「特技」の見つけ方とは?就活生向けに3つのステップを紹介!

履歴書やエントリーシートにある「趣味・特技」欄。特技と聞いて思わず「何かすごいことを書いた方がいいの?」「自分には特技なんてない…」と悩んでしまう方もいるかもしれません。自己PRや志望動機の記入欄はなんとかクリアしたものの、少し毛色の違う記入欄に戸惑う就活生も多いのではないでしょうか?

そこで本記事では、リクナビ就職エージェントのキャリアアドバイザー・小林優子さんに「趣味・特技」欄に書ける「自分の特技」を見つける方法をうかがいました。

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プロフィール
小林優子(こばやし・ゆうこ)
キャリアアドバイザー。IT系ベンチャー企業で事務全般を経験後、2012年、株式会社リクルートキャリアに入社。学生向けのアドバイザーとして、就活に前向きになれない学生や自分に自信のない学生のサポートに力を注いでいる。

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企業が「特技」を聞く理由は?

特技を辞書で調べてみると「特に優れた技量、特別な技能」とあります(岩波書店『広辞苑』より)。一方、就活で言う特技とは、「自分が得意とすること」「自分自身が『できる』と自信を持って語れること」と理解すればよいでしょう。

履歴書やエントリーシートにある「趣味・特技」欄の内容は、面接で尋ねられることもあります。これは就活生の緊張をほぐし、面接でのコミュニケーションを円滑にするための、いわゆる「アイスブレーク」の役割を果たしている場合が多いようです。ですから、特技について「何かすごいことを書かなくては」と気負ったり、「こんなことを書いていいのだろうか」と不安に思ったりする必要はないでしょう。

「特になし」でもいいけれど、特技から人柄や強みをアピールできる

「趣味・特技」欄については、無理にひねり出して書こうとする必要はありません。空欄にしておいたり「特になし」と記入したりしても、それが直接、採用にかかわることはないでしょう。「何か書かなくては」と焦って、自分が得意とは言えないことを履歴書やエントリーシートに書けば、面接で突っ込まれたときに答えに困ってしまう可能性もあります。

ただ一方で些細(ささい)なことでも特技と言えるものがあれば、「趣味・特技」欄に記入しておくことで、企業にあなたの人柄や強みをアピールするチャンスは増えます。

また特技を発見することを切り口に、自分の長所を見つめ直すことができるかもしれません。そして新たな強みの発見や、自己PRのエピソードを増やすことにもつながっていくでしょう。

では、どのようにしたら自分の「特技」が見つけられるのか、その方法を3つのステップで紹介していきます。

履歴書を書く就活生のイメージ

Step.1 「趣味」から「特技」を探してみる

「特技が見つからない」という人は、まず趣味に近いことを思い浮かべてみましょう。筋トレや登山、読書や映画鑑賞など、思いつくもので構いません。特にこだわってきたこと、行動してきたことから特技が見つかるかもしれません。

例えば、過去に相談を受けた学生さんの中には、「日本酒に詳しい」を特技にしている方がいました。日本酒の魅力にはまり、さまざまな銘柄と味を覚えながら日本酒の紹介ブログを書いていたそうです。この事例のように、自己PRには書きにくい内容だけど、強みを知ってもらいたいと思ったときは「趣味・特技」欄に書いてみるのも一つの方法です。「自己PR」とは違う強みを特技として書いて、自分の強みがいくつかあることを企業にアピールできます。

たまに「競馬やマージャンなどを書いてもよいか?」と質問を受けることがあります。ギャンブルなどを特技とする場合、人事担当者によって疑問視されることがないわけではありません。ただ、「先を読んで戦略を立てるのが得意」など、特技の中で発揮している取り組みや姿勢、醍醐味(だいごみ)などを説明でき、自分を表現するのにふさわしいと考えるならば、思い切って伝えてみる方法もあるでしょう。

 Step.2 趣味がない場合は、日常生活の行動を棚卸しする

趣味のようなものが見つからない場合は、日常生活を振り返り、特技を導いていきましょう。多くの学生の日常は、「学業」「部活・サークル活動」「アルバイト」「自宅で過ごす(プライベート)」の4つに分けることができると思います。

以下の項目を参照しながら、行動を棚卸ししてみましょう。当てはまることを1から順に書き出して掘り下げていくと、思わぬ特技が見つかるかもしれません。

  1. 「学業」「部活・サークル活動」「アルバイト」「自宅で過ごす」のうち、最も時間を費やしている(費やしてきた)ものはどれか検討する
  2.  選んだ活動を振り返り、詳細を書き出す
  3.  「2」の中で、特に時間を費やしてきたことは何かを検討する
    (1日、1週間、1年間で最も時間を費やしていて、継続していること など)
  4.  「3」の内容について、始めた当初から現在までの変化(成長)した点を書き出す

「特技」を自己PRのエピソードにしたい場合、以下も一緒に考えてみましょう。

  • 何を意識して続けてきたか
  • 大変だったことは何か
  • なぜ、続けることができた(頑張れた)のか
  • なぜその時間が好きなのか
  • なぜそれが面白かったのか など

この棚卸しのポイントは、日常生活を細分化していきながら「費やした時間」という事実に着目して考えていくことです。時間をかけたことで起こった「変化」が、「特技」になっている可能性があります。

例えば、学校に入学してから一番時間を費やしてきたのが「アルバイト」だったとします。「お小遣いを稼ぐために、ただ淡々と4年間コンビニでアルバイトをこなしていただけ」という人でも、始めた当初と4年後とでは、なんらかの変化があったはず。「レジ打ちのスピードが上がった」「袋詰めの要領がよくなった」「人の顔をすぐに覚えられるようになった」など、自分の変化に注目してみましょう。自分の得意なこととして「特技」が浮き彫りになってくるかもしれません。

「学業も部活・サークル活動もアルバイトもやらず、ほとんど自宅で過ごしていた」場合は、自宅での過ごし方がわかるように、朝起きてから寝るまでの自分の行動を振り返ってみましょう。例えば、「ゲームに一番時間を費やした」という人は、ゲームが特技でもよいでしょう。夢中になっているゲームがあれば、さらに詳細を書き出して検討してもよいかもしれません。ゲームを特技とする場合、パズルゲームなら論理的に考えることが得意、家を建てるゲームならゼロからモノを生み出すのが好き、対戦型ゲームなら人とのコミュニケーションや共同作業が得意、というような自分の強みも見えてくる可能性があります。

 Step.3 あなたを受け入れて肯定してくれる人に相談する

「何もしてこなかった」「何も頑張ったことがない」と思っていても、さまざまな側面から行動を書き出してみると、案外いろいろなことをしてきた自分に気づけることでしょう。中には、「それでも見つけられなかった」という人もいるかもしれません。

自分一人で行動を棚卸しすることに限界を感じたら、親しい友人や家族に聞いてみるのも一つの方法です。自分では気がつかなかった特技が、周囲の人には見えているということも考えられるからです。特技は、あなたの強みや長所につながっています。相談するときはあなたを受け入れて肯定してくれる相手を選ぶとより効果的に特技を発見することができると思います。

「身近な人には相談しにくい」という方は、学校のキャリアセンターやリクナビ就職エージェントのキャリアアドバイザーなどに聞いてみるのもいいでしょう。相談相手との相性も大切です。相談している中で、理解してもらえない、話しづらいと感じたら、ほかのサービスを利用してみてもよいと思います。

就活で思うように結果が出ないと「自分自身に問題があるのではないか」と考え悲観的になってしまうことが多いのですが、そんなときには上述した方法で、これまで自分の経験してきたことを振り返ってみてください。

その経験は誰にも否定されるものではなく、確実にあなたの力になっています。
他人と比較する必要はありません。あなたの経験、強み、特技を必要とする企業に出会うまで、ひたすら前進し続けてほしいと思います。納得できる就活になるよう、心から応援しています。

「趣味・特技」欄の書き方のポイントは、ほかの記事でも紹介しています。

関連記事:履歴書・ESの「趣味・特技」に書くことがなくても悩まなくてイイ理由と書き方のポイント

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取材・文/笠井貞子


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