入欄がひとまとめになっている場合は、特技には触れず、趣味だけを書いても構いません。

もし趣味欄と特技欄が分かれていて、かつ、特技欄に書くことがない場合は、技術や技能とまではいかなくても、「長所」に通ずるものがないか考えてみましょう。例えば、「言われたことは確実にこなす」「遅刻をしない」なども、十分に特技になります。せっかく記入欄があるので、できればなにか記入して、自分を知ってもらう糸口を増やしたいですね。

履歴書の「趣味・特技欄」を書いている様子

「趣味・特技」で自分らしさをもう一段、アピールしたいなら?

ポイント1:できるだけ数字や固有名詞を入れて具体的に

せっかく書くなら、趣味・特技欄にちょっとでも気の利いたことを盛り込んで、うまく自己PRにつなげたいと考える人もいることと思います。そういう場合に、いくつか有効なポイントがありますので、ご紹介しましょう。

まず、実際に書くときには、数字や固有名詞を示して具体的に書きます。具体的であればあるほど、自分の個性が伝えやすくなりますし、相手もあなたに質問がしやすくなります。面接官は面接を通じて学生の特徴や人となりを把握したいと思っているケースが多いので、趣味・特技でも自分のことが伝わるように書くのも一つの方法です。その人なりの考えやこだわりが伝わる内容であればあるほど、企業はあなたを知ることができます。

例えば、「野球観戦」「映画鑑賞」なども、「野球観戦:ヤクルト戦を中心に年間15試合観戦。ビジターゲームも年間2〜3試合観戦」「映画鑑賞:邦画を中心に。好きな作品は『君の名は。』」などと書けば、相手も質問がしやすくなりますよね。とにかく、できるだけ具体的に書くことをオススメします。

特技の場合も同様です。「遅刻しない」であれば、「中高6年間無遅刻・無欠席。大学の講義にも遅れたことがありません」「スケジュールはアプリで管理して10分前にリマインド設定しています。約束の時間に遅れることはまずありません」などと根拠や工夫していることを具体的に記入することで、心がけやこだわりを伝えることができます。

ただし、あまりにやりすぎると趣味・特技というよりも必死の自己PRだと受け取られ、余裕がない印象を与える懸念もあります。あくまでも趣味・特技の話であることを念頭に入れつつ、自然に伝えたいところです。

ポイント2:文章ではなく箇条書きで。読みやすさを最優先する

もう一つ、書くときの注意点は、「文章でだらだらと書くのではなく、箇条書きでわかりやすく書くこと」です。面接の際、担当者が最初の会話の糸口を探すためにまず見る箇所ですし、記入欄もさほど大きくありませんから、読みやすさを重視しましょう。

面接に向けて、「趣味・特技」で準備しておきたいことは?

「なぜその趣味(特技)なのか?」など、背景・理由を答えられるようにしておこう

「これといった趣味・特技がない」「書けるような趣味・特技がない」という状態から、趣味か特技を見つけ出して履歴書に記入できたら、次は、面接に向けた準備をしましょう。

面接の場では、その趣味や特技について多様な観点からの質問が想定されます。
たとえば「映画鑑賞」なら、好きなジャンルや監督、俳優を尋ねられることもあるでしょうし、「好きな作品は」「なぜその作品なのか」「どの俳優・シーンが印象に残っているか」「好きになったきっかけは」など、考えられる質問は無数にあります。先にお伝えしたアドバイスをもとに、多少具体的に書いているとはいえ、それでも質問の角度は無限にあるでしょう。すべてに準備することはできませんが、自分なりに想定質問を作って、ある程度、答えられるようにしておくとよいでしょう。実際に声を出して、他人に向かって話してみる練習をしておくことをオススメします。文章に書いて丸暗記するといった方法では、用意した内容しか話せませんし、不自然な会話になりかねません。自分の言葉で伝えられるようにしておきましょう。

すべての面接官に万人受けする趣味や特技はないけれど…

ところで、万人受け、とまではいかなくても、比較的話が盛り上がりやすい趣味・特技のテーマ例はあるのでしょうか。
この質問に正解はありませんが、しいていうなら、どんな面接も基本はコミュニケーションだと考えると、できれば相手が質問しやすい趣味・特技を選ぶのがいいでしょう。

面接担当者によっては、特定の趣味に対して良い印象を持たない可能性もゼロとは言い切れません。本来、趣味・特技は自分らしさを表すものの一つですから、素直にありのままを伝え、それを受け入れてくれる企業で働くのが理想ですが、面接担当者との相性もあります。趣味・特技を通じて相手が感じたあなたのキャラクターが社風に合わないと判断されることもあるかもしれません。けれども、「どんな担当者とあたるかわからないから、できるだけ万人受けしそうな無難なものを書こう」とばかり考えて、自分らしさを伝えきれないのはもったいないことだと思います。

ですから、履歴書の「趣味・特技欄」は、まずはアイスブレークの材料と捉え、特別なことを書くために頭を悩ますより、自分がリラックスして話せる内容を記入して、面接官とのコミュニケーションを楽しむくらいの姿勢でのぞむことを、オススメしたいと思います。
あなたに合う会社は必ずあります。がんばってください。

取材・文/浅田夕香
撮影/刑部友康

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